少女☆歌劇 レヴュースタァライトを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
物語を通じて演じられてきたオーディションが終わり、勝者は去った。誰からも奪わない、優しく寂しい勝利。しかしそれは、過ぎ去った星に全てを預けていた女の子から、全てを奪う行為でもあり…。
少女の決意を鍵として、最後のステージが幕を開ける。
というわけで、天才・佐伯昭志をコンテに迎え、レヴューなしの日常を積み重ねていくエピソードである。愛するものを失ったとしても、
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
静かに積み上がっていく日々。喪失を追いかけても届かない、子供の背丈。繰り返す日々の中で摩耗していく悲しみと、決定的な痛み。そこからの再起。
静かに静かに、子供だった華恋が世界に、ひかりに、自分自身に目を向け、大人になっていく痛みのジュブナイルを追う語調の、穏やかな豊かさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
それが”舞台少女心得 幕間”と過去のレヴューを織り交ぜ、今までの歩み全てを肯定する力強さに結集した時、ハンマーで殴られた感覚とともに嗚咽していた
前半の抑えた調子がほんと計算され尽くしたタメになって、記憶と心に潜っていく歩み、クライマックスに一人で挑む華恋への祝福が爆裂する最高の花道に繋がった時、ほんとなんかこうもう「うぐぉ…」とか押し殺した獣みたいな声が出てくるしか無くて…ほんと佐伯監督好き…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
僕のキモいリアクションはさておき、静かな物語を彩る静物の使い方が悪魔的に上手く、様々な象徴が意味体系に奥行きを出す作りだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
物質へのフェティシズムは時間へのフェティシズムと連動し、ここまで色々あった舞台少女の物語、その中心にいた華恋の歩み全てが、幾度も思い起こされ、躍動する。
冒頭、星を掴んだひかりは”つぼみの輝き”の刃も握りしめ、血を流す。混じり合わない赤と青。憧れの立ち位置ゼロは、血の色をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
そんな哀しさの中で戴冠したひかりは、何も奪わない優しさを胸に、一人孤独に消え去っていく。
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しかしそれは、ひかりと二人でステージに立つという願いでオーディションに挑んだ華恋から、光を奪う行為でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
『ひかりちゃんを助けたい』という想いが、真実華恋を舞台に、青い星の導きの中に導いた。ねぼすけの女の子は、ループの微睡みから抜けた。https://t.co/Wk59tUGaeg
約束タワーの思い出。自分たちの想いが動き出した瞬間。あの時交換した王冠を身につけることで、華恋は舞台少女となる。自分を特別にしてくれるティアラは、いつだってひかりがくれたものなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
そんな失うことが出来ない半身を、華恋は奪われ、ひかりは奪ってしまった。
先生に、あるいは警官に、暖簾に腕押しな調査を求める華恋の姿は、とても幼い。常に隣で見守り続けるまひるちゃんは、”お姉ちゃん”飛び越えて保護者である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
自分が無力で、何も出来ない子供なのだと思い知ること。現実を動かすことの出来ない、妄想の住人なのだと理解すること。
警官がリアリスティックに尋ねる”最後の消息”を、華恋は答えることが出来ない。キリンが喋り、舞台が動く。運命を駆けた地下のレビューは、思春期が生み出した共同幻想かもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
今まで僕らを魅了してきたファンタジーが、その無力さで持って逆撃を加えてくる展開は、華恋の無力感とシンクロする
とても大事なものだったはずなのに、あっけなく失われてしまう。世界を変えうる特別な存在が、実は極めて無力だと知る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
思春期の万能感の喪失。それはひかりが一足先に、ロンドンで体験した通過儀礼だ。華恋もまた、無力さと踊りながら現実を歩いていく。
華恋は届かない手紙を出しながら、ひかりが戻ってくるという幻想…共有されない一人だけのレヴューを踊り続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
そうしなければ痛みに耐えられないほど、大きいものを預けていて、それをひかりは身勝手に、優しく奪っていってしまった。生きるためには、もう夢を見るしかない。
返らぬメッセージ、差出人不明の手紙。ロンドンから届いた過去の便箋と同じ色合いの、赤と青。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
二人をつないでいた運命の残滓に溺れつつ、華恋は長く、微睡み続ける。傷ついた彼女を見守り続けるまひるの純愛が痛い。
