スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
動き出した夢は、星の鼓動を帯びて輝く。
宇宙からのお友達、伝説の戦士プリキュア。星奈ひかるの日常は新たなワンダーに満ちていく。そんなキラキラ地球人に対し、13歳の成人宇宙人はシビアでリアル。
奇妙な二人の出会いは、どこに転がっていくのか。
そんな感じのスタプリ第二話、設定説明とララのキャラ見せを軸に進む出会いのエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
地球とは違うルールで生きる宇宙人のクールさ、データ重視の”大人”っぷりを強調するほどに、直感と好奇心でグイグイ押し込むひかるの熱量が強調され、主人公への興味と好感が強まる作りであった。
性格も環境も能力も異なる二人が、運命に引き寄せられて出会い、交流を深めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
初代様より綿綿と繋がるプリキュア女女引力圏だが、今回何しろネタが”宇宙”なので、ギャップは非常に分かりやすい。種族レベルで違う生き物なのだ。
そういう断絶を見せるために、衣食住のギャップを活かし、レイアウトもクッキリと切り分ける。バラバラに分断されていたものの間にブリッジがかかり、好奇心が奇跡を連れてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
何かが動き出しそうな予感、実際に動く時のトキメキがエピソードにみっしり満ちていて、非常にいい始動である。
色々といい所があるのだが、やはり”絵”のルックが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
カメラを大きく引いて”Space”を強調するレイアウトと、かなりバロックなカメラワークで不思議なクローズアップを見せる絵面が、気持ちよく同居している。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/33dFQeTcrp
大きな✗のついた宇宙船の、ファンシーなビジュアル。夜更かしを許されない少女たちの、秘密の時間。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
なかなか心躍る絵面だが、ララは孤独に高い場所に位置して、ひかるのいる場所にはなかなか降りてこない。
しかしひかるはそんなバリアなんぞ気にもせず、エイリアンよりエイリアンっぽく侵略開始だ。
スルスルと懐に入り込んで、宇宙の食べ物を警戒一切無しで口に入れる。宇宙糧食を入れたポーチの内側にカメラを仕込み、ギュパッと歪んだダイナミズムで回す演出が非常に面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
それは地球人視点でもトンチキな行動だ。ひかるはあまりに明け透けで物怖じしない、かなり特別な子供だ。
しかしその壁のなさ、恐れのなさが異質なお友達との距離感を縮め、異性の食事を共有させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
ノータイムで宇宙グミ食いに行ったひかるに対し、ララは低級惑星のメシを前にビビり、壁を作る。大人に相応しく逡巡し、縮こまってデータで判断する。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/mLf67OVyqp
しかし思い切り口を開けてかじってみれば、原始的な喜びに満ちた”食”は美味しく楽しい。それはひかるが手ずから仕上げた友情が、隠し味になっているからだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
同じ釜の飯を食った少女たちは、天と地に切り離されるのを止めて、同じ地べたにぺたんと座る。女の子座り可愛い。
後に『羽衣ララの奇跡』を掴み取るときも、ララはプリキュアという異物に怯え、データと常識に縛られて踏み出せない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
宇宙人的には『大人というのはそういうもの』なのだろうけども、同時に力を持たない子供だからこそ、挫折と責任を既に見据える大人っぽさがあるからこそ、足取りも止まる。
二人の座組が上手いのは、ひかるがララ的な『大人の世界』から完全に浮遊した、特権的な『子供』ではないところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
祖父という家庭内社会規範に監視され、夜更かしを見つかったら怒られる立場。自分の部屋を乱雑だと怒られる、他者の規範によってジャッジされる立場に、ひかるは取り囲まれている。
ひかるは直感と好奇心を疑わず前に出て、お話と人間関係を進めていく良い主人公だ。しかし何も見えないほど人間関係の視力が悪いわけでも、知恵が足りないわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
彼女とララが降り立つのが”書斎”なのは、とても面白い。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/8n6yYJDDrB
真夜中、本来物分かりよく眠る場所のはずのベットの上に、素足で降り立つ。この”屋根裏の秘密の冒険”な感じが、凄く児童文学的なワクワクと物分りの悪さに満ちていて、凄く良いなと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
大人が押し付ける規範だけ飲み込んでいたら、ワクワクする心臓は止まってしまう。時にはお行儀悪く、大胆に。
そういう冒険を共に走り抜けていく仲間に、ひかるとララはなりうるのだという予感が、この不思議な書斎への訪問には満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
そこはひかるの脳内をそのまま出力したような、素敵な空間だ。幼稚園時代に既に、『宇宙人と友だちになった自分』を描いているのが最高に良い。
ビビッドな色彩ながら、彼女なりのセンスと知性で宇宙の情報はまとめられ、想像力を引き出す書物は幾度も読まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
ひかるは十分以上に知的なのだが、それは祖父が代表する一般的な社会規範からは見落とされがちなインテリジェンスでもある。
今後、ひかるの個性と知性はどう認められていくのか。
なかなか楽しみだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
未来の謎と言えば、書斎を残しつつも家庭に影のない”父”が一体どんな人物なのかも、かなり気になる。サバーク博士よろしく、終盤敵幹部として『I'm your father』と登場とかすんのかな…?
