これまでイタリア一本槍で進んできた日伊共同製作アニメ、21回めは日本に出張!!
面白い声と顔をしたコメディアン探偵をゲストに迎え、トンチキJAPANでコミカルに追いかけっこをする、肩の力が抜けた回でした。
不二子を助けに行く導入から狂言が挟まり、気付けばルパンを不二子が助ける逆転がスムーズに決まっている所は、2015らしい捻り方だ。
今回の主役はなんといっても奇妙な日本という舞台そのものでして、ガイジンが作った嘘日本ほどぶっ壊れてないけど、日本そのものほど地味じゃない、ちょっとノスタルジックな塩梅が良かったです。
ビジュアル的なケレンが効いた旅館内部での捕物やら、温泉街をタンクが駆け抜けていく絵面やら、キッチュで可愛かった。
全体的に"風魔一族の陰謀"へのリスペクトを感じる、懐かしくて面白い日本でしたね。
話の筋の方は単純なので、間を持たせるためにはアクションの切れ味が大事なんですが、セッティングの妙を活かした見せ場の作り方を楽しむことが出来ました。
迷宮のような旅館を駆け抜けていく時の軽妙なアスレチックとか、まさかのタンクがジャンプで決着するカーチェイスとか、ドタバタ元気で良かった。
大量のモブがどんどんドタバタに巻き込まれていく雪だるま式のアクションも、やっぱ"風魔一族の陰謀"の気配を感じたなぁ。
お話の方は不二子が格好良く主役を張る話でして、徹底的に不二子をDisる明智先生の仕事もあって、綺麗な収まり方。
第5話では魔性の女の部分を強調されていたので、今回強かでタフな女怪盗としての部分を軸に据えたのは、良い割り振りだったと思います。
温泉射的みたいなルックできっちり自分の仕事だけして帰る次元の、ワンポイントの使い方も良かったな。
2015のとっつぁんは常に有能なので、油断したり不用意に口を滑らせたり、明らかな失策を犯すマヌケな役目はしにくいわけですが、そこら辺は明智先生が全部やってくれました。。
わざわざエピソードゲストを用意して、お話しの調整役をやらせたのはグッドだ。
話全体がテンポの良いコメディに仕上がっているので、明智先生のうわっ付いたキャラもしっくりハマるしね。
佐藤せつじさんの、ちょっとクセのある声が良いスパイスになってたと思います。
というわけで、舞台を日本に移す理由がある、エキゾチックでノスタルジックなドタバタコメディでした。
こういうスラップスティックなアクションコメディの楽しさもまた、ルパンシリーズの楽しさの一つであり、忘れずちゃんとエピソードに仕上げてくれたのはとても嬉しい。
前回『車』メインの話をカーチェイスなしのしっとりとした展開で流して、今回常時話しが転がり続けるアクティブな話がやってくる『配置するの妙』は、2クールオムニバス独特の魅力ですな。
そういう所引っくるめて、やっぱ良いシリーズだよなぁ、2015。