メイドインアビスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
第三層・大断層は良いところ。かわいくて面白い動物たち、ワクワクの冒険が満載! お題はお前の命だよ…ッ!!! ていう回。
命の輪廻と因果、子供たちも弱さと強さ。動き続ける状況の中で、前に進み続けるタフな意思を強く感じることが出来る、良いエピソードだった。
シーカーキャンプでしばらく足を止めていた分、今回は24分全部を使って下り続ける冒険回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
奇妙ながら美しい風景、異形の動物たち、白い光と緑色の闇。アビス探索の本道に戻った感覚がみっしりと映像に詰まっていて、非常に楽しい。我々を取り巻くものとは違うルールで世界が脈動している興奮
今回は対話可能なキャラクターがレグとリコ以外は登場せず、ドラマのうねりとしては弱い。のだが、その分アビスに住まう一動物として子供がしっかり描かれていて、作品のリアリティが太くなっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
白く巨大な竪穴と、暗くて小さな側溝。明暗の切り替えが印象的な世界の中で、リコは食い、喰われる
初手から可愛い小動物が出てきて『よーし、きららっぽいムードでキャフフするぞー!』と思ってたら、迷いなく撒き餌扱いである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
自分の命を天秤に乗っけて下り続けるアビス行、ペットを可愛がる甘さはない。食料であり、護身具であり、ときに反撃される存在。独自の意志と尊厳を持った生物。
ニンゲンが小動物を食い物にし、時に反撃されるように、ニンゲンもまた捕食動物に喰われるばかりではない。巨大な胃袋に捕らえられた後、アニサキスめいた凶暴さで死を食い破り、命へと飛び出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
そこでは生き死にの役割は固定されていない。己の能力と意思で、いくらでも入れ替わる。
レグを早々に気絶させたおかげで、今回はリコが独力で問題を解決していくことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
鉄火場に立っても消えない好奇心と食欲。根本的な浅はかさ。弱さもたっぷり描かれるが、溜め込んだ知識を武器に変え、あるいは死の恐怖に支配されない前向きさで足を止めない強さも、印象に残る。
同じ『メイドインアビス』だが、遺物ロボットであるレグは武力に才があり、リコはとにかく下り続けるメンタリティを武器にしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
レグのスーパーパワーで解決できない分、今回はリコの精神がアビス行にどういう役割をはたすのか、しっかりと確認できた感じである。ココロの強さがヒトの強さなのだ
無論、まだまだ子供のリコは未完成だ。罠にもハマる、上昇負荷でトビかけもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
しかし凶猛なる動物と対等の立場に置かれることで、知識と決意が動物種としてのヒトの武器であり、リコはその資質に優れていることがよく見えた。火葬砲を始めとする『道具』がレグの領分なのが面白い。
もう一つ、動物種としてのヒトの強みがあるとしたら、それは『連帯』である。上昇負荷による幻覚の中で、偽りのハッピーエンドに抗う原動力になったのは、レグの不在であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
手を取り合って、一緒に降りる。アビスの孤独に適応しているように見えて、リコの中には友への想いがある。それが涙になる
死の恐怖に支配されず、むしろ胸をときめかせながら知識を引き出し、短い手足を動かして生を手繰り寄せる狂熱。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
『ある種の狂気』というリコの武器が前半強調されていた分、幻覚の母を否定し、現実の友を背負ったシーンはよく刺さった。あの子も只の、迂闊なキチガイではないんやな…。
上昇不可が見せた幻覚も、リコの内面に潜る良い足場となった。友や師匠の誘惑は跳ね除けられてても、母の手は拒絶できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
心というアビスの一番奥に居るのはライザだし、レグはそれと同等の重さを持って、現在進行形で一緒にアビスを下りているのだ。ザイルパートナーであり共犯者の重さ。
今回は上がったり下がったり、出たり入ったりする物語だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
竪穴の白さと側溝の黒さが非常に印象的で、イン・アウトを鮮明に描いてくれる。幻覚の中でリコは上昇し、光の中で賞賛を浴びる。現実の闇の中でリコは一人、パートナーの命を背負ってただただ下る。
夢の中で上昇し、母とともに『街』へと帰還すること。光の中に泳ぎ出ること。それは現実においては失神して死ぬことであり、闇から這い出ようとする足を止めることだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
坂を登りきった先にある光。それは夢の中の白い闇ではなく、生存に繋がる突破口、薄暗い場所からの出産である。
アビスの中にも沢山のアビスがある。メインシャフトに幾つも空いた穴。現実に適応する身体と、その内側に広がる心。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
深淵に潜り、あるいはそこから出産/再誕し、幾重にも重なった光と闇(つまりは生死)のあわいをくぐり抜けながら、子供たちはより深い闇、母に近い場所に落ちていくのだ。
あえてレグを話の主軸から外すことで、リコという分かりにくい主人公の内面、明滅を繰り返すアビス行の本質が良く見えてくる、非常に面白い回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
様々な光景や珍奇な生き物という、アビスの根源的な面白さも胸いっぱい堪能でき、とても楽しかった。やっぱなー、不思議な動物最高やなー。
オーゼン師匠の鍛えがしっかり役に立っているシーンもちゃんと入っていて、修行の成果を感じられるのも良かった。レグとリコが二人で潜る意味も再確認できた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月1日
作品の地盤を確認した第三層の次は、悪夢めいた巨人の盃。どんな出会いと危険が二人を待つのか、非常に楽しみである。うーむ、いいアニメだ