放課後さいころ倶楽部を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
中間テストも無事超えて、四人になったゲームキッズ達は遊戯三昧の日々。
しかしひょんなことから翠ちゃんのプライドがメラっと燃え上がり、エミーリアへの意識が肥大する。
友情というゲームを、どう取り回していくか。デザイナー見習いの選択はいかに!?
そんな感じの、青春の1ページである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
毎回どっしり腰を落として、明るく楽しく何かを見つけていく様子を必ず入れてホッコリ終わる。派手さはないが胃に優しく、滋養にもなるいいアニメである。
今回は日常スケッチ風味かな~と思ってたら、エミーの過去と翠ちゃんの現在が交錯し、いい感じにスパーク
話のトーンが変わるのはエミーの回想からで、ドイツに置き去りにした約束に涙一つ。甘酸っぱい思い出は、今後拾って一話作るネタにする感じかな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
ちょっとした苦さをスッと差し出されると、上手い具合に作品にデコボコが出来て、グリップが良くなる。ここら辺のさじ加減がなかなか上手いお話だ。
交わした約束を守るためにも、ゲームデザイナー目指して邁進するエミー。そんな若き才能を、素直に喜べないのが翠ちゃんの器量。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
小さい小さいと嘲るのは簡単だが、『自分は”出来る”』というプライドがあればこそ、なかなか素直に同ジャンルで競えないちっぽけさには、強い親近感がある。
翠ちゃんはゲーム経験値も地頭もある、強いプレイヤーだ。巧いだけでなく熱意も愛情もあって、だからこそゲーム領域では誰にも負けたくない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
しかし人間当然欠点はあって、ジョージおじさんにキツい釘も刺されている。より善くなりたいが、自分をさらけ出すのは怖い。ジレンマである。
後に”だるまさんが転んだ2.0”をデザインする時に、ポイントと安定性のジレンマを入れることでゲームをより面白くしたように、矛盾した状況は楽しみに繋がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
エミーはゲームアレンジを通じて、翠ちゃんの抱えるジレンマをより善く解消する、友人関係もデザインしたわけだ。優秀だな…。
今回の話はゲームディベロップメントに結構突っ込んだ話であり、『”楽しい”という感覚、経験はどこから来るのか』という、遊んでいるだけだとあんま目を向けない部分を描いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
読者が大体はやったことがあろう”だるまさんが転んだ”を教材に選んだのも、見慣れぬネタに親密さを感じてもらう工夫か
エミーはゲーム史もよく抑えているし、楽しさをどう作るかもかなり客観視してデザインに向き合えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
公平性とスリル、シンプルさと奥深さ。相矛盾する要素をどうバランスを取り、どういう楽しさを体験させていくか。
エミーはポイントを導入することで、競い合う楽しみと『終わり』を追加した。
ゲームの種別によって楽しみ方は様々で、明瞭なポイントや終わりがなくても楽しい遊びは沢山ある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
しかし四人娘は楽しさのフレームやトークンがハッキリしていて、終わりがいつになるか鮮明なゲームのほうが、遊びやすい状態にあるようだ。精神が成熟してくると、そういう傾向は強くなる気がする。
そんな自分たちの発育、求めるゲーム体験の変化に合わせて、エミーは”だるまさんが転んだ”をシンプルにアレンジする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
ルールを追加しすぎて複雑化すると、素材の良さを殺しかねない。クリティカルな追加一個で、ユーザーの求める楽しさにリーチできるのは、相当考えた結果なんだろう。
エミーの客観視はゲームの構造だけでなく、その外側にいるユーザー(今回は高校生であり、他のアナログゲームに親しんでいる自分たち)もよく見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
デフォルトのルールだと、ちょっと子供っぽすぎて楽しみきれない。それはなぜか、と解析・解体していって、必要なところにスポッと一つ足す。
それはただゲームを楽しむだけでなく、その経験を通じて翠ちゃんのコンプレックスを解体し、より善い友人関係を再構築する狙いにも繋がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
色んなレイヤーがある『遊びという体験』を、段階ごとに、連続性を持って客観視出来る。
これがエミーの、デザイナーとしての強さだと思う。
ここら辺、尊大で臆病な自尊心にグジグジと悩む翠ちゃんにはちと足らない”器”である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
逆に言えば、そういう怯えに思い切って踏み込み、自尊心と創作物を上手く切り離しながらディベロップ出来るようになると、もっと凄いデザイナーになれるわけだが…まー難しいよな、”素直”というのは。
答えは判ってるけど、なかなか出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
ちっぽけな身の丈が抱えた小さな、だからこそ切実な問題を、アナログゲームと友情で一歩ずつ乗り越え、心身を成長させていく。
こういうポジティブで普遍的なジュブナイルをしっかりやれているのは、やっぱ強いなぁ、と思う。
主役級が複数人いて、クローズアップになるキャラごとに欠点も乗り越え方も違うのも、多彩でいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
今回は人格の成熟を見せたエミーも、また別の話では乗り越えるべき弱さを顕に、友達の肩を借りて前に進むのだろう。
困った時はお互い様、袖すり合うも他生の縁。そういう関係性も、風通しがいい。
同年代のライバルに、素直に向き合った翠ちゃんがどういうデザイナーになっていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月29日
そこも楽しみであるが、次回は綾ちゃんの家庭事情。『そういや、家族の描写あんまなかったな…』などと思いつつ、アナログゲームはギクシャク親子をどう繋ぐか。
来週も楽しみです。