アイカツスターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
完璧を標榜し、強烈なエゴイズムで二期を引っ張ってきたエルザ・フォルテ。その起源が判明する回。
母恋しを拗らせた結果の完璧願望、太陽のドレスへの渇望が見えて、株が下がって人間味が上がった形…なのかなぁ。華やかさの中に痛ましさが漂うエピソードだった。
というわけで、ラスボスとして半年話を引っ張ってきた(形になった)エルザが、木の股から生まれたわけでも、寂しさを知らないわけでもないことを見せる回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
冒頭五分で彼女が、愛に飢えた子獅子であることはバッチリわかった。鎧を脱ぐ回だが、ならもうちょい予兆があっても良かったかな、とは思う。
『完璧』をうそぶきつつ、これまでのエルザはまったくもって完璧ではなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
他人の可能性は見落とすし、優しさには報いないし、VAでは自分のクローンばっか育てているし、『なぜ』が描かれずともその鎧は穴だらけだった。今回無敵のアイドル神がようやく、人間味を見せた、という形ではない。
強く輝きすぎて、あるいは自分を強く輝かせ、母の愛を取り戻すことに執着しすぎて、周囲の光を忘れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
エルザ母は娘の状況を正確に見抜くが、それが娘に届くことはないし、娘からのラブコールを真っ直ぐ受け取る事もできてはいない。穴だらけの親子関係は、鏡写しにそっくりである。
今回の話、第75話と面白い対比をなしていると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
モナコ公女(モデルは間違いなくグレース・ケリーだろう。ポスターにバッグ映ってたし)と世界規模のファッションデザイナーを比べていいかは分からんが、香澄家も非常に忙しく、すれ違いの多い家だった。真昼も寂しさに傷ついていた。
がしかし、香澄家の両親はギリッギリの所で幼い娘が道を間違えないよう、忙しさを踏み倒し、家族だけが共有できる温もりに時間を使った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
フォルテ公女はそれが出来ない。一つのクエストを1話で終わらせていい真昼と、まだラスボスやんなきゃいけないエルザを比べていいものかも、なかなか難しいが。
とまれ、フォルテの家は人形の家であり、『完璧』には程遠い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
『完璧』なアイドルになれば母の愛が取り戻せるという思い込みは間違っているし、そのフェティッシュとして太陽のドレスを求めるのもズレている。
このズレを修正し、自分と母の距離感を適正距離に戻すのが、エルザのクエストなのか。
その起源からしてズレているエルザのアイカツは、自分が成し遂げているもの、背負っているものも認識できてはいない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
翼はファンとのコール&レスポンスで発生するものだが、エルザが太陽のドレスを求める運動に、ファンは存在しない。そこには不在の母を求める、決定的に間違えた願いがあるだけだ。
エルザのカリスマに引きつけられ、VAに集まったアイドルも、同じようにないがしろにされている。彼女たちを引きつける自分自身のカリスマにも、彼女は信頼をおいてない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
何しろ、一番見て欲しい母が振り向いてくれないのだから、自分に魅力などないのだ。自己肯定感が剥奪されているのだな。
完璧で、無敵で、自信満々のアイドル女王、エルザ・フォルテ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
その中心点にある黒い太陽、母の不在が明らかになったことで、彼女の間違いは一気に陰影を増した。影が濃いだけに、もうちょっと前半に分散して要素を出して欲しかった感じはあるが、図式自体は鮮明だ。
大きく見て取って、エルザがファンを見落としているのはゆめが、エルザがファンに愛されるアイドルであることはアリアが、それぞれ指摘して主人公の存在感を出す構図かなぁと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
不在の母を求めて、エルザが歩いてきた道は強引だったけども、無意味ではなかったことを二人は知っているわけで。
前々から感じてきて、アリアの登場で一気に鮮明になったけども、エルザはかわいそうな子供だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
他のアイドルたちが溌溂と成し遂げる成長/変化から置いてけぼりにされ、ハリボテのラスボスとしての立場に縛り付けられ、人間的躍動から切り離されてしまっている。スターズ世界が、エルザに優しくない。