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そんな日々の中でも時間は流れ、新品だった台本はくたびれていく。書き込みが増え、伏線がはられ、舞台は完成に近づいていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
華恋も乱雑だった机を整え、自分のことが自分で少しは出来るようになる。痛みを知って、どうしようもなく大人になっていく。
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それはひかりがロンドンで喪失したもの、華恋とオーディションに挑むことで取り返したかったものを、追体験していく儀式だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
愛するものが失ったもの、見ているようで知らなかったものを、真実知るためには深く潜る必要がある。でもその痛みが染み渡るまでには、時間もかかるhttps://t.co/tiNwf5VO3Q
それを決定的に刻み込むのが、B組との通し稽古であり、オーディションを共に戦った仲間の中なのが、残酷で優しいな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
雨宮さん達も、舞台少女に負けないくらい強い思いで、第100回目の”スタァライト”に賭けている。だから、魂が抜けた華恋の態度は、共演者としてうなずけない。
ジャージを着て、武器も持たずに行われるキツい指摘は、地下の幻想的なレヴューと同じように(あるいはそれ以上に)激しく華恋を試し、再生産のための足場を整える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
二層に分かれていたはずの世界が、劇的に痛みと変化へと、繋がり始める。
ここで上方やや斜めから、舞台を作り上げる仲間を捉えるカメラの客観性が、よく冴えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
仲間は心配している。でも、華恋の熱意と輝きは華恋自身が取り戻すしかない。人生という戦いを闘うのは、他でもない本人以外にいないのだ。
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その突き放した冷たさの中に、立ち位置ゼロを血の真紅ではなく、淡いピンクに色づける優しさがあるのが、良いなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
失ってしまったこと、奪われてしまったこと、幻想に逃げ込んでいたことを思い切り叩きつけられる瞬間でも、仲間はそばに居てくれる。まひるちゃんが至近距離なのがマジ…。
自分と世界の現状を認識した華恋は、ひかりとの思い出を追いかけるように、”スタァライト”原本を学び始める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
乱雑にモノが置かれていた机は本来の仕事を取り戻し、辞書を片手にひかりは夢の源泉へと潜っていく。ここで”学ぶ”という学生の本分に帰還するのは、本当に面白い。
学生っぽくない主人公、真面目になれない劣等生だった華恋は、英語(ひかりの得意分野)を自分の中に取り込むことで、知っていたはずの”スタァライト”の真実を、自力で切開していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
自分の指で文字をなぞり、ストーリーを追う。己が演じる舞台に、秘められた意味の宝石を探す。
その作業はひかりが抱え込み、華恋が共有してあげられなかった喪失に、接近していくための歩みだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
『一人じゃ読めないよ…』と泣き言言ってた時代から、自分の中のひかり性を呼び覚ましていくことで、失ったはずの存在を再生産していく試みだ。
機能的には、ある種の”喪”とも言えるだろう。
辞書に挟み込まれていた付箋。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
仲間たちがひかりのことを(99回から失われた二人の仲間にそうしたように)割り切る中、台本に刻んできた現在の証を、華恋は遅ればせながら再獲得していく。第100回とはねじれた位置にある、自分の舞台に本気になる。
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どうしようもなく失ったのもひかり故なら、それを再獲得しようと本気でもがくのも、ひかり故。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
華恋の一直線で視野が狭いところが、凄く優しく、力強いものとして描かれているのが好きだ。
仲間は大事、友達は大事。でもそれは、己の全てを絞り尽くす理由にはならない。”みんなの”大場ななとは違うのだ
それでいいじゃないか、と仲間たちはいう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
自分たちが割り切れてしまうように、華恋は割り切れない。形は違えど舞台少女として、何かを求めて必死で走る理由は、それぞれ違っていい。
