バンドリ履修記録
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
・Poppin'Party 第二章『二重の虹(ダブル レインボウ)』
当たり前に過ぎていく日々の中で、生まれる小さなつまづき。
市ヶ谷有咲を震源とする波紋が、ポピパの『当たり前』を揺るがしていく。
手に入れてしまったもの、見つけてしまった輝きを取り戻すために、さあ行こう!
というわけで、ガルパ履修最終章はポピパ二章となった。これで俺も”虎”だ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
感慨はさておき、話としてはポピパらしい、等身大のお話である。凄く小さなところから生まれたつまづきが、凄く等身大の波風を起こし、凄く当たり前の涙と笑顔が解像度高く描かれる。
今回の波風は市ヶ谷有咲から生まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
教師によるちょっとした注意を、バンドガッタガタにするほどの大事件に拡大してしまうのは、人格の不安定さだけが理由ではない。
後に沙綾が言葉にするが、『大好きだからこその過ち』が、有咲を空転させた感じがある。
ポピパは明るい青春ど真ん中バンドに見えて、リア充街道には上手く乗れないしくじり人間が、ようやく出会えた運命のシェルターみたいな側面がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
順当に当たり前に、満たされた関係を反復していく喜びは、どっちかというとAfterglowの領分な気がする。
有咲は蔵籠もりの元・自意識人間であり、自分と世界の距離感を図る視力が良くない。今回のようにちょっと歯車がずれると、ツンデレの使い方を間違えて他人も自分も傷つけたりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
ポピパのメンバー(ガルパの女の子?)全員、そういうギクシャクした顔を飼いならしつつ、バンドで青春しているが。
かくして色々要素が重なり、ピシッとヒビが入ったポピパ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
香澄は相変わらずストレスを逃がすために道化の空回りで踊り、沙綾はなかなか言葉を見つけられず、りみはダメージにのたうち回る。
おたえは早々に自分の領域にぶっ飛び、蔵を離れていってしまう。
やるべきことをやる。そう言えばカッコいいけども、言葉足らずの独走でもある。真意を言語で伝えない(伝えられない)花園たえの不器用さは、今回は爆裂せず、RASとの事件を引き起こす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
アニメ二期において現在進行系で進展している、ポピパの事件。後追いでコンテンツを追う中シンクロが見える。
とまれおたえは早々に、”音楽”という自分の領域に撤退する。痛みを避けるためというよりは、そもそも当たり前の葛藤が目に入らない感じの立ち回り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
自分の見えているものを遠慮なく叩きつけ、周囲に誤解(それは正統な理解でもある)されてしまうのは、パスパレ二章の日菜に似てもいる。
りみは病床に引っ込み、取り残されたのは沙綾と香澄だけ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
広がったヒビがポピパを壊すと思われた瞬間、沙綾は自身の傷を言葉にしていく。
眼の前でバンドが壊れていく怖さ。友達を避けなきゃいけない時の恐ろしさ。自分でもおかしいな、と思いつつ、狂った歯車が直らない焦燥感。
第0章ではなかなか言葉にできなかったマイナスの感情を、沙綾はあえて言葉にする。もう、二回も間違えるのは嫌だから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
ここで香澄の空転が終わり、持ち前の前進力がいい方向に進み始める。沙綾を調整役にして、星の鼓動を聞き取る特権がもう一度、ポピパを繋ぎ始める。
アニメ二期第11話では、香澄は補助なしに周囲を確認し、前進力を有効活用できていた。あっちゃんに起こしてもらっていたズボラな自分は、一年前に置いてきたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
ポピパ二章での、沙綾をドライバーとして進む姿は、第0章のパンクな空転と”今”の頼もしさ、その中間点に思える。
ぶっちゃけ第11話の香澄の立ち回りは、彼女のパンクに反発しまた惹かれた視聴者としては別格の感慨があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
強く胸を動かす鼓動を、どう扱っていいかわからない不器用な少女。ときに優しさを置き去りに、あまりに真っ直ぐ感情を突き立てる少女。
そんな彼女が一年のバンド活動を経て、大きく変わった
香澄の行動力・推進力は、沙綾が言うとおり特別なものだ。彼女がいなければポピパも、バンドリも始まらなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
その長所を活かしたまま、見守り、導く賢さもいつの間にか手に入れていたことを、二期第11話の香澄は見事に示したと思う。ホンマ…ホンマ立派になりはって…。
この二章では、香澄はそこまで自分をハンドルできない。空回りし、時分を責め、泣きじゃくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
でもポピパのフェールセイフである沙綾が本音を吐露し、涙を流した時に、自分の弱さに沈むのを止める。0章で壁にぶち当たり、声が出なくなった時のように、長い迷妄には入らない。
ポピパが好き。みんなが好き。有咲が好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
そのシンプルな結論を真っ直ぐ見据えて、香澄(と沙綾)はとにかく動く。手を繋ぎ、思いを伝え、言葉を届ける。
”君に伝うメッセージ”でも見せた、作詞家としての長所。地に足の着いた、実感のある言葉を力強く、真ん中に投げることを照れない。
その強みが、『本気を見せるなんてダセェ』と思っていた有咲を溶かす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
この時、香澄の言葉が真新しい真実を”教える”のではなく、既に有咲が答えにたどり着いていたことを”思い出させる”のは、非常にガルパ的だと思う。
答えはいつでも、既にそこにある。
