スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
遂に復活なった、12星座のプリンセス。しかし
まだ、物語は終わらない。
自分たちはどこから来て、どこへ行くのか。一番強く、心に残るものは何か。
青鬼の振り下ろす拳と理を前に、少女たちの決意が試される。
そして、新たなる力へ…。
そんな感じの最終クール開始ッ! こっからは”マイ・リトル・ポニー”だっ!! というエピソード。いやMLPはやらんけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
ゴールとして設定されてたプリンセス復活が、思ってより早く達成されちゃって、追加目標を大急ぎで継ぎ足すようなお話だった。フワッとしてたなぁ~…フワだけに!(五点)
まぁ一年アニメは生ものなので、色々変化はする。ギャラクティックでトゥインクルなパワーを探し出し、フワちゃんを更に成長させるお話がどう転がるかは、実物見んと評価しにくい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
まぁぶっちゃけ、プリンセス復活も冒険のためのマクガフィンな部分、かなりあるしね…。
広がったガワに中身を詰める時、いつでも大事なのが良い悪役。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
今回はガルオウガさんがズンズン前に出て、新しい展開に飛び込む前に、主役たちの決意や力を試してくるエピソードだった。
やっぱ鏡としての”悪”の仕上がりって、ヒーロー物は大事よね。
前回トッパーさんを鏡にして”責任”を問うたスタプリ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
ガルオウガさんは彼のシャドウでもあって、本拠地でも過剰に責任を気にするし、顕になったオリジンは誠意ゆえの無力感で闇落ちという、なかなか重たいものだった。
鬼は嘘をつかないし、怠けることが出来ない。スタプリ、民俗に本気…。
故郷を滅ぼされた者たちが、集う暗黒の宿り木。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
ノットレイダーのオリジンが顕になったことで、作品の背骨が補強された感じもある。愛するものとの離別はユニの専売特許ではなく、世界中にありふれた悲劇。
絶望にイマジネーションを染めたものには、闇の救世主が必要になる。
そこで登場したのがデウスマスト様である。”神(デウス)”を名乗るのも納得の、まつろわぬ暗黒神だなアンタ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
孤独の中、イマジネーションを暗い方向に向けるしかなかったテロリストにとって、世界に復讐する実行力を与えてくれるデウスマストは、当に神に思えたのだろう。
しかし同じ闇の引力に惹かれ、なおかつギリギリで帰還したユニを思えば、それだけが正解ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
ユニをユニに戻したのはプリキュアとの出会いなんだけども、そこまで善い(他人を害さない)イマジネーションを維持できたのは、彼女自身の善政とプライドなんだよなぁ…。
義賊とテロリストに、どういう差異があるのかって相当難しい問題だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
そこら辺の微細なギャップをよく見て、『お前なら判るだろう…』と語りかけてくるガルオウガさんは流石。
思いの外、善悪の境界線は薄い。鬼も悲しみを背負い、プリキュアも身勝手さを孕むのだ。
第11話でカッパードさんが問うたように、今回ガルオウガさんは子供のイマジネーションを、”現実”見えてる大人視点から試してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
フワを庇護下に置くのは、自分の優越を確認したいエゴではないのか。
優しさだけでは守れない重たさを、背負ったことがあるのか。
凶暴に吼えるガルオウガさんは、同時に慟哭もしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
なぜ、世界には悲しみが沢山あるのか。どうして自分は、それを突破できないのか。
少女たちに振るう拳は、理不尽を前に諦めてしまった”大人”の八つ当たりでもある。ノットレイダーは身につまされて、”痛い”悪役だな…。
同時に若い魂は既に答えを見つけていて、各々の起源に立ち戻ることで、ガルオウガさんの問掛(ステゴロ)を跳ね返す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
新しい力、新しい展開に飛び込むエピソードだからこそ、最初に出会ったときの衝動に立ち戻るのが好き。全ては”そこ”からなのだ。
ただ、守りたいと願った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
始点は同じはずなのに、ガルオウガさんは自分と同じ理不尽の被害者を増やし、プリキュアは諦めず戦い続けられる。
その分水嶺はどこにあるのか。
これはなかなか難しい問で、作品全体で答えを出さなければいけない部分だとも思う。
その助けになるのが”イマジネーション”なのかな、とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
作品全体を貫通する大きなテーマだが、それが凶器にも武器にもなりうることを、このお話は色んなレイヤーで語ってきた。
超絶プリキュアバトルを成立させてるのは、イマジネーションを形にする”筆”なわけで。
想像力を縛り付けて、エゴで塗りつぶせば簡単に他人を殴れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
眼の前にいる”誰か”が、自分と同じように傷つく存在だと共感できる力。
自分が未来を切り開けると、ここが終わりではないと思える力。
それを手放してしまうと、ノットレイダーが生まれる。
そういうニヒリズムに飲み込まれず、多様性と可能性を信じ、初期衝動を瑞々しく保ち続けられるから、彼女たちは”プリキュア”なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
それは綺麗すぎる絵空事で、現実の重さがいつでも否定しにかかる。今回ガルオウガさんが存分に奮った暴力は、とてもありふれた絶望の具体(あるいは変奏)だろう
