イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

・プリパラ:第59話『はれときどきガァルル』感想

夏の終わりには怪獣映画! というわけで、ガァルル編はモンスターパニックの渦中で、母と子が絆を取り戻す感動巨編でした。
怪獣って天気なのかとか、システムは相変わらず融通効かねぇなとか、圧力に屈して大漁旗に差し替えた後に水着回かよとか、言いたいことは沢山あるが、プリパラらしい良い話だった。
ファルル&ガァルル親子だけではなく、そふぃまで成長させてるところとか欲張りで良かったです。

子供向けのオブラートに包みつつも、人生の苦味をお出しするプリパラのスタイルは、プリリズ時代から継承されています。
今回は負の想念から産まれたが故にあらゆるモノに噛み付くガァルルと、そんな子供に疲れ果てたファルルの姿が、よく調整された苦味だった。
ガァルルの闇は前回想定されてたけど、ファルルの育児ノイローゼはショックだったなぁ……三ヶ月前まで真似っ子ロボだった子が、しっかり母親になってるのは心動いたけど。
あとアロマゲドン、お前ら育児相談室やるのはいいけど、あんま役になってないんじゃないか?
……大事なのは思いつめずワンクッション置く事であり、怪獣大暴れで大興奮してたのは、なんだその……小学生だからしょうがねぇ。

ガァルルはミニ怪獣として大暴れし、周囲に迷惑をまき散らすわけですが、そんな子供でも諦めず付き合い続けた結果、レッドフラッシュの奇跡が起きたわけで。
『人付き合いに見返りを求めるな。相手を受け入れてから結果が出る』という超真っ当な結論を、怒涛の笑いで押し流しつつ叩き込んでくる当たり、プリパラの女児アニ力ってやっぱ高いと思う。
自分の言葉を手に入れてからは、しっかり謝れるようになってたり、憧れを見つけたり、ひねくれ子供の生き直し話として、良く出来てたなぁ今回。
そんな子供に寄り添う、ファルルお母さんの子育て奮戦記としても。


親子関係の進展に挟まれる形で、そふぃの小さな一歩が描かれていたのも、今回良かったです。
二年目になってゲストが増えた関係で、メインアクターたちの個別エピソードは少なくなっている印象。
ですが、こういう風にクローズアップしてくれると、やはり満足度が上がる。

特にそふぃは出だしが低いところからはじまる分、まだまだ伸びしろのあるキャラなので、今回彼女が辿った的確な旅路はとても良かった。
出来ないガァルルの痛みを想像できない段階から、手を噛まれて痛みを知り、体を張ってガァルルを守り(すぐさまぷしゅーってなる所が、キャラの限界をしっかり守ってる感じがしてよかった)、弱さを受け入れる強さを伝える。
レッドフラッシュとか天気:怪獣とか、キチガイ力満載な流れなので見落としがちですが、こっちの話もやっぱり王道を丁寧に踏破していて、説得力のある展開でした。

今回は怪獣映画をオマージュしたお話だったんですが、演出面でもしっかり定番の絵作りを入れてきて、手を抜かない遊び心が気持ちよかったです。
潰れるアンテナ、揺れるビルディング、飛び立つヘリコプターに逃げ惑う群衆。
ジャンルオマージュをやる時は、しっかりとコアになる絵をつくり込んで見せると、グッと面白さが跳ね上がるなぁ。

そして怪獣騒動に対応するシステムサイドの動きが、いろいろ不穏すぎていつも通り。
ちょっと暴れただけでかなりの大惨事を引き起こしていたガァジラ、一体何のために製造されてたんですかね……。
あと丸太な……彼岸島かよ。

そんなこんなで、夏のファルル祭りは大満足で終わりました。
僕はあの子好きなので、ガァルル共々成長した姿をしっかり見せてくれたのは嬉しかった。
来週は水着回ですが、普通に進行なんぞしないよなぁプリパラだし……。
それにしたって、BPOからの苦情に『大漁』で答え、文句が来た片紐外しは意地でもズラさないロックな魂は流石だ。