そんな差異を飲み込んで、だからこそ豊かに輝かせてくれるから、舞台は尊い。
そういう目線で、それでも華恋を見放さず、それぞれの距離で見守ってくれる連中が、僕はやっぱりとても好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
香子のお薄、ばななのサンドウィッチ。お腹を満たし、乾きを癒し、前に進むパワーをくれるもの。
双葉の肩揉み。一瞬の甘えと弛緩、再生産の気力をくれるもの
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あるいは純那ちゃんの、ガリ勉キャラを活かした英語の参考書。自分になかったキャラを取り入れる時、先を走っている仲間はいつでも助けになる
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
真矢クロは遠くから、誇り高く、でも心配そうに見守る。そういう距離感も、親密さと同じくらい大事なのだ。
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仲間の助けに支えられ、華恋は世界の秘密を記した書物を読み終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
それはひかりがロンドンで手に入れ、現世に残された暗号、SOS…あるいは遺言である。
それを自分の手で読めるよう、頑張って身の丈を伸ばすことが、前に進む活力、舞台少女の再生産へと繋がる。
自分が知っているのとは、また違う解釈。舞台に乗らないストーリーのバリエーションを学ぶことで、華恋はひかりの居場所を学び取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
それは知っているつもりで知らなかった、ひかりの痛みを学んでいく過程と、しっかり歩調を同じくする。無知に、幼さに隠されていたヴェールを剥いで、真を知ること。
そして、知らなかった場所、隠蔽された場所に、時に暴力的に踏み込んでいくこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
物語が始まった時と同じように、華恋は『ひかりちゃんを助けたい』という願望一個(+バール。ひかりの獲物)を手に、壁へと踏み込んでいく。現実の視点では、冷たいどん詰まり。そこに入り口を幻視する。
それは第3話で、舞台への道を閉ざされたひかりが踏み込んだのと、同じ道だ。喪失に食われ、幻想に溺れ、その先にある真実を見つけようともがいた結果、華恋は真実、ひかりちゃんを理解していく。重なっていく。https://t.co/AsEXu7ueG9
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
あの時は唐突に思えたひかりちゃんの切実さを、僕も華恋のように理解はしていなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
奪われ、非力だと思い知らされてもなお、己を構成する半身を守りたい、取り戻し再生産したいと願う本気の想いがあったからこそ、ひかりはバールを握り、必死に暴れたのだ。
壁にバールを突き立て、現実の冷たい感触を幻想で引き剥がそうと暴れる華恋は、あの時の狂った熱量、迸る青春と同じ場所に立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
8話かけて、ひかりちゃんと同じポジションまで追いついた、とも言える。なんと遠回しな追いかけっこか…。
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大人には言えなくても、確かに壁の奥のエレベーターはあった。心に感応して動く舞台も、一人だけが選ばれるオーディションも、そこで失われてしまったものも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
全ては幻ではない。今胸を焼く、もう一度会いたいという思いも。
狂ったようにバールを突き立てながら、華恋はその切実さにたどり着く。
それに感応して、火の消えた非常灯に青(ひかりのパーソナルカラー!)い光が灯り、華恋は幻想と現実の境界線を踏み越える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
此処から先は心の領域。思いの強さが全てを決める、懐かしき真実の舞台。さぁ、アンコールの時間ですッ!
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とその前に、長い幕間が入る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
ここがほんとにエモで脳髄を殴ってきて、俺の感情と涙腺はぶっ壊れちまったんだよ…華恋はひかキチ一直線で、自分のいちばん大事なものはあの子しかいない。
でもだからといって、共にあった仲間が消えるわけじゃない。一番星を探す旅路を、一緒に走った戦友がいる。
幻想的な階段、あるいはキャットウォーク(時間的永遠を水平に走り続けたばななのステージが、上下のない空間なのは巧すぎる)と、現実の少女たちが足場を置く様々な風景が、驚異的な圧縮度で同時に展開する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
華恋に語りかける少女たちは、共有できない孤独な幻想なのだろうか?
