イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/07/09

俺物語!!:第14話『俺のジンクス』
前回に引き続き砂姉&織田のエピソードであり、遊園地デート真っ向勝負回。
織田の策略で二人きりになった砂姉が、思う存分ときめくお話でした。
いやー、井上さんスゲーわホント……。

このアニメはラブコメの定番パターンを上手く崩すことで独自性を出してるわけですが、今回の話はむしろ正面から定番に体当りしていく流れ。
画面はすごい勢いでキラキラし、女の子の顔は紅潮し、いいタイミングで邪魔が入る。
ブコメディ・コメディというメタな構造を持ってるからこそ許される、古臭くすらある流れ。
しかし定番が定番になるのはそれが有効だからこそであり、姉さんのキュンキュンが真っ直ぐ伝わってくるいい流れだったと思います。
それを引き継いで、主役カップルにもときめき御裾分けしてるのが、凄く上手い。

ここで言わないのも定番だと思いますが、凛子と姉さんの関係描写がとっても良いので、言えない姉さんの情けなさ・都合の良さにも巧くエクスキューズが入っている感じ。
いや、姉さん良い人すぎねぇ? と思わなくもないけど、ただの良い人ではなく臆病な人でもあるというのは、織田がかき回した結果見えてきた、キャラの影になってた部分だと思う。
凛子の肉食獣っぷりにしても、巧く仮面の裏側見せれていることがキャラの立体感に繋がっていて、すげー嘘っぽい舞台なのにお話は真に迫って胸に届くわけで。
そういう意味でも、やっぱ砂姉のエピソードだったなと思います。

策士・織田にしても、肝心なところで善人なので詰め切れず。
察しが良い砂が今回ケンに徹していたのも、根っこにある人の良さを見切っていたからなのだろうか。
真面目揃いのメイン勢にはいない良いトリックスターなので、話が煮詰まった辺りで再登場するんじゃなかろうか。

 

六花の勇者:第1話『地上最強の男』
公式ページを見ると勇者が多すぎるミステリらしいが、七人いるはずの勇者は一話では二人しか出てこなかった系ファンタジー。
かなりじわっと滑りだして、世界観や主人公&ヒロインの解説、前提条件になる勇者と魔神の宿命戦争などを丁寧に解説してました。
ファンタジーらしいハッタリの効いた風景や壮大な音楽で、期待感が煽られるいい出だしだったと思います。

サブタイトルになっている『地上最強の男』は別に正拳一発で地球を真っ二つに出来るわけでも、ブルース・リー宮本武蔵を2秒でぶっ殺せるわけでもなく、姑息な策略と暗器で立ち回るファバロ系男子だった。(神バハ大好きマン)
ただの自信過剰ではなく、自分の弱さを知った上でそれを詐術と機転で補うような青年だとイイなぁ……というか、ちょっといい所見せてくれないと、小狡い面がまだ出過ぎてる印象も有り。
でも牢屋で泰然自若と構えて体を鍛える姿は、心の強さが垣間見えて結構好きだな。
格子状の影を面白く使って、気候の変化や時間の経過を楽しませる絵になってて、あのシーンはとってもいいですね。

ヒロインであるナッシェタニアさんも相当いい性格しているので、癖のあるキャラクターがギクシャクしたり仲良くなったりというのを、今後楽しめそうね。
王族のしきたりに縛られずとっとと現場に走ったのは、姫様が規格外なのか、はたまたそんなことしている余裕もない緊急事態なのか。
そこら辺の説明は、今後に期待であります。


そんな勇者と聖者が走り回る世界は、なんとマヤ・アステカ系というレアな素材。
鮮やかな色彩のコントラストが目に突き刺さり、『異世界にどっぷり肩まで浸かれよ!』というスタッフの気遣いを感じる。
赤と白のコントラストが眩しいピラミッドとか、アホみたいなスケールの湖に作られた牢獄とか、『これから何かドすげぇ事起きるから! 勇者と魔神だから!!』というワクワク感を煽ってくれて、非常に爽快。
モブの服装や武装なんかもデザイン凝っていて、画面見ているだけでお祭りめいた高揚感が生まれるのは、とっても良い。
やっぱ異世界を舞台にする話は、キャラクターのひとりとして世界一つがニョッキリ立って欲しいわけですよ。

戦闘演出も真っ向からチャンチャンバラバラではなく、目眩まし有り不意打ち有りの変則バトルを、ぐーるぐるカメラ回しながら描いていた。
戦闘をパノラマで見せることで、一対多の状況を説明しやすくしてんのかな、アレ。
牢獄で喋ってる時もクイックなカメラの動かし方していて、なかなか面白い映像見せてくれて嬉しいアニメです。
あといまいち共感できない卑怯な勝ち方した主人公が、キッチリ腕折られてボッコボコにされる始末の付け方はフェアでいい。

全体的にゆったりとした出だしでしたが、ちゃんと興奮できる要素、今後に期待が高まるポイントが多数用意されていて、ぐいっと引き込まれるスタートでした。
今後残りの四人(五人?)の勇者と出会うことで容疑者全員集合となり、ミステリとしての土台が出来上がる感じなんでしょうかね。
その前に主人公と彼が駆け抜けていく世界をしっかり見せてくれたのは、ファンタジーに入り込むための準備を整えてくれている感じで、見ていて気分良かったです。
胸躍るファンタジーの部分も、今後展開されるミステリの部分も両方きになる、素敵な第一話でした。