ゆるキャン△を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
遂に始まったクリスマスキャンプ…俺たちは最初からクライマックスだぜー! とはならず、早めの集合から穏やかに見せていくエピソード。
美術も笑いも演出も、どっしりと構えつつ非常に奥行きと味のある仕上がりで『ゆるキャンを見ている…最後の…』という気持ちが湧き上がる。
というわけで、最後まで自分たちの語調を見失わない、しっかりした作りである。約一名、迷わずフルスロットル踏み込んだのがいるけども。オメーホント肝臓大丈夫?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
話数をかけて、孤高のソロキャンパーがグルキャンに飛び込むデカいクライマックス。しかしこのアニメ、それを派手に飾り付けはしない。
これまで自分が使ってきたテンポやアングル、世界を見て喜びを語る口調を崩すことなく、準備段階からどっしりとやる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
これが物語の緩急ともなり、緩やかに楽しめるのに確かな充足感もある、非常に強靭で独特な語り口たり得ているのは、ここまで見てきた視聴者ならば納得の部分だ。
お話はワクワクが高まりすぎて二時間早く来た連中が、三々五々集まるところから描く。犬子と部長の掛け合い漫才で暖気して、りんちゃんとはすれ違わせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
りんちゃんが背負うソロキャンの良さ、一人そぞろ歩く景色の美しさ。それはグループに入ったからって、消えるわけじゃない。
渾身の美術で冬の美山を描く散策のシーンは、これまで見てきたソロキャンの寂とした善さを無言で押し出してきて、非常に見応えがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
セリフもない、交流もない。しかしそれはとても大事なものだからこそ、どっしりと幾度も描かれる。そういう飾りのない、強いメッセージがドンと出る。
グループの善さをドンドコ盛り上げていく(そしてそこから『なでしこ』という特別な存在を浮かび上がらせていく)運びが待っているにしても、むしろだからこそ、りんちゃんの出発点であり根源である『ソロ』の気配は、このエピソードにも美麗に漂う。そうするだけの勝ちがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
あの美しいそぞろ歩きは、そういうふうに自分たちが作ってきたもの、強調した美徳に強い自覚を持っているし、表現できていると知らしめる足運びで、凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
あの静かな見せ場があればこそ、対比物であり融和対象でもある『グループ』は欠けることなく、その価値をフルに描けるのだ。
部長と犬子(あとソッコー潰れたグビ姉)を切り離すのは、『一人』の後に続く『二人』を強調する形にもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
なでしこと出会ったことで始まった物語。運命が駆動し、近づいても離れていても、それぞれの距離感で温もりを感じあってきた歩み。
それはりんちゃんを変え…というか、斉藤さんが見て取っていた美質を表に出して、新しい喜びを幾つも教えてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
頭の回転が早くて、ユーモアがあって、でもそれが他人には伝わりにくいりんちゃん。そんな子が、元気で食い過ぎななでしこと出会って、ちょっとずつ窓を開けていく。
持ち前の馬力で、りんちゃんをそういう景色に連れ出してきたなでしこもまた、りんちゃんという特別な女の子と出会い語り合い、一緒にキャンプすることで新しい自分を見つけた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
野クルと仲良くなり、キャンプの楽しさを知り、明るい日々がさらに笑いに満ちた。
それはやっぱり特別で、『グループ』と仲良く楽しく付き合いつつも、『二人』の間に流れる時間は何かが違う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
朝の食事について話す時、コンロを買い出しに行く時。りんちゃんのちょっと男性的な切れ味の良さが、なでしこの甘い空気と混じって際立つ。
それはロマンスの空気を借りて描かれていて、でも間違いなく友情で。すごく複雑な風合いをした『特別な二人』の関係は、特別に良い。(他が悪い、ということでは当然ない)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
そういう気配を、『みんな』から切り離されつつ繋がっている二人の会話から、しっとりと感じることが出来た。
まぁそういうノリを、酒浸りダメ大人がベーコンムシャムシャ酒グビグビでぶっ壊すんだがな。保身なき零距離飲酒を乱打することで、捨て身の笑いを乱発してくるグビ姉の切れ味、マジすごかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
いい話一本で引っ張ると変化がなくなるわけで、捨て身で笑いを作るグビ姉はエピソードを支える英雄。
車に乗れる、監督できる。『大人』『顧問』に求められるものをノータイムで手放し、飲んで寝て食って寝てし続けてるグビ姉は、話に強めのアクセントを入れるいいキャラだなぁ、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
酒豪・伊藤静の怪演も合わさって、ホント笑いの火力が高い。あいつがベロベロしてるだけで面白いのは強い。
あ、大垣部長とりんちゃんの、微妙に距離があってでも構えたところのない距離感は、なでしこへの彼氏顔とはまた違った趣があって最高でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
遅れてやってきてスーッと馴染む斎藤さんとも、ナチュラルに友達できてる犬子とも、りんちゃんは色んな人と、色んな角度で繋がっている。
それは別に均質化される必要もなく、むしろ異質だからこそ複雑な反射を見せる宝石みたいなもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
