イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

デュラララ!!×2転:第16話『人の噂も七十五日』感想

しばらくキャラ個別エピが続いている池袋奇人列伝、今回は平和島静雄と女と女と池袋の中。
シズちゃんがロシア製の殺人機械と、頭のネジの外れたロリヤクザと、頭のネジの外れたレズ姉妹に好かれる話でした。
モテ話のはずなのに、本当に嬉しくねぇのは相変わらずだ。

シズちゃんは人間の形をした怪獣というか災害というか、規格外のパワーが邪魔をして人間扱いされないことに苛立つキャラでした。
しかしこれまでの様々な抗争で鬼札扱いされつつも色んな経験を積んだ結果、人外魔境である池袋の中で自分の位置を見定め、それなりに充実した人生を送り始めている。
ここら辺、孤独な怪物になろうと頑張ってるイザヤとは正反対ですね。
となれば元怪物として、池袋に蠢く頭のネジの外れた女たちの気持ちがわかるシズちゃんがモテるのも、まぁ道理でして。
正直全然羨ましくないハーレムですが、あのシズちゃんが後輩に人道を説けるところまで成長した話としてみると、なかなか感慨深い。

そんなシズちゃんを鏡にしてキャラが掘り下げられたヴァローナは、未だ怪物的心象を崩してはいなかった。
なんか大きな事件が起きると、その並に任せて心理的状況も大きく前進するんだけど、転になってから展開地味だからねぇ。
今回はいわば、敵役の椅子から転げ落ちたヴァローナが今どういう状況で、これから起きる変化の前準備がどうなってるのか見せるお話、といったところかしら。
シズちゃんが人間的に成熟しかけているということは、単独でお話が回転可能なポテンシャルが減りつつあるってことでもあって、コンビ打ちで回すのは悪くない。
ヴァローナにとって『人間化した元怪物』平和島静雄が鏡であるように、シズちゃんにとっても『人間化しつつある怪物』ヴァローナは、いい鏡なんでしょう。

そんな二人を軸に、久野声のロリがスタンガンを迷わずブッパしたり、キチガイ姉妹が催涙スプレーを迷わずブッパしたりするお話だった。
池袋の声が満載された今回は、普段主役になりがちな人外からちょっとカメラを引いて、一般人が彼らをどう捉え、どう対応されているのか見せる回だったのかもしれん。
名前ありの登場人物は、ちょっと人外と気楽に付き合いすぎる感じもあるので、フツーの視線を描いておくのは刺激慣れしない意味でも大事かも。
……本当に一般人なら、あからさまに怪物な静雄にちょっかい出すなよという意見は黙らせておく。
怪物と元怪物の今が見えてくる、落ち着いた良い回だったと思います。