それでも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
ヒーローの物語は常に善き想像力を肯定するべきだし、ニヒリズムをその範疇に入れた上で、克服可能な未来を書き続けるべきだと、今回スタプリは吠えた。
良いことだと思う。怪物たちが、もう一人の自分であるとちゃんと描いてること含めて。
元ノットレイダーで、嘘つきで盗人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
ユニの薄暗さがよく効いているなぁと、つくづく思う。
ありふれた絶望は、プリキュアを除外しない。責任感や優しさすらも、ニヒリズムに接近し、他者への想像力を無くす足場になりうる。
それでも。
まだ前を向いて、走り直す道はある。
今後ユニ(と、惑星レインボー復活の奇跡)を描く中で、そこはディープに掘り下げるポイントだ…と思う。『…であって欲しい』がより正確か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
何しろ生ものなので、用意した(用意されたと僕が思った)ポイントが描ききれるかは、本当に確言できないから…ユニの中にある悪の種子は、とても面白い。
説得力あるステゴロを展開できるガルオウガさんは、しかし借り物の力で戦っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
イマジネーションを”神”に預けて、得体のしれない野望のために暴力をぶん回す。かつての自分と同じ、愛と責任感を絶望に反転させた犠牲者を量産している。
その矛盾に目を向ければ、もうどこにも進められないから。
ガルオウガさんは神への忠誠と組織への責任感で、ニヒリズムを支え続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
…この出口のない絶望に取っ組み合いを挑むのは、なかなかしんどい戦いだと思うが、”プリキュア”がヒーローなら勝たなければいけない戦いでもあろう。
”悪”を倒してハイ終了、とは当然ならない。プリキュアだしね。
ひかるがガルオウガさんの巨体を『怖い』と素直に認めたのは、とても良かったと思う。イマジネーションは、ときに実態以上の恐怖を生み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
でも、それでも。虚像に震える自分と同時に、それを噛み殺して前に進み、体を張って誰かを守ろうとする自分も、確かにいるから。
星奈ひかる…魂がデカい女…
あとカッパードさんが悪に流されつつ、その実態を結構冷静に見るイマジネーションを残してる描写も良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
彼もまた、何かの間でもがいている。”悪”とされるものの中に、確かに善の反射があること。
理解不能な暗闇を、イマジネーションで照らして見ようとすること。
かなり複雑な反射だ。
”大人”としてのニヒルな優越でぶっ潰そうとして、ララの支えで立ち上がり直したひかるの姿に、カッパードさんは反発と羨望を同時に抱いてんじゃないかなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
ガルオウガさんが必死こいて、プリキュアの甘さ優しさを否定するのと同じく、ここまでたどり着いてしまった自分が潰れる感じ。
しかし同時に、今の自分を否定して、このニヒルなどん詰まり以上の”正解”を示して欲しい気持ちも、どっかにあるのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
何しろノットレイダー、元々は愛から生まれた人たちなので。ユニの中に悪の種子があるように、彼らの中にも善の名残があるのだなぁ…。
彼らが不帰の道を突き進んでいるのか、まだ戻りうるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
フワちゃんを成長させていく旅路は、それを問う冒険にもなるのだろう。ふーむ、難しいが面白い展開になったな…。
作中突っ込まれてる通り、余りにぼんやりふんわりしたクエストではあるがな!!
偶然出会い、知らぬ間に巻き込まれて突き進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
今までの冒険が”子供”の領域だったのに対し、ひかるは少女を代表し”大人(なりかけ)”として、自分の意志で道を選ぶ。
それは面白そうだからだし、フワが大事だからだし、宇宙の命運が勝ってるからでもある。戦いを経て、少しずつひかるの世界は広がる
多彩な世界を知ることは、つまり多彩な自分と出会うことだ。ドス黒い闇含めて、宇宙が広いと知ることで、ひかるは身勝手だったり、無責任だったりする自分を見つけていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
そしてそれは、イマジネーションを武器に変えていくことができる。プリキュアは”変身”することができるのだ。
暴力とニヒリズムに試されてもなお折れない、初期衝動と未来への夢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
それを掴み取った彼女たちが、新たなフォームを目覚めさせるのは物語的必然とも言える。
イヤまぁ、BANDAI様のご宣託、お商売の都合ではあるんだけども…。そういうものに生きた物語を乗せれるのは、マジ大事よ。
ゴールが約束された旅路ではなく、自分で航路を切り開く白紙の旅へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
物語は進んでいく。フワ=器設定が開示されたことで、”悪”の圧力がピンポイントに主役に絞られ、旅路の重さが増した感じもある。
ゼウスマスト様は、何を狙って滅びの末裔を導くのか。オチがショボくならないために、大事なポイント
そんな感じの、色んな拡がりが見えるエピソードでした。いやー…バンク長かったね!(最終必殺技では恒例)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月15日
敵さんの事情が見えたことで、それを鏡として作品の奥行きも広がった感じがあります。
この空間に、どういう物語を埋めていくか。スタプリ終盤戦、なかなかに面白い。次回が楽しみです。