だがそれに気づかず、たどり着くための情熱が発火しない時、人は周囲を巻き込んで道に迷う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
だからこそ認識を改め、自分と世界のあり方をもう一度見つめ直すような『他者という鏡』に誠実に向き合うことが大事になる。
他者とのふれあいの中で既に生まれている奇跡を、もう一度大事にすることが。
その再帰性の幸福論、認識が全てを変えていく存在論は、色を変え形を変え、様々なバンド、様々なキャラクターで顔を見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
『努力はダサい』という有咲のドクサを、香澄の『既に有咲は音楽に努力した』『それはカッコよかった』という言葉が粉砕し、有咲はポピパな日々を思い出す。
それは星の鼓動にぶっ飛んで、新しい経験に飛び込んでいくのとはまたちょっと違う、香澄の強さなのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
既に抱きしめているものの尊さを、思い出させる言葉。自身の魂から絞り出したそれを、他人にちゃんと届けられる所が、作詞家・戸山香澄の強みと言えるか。
ともすれば、”君に伝うメッセージ”で有咲が見せた戸山香澄の”言葉”への過大な信頼は、このとき自分の迷妄を晴らしてくれた経験ゆえのものだったのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
後追いでシナリオを追うと、客観的因果と主観的納得が、順逆入れ替わることがあるのは面白いなぁ。あんま正統なUXじゃないんだろうけど。
とまれ、かくして星の輝きを見つめ直した三人は、りみともおたえとも向き直り、ポピパはズレた歯車を直す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
人間が生きていれば、当たり前に背負うオーバーキャパシティと不和。それに間違いかけ、でもやり直して、少しだけ学ぶ。
そのコンパクトな歩み、地面に足をつけた安定感が、ポピパの独自性か。
なーんも言わない…少なくとも、常人のわかり易い言葉では言わないおたえが、香澄と沙綾が不立文字で思いを伝えあった『強すぎる握手』を真似してる所が、なんともおたえらしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
ほんとポピパ大好きで、信頼して、真似すれば自分の気持も伝わるって信じてんだな…赤ん坊のような信頼…(ガルパ高頭)
その超言語性は彼女の天才でもあり、強みでもある。自分が見つけた結論に向けて、真っ直ぐ走り抜ける。揺るがず迷わず、まっしぐら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
そのおたえっぷりがマイナスに向かった時、一体何が起こるか。歌しか持てない花園たえが、もう一度ポピパと繋がるために何を選んだか。
見よう! 二期11話!
りみりんが自分の心の中の泥と折り合いつけきれずに、学校ズル休みする所が好きで。誰も天使なんかじゃ…天使なんかじゃねぇんだ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
その扉を全力で蹴り開けて、熱い鼓動を伝えに来る香澄のロックっぷりも良い。
あと姉が『ヒントは出さねー』と言いつつ『独力』という最大ヒント出してるところも。
”二重の虹”が二重に見えるのは、多分涙が溜まっているから。それは己の不甲斐なさへの涙であり、仲間と出会え直せた安堵の涙でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
天気雨の果てにある当たり前の虹を大切に掴んで、ポピパはまた、次の間違いに進んでいく。
人が人である以上、断絶と過ちは絶対になくならない。
その上で、どう改め、どう思い出していくか。どうすれば昨日より優しく、強くなれるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
ポピパの物語はずっと、そういう凄く当たり前の人生の話をやってんだなと再確認できる、良いバンストでした。
畏れを踏み越え、香澄の特質を隣で伸ばした沙綾がマジで偉い。
タイミング的に二期第11話と重なって、ゲームとアニメを超えて生まれる”遠近法”みたいのを感じ取れたのも、非常に面白かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
これは後追いで付け焼き刃をつけてる自分の、怪我の功名というか。第二章が既に前提にあって第11話を見た先達とは、違う景色を描けた感じがある。
それは偶然の産物なんだけども、そういう画角が今の僕のもとにやってきたのは、幸運な運命でもあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
沙綾に補佐してもらって走った第二章があって、制御を自分で握り込んだ第11話がある。戸山香澄は、時に暴力的になる己の鼓動を、ちゃんと制動しつつある。
そういう個性の扱い方は、ガルパの沢山ある美質の一つだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
正しさで塗りつぶすのではなく、ゴツゴツした個性との適正距離を見つけ、思い出させて貰う形での”成長”。
それは他者の異質性を否定するのではなく、むしろ当然の前提、尊さの足場として肯定する世界認識とも響き合う。
そういう力強い道に一歩一歩進むためには、沢山間違えて、沢山泣いて、色んな人に守って貰う必要がある。汗も傷も涙も、宝石に変わるのなら…(流れ始める”Brave Jewel”)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
第0章(アニメ一期)-アプリ二章-アニメ二期と流れる戸山香澄の物語を一日で追体験することで、そういう視座も得れました。
というわけでバンドストーリー、イベントストーリーともにアプリからアクセス可能なものは読み切りました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
約二ヶ月! 楽しかった!!
キャラの掘り方、世界認識の仕方、何を”善”として堂々打ち出していくか。
全て僕の波長によく合う、いい物語だと感じました。
メンテが開ければseason 2。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月15日
先達に追いつくためにブースターを積む立場から、リアルタイムで同じ物語を受け止めていくスタンスに変わり、新たな物語体験が始まります。とても楽しみです。
今後もガルパ・バンドリを読む行為は楽しく続けていきますので、よろしくお楽しみください。