イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 19/03/21 ブラックジャケットRPG『フェイクスター・セレナーデ』

春分の日は、二次元くんと1ONを遊びました。BJR付属一本目!

シナリオタイトル:フェイクスター・セレナーデ システム:ブラックジャケットRPG GM:コバヤシ

二次元くん:”二代目ブラッククロウ”マーカス武田:35才男性:スティング 世界最高の怪盗”ブラッククロウ”の名蹟を、実力で引き継いだヴィラン。正義が悪に堕し、白が黒に染まった世界で浪漫を追い求める旧世代の怪盗紳士。

つーわけで、ルールブックに「BJやるならこっからね!」と書いてある(本当に書いてある)シナリオを遊びました。
1ONとは言え一時間、その癖食べたりない感じは一切なく、みっしりと濃厚なロール、スタイルを貫くかっこよさを堪能しました。ただロールを分厚くやるだけでなく、ダイスを振る面白さもちゃんとある所が、DLHエンジンの強いところだと思います。

ショートなシナリオって”早い”だけでなく”強い”のも大事で。薄味でパパっと食べれるだけなら、わざわざTRPGやる必要ないんですよね。でも分厚い物語体験にはコストがかかる…ってジレンマをひっくり返してきてるのが、ここ数年のTRPGトレンドなのかな、と思います。
BJはオリジンの定義がDLHから変わり、能力ではなく生き様をキャラの根底に据えるようになりました。(あえて言うと、NOVAの”スタイル”に近くなった。)
ヴィランとして譲れない一線、不都合な弱さと強さの源泉はあくまで精神の在り方による。改定されたオリジンは、そんな物語への視線を色濃く反映しています。その中でも最もヒロイックなオリジンが怪盗・スティングだと思う。
今回のシナリオはそこに深く切り込んで、暗闇の世界で淡く輝く月を、しっかり主軸に据えていました。シナリオに乗っかってるだけでカッコよくなるのは、そうなるようにシステムが組み上げられているからですね、やっぱり。クエリーとリマークのシステムが、やっぱり完成度高い。
同時にオートマティックに流されるだけでなく、『自分が未来を選び取る』という濃厚な体験もしっかり仕込まれていて、一時間が楽しくなるよう、非常に精妙な仕掛けがしてあります。スティングが追う浪漫とはかけ離れた、ヤダ味の強い現実も最後に殴り込みをかけてくるし、BJ世界を楽しく”体験”できる、優れた付属シナリオだと思います。
やっぱ付属シナリオって、世界と出会う最初の窓になるわけで。そこがしっかり仕上がってると、後のゲームライフが凄く豊穣になるんですよね。このシナリオはそうさせるだけの詩情と構造、シャープな味わいと濃厚な楽しさをがみっちり詰まっていて、凄く良い付属シナリオです。キミも遊べ!

その味わいを引き出してくれたのは、オールドスクールな過去に囚われつつ、糞みたいな現代を諦めない”ヒーロー”二代目ブラッククロウのおかげでもあり。シナリオの空気をよく読んだ、とても良いキャラでした。
1ONは何しろ一人しかいないので、周囲のリソースを侵害する畏れなくゴリゴリ話を回せます。その全力のぶんまわしが、短い時間での満足感を強化してもくれる。シナリオと僕の顔色をよく見て、良い踏み込みを何度も見せてくれた二次元くんに感謝です。

とても楽しいセッションとなりました。やっぱBJは世界観を全面に打ち出し、苦みばしった悪の魅力がムンムン際立つ良いシステムです。ゲームエンジンとしても最新鋭の軽量高速ハイクオリティで、もっと遊びたいですね。

良いセッションでした。同卓していただいた方、ありがとうございました。