イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

コメットルシファー:第4話『嵐』感想


星の命運を背負った少女と少年が出会う時、冒険が始まる! ということは特になく、台風対策して家が壊れ、バーベキューして家が壊れ、イヤイヤ期を幼女が乗り越えたら悪漢にさらわれるアニメ、第4話。
少女の異能力は主に、野菜の収穫を"音楽ファンタジー・ゆめ"みたいな絵面で行うために使われます。
この壮大になりそうで全然ならない感じ……"絶対防衛レヴィアタン"だな、うん。

今週でこのアニメの受け取り方が分かったというか、自分が過大な思い込みを持っていたことに気づいたというか、そういう感じのお話だった。
謎の力を秘めた石! 夢を持ったゴーグル少年! 幼馴染!! ファンタジックな町並み!! 空から降ってくる幼女とロボ!!!
要素はとっとと冒険が始まりでっかい話がゴロゴロ転がりそうなオーラをまとって入るものの、根本的にはコンパクトなお話なのだ。
なので、ソウゴたちの擬似家族感や高くて多層的な町並みといった、手の届くところの描写に重点されてるし、そこを楽しめば良いのではないか。

と思っていたら、フェリアが拐かされ、来週は冒険の旅に出発らしい。
確かにたっぷりと時間を使って家族描写を入れた分、ソウゴの奪還モチベーションは強いし、かわいいフェリアを助けなイカン!! という視聴者とのシンクロ率も高い。
のだが、ちょっと独特のテンポ過ぎやしねーかというか、こういう展開になるならもうちょっと水気を絞って、街の外に出るのを早めても良かったんではなかろうか。
背景美術が良いので、異国感のワクワクというか、冒険に出たくなる世界構築には成功してるんだし。

敵さんのチームガスも、悪い奴らなのかトンチキおとぼけ三人組なのか、間合いを図りかねる立ち回りで描写されていた。
フェリアをビビらせるために壊すのが人間ではなく『フェリアがみんなのため、大切に家に運んだ植木鉢』なところが、このアニメの独特さをよく表現していると思う。
能力を乱用しがちなフェリアが自分の手で運んだっていう成長の描写とか、地面に足ついてて好きなんだが、超越的オーラを放っているキャラデザと設定と、絶妙に噛み合っていない。
そして、その噛み合いの悪さが奇妙なテイストになってしまっていて、嫌いになれないというところも引っくるめて、独特のアニメだ。

そういう不思議さを狙って出しているのか、天然発酵の産物なのかはサッパリわからないものの、『そういうものなのだ』という受け入れ姿勢は自分の中で整えられたエピソードでした。
この奇妙なテイストが破綻せずに済んでいるのは、フェリアを核とした擬似家族描写の無邪気さと透明感のおかげだと思うので、そこに注力しながら4話使ったのは、正しいといえば正しいのかなぁ……。
正直よく判んないアニメだが、実際嫌いではなく、全肯定できるほど一点突破で押し切るわけでもない。
不思議なアニメだ。