イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プリパラ:第119話『ほら~!ハロマゲドンにゃ』感想

少女たちの青春のフレアを電子の幻想に焼き付けるVR幻燈記、今週は第68話以来51話ぶり、三度目ののんたん。
年に一度だけ邂逅できるレアキャラと一緒に、元気いっぱいにハロゥインを楽しむエピソード。
とは言うものの、話の軸はどっちかと言えばガァルマゲにあって、構造としては第96話に近い話でしたね。
色んなキャラがワイワイやって楽しい、プリパラらしい回でした。

ここ最近ノンシュガーとジュリィ・ジャニス周りの本筋が元気だったので、特定キャラに焦点を合わせずのんびり展開するエピソードも久しぶり。
ハロゥインというお祭り騒ぎと合わせて、サブキャラ含めて色んな連中が跳ね回る元気な回でした。
トンチキで濃いキャラがたくさんいるということがプリパラの豊かさでもあるので、一瞬の出番でも顔を見せてくれると、なんだか得した気分になるね。
こういうのはメインをしっかり据えて掘り下げてる時にはやりにくい見せ方なので、祝祭エピソードだけに可能なご褒美といえるかもしれん。

チーム単位でダンジョンを潜っていく中で、最近薄めだった三人組の描写が太かったのは、非常に良かったです。
毒舌撒き散らしつつビビりなドロシーを圧倒的お姉さん力で守るシオンとか、ゆるふわムードで楽しく進んでいくソラミとか、メインチームには独自の魅力がやっぱあるなぁと再確認できました。
そういう枠を超えて個性が混じり合うのも面白いけども、ホームにはホームの安定感と魅力があるわな、やっぱ。

色々クローズアップされつつ、一番目立っていたのはお騒がせ小学生部隊・ガァルマゲドン。
既存の秩序にはとりあえず反抗し、手書きタロットを有効に使ってイベントを悪魔色に染め上げるやりたい放題っぷりは、彼女たちらしいワイルドさに溢れていました。
ひとしきり大暴れしてお話をかき回した後、きっちりシステムに咎められるのもガァルマゲエピの定番。
みんなでイタズラしまくって、みんな一緒に叱られる所までひっくるめて等身大のマブな小学生っぽさがあって、そういう悪ガキな弾ける元気と友情が彼女らの武器かな、とか思いました。


横幅広い分、いかにも『イイハナシ』的な判りやすいイベントはなく、年一しか出番ないのんたんもガッツリドラマを背負うというよりは、リリーフ登板のような使われ方でした。
これまでは『ホラーの似合わないホラーキャラ』という属性を崩すことなく、小さな一歩を小さく積み上げてきただけに、ガァルマゲのパワーに押されてイベント管理者の座を追われ、あんまり大きく点数を稼げない展開はちと残念。
ガジラVSハシビロコウは、最終的に『コワかわ』が勝ったと言えなくもないが、どっちかと言えばそふぃの手柄っぽく見えるしなぁ。
コーデも手渡して、ここがのんたんの到達点、ちう事なんだろうか?

先のことを見据えると、のんペッパー+ウサチャの関係が結構安定してきてることと、ちりの拒絶反応が収まんないことは、なかなか面白い描写だった。
最後の神GPが迫る中、ノンシュガー結成に説得力を持たせるためにはなんか大きなイベントが必要で、ペッパー周りは色々工夫して整備し、後はちりを攻略すれば行けそうという状況まで持ってきたのは、『ネタに隠した安定性』というプリパラらしさだ。
ペッパーは『なんでも食べたがる野生児』という濃いキャラを全面に押し出しつつ、『結成したらウサチャを食べる→結成するまではウサチャを守る』という風に話の都合を飲み込ませ、プリパラの黄金律である『友情』に篤いところを見せ、過剰に暴走しないよう制御もしています。
割りとワチャクチャした今回でも、ちゃんと見せ場を回していたこと含めて、ノンシュガーは三年目らしい計画性を強く感じるな。

ガァルマゲとソラミのWステージだったが、曲自体は新曲ということもなく、メイキングドラマも既存のネタ。
とは言うものの、ソラミがお化けを召喚すると『ああ……一年経ったな……今年もプリリズADでカネかけ過ぎたCGモデルの減価償却の季節だな……』という気分になるので、懐かしい曲も悪くない。
衣装はヘソ出し脇出し足出しの刺激的なコーデで、小学生にしてセクシーを武器として乗りこなすプリパラアイドルはリブってんなと今更思った。
永遠に幼い彼女らは、性的である以前の段階で個性的なのだろう。

あ、書き忘れましたが今回のあじみはネタがコアで非常に面白かったです。
"死神のカード"から中世美術の"ダンス・マカブル"と"メメント・モリ"に繋ぎ、ニコラ・プッサンの"アルカディアの牧人たち(エト・イン・アルカディア・エゴ)"に広げて"ダ・ヴィンチ・コード"からダダダヴィンチなあじみまで貫通させるイメージの奔流は、衒学の空中三回転捻り過ぎて面白かった。
あじみの言を拾うと、『プリパラ=アルカディア』という言い換えが成立してて、電子の楽園を肯定的に描く作品に相応しい戯れだなぁと思いました


そんなわけで、本筋の合間の箸休め、みんな出番だ元気に行こう!! という回でした。
しっかりとブレない中軸を定めて本筋を掘っていく展開もいいけど、色んな個性を持った『みんな』が気楽に楽しく暴れまわるのを見ているのも、プリパラ独自の楽しさだなぁ、やっぱ。
一年にここでしか出番がないらんたんは、もうちっと目立ってよかった気もするは、そうすると『みんな』の話ではなく『らんたん』の話になっちゃうのかな……悩ましいな。

来週はカメラをノンシュガーに戻し、色々面倒くさいちりを攻略するエピソードになりそうです。
ノンシュガーの三人はいい具合に付かず離れず、くっついたら面白くなりそうな期待を煽りつつ話を積み上げてこれたと思うので、決定機となりそうな次回は非常に楽しみ。
アイドルとしての月川ちりと絆を深める回なのか、それともプリパラ内外の人格分裂まで一気に解決してしまうのか、進め方が気になるところですが、さてはてどうなることやらですな。