けものフレンズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
パンドラの箱が開き、戦争がジャパリパークに開放された。プロメテウスの火の悪しき顔、エリスの支配する復讐の野原。
とはならず、不本意ながら始まってしまった『せんそうゴッコ』をどう収めるか、軍師かばんの知恵が炸裂するのどかなお話。
だらけた賢王・ライオンにとっとと出会わせることで、戦争全体を覆う構図をとっとと見せ、視聴者を安心させる作りがありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
やっぱ僕は、あの子らが目ン玉三角にして殺し合いとかはマジやめて欲しいわけで。血気盛んな連中も、根っこはフレンズという描写が多々あって、気を使ってくれている。
これまでも様々な難事を解決してきたかばんちゃん≒ヒトの特性『知恵』だが、今回は軍略という形で炸裂。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
スパイ、おとり、分断作戦に防御専念と、様々な技芸を駆使し、猪突猛進ヘラジカ軍を勝たせるお手伝いをする。ヒトは集団で、効率的な狩りをする動物でもあるのだ。
今回の戦いは勝敗が操作された一種のフォニーウォーであり、強者であり勝者であるべきライオンは、とっとと負けてゆるく生きたがっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
かばんちゃんは戦争の神としてヘラジカ軍に加勢するが、その実態はライオンが願った平和の使者であり、負けるために戦っている。不思議なねじれだ。
このねじれは最後で更に一捻りされ、ライオンは約束された敗北を放棄し、ヘラジカと本気で向かい合うことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
それがネコ科大型動物の闘争本能なのか、ヘラジカなりにまっすぐ勝利を目指す気持ちに当てられたのかは語られない。
彼女は闘うことにした。闘争にはそれだけの意味があったのだ。
第3話辺りから明瞭になってきたのだが、かばんちゃん最大の能力は『組織化』であり、フレンズとフレンズを適切に繋ぎ合わせることだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
カフェ復活の狼煙となった地上絵も、ログハウスも、集団作業によって生まれ、共同体の繋がりを加速させるモニュメントとして機能する。
目の前の状況に対処するだけでは乗り越えられない困難を、かばんちゃんは知恵と想像力で先読みし、フレンズの特性をより効率的に使う手段を考える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
防御力の高いサイとアルマジロにはガードに専念させ、カメレオンの色彩変化能力はニンジャに最適だ。情報を集める役、囮になる役、役割分担という概念
そのうえで、今回は想像力が持つ弱点も描写されていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
百獣の王という一般化されたイメージを演じるライオンを前に、かばんちゃんは恐れおののき、一歩も動けない。
想像力があればこそ、自分が食われて死ぬ未来を予見してしまうのだ。それは第1話の『狩りゴッコ』から変わらない。
夢によって増幅された死の恐怖は、防衛のための先制攻撃を生み、反撃が加速して戦争が生まれる。不和と憎悪が増幅され、たくさん死ぬ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
人類史につきものだったこの流れを、フレンズは持っていない。闘うのは(食事やクラフトと同じように)ただ楽しいから。誰かがけがをするのは、楽しくない。
囮をヘラジカと思い込み、自分の攻撃で致命打を受けたと誤解したオーロックスは怯え、謝る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
それは未来を想像するかばんちゃんのイマジナリーとはまた違う、現在を誤解する動物の想像力だ。そこに時間的伸長はないが、他人の痛みを慮り、謝罪し闘争をやめる優しさがある。
人間の知恵によって歩みを止めていたかばんちゃんの手を引いて、状況を動かしたのは、いつものようにサーバルちゃんだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
そんな彼女も、合戦場では言われるままに囮役をやり、計略を生み出しはしない。それはかばんちゃんの『凄い』なのだ。
『私達はいいコンビ』
確かに、全くそのとおりである。
今回も動物描写はキレッキレで、北米最強とも名高いムースの脳筋っぷりとか、サイがスタミナ無いところとか、カメレオンの色彩変化に時間かかるところとか、ハシビロコウさんめっちゃ見てくるところとか、『女の子の形をしたけもの』の面目躍如であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
猫ちゃんズが爪とぎで仲良くんなる所、最高ね
妙にチャンバラ描写にリキ入っているのも面白くて、サイが脇構えしたり、ライオンが下段に取ったり、ちゃんと構えてから斬り合うフレンズが面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
あからさまに低予算でへにゃへにゃなんだが、こういうところで頑張ってくれるので、あばたもえくぼ、欠点も愛嬌になっているのだろう。
じーっとかばんちゃんを観察し続けたハシビロコウの知恵は、遂に『かばん=ヒトのフレンズ』という真実にたどり着く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
この優しき愚者の楽園を生み出しただろう人類が、どこから来てどこへ言ったのか。かばんちゃんは『地球最後の女』なのか。
グイと次週に引っ張り込む、良い引きであった。
人類を霊長という高い位置に押し上げ孤立させるのではなく、ライオンのようにフレドリーで、知恵を皆のために使える善き王様とするのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月14日
はたまた、ヒトもまた様々な強さと弱さを持ったフレンズの一人として描くのか。
遂に図書館、世界の終わる場所にたどり着く二人の物語。
来週も楽しみである。