そうであり、そうではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
警官に言えなかったオーディションがそうであるように、現実に確かな手触りがないものでも、子供の脆い幻想でも、それは確かにあった。
華恋最後の戦いに、祝福と帰還を約束してくれる仲間たちは、華恋の心に中に確かにあり、そしてそこにしかいないものだ。
あの薄暗い階段、過去のレヴューが大切にしまわれている空間それ自体…僕らが見てきたBパート自体が、そういうものなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
あの鮮烈な映像体験が、たとえ幻だったとしても。舞台少女のプライドと優しさが幾重にも交錯し、魂の輝きが綺羅星めいて光った思い出は、もう消えない。触れなくてもそこにある
現実のAパートと、幻想のBパート。二層の構造を基本としていた物語はここにいたり、現実と幻想の境界線を保ちつつ、並走し、影響し合いながら展開していく領域へと止揚されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
何が現実か。なにが夢か。その境界線を”定めない”ことこそが、最も確かに夢を現実に変えていくのだ。
一人しかいない勝者を、二人で掴む。世界の道理を捻じ曲げる、無力で儚い夢想の理想。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
でも本当に、それを掴み取りたかったのだと。そのための道筋はあるのだと。辞書片手に原文に挑むことで、自分の力で学んだ華恋は、ハッピーエンドを掴む戦いのため、ゆっくり沈んでいく。
それを描く確かな幻想と、柔らかな現実の共存があまりにも的確で、本当に凄いと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
過去この物語が積み重ねてきたものへの自負と愛情、それを踏まえて繋がる約束と思いが、画面の全てから俺を打ちのめし、圧倒的な圧力で押し流してきた。
ほんま凄いよ、このアニメ。
カット・インされる舞台少女の現実は、どれも好きなんだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
クローゼットから出して、くまちゃんの隣にクラゲを添えてあげるひかりちゃんの優しさが、特にぶっ刺さる。
ホンマこの子は、もう一人のルームメイトのことも大好きになってたんやなって思った。
(C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/IfkPJN9vJQ
※訂正
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
×ひかりちゃんの優しさ→○まひるちゃんの優しさ
隠されていたものを暴き立て、取り出し、公開する。秘密を共有することで、新しい道に進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
第5話で”キラメキのありか”を探し当てる時に、ひかりがどういう横槍を入れて、まひるが致命的な道の間違えをしないよう、仕事をしてくれたか。https://t.co/dLqmOWxuD4
大好きな華恋ちゃんが、大好きなひかりちゃんを取り戻す時、まひるちゃんはようやく恩を返すのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
それが幻影のエールだったとしても、華恋の中にあるまひるの思いと言葉は、現実と同じように背中を押すだろう。同じ舞台に帰ってくる約束を、激戦の前に刻むだろう。
そういう過去の残響がもうあらゆる場所に超高密度であって、『ホンマ国は、佐伯演出をエモ過剰罪で取り締まらんとアカン!』と思った。ガンッガン脱法してくれ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
純那ちゃんの台本、裏方の仕事頑張るばなな、二人のバイク、真矢クロ約束のレッスンルーム。エモでSINU!
(C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/zNpfJZ36Ai
ここで立ち位置ゼロが、夜闇と化学反応して紫(赤と青の混合色。ひかれん結婚!!)に変化してるのが、ホンマすごいと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
血の色、あなたの色、私達の色。残酷な頂点の色彩は、様々に変わる。奪うだけが、勝ちの形ではないのだ。
(C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/E3DHB4IGld
かくして心の闇を下りきり(少しウテナ黒薔薇編、あるいはデレマス第24話にも似た、感情の洞窟探検である)、華恋は運命へとたどり着く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
そこが最後の場所ではなく、帰ってくるべき約束の舞台は現実にあることを、舞台少女たちの幻が教えてくれる。
(C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/3knODeDIER
なにもない空間に残された、USB充電の携帯電話(師匠譲りで、このアニメはシュルレアリスムの使い方が上手い。手術台の上のこうもり傘的演出の冴え)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
そこに展開していく、動かなかったはずの過去。自分が閉じ込めていた、思いの開放。立ち位置ゼロの色は紫。
(C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/RVLQlU69yA
華恋の止まっていた時間が動き出した時、チケットが発行される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
CASTはひかり一人。”観客は立ち入らないこと”との但し書きあり。
一話で愛する人のピンチのため、掟破りの乱入を果たした女に、刺さる警句じゃないね。…出演者変更の但し書きも、ちゃっかりあるし。
(C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/KZFV922Y38
最後の境界線を力強く踏み越えて、華恋は自分のIDを名乗る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
学生、舞台少女、ひかりちゃんを強く求めるもの。
第一話、この物語が力強い『入ります!』の挨拶で始まったのを思い出すと、あの時からこの瞬間は約束されていたのだ。青い鳥は、いつでもお家にいる。https://t.co/AvSFVAaIGb
終わりであり、始まりでもある運命の舞台。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
オーディションでもレヴューでもない本番を、ただ見守るしかない観客の立場で、華恋は最終話に挑む。
でも、溺れ、迷い、学ぶことで自分とあなたの孤独と痛みを知ってしまった少女が、おとなしく見ているだけに甘んじられるだろうか?
