Code:Realize 〜創世の姫君〜を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
創作上の偉人をイケメン変化させて、ゴシックな雰囲気のスチームパンク世界で寝ゲロ吐くまでラブラブしてぇ!!
人間の根本欲求にバッチリ応えるど真ん中乙女系が、ズドンと着弾。期待していた乙女濃度とトンチキ、思ってたよりカタい展開に大満足
というわけで、乙女ゲー版ドラキュラ紀元、あるいはリーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメンである。スチームパンク流行ってんのかな…プリプリもあったし、ガァルマゲのコーデもスチパンだったし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
さておき、ルパンとフランケンシュタイン博士とヴァン・ヘルシングが攻略対象である
自分は伝奇と聞けば血が騒ぎ、怪人同盟と耳にすれば脳勃起という分かりやすい人間なので、まず座組の時点でかなりの興味を惹かれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
一人で作品を背負える超絶人間が、作品独自のテイストで再調理され、一堂に会する。アヴェンジャーズ・アッセンブルな、男の子の根っこを揺るがすパワー状況だ。
展開の方はそんな男の子のおもちゃ箱を一旦横において、ガッツリ乙女である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
記憶と愛を奪われた人造少女。触れあえば解ける禁断の愛を、キザな怪盗紳士が盗み出す。二億兆点の導入である。オレもまえぬ声の爽やか☆ボーイに盗み出され、オモシロ美少年集団の中でチヤホヤされてぇ……。
カルディアちゃんは声良しデザイン良しのナイス主人公。ぽや~っとした柔らかな印象と、野良ドッグをドロドロ溶かす毒術の冴えがギャップを生んで面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
抱き合うことを前提にした乙女ゲーで、抱き合うと相手が死んじゃうのは上手い設定だよなぁ…バトルも恋も、良い障害を乗り越えて話が盛り上がる
『お父様』にガッツリ抑圧食らって育成された結果、カルディアちゃんは人のぬくもりを遠ざけて生きてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
触れ合いを諦めているが、心の底では当たり前の人間らしい交流を強く望んでいる。記憶と尊厳も取り戻したい。
この秘められた情熱を、イケメンたちが取り戻していくのが主筋となろう。
恋の鞘当てだけで話が進むことを覚悟していたが、『主人公が抑圧を跳ね返し、周囲の助力と交流を経て自己実現を成し遂げる』というベーシックな筋立ての骨が太いのは、嬉しい誤算だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
いやね、オッサンはココロの何処かが欠損した存在が、お互い埋め合いながら前に進む話が大好きでね……。
そういう意味では、メイン攻略対象になるだろうルパンがかなり真っ直ぐな性格をしていて、カルディナちゃんの欠損を自分に重ね合わせつつ、しっかり守ろうとしてくれるのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
モノとして盗みに来たのに、ちょっと話したら一己の人間だと思ってしまう、犯罪者適性の無さ、人間適正の高さ。好き
ルパンは『先生』に導かれ、カルディナが苛まれている孤独をひと足先に乗り越えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
過去受け取った大切なものを胸に、フランケンシュタイン博士やバービーケーン(まさかの"月世界旅行"!)とリーグを組み、権力に反発するアウトローの生き様に誇りを持って、怪盗紳士をやっている。
カルディナと触れ合う中で、ルパンの人物が真っ直ぐ伝わってきたのはとても良かったし、そういうわかり易さを結構大事にしながら、フツーの物語も進めてく気があるよ! というサインを出してくれたのは、作品の方向性を見る上で大きな助けになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
想定してたより、キャラと話しの骨格太そうだ。
毒姫カルディナが(恋も含めて)人と触れ合い、人間性を再獲得していく本筋の横に、『お父様』のテロ計画という伏流が話をクライマックスまで導くことも、第1話で手際よく提示された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
イケメン怪人とのキャイキャイを堪能する過程で、こっちの方も掘っていくのだろう。油断のない二段構えだな。
そういう『ご飯』のベーシックな強さの上に、『おかず』である乙女力がどっしり乗っている。ゴシックでゴージャスな感じの服飾、決定権がないまま冒険と恋の嵐の中に投げ込まれるジャンルの特異性。美味しいシチュエーションを片っ端から総ざらいしてくる、スチルの強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