今回彼女の原動力が徹底的に『母の不在』であることが見えたことで、そのすれ違いさえ埋めればエルザを倒せる鎧の隙間が明らかになって、母を乗り越えてより大きくなるヴィジョンが、なかなか見えなくなってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
倒し方が分かりやすいというか。壁としてより小粒になった。
お話の収まりの良さとしては、まぁ分かりやすいほうが良いんだろうが、エルザという一人の学童を相手取ったとき、それで良いんだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
娘の空回りを気にかけつつも、公務優先で旅立ってしまう母など蹴り飛ばすほど、デカい人間に育て上げて欲しいと思うのは、僕の過剰な思い入れか。
無論エルザとの戦いはおそらく、まだ半年続く長い戦いだ。その中でマザー・コンプレックスを超えて、より器のデカい女王に育つ/育ててもらう可能性はあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
ぶっちゃけあんな母親は余裕で超越し、より大きな存在としてゆめに立ち塞がってくれたほうが、キャラの物語としても大筋としても好みだ。
今後エルザが戦う物語に、今回煽り倒されたローラはどう絡むのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
レイちゃんが必死にフォローしてたが、あれ火付けるっていうより、やっぱ罵倒してエゴ充足してたようにしか見えんよ…それもこれも、おふくろの愛情下手が悪いが。"ブレンパワード"のジョナサンみたいになっちゃうぞ。
レイちゃんはエルザの脆さと才覚に感じ入ってるからこそ、守護騎士ぶって控えている。そんなレイちゃんだけは信頼しているから、エルザも自分の起源を話したのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
母に見捨てられても、自分が孤独ではない事実にエルザが早く思い至ってくれると良いのだが。ほんとネグレクト過ぎてしんどい。
あとアコちゃん周囲の描き方は相変わらずで、ねっとりとした情緒虐待とマザー・コンプレックスが描かれる中、コメツキバッタのように権威とカリスマにおもねるコメディ空気穴として、便利に汚れていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
エルザ母を悪者にしたくないのは判るが、なんか腫れ物に触るかのような接待ブリだったなぁ。
エルザの欠落はなかなかに巨大で、しかしエルザ母はカリスマ持ちのキラキラしたセレブで、黒い太陽諸悪の根源とは描かれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
エルザと母の間にあるズレよりも、エルザに母が及ぼしている傷の深さと、それを生み出した罪の描き方とのズレのほうが、実は深刻ではないのかな、とも思う。
スターズは人間のドロっとした部分を『普通』に取り込むポーズは見せつつ、反発覚悟でそこに徹底的に切り込むことはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
才能が生み出す格差も、別離の辛さも、ふわっと触っては踏み込むことなく、なんとなく話の流れで収まっていく。そのハンパさは作品全部に及ぶ。
別にエルザ母を絵に描いたような悪役にしろ、という話ではないが、彼女の不在をエルザのエンジンにするのならば、エルザだけでなく母の問題もどす黒く、穴だらけのものとして明言し、作中で描写してよかったのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
物語的な機能と、キャラクターの描かれ方にズレがあると感じる。
星のドレスにまつわる壮大なアレソレも今回公開されていたが、その壮大さはエルザだけの問題で、翼を手に入れた他のアイドルには一切波及しない。視聴者(少なくとも僕)にとっても、そんなに大きいものには思えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
ここら辺のスケールのズレ、ぼんやりした壮大さは、『あの力』に通じるものがある
そんなわけで、エルザの起源と作品内部に漂うズレが見える回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
それが客観的なものなのか、僕の嗜好と実際の映像の間に生まれる個人的なものなのか、相変わらず判別しきれないが。
今後展開する物語の中で、違和感が埋まり歯車が噛み合い、熱量と速度のあるストーリーが展開することを期待する
しかしあまりに『完璧』の持つ危うさが描かれるので、エルザがねっとりと母親との確執を説明し、星のドレスの力でグランドクロスを引き起こし、他のアイドルの技をコピーし始めるか気が気ではなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日
同時代性の妙味で、すげー変なシンクロ起こることあるよな…諸星学園長とダミー、声同じだし