徒然チルドレンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月25日
セックス、キス、返事待ち、告白以前のすれ違い。『恋人』とひとくくりにされる存在達の、関係性の多層を切り取っていく回。
シンプルなデザインと淡白な構成なのに、身体をテーマにした回に必要な艶めかしさと、心に刺さる絵がしっかり配置され、食い足りなさがない。流石。
今回はエピソードの並べ方から面白くて、段々と膚の距離が近づいていく恋愛の段階を、綺麗にさかしまに並べてある。どんどん身体接触が薄く、遠くなるのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月25日
身体が重なる距離から、心も重なっていない距離へのデクレッシェンド。恋の完成だけを追いかけないアンソロジーらしい、面白い転倒である。
掛け合い漫才やツンチョロVSクールガイ、悪戯な押し引きに勘違いのすれ違い。男と女の関係も色々あるわけだが、皆一様に純粋で、相手のことが好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月25日
そのピュアネスは、身体接触がどこの段階にあるかとは関係がない。セックスしようが恋人になっていなかろうが、気持ちの温度は同じく熱い。
ここら辺の差異と反復を味わえるのは、このアニメ独特の形式故であり、それを最大限に活かすべくワンテーマアンソロジーを編み切る手腕は、何度褒めても良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月25日
サラッとしているのに芯があって、『アニメを見たなぁ』という満足感がある。なかなか出来ることではない。
この満足感を与えているのは、基本スーッと淡白に流しつつ、要どころに眼に突き刺さるカットを置く緩急だとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月25日
皆川先輩の逃げていく指。菅原&高野の前に立ちふさがる赤信号と、少しススメな青信号。飯島さんの、柔らかいカーブのある肉体。
グッとくる絵が、きっちり要所に置かれているのだ。
勘違いと思い込みで進んでいく菅原と高野の関係は、ギャグで終わると思いきや徐々に徐々に縮まっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月25日
そんなもどかしい距離感を象徴しているのが、赤と青、トマレとススメが交互にやってくる信号機だ。
抽象度が高くポエティックな演出を挟んで、視聴感を分厚くしてくる。
空想の菅原が高野を抱くエンドカットも、身体接触の様々な形式を切り取った今回に相応しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月25日
より近くに。その発露は様々な形を取るけども、冒頭のセックスも、最後の夢幻の抱擁も、込められた願いは同じだ。そして同時に、人それぞれに恋の段階があり、現れがある。色々あるから面白い。
そういう塩梅で、物語形式としても、キャラクターの描写としても、多様性を祝福するような作りだった気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月25日
通ずる部分も異なる部分もある色んな恋を、簡勁に連ねていくこのアニメ。それが描けるものを丁寧に追いかけることで、作中で恋をする少年少女も、それを描く自分たち自身も寿ぐような。
それが表に出てくることはない。ストイックで爽やかな語り口を可能にしているのは、詩情のある身体描写力かな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月25日
コンテは副監督の筆坂明規であるが、皆川先輩の悪戯な指の描写には、すごく金子ひらくを感じた。メッセージとしての身体。追いかけて、逃げるふりをする、恋愛の遊戯性。
そんなわけで、今週も短く、力強いアニメであった。形式としてはもっと軽く、まとまりのない形に仕上がってもおかしくないのに、共有テーマと描写の緩急、刺さる絵の入れ込み方で統一性と食いごたえが生まれてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月25日
徐々に変化していくカップルを見る、ストーリー的面白さも出てきた。来週も楽しみ。