ツインエンジェルBREAKを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
優しい嘘で取り繕われていた日常が、ついに破綻する。幾重にも重なった嘘の一部が壊れ、むき出しになった真実を前に少女は悩み、それでも前に進む。その奥にさらなる秘密が待つとしても。
メインと並走してお兄様がガンガン秘密を掘り下げる、金田一耕助パロ回。
ツインエンジェル&トゥニエイツの運命の双子編と、メアリ&お兄様の如月神社謀略編が交わることなく進む今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
メインは前回から引き続き、双子と双子の交流、双子内部のすれ違いである。アホバカやりつつ、エモくてナイーブな部分には嘘がないところが、このアニメの強みだ。
二組の双子はとても似通った構造を持っていて、無垢なる光に進んでいくもの(めぐる&ヴェール)と、賢さ故に足を止めるもの(すみれ&ヌイ)がそれぞれ惹かれ合いつつ、二重三重の秘密が邪魔をする、という形。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
足を止める側も悪意や臆病でそうするわけではなく、愛と賢さ故に切り出せないのが良い。
めぐるはバカなので物事を俯瞰で見ることは出来ず、自分の感情だけを頼りに進んでいく。なので、ヴェールがロボだったことは問題ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
ヴェールにとっても、迫害された過去を背負ってなお、めぐるは信頼に値する、仲良くなりたい相手だ。異形であることは二人にとって問題にならない。
二人が心配であるがゆえに、秘密を隠してブレーキをかけるすみれとヌイ。物事を俯瞰で見る賢さを持っているわけだが、それゆえバカが超えられる一線の前で立ち止まってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
なかなか上手いのは、足を止めてくる秘密が二層になっていることだ。ロボと敵対関係。仲良くやるには重たいネタだ。
足首狙いの攻防が確信の決め手になるのも、初手では引っかかったヌイが対応策を見つけてくるのも、クールな二人の魂の交流として好きな描写だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
マグロ解体したりアイドルやったりしつつ、悪の幹部としての実力にはほころびがないのが、ヌイの描写に緊張感を与えている。
重い設定と展開をはらみつつ、ツインエンジェルは基本愛と希望の物語。なので、世界律的に見ると陽気なバカ達が正解に近い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
わけだが、陰気に下を見続けているクレバー勢が間違いかというと、そうではないと思う。ふたりとも、大切な人が取り返しのつかない傷を負うのが心底嫌なのだ。守りたいのだ。
賢いがゆえに不器用で、言葉を見つけられないすみれ&ヌイの陰りを丁寧に追うことで、『まぁ想いがあるんだし、なんとかなるんじゃないの。つうかなれ』と感じる足場も生まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
健気なヒーローには報われてほしいものだ。その現れはキャラによって、物語的役割によって違っても、みな善人なのだから
『トゥニエイツはロボである』という秘密は表面化し、共有され、突破された。しかし『敵である』という秘密はまだ隠されたままだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
すべての秘密を知りつつ、自分の欲望を果たすために俯瞰し放置しているメアリは、調整役の仕事を一人で頑張っているなぁと思う。彼女の出方一つで話は停滞も進展もする
まぁトゥニエイツとの交流はツインエンジェルの内面を掘る、大事な個別リソース。自分たちなりの答えを出すまでは、どっしり展開させる形だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
めぐるの視野の狭さとか、すみれの口下手さとか、トゥニエイツに向かい合うことでマイナスの個性が浮き彫りになり、克己の足場が組まれてるからね。
それは消去してしまうべき『欠点』ではなくて、賢さや優しさ、明るさと言った善なるものの別の現れだ。逆に言えば、良いことをしようとしても、それは個々人の性質によって色々問題を生み、衝突する、ということでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
その痛みが己を省み、何を改め何を貫くのか決める材料になる。
沈んだトーンで展開する今回は、変化のために必要な内省の回だったと思う。ビリーがあっという間に終わらせたところを、主役とトゥニエイツは
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
4話以上かけてじっくりやっているわけだ。
内省と変化、もしかすると成長。ベーシックな思春期の迷い路も、このトンチキアニメちゃんとやっているのだ。
少年少女の個人的な悩みの外側には、歴代のツインエンジェルを巡る大きな物語がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
お兄様が金田一コスで獄門八墓村から回収してきたのは、そういう大きなネタを転がす材料だ。メインはそういうの調べるほど賢くないし、目の前の青春と取っ組み合いするのに忙しいからネ!
ここでもメアリが良い調整役をやっていて、お兄様を単独で引き受け転がしつつ、保険医というカバーで日常にも繋がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
いろんなものを俯瞰で見つつ、主役サイドが大事にする情には流されず、自分の欲だけで動く。敵対することで、主役の描写の陰影を深くしていく。悪役の大事な仕事だ。
お兄様がまた退場していたが、あの人何やっても絶対死なないので、いいタイミングで再登場するだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
めぐるの過去という大ネタが、トゥニエイツのジレンマを解決するために使われるのか、話全体を終わらせるために使われるか。それは読み切れないけどね。そも、話全体の大きな構造がまだ秘密だし。
こうしてみてみると今回は、異形-敵対-如月神社という3つの秘密に、それぞれのキャラがどれだけ把握/接触しているかを見せる回なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
めぐるとヴェールは異形まで、すみれとヌイは異形-敵対まで、メアリは全てを把握している。その秘密をどうするかという結論が出ているのは、実はめぐるだけだ
知ることと行動すること、真実をより善く活かすことはイコールではない。めぐるに俯瞰的な視座はなくても、彼女は決断し行動する。めぐるはそういうキャラだからだ。すみれは逆に、知りつつ適切に行動できない。そういうキャラだからだ
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
情報格差と行動がキャラクター表現に繋がってるのは、やっぱ良い
如月奥の院の秘密がめぐるにどう関係し、それが物語全体にどういう影響をおよぼすのか、そもそもメアリが何を狙っていて物語全体の対立構造はどうなっているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
秘密が暴かれる回でありつつ、さらに謎が増える形になっているのも、8話という話数にはふさわしい。
とりあえず直近では、めぐるとヴェールが思いを伝えあうこと、口下手相棒が良い距離をつかむこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
そこから少し離れて、トゥニエイツとツインエンジェルの対立関係をどうにか解消すること。
更に大きく、メアリの野望と如月の秘密が公開され、これに対処すること。
お話の三段階構造をクリアにしつつ、各キャラクターの微細な心情もちゃんと描く回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月26日
アホバカの火力と、メロウなシーンの湿り気を両立させているところが、俺は好き。『パン粉何に使うの?』と思ったけども、そっか、金田一といえばフケだもんな…そしてお兄様はフケとかでないからな…。