イマワノキワ

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アクティヴレイド -機動強襲第八係-:第8話『アルティメイドロンド』感想

機械仕掛けのあぶない刑事、今週は面倒くさい男と面倒くさい女の痴話喧嘩。
第4話でちらっと顔見世していた瀬名くんの昔の女が本格参戦し、サッパリしたできる女かと思いきや、超捻くれた本性をさらけ出して瀬名くんとキャイキャイするお話でした。
一応警察と自衛隊の縄張り争いとか、各キャラクターの細かい心情とかも見えてくるんだけど、メインはまぁ変態カップルの鞘当てだった……スゲー井上脚本力を感じるな。

元々登場人物の年齢高めのお話なんですが、今回の話は青臭い恋が屈折に屈折を、発酵に発酵を重ねた結果非常に面倒くさくなる過程を丁寧に追いかけており、青年以上おじさん未満のお年ごろの面倒くささが、良く出たお話となりました。
完璧を是としながら、愛ゆえに完璧でいられない自分を嫌悪して別れてしまったけど、でも好きで仕方がない女。
なのでワインぶっかけられても、無茶苦茶な理屈で振り回されても、謝らせたい性癖を現場で発露されても、ついつい受け止めてしまう。
凡河内さんの面倒くささが目立つけど、瀬名くんも相当なもんだよな。

第4話ではクールでスマートに見えた凡河内さんだけど、ウィルウェアを脱ぎ外面を外したらこれがもうド変態のクッソ面倒くさいアマであり、『若き女性自衛隊幹部ってそんなにストレスかかるの……?』と、顔を覗き込みたくなる位だった。
でも仕事のストレスとかそういうの抜きで、完全に性癖と性格歪んでるだけだよな、あのやり取り。
なんだかんだ好きあっている上に凸凹のハマり具合も良いんだから、お互い素直に慣れれば万事解決なんだけども、なかなかそうはいかない恋心模様が愉快に描かれていて、面白い話でした。
キラキラした初恋ではなく、一度折れてねじ曲がってなお燃え上がる青春の残滓をテーマに選ぶ辺り、このアニメらしいひねくれ方だ。
うむ、面白い。


クッソ面倒くさい人が粘度高めに絡んでくれたおかげで、恋以外の部分でも色々見えた気がします。
色々文句言いつつもダイハチに愛情と誇りを持ってる瀬名くんとか、酒に酔っ払って相棒を褒める黒崎さんの素直さとか、すっかりスパイ的立ち位置と意識高い系喋りを忘れてダイハチに馴染んでるあさみちゃんとかね。
本音が出ると人を褒める男二人の性根の綺麗さは、俺相当好きだなウン。
今回ウィルウェアによる犯罪というメインテーマをあえて真ん中から外して、粘っこい人情一本槍でお話を組み立てた結果、ディープな人間性が描写できてた気がする。

レーザーセンサーを避ける曲芸とか、落ちてくるボールを華麗に受ける所とか、アトラクションみたいな爆弾解除も面白かったけどね。
露骨に殺意のない茶番なんだけど、それゆえに純粋なアクロバットを楽しめるというか、二人のウィルウェアの動きが高度なサーカスみたいでよかったな……普段実践的で荒々しい動きばっかなので。
あのおもしろ障害を一体誰が仕掛けて、誰がデータを引っ張ってたかてのは協会さん同様気になるが、これもロゴス絡み、はたまたもっと大きな黒幕関係なのか。
そこら辺は後半戦で明らかになるかね。

そんな感じで、恋の曲道くねくねを面倒くさく歩き続ける、半分大人のラブストーリーでした。
装着ヒーローモノの看板を背負いつつ、こういうネトっと面倒くさい話をねじ込んでくる辺り、ほんと面白い角度からお話作ってるアニメだ。
一見デキる大人のようでいて、まだまだ感情に振り回される青臭さが全面に出てて、こういう半生加減がこの後『正義』に対しても出てくるだろうなぁと、予測と期待が出来る話だった気もしますが、それはこれからの話運び次第かな。
来週はロゴス本格機動っぽいので、ダイハチがどんどん追い込まれていくでしょうし、今回見せた彼らの青さがどういう輝きを見せるのか、楽しみに待ちたいと思います。