今後フックになりそうな”父”という伏せ札を、さり気なく強調する演出も巧かった。
ヴィヴィッドな想像力と好奇心、物怖じせずに前に進む行動力を併せ持つひかるは、ララとの距離をどんどん縮めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
地球式のおはようの挨拶を、迷いなく宇宙人に叩きつけ、宇宙式の触覚コンタクトも迷わず受ける。コミュニケーションのチャネルが、常にオープンな子だ。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/IptOkgr2wA
そんなひかるの直感的善性を、『大人』を自認するララはなかなか受け入れられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
全てはロジックと経験、データと分析で認められるもので、可能性は数字で表せる。勝てる見込みが無いなら引いて、奇跡は信じない。
ララは異星の常識に、少し頑なに縛られているように見える。
地球でならバカも無鉄砲も許される13歳という年齢は、エイリアンの常識では責任を背負う大人だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
『地球人/宇宙人』というギャップは成人制度の差異をアダプターにして、『大人/子供』というギャップに繋がっていく。この差異を、同い年の主役二人でやるのはとても面白いなぁと思う。
宇宙テーマを活かした異質性にララが思い悩む中で、先週説明しなかった基本設定がいろいろ開示されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
話が悪役の攻撃に差し掛かり、宇宙を悪に染め上げる”敵”の話になった途端、こういう大胆な絵が出てくる所がかなり好き。
悪党の話なので画面が暗くなる。正しい
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ひかるの直観主義とポジティブさ、構えない明け透けさにララが反発するのは、彼女が『大人』だからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
そういうひかるらしさをバカにして切り捨てず、むしろ心の何処かで惹かれているのは彼女が『子供』だからだ。
ララは故郷の常識から切り離された異国で、複雑に揺れ動いている。
ぶっちぎりにバカガキに思わせておいて、存外クレバーな距離感も見せるひかるとは真逆の、でも何処かで似通ったアンバランス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
二人は反発しつつ惹かれ合い、異星人と地球人のセカンドコンタクトは、ひかるが間に入って取り持つこととなる。
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天文台と羅針盤、星と航海のモチーフに満ちた建物を境界線に、ララは地球にまだなじまない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
異邦への触媒として間を取り持つのが、ひかるの仕事であり、同時にひかるの中の(つまりララの中の)『子供』に反発されるのも大事な役目だ。
それが、物語を押し出す推進力になる。
ひかるとララはまるで二つの遊星のように、お互いの距離を探し続ける。完全に心を許したわけじゃないけど、拒絶するには引き寄せられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
二人が座るベンチは片側によりすぎていて、それを切り取る画角もちょっと傾いでいる。ララの複雑な内面を、上手くアングルに乗せていると思う。
ここからカッパハゲが一生かっこいいセリフとかっこいいマニューバをぶん回して、イカすアクション開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
相変わらずカッパードさんはクレバーで小粋な台詞回しと、ピカピカ光る頭頂部がミスマッチで面白い。悪の幹部として正義のヒロインを突っつく仕事も、ほぼ完璧だしな。
カッパードは二人を一つに括り、奇跡を否定する。その働きかけがあって初めて、ララは『自分だけの奇跡』に踏み出せるようになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
ひかるの真っ直ぐな、時に子供っぽくて無責任とも言いたくなるエールが『正の後押し』だとすると、カッパードは『負の後押し』を担当しているわけだ。
前回の無重力戦闘に比べ、ホームタウンでの地に足の着いた戦闘は不思議な生々しさがあり、魅力的だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
力強く腕を掴んで、必死に敵を止めようとするキュアスターの奮戦が、凄くパワフルでトルクを感じた。泥っぽい殺陣が、いい具合に重量を宿していたのがグッド。