必要な部分キッチリて感じだ
僕の狭い観測範囲だと、乙女ゲーの主役は『恋に興味津々! がっぷり肉食うぜッ!!』ていう自発的積極性より、『私はそんなに興味ないけども、イケメンが誘蛾のごとく私の価値を認めて群がってくるからなー! カー、しゃーねーな恋すっか!!』って感じの出だしが多くて、なんか面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
自分で行動と状況を選び取り、そこに責任を背負って踏み分けていくというよりは、状況のほうが選択権なく伸し掛かってきて、流されながらその(最初から期待していた)良さを確認していく展開が、自分の中では目立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
選択権の剥奪と、お行儀よく拒絶しつつ心底望んでいたものの過剰供給。
カルディアちゃんも分にもれず、『お父様』の支配下にある無力な人形であり、男たちの間で取引される経済単位であり、恋を毒によって封じられた人造の石女である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
同時にゲームの主体として強い欲望を秘め、自己実現と交流、恋愛と勝利に飢えている。山羊の革を被った狼である。素晴らしい。
そんな彼女の渇望に奉仕するべく、男たちは求愛ディスプレイを磨き上げ、恋のハンマープライスを釣り上げていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
男たちが火花を散らすほど、女の値段は上がる。その経済原理から目を背け、『私のために争わないで!』と叫びつつ、手で隠された口元はほくそ笑む。無価値だった値段は、恋で上がるのだ
アナタは欲望していない。大それた自己を主張して、社会に糾弾される行いなんてしていない。悪いのは魅力的過ぎるアナタを求める男たち(女たち)だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
そういう免罪符を器用に整えつつ、ジャンルは欲望を充足し、あるいは煽る。その構図をいかに隠蔽して、ごくごくフツーの物語だと偽装するかも腕前だ
そういう読者エゴイズムの充足構造は、フィクションの根本的な仕事だ。現実では充足されない空想を巧妙に満たし、満たしていることすら気づかず、夢中にさせること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
そこにはアーツがあり、情熱がある。本気で嘘をつかないなら、誰も本気では読まない。だから僕は、巧い嘘をつける作者を尊敬している
乙女ゲーの様々な様式…『お約束』はそういう巧妙な隠蔽と興奮が微細に組み込まれ、見事にニーズを満たしていると、門外漢ながら感じている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
その共犯関係を見るのが好きだし、多種多様なキャラクターや設定で味を変え、独自性を出して読者を引きつける技術も面白い。
欲望は共通でも、その現れには無限の可能性がある。その細やかな差異こそがジャンルとも言えるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
これだけの産業規模に拡大しつつ、思いの外お行儀よく既存の抑圧構造、欲求のテーブル・マナーを守っている部分も含め、僕にとって色々楽しいものなのだ。
無論初手からガッツンガッツン状況を乗りこなし、己一己の決断に胸を張って世界を背負うタイプの乙女ゲー主人公も、たくさんいるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
カルディアちゃんは無意識の免責を受けて、流される体で渇望を満たしていくタイプの、僕の視界では典型的な主人公である、という話だ。
話がかなりズレたが、ジャンルを求める欲望にしっかりレスポンスしつつ、『自己の再獲得』『他者との交流』というベーシックな骨と、バロックな道具立てという強みを、しっかり見せてくる第一話だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
舞台立が特異なので、演奏自体は徹底的にオーソドックスにやることで、舞台の魅力も際立つという
カルディアの根本的な願いがちゃんと書かれたので、今後怪人同盟の中で日常を共有し絆が深まってくんだろうな、という良い先読みもしっかり出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
ルパンのオリジンと人間力は感じ取れたので、残り二人の話も早く見たい。あと他のイケメンもな。ここに吸血鬼ネタ乗っかるんだろ? すげーなマジ。
キャラクターと世界観、ジャンル内部の魅力とベーシックな骨組みを一話にしっかり収め、コンパクトに見せてくれる良い第一話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月8日
さてこっからどう取り回し、どう作品の独自性を見せるか。笑いに行くのか、ゴシックな雰囲気を活かす方向出来るのか。可能性は無限大、とても楽しみですね。