あなたの痛みは、私と同じ。形は違えど、根っこが同じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
そう確信できるように、辞書を操って世界を学んだ華恋は、何も知らない子供じゃない。現実を諦めた大人でもない。
人生というステージに、己と世界を輝かせるスタァライトそのものに、ようやく主人公はなったのだ。
だから最後の舞台は、最高のハッピーエンドで終わるだろうし、青春の思い出と約束した現実の舞台へと、二人は帰ってくるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
ピンクの砂漠に横たわる、思い出タワー。勝者の特権を剥ぎ取られ、裸で横たわるお姫様。風邪引くぞひかりちゃん…。
C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/SNoTvyJDEy
世界のあり方全てを書き換えられる、勝者の特権。冠も衣も脱ぎ捨ててひかりちゃんが伏しているのは、彼女が優しいからで、世界が厳しいからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
王冠を被って、他人から略奪する悪い王様には、ひかりちゃんはなりたくないのだ。ホンマ優しい子で、オッサン涙出てくらぁ…。
そんな優しさを、あんな東京ピンク砂漠に置き去りにして、はい大団円ですとなるわけねーだろーがボケが!!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
孤独の中で己を見つけ直した華恋には、ブッチギリ再生産での大勝利を期待したい。世界のルールがなんぼのもんじゃい! ワシは夢と女を取り戻すんじゃ! 欲張りキングの全部盛りじゃ!!
そんなわけで、主人公の挫折と再起を、圧倒的に豊かな語り口、過去への優しく力強い目線で描ききる、圧倒的なラス一個前でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
あまりに強く殴られすぎて、完全に狂人の寝言を吠えた記憶もありますが、まぁそれも一つの真実、消えることのない幻想ということで。
”舞台少女心得 幕間”からのココロダンジョン下り旅で、幻想と現実を二層化し、混ぜ合わせて物語を展開してきた作品全体を、凄く価値あるものとしてグッと押し上げたのが、クライマックス直前の仕事として圧倒的だな、と思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
華恋がそこで満たされたように、俺達もこの作品を好きでいていい。
少女たちの舞台は、2.5次元の舞台と重なり合いつつ、モニタの中の嘘である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
でも、そこから受け取った胸の高鳴り、殴られた脳髄、刻まれた感情は、どこかで生き続ける。警察官には言い出せない、一瞬の共通幻想でありながら、それは確かにそこにある。あり続ける。
そういう確信を胸に沸き立たせてくれるエピソードって、やっぱすごく良いもんだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
下げ調子で始まったお話がこの終わり方、まぁ負けるわけがねぇ。
次回最終回。
先に言っておくわ。
このアニメを見れて、好きになってよかった。ありがとう。
追記 戦わなければいけないときが必ずあって、でも戦わなくていいときだって必ずある。そういうありふれて特別な、当たり前の人生の物語の、一つの到達点があの階段下りなのだろう。
スタァライト追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
『レヴューのない回』と書いたけども、”舞台少女心得 幕間”をBGMに階段を降りるシーン自体が、空想が現実に強い影響を及ぼす、剣を交わさないレヴューだったのかもしれない。
競い、闘うことばかりしてた少女たちは、剣を置いて約束を交わす。
そういう質的変化にたどり着けたのは、”幼さ”がキャラ属性だった主人公が、喪失に迷い、真実に学んだ成長のおかげだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
どちらにせよ、舞台少女は強敵で親友。今回のレヴューが見せた、暗がり(舞台裏)からのエールもまた、あるべき魂の交わりなのだろう。
追記 ばななちゃんは純那ちゃんが『一人の子を見逃さない、優しい人だから好き』なわけだけども、それはこの作品自体にも言えるんじゃねぇかな、と思う。
今11話見返したけども、ヤッパ色々発見があって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
クロちゃんが『舞台は心臓、歌は鼓動、情熱は血』って言ったの考えると、ひかりちゃんが冒頭流していたのは”情熱”なんだな、とか。
華恋最新のメッセージが『約束、覚えてる』で、全裸土下座ひかりちゃんのセリフが『覚えてるよ』なの呼応してるとか
虚しい木霊だと思ってたメッセージは、分厚い孤独の壁を飛び越えて、ひかりちゃんに届いていた。お返事書くことは許されなくても、華恋の思いは生きて動いていた。一見無駄な迷い道に見えたけど、そこに込められた切実な愛は、行き場を見失ってはいなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月23日
そういうのが繋がるの、ほんと良いっす。