イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

Go! プリンセスプリキュア:第25話『はるかのおうちへ! はじめてのおとまり会!』感想

追加戦士の販促プッシュタイムはまだまだ続く! というわけで、今回のトワ様お世話係はみなみパイセン。
世間知らずのお嬢様という共通点と、一歳年上というアドバンテージをフルに活かし、夏の古都を舞台にたおやかな空気が舞い散っておりました。
バカンスに浮かれるみなみさんの描写とか、夏の夕暮れのムードとか、地味にはるかのオリジンを紹介する手際とか、必要な物がみっしりと詰まった回だった。

みなみ先輩は登場した時から導き手の立場にいまして、はるはるが比較的手がかからなくなった今、PTSD患者であるトワに構うのは、むしろ当然と言えます。
自分も慣れない庶民のバカンスを『夏休みの体験ね!』と積極的に楽しみ、トワを引き込んでいるあたり、生まれついての人格強者だなぁこの人と思いました。
はしゃぎつつもトワの変化はしっかり見ていて、悪夢に苛まれたら団扇で仰いであげるあたり、ケア力も超高いし。
今更ながら、ほんとに中学二年生なんですかねこの人。

そんな完璧さを巧く崩しているのが、はしゃぎ過ぎはじけ過ぎなポンコツ描写。
スーツケースを巧く作ったネタの作り方は、三つ目を見せない所も引っ括めて、一服の笑いとしてクオリティ高かった。
先輩キャラが崩壊して頼りがいがなくなる程は崩さず、親しみが生まれる程度には敷居を下げる塩梅の巧さは、初期からずっと継続してますね。
前回はポンコツ×有能の対比で話を作ってましたが、今回はポンコツ×ポンコツの相乗効果でも笑いと流れを生んでいて、色んなパターンあるなぁと関心です。


そんなみなみパイセンに導かれ、また一つ心の重荷を下ろしたトワ。
みなみさんの徹底したケアだけではなく、前回心をつないだきららとの気軽な絆がかいま見えるシーンもあって、エピソードの蓄積を感じます。
二人共トワの心の傷を感じ取る能力と、共感していることを伝える能力、それを解消する手段を思いつき実行する能力に長けており、優しさと器用さが両立しているあたり、つくづくメンター気質よね。
導くみなみ&きらら、導かれるはるか&トワという基本構造がハッキリしていることで、それが逆転して『負うた子に教えられ』状態になった時の気持ちよさもあるという、いい作りだと思います。

トワがあまり接点のないみなみとの垣根を飛び越える助けになっていたのが、雰囲気のある夏描写。
主に夕暮れメインで進め、風鈴や蝉の声、逢魔が時の色彩などなど、五感に染み入る演出が活きていました。
前回の泉もそうでしたが、ムードのある風景が作れると、心が寄り添うあう展開に説得力出ますね。
……線香花火の露骨すぎるモチーフも、前回譲りかな?

じっくりと空気を作った上で名前呼びをキメるのも、カタルシスがあって凄く良い。
丁寧に描写された二人の関係の変化は、多分今後のお話の中でも生きてくるはずでして、発展性のあるいいエピソードだったと思います。
トマ周辺のエピソードは必要なことをしっかりやった、仕上がり良いの多いなぁ……とか思ったけど、ベーシックなところ抑えて話のクオリティ上げていく作りは、このアニメ全体の美点な気もする。
トワという話の軸を手に入れて、地金の強さが生きてきてるって感じかしら。


あ、遂に前線に飛び出した愛の戦士シャットさんは、流れるような手際で戦闘準備してて素晴らしかったです。
『う……美しい……ハッ!!』とか言い出したんで、フレッシュの西さん的ベビーターンを決めて生存か、『トワイライト……せめてその胸の中で』と言いながら死ぬか、余談を許さねぇ。
……敵に回っても愛と美を感じる対象がいるって、絶望の幹部としては既に失格じゃねぇかな、シャットさん。
なんとか生存して欲しいもんです。

はるかハウスの描写がされてましたが、福沢祐巳バリの自称庶民っぷりであり、選ばれるべくして選ばれた感じもある。
家族のフレンドリーさが庶民的とか思ったけども、財閥の後継者にしても世界的デザイナーにしても、みんな気さくでいい人だしなぁこの世界。
純和風な所がプリンセスと相容れない……のか?

叙情的な風景描写に後押しされ、細やかに関係を積み上げて接点を強烈に作る、見事なコンビ回でした。
こうやって印象的なエピソードを積み重ねると、新キャラがすぐさま溶けこむのでとってもグッドですね。
プリキュア二人は担当会が終わったので、次回は妖精のターン。
プリプリの獣共は健気で可愛らしいので、そこが強化されるお話だと嬉しいなぁ。