ヤマノススメ サードシーズンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
ピークは世界の一番高い場所にあるわけじゃなくて、貴方と一緒にいる所。
長く続いた想いのトンネルを、ひなたがようやく抜け出す回。どっしり山描写を積み重ねることで、そこに目が開けた少女の笑顔も眩しく思える。
ヤマノススメだなぁと、しみじみ感じ入る回
そんなわけで、長かった曇り空がようやく晴れるエピソードである。山の特別さを最大限活かしつつも、山頂登り切るだけが登山ではなく、一緒に降りる時間、休憩の瞬間にこそ輝きがあったりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
富士山を降りる過程、降りた後の身の振り方で、あおいが何を学んだかを思い出す構成だ。
サードシーズンは山頂を征服する楽しさも睨みつつ、山を降りた後の街で”山”がどう生きてくるかを、あおいの成長をキャンバスにじっくり積んできた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
あの時かえでさんが一緒に降りてくれた経験が、あおいを下山に踏み切らせ、巡り巡ってひなたの心を解きほぐし、素直な言葉を口にさせる。
ただ結果を求めるのではなく、痛かったり悩んだり苦しんだりすることも含めて、何かしらの意味がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
苦い富士登山失敗から綿々と続く、ヤマノススメの物語。その先端に、今回のひなたの下山、そこに付き従うあおいがあるのだろう。
前半相変わらず、ひなたの表情は硬い。ただ今までとうって変わって空は青く、光は明るく、メシはうまそうである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
みんなで楽しくいただくために、準備を積み重ねた食事は暖かく、美味しそうだ。『今回で終わるからヨロシク』と、食事が語りかけてくれるような暖かなムード。
凄まじく美麗で、しかも登山体験の土の匂いがしっかりする美術が積み重なりつつ、ひなたの膝はギシギシ言う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
いかにもフォトジェニックな絶景だけでなく、道の途中で心を捉えるような絵もしっかり据えてくるところが、ヤマノススメの登山嗅覚かな、とも思う。
テントの壁越しに見えなかった心は、ひなたのギブアップであおいに向かって開放され、あおいもまたそこに向かい合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
”街”の中では開放されなかった心が、山の特別な経験、素敵な風景の中でようやく開放される。そんな魔法を信じられるよう、気合の入った美術を積んでいるのだろう。
決定的な対話が”休憩”で起こるのも、ただ山を登る結果だけを大事にしていないこのアニメらしいな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
それはしかたがなく取るものではなく、より善い歩みを維持するために、その瞬間も楽しむためにあるのだ。立ち止まって見えるもの、歩いて初めて分かるもの。両方に意味がある。
頑なだったひなたの口が開き、思いを素直に言葉にしていく瞬間のカタルシス。それを受けて、めったに言葉にしない”特別なあなた”への思いが、あおいの口から付いて出る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
この瞬間を待っていたとしか言いようがない、ありがたい瞬間だった。やっぱ笑ってたほうが良いよ、ふたりとも。
ひなたが貯め込んでいた重い感情を、あおいが全然気づいてないそぶりなのが、それぞれのキャラが見えていい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
対人センサーが優秀だからこそ、色々感じちゃってふさぎ込んでいたひなた。鈍感だから問題がありつつ、ちょっとずつセンサーを尖らせているひなた。
痛めた膝をちょっと引きずって近づき、差し出された羊羹を食べる。それも、二人で歩いているからこその喜びだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
一人登山は気楽だけど、やっぱり一緒が楽しい。第3話でコメディ調に描かれていたテーマが、しっとりとした感情の蓄積を経て、別の色彩を見せてくる。シリーズの醍醐味と言えよう。
今まで見れなかった笑顔、弾んだ声。和解した後の二人は距離も近く、お互いの荷物を支え合う。ザック持ってもらうばっかりだったひなたが、背中を押してあおいの補助をしているのがいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
荷物を持って、背中を押して。そういう”いつもの二人”に、ようやく戻れたわけだ。
撤収作業も笑顔でやって、ピークハントを終えた二人を笑ってで祝福して。かえここの満足げな表情で、山に登りきることもまた良しと見せてくるのは、バランスが良くていい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
登るのも降りるのも楽しめるなら、そりゃ無敵だよねっつーね。ひなたの開放と一緒に、作品世界も枷を壊した感じ。
”山”の全てを肯定するお話のムードは、家に帰るまでも丁寧に追う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
背中合わせだったフクロウはようやく向き合い、行き場を失っていた思いもようやくあおいに届けられる。
(c) しろ/アース・スター エンタ―テイメント/『ヤマノススメ サードシーズン』製作委員会 pic.twitter.com/M1cPx7zqfp
言葉にできれば簡単だけど、なかなか居場所を見つけられず胸中をさまよう、複雑な思い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
そんな当たり前の感情を抱く、当たり前の青春ど真ん中にひなたはいて、そこから出してくれる特権を、あおいはようやく背負えるようになってきた。
そんな二人の関係変化の重たい物語の終点として、とてもいいエピソードでした。二人の感情に分け入るための道具として、また個別の登山体験として、金峰山が非常に美しく、特別に描かれていたのが良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
やっぱ美術がつえーわほんとに…綺麗なアニメだーいすき。
終わってみればあっさりともいえるけども、そんな気持ちを吐き出す、抱え込むのがどれだけ大変なことなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
ある意味超日常系ともいえる心の探訪に、後半の尺をほぼ全部注ぐ構成は、大胆だけど面白かったなぁ…ほんとひなたの重力反応は凄かったし、気づけないあおいのあっけらかんな成長もいい。
当たり前の青春を、当たり前でない筆で。そんな試みはキレイな終わりにたどり着けたわけですが、後一話何を描くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
繋がった心が見せてくれる、今までと同じで、でも特別な色彩に彩られた世界は、どんな景色なのか。
ヤマノススメサードシーズン最終回、とても楽しみですね。