ソロキャンパーが『グループ』に入ったこそ見える、人と人の複雑な接合面、その多彩な良さをたっぷり吸い込むことが出来る回に仕上がっていて、非常に良かった。
りんちゃんって、心を許している相手ほど扱いが(表面上)雑になるヒトだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
大垣と名字呼び捨てな部長のことを、かなり難からず思っているからこそ無遠慮に体重預けている感じがよく出ていて、『ああ、良いな』と思った。そういう無骨な距離感を、ちゃんと抱擁できる野クルの存在も。
可愛い可愛いちくわと、名前も知らない子供たちと思う存分遊んで。いい具合に体温温まる描写が巧い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
テント設営を離れたところにやってしまったのは、グルキャン慣れしてないりんちゃんの個性と、『この後なでしことゼロレンジコンバットするぞ!!!』という激しい意志を感じさせた。
まぁ真夜中のデッド・リミットは来週なわけだが、食事シーンで『グループ』の良さを体感させた上で、そこから再び離れて『一人」と『二人』の良さを確認するステップを踏み続けるのは、総まとめの雰囲気が強くある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
1,2,たくさん。色んな良さ、色んな光。ずっと描いてきたから、最後にもう一度。
『たくさん』でいることの良さは、今回たっぷり描かれる。笑顔で走り回るフリスビー遊び。犬子のケア力が吠える食事シーン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
それらは『たくさん』であるが故の賑やかさと温もりに満ちて、とても楽しい。(仕上がった泥酔者含めて)色んなやつがいて、いろいろ楽しい。それはとても良いことだ。
そして『たくさん』の良さは、『一人』や『二人』の良さを排除することで生まれるわけじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
むしろそこにもまた独特の美と体温があって、それがあればこそ『たくさん』も輝くのだということを、このアニメは静かに強く見せ続けてきた。だから、今回もそういうシーンを入れてくる。
りんちゃんは『みんな』のための買い出し(この仕事をさせるために、ドライバーを酔い潰させた部分もあろう)に一人漕ぎ出しつつ、身を切る寒さの中で斎藤さんが繋いでくれた輪のありがたさを思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
一人であるけど、繋がっている。それは矛盾ではなく相補の距離にある、とても大事な実感だ。
これは第5話で、離れていればこそ繋がる景色を、携帯メディアを活かして描ききった筆と通じる部分がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
距離や人数が、無条件に何かを切り離すわけではない。そういう表面から離れた深奥に流れている、感情と尊さの水脈は、目立たないけども通じ合っている。
それはなかなか分かりにくいもので、看板だけ貼っても実感がない。風の冷たさ、飯の旨さ。賑やかな笑いと、そこから離れたそぞろ歩きに見える景色。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
そういうものを丁寧に丁寧に、抜かりなく積み上げたからこそ、日常見落としている水脈の存在を、とても身近に引き寄せることが出来る。
離れているものは近くにあって、一人でいることはみんなといることだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
そういう一見矛盾に見えるものが、凄く大切で微細な感情を下支えし、浮かび上がらせてくれることを、このアニメは非常に丁寧に追ってきた。
そういう実感への道をりんちゃんに、静かに与え続けてくれた斎藤さんは、やっぱ凄い。
その凄さを、りんちゃん自身も寒空の下しみじみ感じ入るところで、話は次週に続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
りんちゃんは孤高の変人なんだけども、それでも手を差し伸べてくれる人への感謝は忘れないし、伸ばされた手に怯えもしないんだよなぁ…そういうニンの良さが、変人バリアを貫通して触りたくなる理由か。
りんちゃんというヘンテコ人間の魅力を、尖ったキャラいじりでも、なめらかな人格描写でもしっかりやって、その個性を潰すことなくしっかり立てる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
なかなか難しいことだと思うが、それに成功したからこそこのアニメ、今回見せた微細な筆致を可能にしていると思う。東山さんはスゲーよマジ…。
コンロを買って変えれば、シメのパスタがホカホカで待っている。腹が膨れた後は、狭いテントの中で『特別なあなた』と特別な関係を確認する夜が待っているだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
そういう瞬間を積み重ねて、片手を強く結びながら、少女たちは青春の野原を駆け抜けていく。その背中が、美しく輝いて眩しい。
今回整えたセッティング全てが、確実に特大級の『爆弾』が来ることを予言しているので、腹筋を固めて来るべき尊さに備えようと思います。まぁ一瞬で薙ぎ払われるんだろうけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
『みんな』の愉快な喧騒の中でも、つい目で追ってしまう『特別なあなた』。彼女との距離を、夜とテントは優しく包む。
センサーがある人間にとっては、額に拳銃を突きつけられて『10数えろ』と言われているような、『絶対死ぬじゃんそれ』なシチュエーションを巧妙に整える、最終話一個前です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
自分たちが見つめてきた価値、その多様性の照応を非常に大事に、大げさではない語り口でやりきっていました。
自分たちが何を描いて、何を語るか。それらはどういう関係性であるべきか。それを見抜く『目』の良さと、緩やかな笑いを壊しすぎないボリュームに調整し切る『腕』の冴え。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月15日
このアニメの強いところがフルスロットルに来たところで、次週最終回である。もう楽しみしかねぇぜマジ。