色づく世界の明日から を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
もし世界が友情だけのモノトーンだったなら、どれだけの不幸と幸福が無くなっていただろう。望むと望まざると、少年少女のパレットに装填されていく、恋色絵の具。
それは今まで知らなくて、でも最初からであっていた色彩。世界を複雑な色に塗り分ける、単純な感情。
そんな感じの、未来からやってきたスーパーサークラターミネーター大暴れ回である。シュワちゃんだってこんな殺戮は出来やしねぇ！ という焼け野原が広がったが、それもまた瞳美ちゃんが色を取り戻し、子供時代を乗り越えていくための大事な一歩。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
泣くな将…お前は良いやつ、良い男だよ…。
鈍感ズを中心に展開している、感情連鎖の地獄絵図。それは友情だけで世界を塗っていたら、けして炸裂しなかった花火。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
将と唯翔、瞳美とあさぎは恋ではライバル、友情では親友という、なんとも難しい距離感の同性である。男女の区別もなくただ笑いあえる、小学生なら良かったのに…。
しかし当然、彼らは高校生である。唯翔くんは進路と部活の始末に悩み、あさぎちゃんはのんきな幼馴染で居続けられない距離感の苦しむ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
望むと望まざると時は流れ、人は成長してしまう。時間を操る魔法は、只人にはなかなかやって来ない。困ったものである。
こういう青春の成長痛に踏み込む話を、時間を逆転させ静止させる魔法の難しさを描いたエピソードの”次”に配置するのは、面白い構成だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
時を止める特別と、時が進む普遍。それは瞳美というひとりの少女の中で両立している。奇跡的な例外故に時を遡り、友達に会えた。そして、少女は必ず女になる
そんな当たり前に伴う辛さと幸福を、相変わらず地道に丁寧に鮮明に追いかけるのが、このアニメの筆である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
冒頭、お互い写真を確認しながら自分たちが既に敗北していることを直感する幼馴染’sが、とんでもないキーンエッジであった。サクッと暗喩で殺してくるなぁ…。
他にも告白シーンで将くんに常時影がかかっていたり、エレベーターから出れないことで男女関係に踏み出せない瞳美のモラトリアムを見せたり、静かに”絵”で見せる表現は元気だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
ここら辺の分かりにくさは視聴者の読解力を信じてのことだが、パッと見の難しさにも繋がってるのかもしれん。
しかしまぁ俺はわかる（つもりだ）し、好きなのでこれでいい。この静けさ、視聴者を信頼して”読み”を預けてくるコミュニケーションが心地良いし、独特だと感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
そういう共犯関係を、視聴者側からの勝手な妄想ながら構築できるアニメが、僕はやっぱり好きなのだ。
長崎ぶらぶらデートは将くんと瞳美ちゃんの意識の差が如実に現れ、痛くて辛くて綺麗なシーンだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
ダウナーでインナーな瞳美ちゃんは、灰色の世界に閉じこもり、自分に勝ちがないと思い込み続けてきた。それをぶち壊したのは、時を越えてであった友人。大事だけど、恋ではない。
灰色の世界はある種の自己防衛でもあり、瞳美ちゃんはグリザイユの繭の中で、子供の時分を守ってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
恋も知らない、他人も見ない。そんな孫に琥珀は立ち方を教え、あさぎは友情を、将は写真を、唯翔は色と恋を与えてくれた。
その結果として、明るく可愛い瞳美ちゃんがいる。
60年の時間旅行は未来の琥珀ババァにとっては約束された通過儀礼であり、現在の瞳美ちゃんにとっては未知の現在でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
結果を既に知るものと、未知なる可能性に飛び込むもの。この関係性は、琥珀がピチピチに若返っても健在である。母のように姉のように、幼い瞳美を恋愛安全圏から見守るスタンス
その庇護は協力かつ有効で、しかし必ず穴がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
