プリンセス・プリンシパルを読む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
革命! 東西に分割されたロンドン! 溢れかえる蒸気と緑色の光を放つ重力遮断装置! ヴィクトリアンゴシックと少女スパイ軍団! ちと嘘と銃弾と裏切りッ!!
オレの大好きなものだけで構成された期待作、ダークで静かな滑り出しとなり大満足。
要素をたくさん突っ込んでいるアニメなのだが、黒星デザインのキャッチーな可愛さに引っ張られすぎず、全体的に薄暗く進行。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
主人公アンジェのダウナーで奇矯なキャラクター性が、スチームパンク・ロンドンの湿り気と巧く噛み合って、いいムードで進行していた。DTB一期を女の子でやった感じ?
少女スパイモノということで、もうちょっと日常よりかなぁと考えていたが、第1話の段階では学園はあくまで隠れ蓑。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
にしちゃあ、お茶会庭園の美術気合い入りまくりだったがな。素晴らしいアニメできれいなお花見ると心安らぐなぁホント。
嘘も裏切りも、職業スパイは悩まずこなす。殺しもね。
スパイアクションの王道を行く、暗くて血なまぐさい展開だからこそ、黒星紅白のポップなデザインが映える、ということかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
ある種のギャップが世界とキャラを相補的に引き立てあっているというか。これはロンドンのゴチャゴチャした猥雑さを、手抜かりなく描ききっているからこそでもあるが
スチームパンク描写はマジで最高であり、ガジェットへの細やかなこだわりが随所に溢れていた。振動するエンジンまで書き込んでるの凄いね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
19世紀ロンドンといえば公害と労働災害であり、アンジェの使うケルバーライトが超有害なものであるのを流れの中で示しているのもグッド。
革命。王国と共和国に分断されたロンドン。ケルバーライト技術。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
色々設定を詰め込んでいる作品なのだが、口で説明するよりドラマを流すことを優先して、しかし端っこでマニアックに描写を積み上げる姿勢が良かった。
世界観が持ってるバロックな勢いが死なず、ドラマもキャラも肌で体感できた。
例えばアンジェの持つ球体は最先端技術で、一般的にはケルバーライトエンジンはもっとデカい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
エリックが「そのサイズで!?」と一言言うことで、アンジェと彼女が所属するプリンシパルがエッジランナーであることが判る。それを追いかけるように、アクションとサスペンスがどんどん積まれる。
カーチェイス。銃撃戦。近接戦。謀略戦。アクションの多彩な切れ味も、今後を期待できて良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
死体を描かないカーチェイスで『良いスパイ』だとミスリードしておいて、ちせの血なまぐさい制圧戦を見せることで、主役たちが『悪いスパイ』であることが判る。巧い落差の付け方だな、と思った。
製作者のフェティシズムを山盛り詰め込んだ話なので、ともすれば悔いにくくなるのだが、アンジェの奇矯で魅力的なキャラクターを上手く使い、ドラマの振幅で食わせていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
『嘘』というキーフレイズをアンジェから作品世界全体に伝播させ、スパイに必要な陰りを巧く見せていたと思う。
血も涙もない諜報兵器なのか、心の傷を隠した少女なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
何しろ初見、視聴者は主人公を通じて作品を探ろうとする。黒蜥蜴星のトラッシュトークでそれをはぐらかしつつ、スパイに向かない被害者(加害者でもある)と交流する中で、ジワジワと内面が見えるのも良い。
嘘の鎧で自分を守らなければ、スパイという稼業は続けられない。家族を革命で焼かれた少女には、兵器になる以外の道がない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
追い込まれた状況で、『嘘つき』というキャラクターを必死に演じ、スパイを続けているアンジェの世知辛さが、冷淡と情の混じった結末で巧く描かれていた。
シナリオゲストのエリックも、家族との関わり・嘘・スパイに向かないスパイと、いい具合にアンジェのシャドウをやってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
やっぱ鏡に向かい合うことで、キャラクターの陰影はよく分かる。エリックの寂しい末路は、心を殺した諜報機械に投げかけられた死の予言でもあるか。
今回は主役と世界観を飲ませるエピソードだったが、他のメンバーも魅力的であり、早く個別エピソードが見たい。そういう気持ちになるように、エッジな部分をチラ見せするのも上手かったな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
王国サイドの王女なのに、共和国のスパイやってるプリンセスの事情とか。留学人斬りちせのバックボーンとか。
嘘を丸呑みし、嘘を鎧にして任務を果たすスパイ。少女たちは皆『まぁこんなもんだよね』と受け入れている感じだが、プリンセスは闇の中の光を信じている塩梅。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
妹も亡命させたがったり、真相が明らかになって暗い顔をしたり。お茶会でも、陰りの中に潜むスパイと光を浴びる王女の対比が鮮明だった。
エリックとアンジェの、奇妙だが不思議と温かい交流。オムレツを食べる当たり前の人間性を『嘘』にしなければ進んでいかないスパイのルールを、プリンセスは飲み込みきれていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
このギャップが今後、どういう困難とドラマを生むかは楽しみだ。暗い話になるんだろうなぁ。
背景設定も、ドラマの急流の中で的確に存在を示されていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
ノルマンディー公が敵ってことは、王国の地歩はドーバー海峡越えたところにもあるんだな、とか。
政治ドラマなんで、早いとこ地図=勢力分布が見たいけども、イギリスじゃなくてアルビオンだからなぁ…どう見せるやら。
盛り込んだ要素のバランスを上手く取り、薄暗く嘘まみれなスパイのルールを全面に押し出して飲み込ませる、いい第1話だと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
アンジェの興味深いキャラクターを信頼して、彼女を軸にドンドコと進めていったのが、停滞感がなくて楽しかったです。主役が太いと話は強くなるね、やっぱ。
とにかく美術とプロップデザインに油断がなく、スチームパンク・スパイ・ロンドンの実在を肌で感じられる圧力がありました。異世界という巨大な嘘を、実力で食わせるパワー。素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
スパイという『闇の実』と、学園という『光の虚』の対比も良くて、学園メインの話も楽しみになった。
そして何より、『少女でスパイ』という存在に必要なやるせなさを、アンジェが一言も明言することなく描けていたのがメロウで良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
スパイに向いていない、嘘の下手なスパイが今後、霧烟るロンドンでどのようなアクションを繰り広げるのか。期待感のアガる端正な第1話でした。来週も楽しみ。
追記 世界観説明
プリンシパル追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月10日
作中言葉で説明されなかった背景設定に関しては、公式サイトで結構細かく説明してくれている。https://t.co/iG2PYPloki
ややこしい部分を映像から一旦切り離し、Webに置いて対応するスタイルは”C”思い出すね。