無力な一般人として逃げ惑うララを、大胆な鳥瞰で見せる。ヒーローに共通する強さと優しさを、変身していない状況でしっかり見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
弱者たるフワをキーアイテムに、暴力に屈しない勇気、作品が見せたい正義の形を明瞭にしたのは、凄く良かった。
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弱かろうと変身できなかろうと、人をモノ扱いするような理不尽には体を張って対抗する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
C調なツッコミ進行役なプルンスが、ちゃんと戦ってララを守ろうとしたところとか最高に良かった。こいつはかなり信頼の置ける青ダコだと思えた。そういうの大事、マジ大事。
ララはひかるのエールを素直に受け止め、自分の中の『子供』を全面に押し出すことで、キュアミルキーに変身する。板岡錦渾身のバンクはキュートでセクシーでファンタジックでまさに最高であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
反発ばかりしていた異星の友人、彼女を鏡に反射するもうひとりの自分を、数字を無視して信頼する。
固着して枷になるばかりの『大人』という規範をぶち破ったことで、『羽衣ララの奇跡』は形をなした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
自分だけの奇跡を過剰に持ち上げるのではなく、ひかるが成し遂げた奇跡を『もう一つの奇跡』とちゃんと認めている所が、ララちゃんの魂が気高い部分である。
今後も凸凹ちぐはぐと、ロジックの青とエモーションの紅はぶつかりあうのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
今の所ひかるの直観主義が強く見えるけども、それが取りこぼすものをララちゃんの理論主義がカバーするような話があると、不公平感が薄くなってとてもいいと思う。バディ感もバリバリと強まるしね。
まだまだ出会ったばかり、自分の内側にある個性も、周囲を取り巻く規範もバラバラな異星人二人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
でもその色彩が、個別の色を保ったままお互いを引き立てあって、素敵な何かが生まれるかもしれない。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/0zAJFGVru9
そういう期待感をしっかり高めてくれる、とても良い第二エピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
敵を倒しプリキュアにも成って、貴方も私もなかなか大したもの。安定した心象を反映して、バランスが取れて親しい距離感で最後落ち着くところとか、心理とレイアウトを上手くリンクさせた演出を完遂し、とても良かったです。
まぁ来週速攻で解散芸だけどな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
はえーよお前ら、初代でもぶつかり合うまでは結構かかったで?
しかしまぁ、お互い対照的な個性の持ち主だってことも、今回ちゃんと描写されたわけで。
宇宙嵐が吹き荒れた後、どんな絆と友情が生まれるか。来週も楽しみですね。
追記 ララの変身バンクについて。
スタプリ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
キュアミルキーの変身バンク、全体的に凄まじく最高なわけですが。
表情も仕草も様々な魅力を惜しげなく叩きつけてきて、ララが色んな顔を持ってる女の子だとしっかり魅せてくる。
本編中はクールな顔が目立ったので、『子供』っぽい元気や悪戯がバンクで確信できるのは良いです。
どうしてもララのキュート&セクシーが目立つけども、『天の川』なんで溢れてくる流体表現の巧みさとか、ハートと宝石が乱舞する少女空間のギラギラした華やかさとか、変身完了の時の流れる星の美しさとか、クオリティをキャラ演出に使い倒す演出プランが、やっぱり凄い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
バンクは歌舞伎で言えば”大見得”みたいなもんで、観客の注目が集まる無言のキメどころ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
スタプリがどんな作品か、ララがどんな少女かしっかり伝えて、期待と興奮を高める大事な仕事を、予想も期待もブッ千切って決めきったのは素晴らしいと思います。やっぱ板岡錦は凄い。
小原さんの歌声がまた朴訥と涼しげで、80'sアイドルのプレーンな気配をうまーく覆い焼きに、作品全体のムードとしっかり噛み合っていると思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日
同時変身バンクになると、お歌が合唱になりそうなのも良いのよね…オールドスクールフレイバーを活かしつつ、新しい試みもねじ込む。良い野心だ。