琥珀は瞳美ちゃんの恋人に…世界に色を取り戻す唯一の存在になってあげるわけにはいかない。恋と友情の違いを教え、世界の複雑な色彩を乗せるパレットにはなれないのだ。
なので、そこら辺のめんどくせー色合いは将、お前の人間力に任せた…。
将くんが瞳美ちゃんを見る目は、あくまで強くて優しい。ただの優しい先輩で終わって、傷つかないままいることも、当然視野には入っていただろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
だが彼の善性は、素直に世界を見るカメラマンの眼に立脚している。その透明なレンズは、自分の心も曇りなく、嘘無しで見抜いてしまう。
だから、玉と砕けること前提で、その破片が瞳美を困惑させることを考慮した上で、素直に飛び込んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
唯翔くんとの恋が知らず駆動した、路面電車のホームを処刑場に選ぶところがマジ最悪で最高である。将くんが飛び込んでも、そこはモノトーンのままなのだ…ウウッ！（嗚咽）
将くんの勇気がつけた傷に、瞳美は当然困惑する。ベビちゃんな瞳美ちゃんは、急に好きとか言われても恐いだけだかんなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
しかしコレまでのように、彼女なりに真摯に状況を受け止め、心のパレットに配置していく。尊敬できるけど恋愛対象にはならない相手は、どんな色なんだろうか？
灰色の世界に色を載せていくと、自分の心も見えてくる。金色に輝く魚、世界で唯一つ欲しくなるもの。それがどんな人なのかを見つけられたのは、将くんが思いを伝えてくれたからこそだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
そんな爽やかな思いの交換を経て、屋上で大敗北を期する将くん。最後に背中を押して、なんてっカッコいい…
で終わらせないところが、最高に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
将くんがいかに尊敬できるボーイとは言え、たった18年しか生きてねぇガキ。自分が選ばれず、親友が選ばれる残酷さを前に、黙っていられるわけがない。
ブラスバンドの不協和音に思いを載せて、涙の代わりに吠えた声は、いつしか学校中に響く。
それは都合の良いイケメンが、傷も背負えば理不尽も感じる人間だって証明である。みんな難しい関係、収まらない気持ちを抱え込んだまま、青春を走る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
それは男も女も、未来人も現在人も、マジシャンもノーマルも変わりはしない。様々な色で塗り分けられつつ、色彩がある事自体は変わりがない。
そういうシーンをちゃんとやった上で、将くんの思いを決着させたのは素晴らしく良かった。唯将くんにバトンタッチして、鈍感ズの恋を駆動させたところも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
将くんアンタ立派や…歴史の教科書に載るくらい立派やで…。負け担当に感情移入させるの、ズルいけど正着だよなぁやっぱ。
そして戦う前から負けている、生粋の敗北者（ルーザー）あさぎちゃん。いい子なのに、いい子だからこそ空気を読み、目線の暗号を解きほぐし、己の敗北を悟る。自分に自信がない同士、未来から来た親友が恋心を奪ったことを、勝手に悟ってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
『もう終わった』…？ まだ始まってすらいねぇよ！
そんなキッズリターンが長崎に炸裂するかは、次回を見なければ分からない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
次回予告の映像が、モノトーンからカラフルにじわじわと色づいているのにようやく気づいたけども、そんな感じであさぎちゃんの敗北人生（ルーザーズライフ）も、幸福に色づいていってほしいものだ。
今回将くんが飛び込み、瞳美が悩んで手に入れたものが、親友であるあさぎちゃんにちゃんと引き継がれると良いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
色が見えようが、見えまいが。魔法が支えようが、使えまいが。
いちばん大事な色と魔法は、あらゆる人の心にあるのだ。そしてそれを交流するパレットが、部活であり青春なのだ。
未来から送り込まれた恋の刺客、ド天然サークルターミネーターは、悩んだだけ大きく為れたのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
鈍感ズのオトコノコ担当は、親友の叫びに何を感じたのか。
生粋の敗北者は、どういう勝利を手に入れるのか。
終盤に向け舵を変えたようで、その実ずっと同じ物語を貫いているこのアニメ。次回も楽しみ。
