3月のライオンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
そして時は前に進む。重たく長い停滞に始末をつけて、夏のそうめんから冬の鍋焼きうどんまで。ひなちゃんの受験に焦点を当てて、一気に話が動く回。
時間は進んでいるが感情は繋がっていて、ちょっと不思議な浮遊感を味わえるエピソードである。
というわけで、先週どっしり描いた陰りのその先、未来に向かって進んで行く(行ける)ひなちゃんの受験闘争開始なお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
久々にどっしり六月町にカメラを据え、水彩で世界を描く筆を堪能する。やっぱあの独特の色彩、シャガールの夜は良いなぁ…匂いがある。
お話の方はゆったりまったり、中学3年生が未来に思い悩み、前に進んでいく家庭を追う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
先週の最後の始末抜きで、この明るい前身を描いてたら、結構違和感があったかな、とも思う。前に進めない、どうしようもない存在は確かにいて、それは前に進める主役とぶつかりあい、弾き飛ばしあう。
教室に閉じ込められ、タイムアップなめぐみを置き去りにして、ひなちゃんは新しい景色との出会い、そして懐かしいものの支えに導かれ、前に進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
それは、物語を停滞させず先に進めるために必要な作業で、カルマに囚われすぎず前進する人の強さでもある。
そういうものに接続できない、どうにもならない人を主役には据えない。しかし一度写し取ってしまった以上、その停滞も含めてちゃんと描いて、始末がつかない問題に最大限の始末をつけて、それから歩き出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
そういう手筋をちゃんと付けることで、今回のポジティブなお話を、素直に飲める。
回想シーンでの一瞬の陰りとしか切り取られない、不在のめぐみ。その存在感を払拭する意味でも、今回のお話は底抜けに明るいし、肌触りが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
私服が全体的に可愛くて、服飾方面から生っぽさを醸し出してくるのは良いなぁ、と思った。ひなちゃんの夏服無防備すぎねぇ? とも思うが、零ちゃんだしな
冒頭、すっかり『川本家の子』になった零ちゃんのどっしりした態度が、ここまでの物語で培った足腰をよく教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
将棋だけが世界だった少年は、自分への問いかけに耳を傾け、自分が手に入れた幸福を他人に分け与える余裕を、少しづつ作っている。それを育んでくれた場所に、恩を返す。
『育んでくれた場所』は川本家もそうだし、将科部のメガネ共もそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
向日葵の黄色が画面を埋め尽くす中で、ももチャンのハッピーハードコアな声で脳髄キーンなりつつ、少年と少女は新しい景色に進む。
それを準備してくれる野口先輩の貫禄、メガネどものはしゃぎよう。お前らの徳で夏がヤベェ。
ジェントルに子供を向かい入れるだけではなく、自分自身も子供として大いにはしゃぐ。そこに零くんがいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
今回は僕の好きな将科部が存分に報われる話で、非常に良かった。零くんが今回見せる気遣いと余裕が、あの笑いの中から生まれてきたんだって実感があった。素晴らしい。
流しそうめんの速度が早いの、節を綺麗に抜きすぎて抵抗が弱くなった結果なので、いかに将科部が真面目に作業をやるかをひっそり語ってて、凄く好きな描写です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
他人のためにクソマジメ。そんな連中と触れ合ったことで、零くんは将棋では得れない、地道な回復を果たしていたのだろう。
その頭領として圧倒的な貫禄を誇る野口先輩に対し、林田先生は自分自身が恋の大気圏突入だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
まぁしょうがねぇ、今週のあかりさん作画、いつにもまして母性と色気マシマシ、ケツと胸強調気味だったからな…。お姉ちゃんの魅惑をちゃんと作画で出せてるの、とっても良いねやっぱ。
そんな鞘当ありつつ、未ひなちゃん楽しいイベントを体験することで、アタマで抱え込んだ悩みを乗り越える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
溜まっていたものが開放されて、グーッと世界がひらけて、でもまた何かが溜まってきて。こういう往復運動は、キャラを変え場面を変え、このお話にずっと付きまとう。
Bパートではお金の問題を、ジジイがきっちり突破させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
楽しかった夏祭りの体験が、気づいてなかった陰りを照らす光にもなる。しかしその悩みは悪いもんではなく、世の中を回す大事なものの意味を、若いうちから考えさせる足場にもなる。
色んな禍福、複雑な色彩のさなかに、ひなちゃんはいる。
あの祭りを『あー楽しかった』で終わらせず、なんかもぎ取って帰ってくるひなちゃんも。それに誠実に答え、どっしり受け止める相米二も。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
両方善く生きているなぁと思い知らされて、しみじみ良い運びであった。ひなちゃんは呑気なように見えて、良いも悪いも素直に受け取る感受性があるなぁ。
そのナイーブさを柔らかく受け止め、ケアしつつ導く。そうしてひなちゃんが強くなって、また別の誰かを受け止めもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
そういうポジティブなループを肯定することで、停滞と閉鎖から出ていこうというのが、このお話の骨子にある気がする。カルマを見据えつつ、そこで諦めるのではなく。
そういうデカい題目は、堂々押し出すとウソっぽいもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
なので、鍋焼きうどんの飯テロ作画で、実感を持ってお届けする、と。あかりさんの甘やかし力ホントにヤバくて、しかしその背景を考えると寂しくもあり、この人も早めにケアせんとあかんな、となる。オイ聞いとるか林田。
そんな感じで、溜まった宿題にケリが付いて時間が先に進むエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月24日
ひなちゃんの受験を真ん中に据えつつ、それを支える人々、支えられる顔ぶれもちゃんと描いてくれて、とても良かったです。重く厳しい勝負の話が続いたので、ほっこりムードがありがたい。
来週の二連最終回も楽しみだ。