アズールレーン THE ANIMATIONを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
赤城とエンタープライズ。二人の妄念の激突が、空を割り海を凍らせる。
深手を前に撤退を決意した重楼艦隊に、連合の追撃が迫る。
迷いなく突き進む、愛と戦争のジャガーノート。個人の意志など介さぬ運命を前に、少女たちは、それでも…。
そんな感じの、氷結海大決戦である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
コンテ演出作監原画と、田中宏紀が縦横無尽。髪は海草のようになびき、画面を立方体の破片が暴れまわる。
流石にフルでクオリティ維持するのはキツかったのか、息切れし中割がトぶシーンもいくらかあったが、決め所はさすがのケレンと詩情、見事な表現力だった。
赤城とエンプラさん、二大シスコン帝王の激突により裂けた空、凍った海の異常さが、シリアスを上手く冷やしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
奇っ怪にネジレた止め絵は苦戦の果てかと思うが、結果として異質感が上手く描画されたかな
© Manjuu Co.,Ltd., Yongshi Co.,Ltd.& Yostar, Inc./アニメ「アズールレーン」製作委員会 pic.twitter.com/CdY6EJzkMo
この氷海に佇むベルさんの”絵”は、状況の異常さ、エンプラさんを守りきれなかった無念を上手く焼き付けて、非常に良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
肌色サービス、萌え定形を貪欲にぶち込みつつ、こういうパワーのあるファンタジー一枚絵がバチッと決まる所が、SFとしてのアズレンアニメ、強いところだと思う。
ベルさんは”答えを見つけた大人”サイドなので、幼年組をしっかり救命し、迷いを受け止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
彼女のブレの無さが、作品が前に進む足場になっているのはとても良い。
© Manjuu Co.,Ltd., Yongshi Co.,Ltd.& Yostar, Inc./アニメ「アズールレーン」製作委員会 pic.twitter.com/xwWa2RYN5w
立派なことしてんのに、どこか空疎なこの表情は、『子供…子供も大事なんだけどなー、やっぱこの手には気高く力強い戦士…白頭鷲のように雄大なる、銀髪の弓兵を抱かなきゃ”嘘”だよなぁ…』と思っているようで、ちょっとウケた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
無念に身を裂かれていても、やるべきことは果たす。立派な女(ひと)だ
そんな想い人は、次元の狭間、兵器の記憶の中でうつろに彷徨っていた。船の記憶が錯綜する、薄暗い闇。黒いキューブがアクセスするのがここだとしたら、確かに冥府に落ちた人もまた、戻ってくるかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
© Manjuu Co.,Ltd., Yongshi Co.,Ltd.& Yostar, Inc./アニメ「アズールレーン」製作委員会 pic.twitter.com/vSSZ9uRn4m
ここで天城と対話したことが、情念渦を巻く現世でどう生きるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
今回は結構、世界観とドラマの根っこに踏み込んだ対話が多かった気がする。
バカスカ海戦やってるこの世界は、二次大戦の記憶を何らか引っ張り出して、艦船少女に力を与えている感じなのか…?
超越者っ面で触手ウネウネさせながら、メタ領域覗いてる感じのセイレーン幹部達も考慮に入れると、エンプラさんは艦船少女として形が定まる前の、物体の記憶に距離が近いのかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
付喪神としての性質を、より濃く残している、というか。そういう資質に反して、余りに”人間”である軋み…か。
原作の方でどんだけ開示されてるか知らんし、アニメはアニメで愉しんでいるんであえてそこは知らんようにしてるんだけども、結構世界観のディープなところに切り込んでくれるようで、満足度が高くていい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
今はほのめかし段階なので、全体像は推測だけどね。でも色々考えるのも面白い。
星空写す世界の裂け目も、艦船少女の力の源にアクセス可能な、世界の境界線なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
しかしアズレン世界に意志を持ち、一個の生命、一個の社会として存在してる各陣営には、それは別の物語。
命を載せて戦争している最中に、『我々はどこから来て、どこへ行くのか』は贅沢な問だ。
状況は双方痛み分け…と言いたいところだが、地力の差で重楼に傷が深い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
旗艦たる赤城をもぎ取られたこと、戦力補強に使ってたセイレーン艦隊が黙ったことを受けて、蒼龍は撤退を決意する。霧の島決戦でのオイゲンといい、引き際の判断が精密な指揮官多いな、枢軸サイド…そんだけ敗勢ってことだが。
仲間を水底に置き去りに、拾った命を守りきる。姉妹の情念、怜悧な決断が渦を巻く甲板を、切り取るカメラが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
アクションの切れ味が目立つけど、今回情念の籠もった顔面作画が、かなり良かったと思う。
© Manjuu Co.,Ltd., Yongshi Co.,Ltd.& Yostar, Inc./アニメ「アズールレーン」製作委員会 pic.twitter.com/4MYL4TIZaU
まぁ加賀さんが巨大感情を向ける赤城さんは、囚われの姫ポジションで来訪者に捕まったねですけどね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
死人出すとマジで引くに引けない領域に突っ込むので、ギリギリをかすめつつ黄泉には入れない調整が、なかなか見事だ。
そこら辺の世界律見せるために、ハムマンはプカプカしとったんかな?
赤城さんが悪い触手にとっ捕まったことで、彼女を開放することでセイレーンの超越、陣営対立の解消ってルートが見えたのは、なかなか上手い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
赤城さん、天城への巨大感情を諦めきれないんで、重楼に残ると殲滅戦まっしぐらなんだよなぁ…一旦切り離して、落とし所を探すのは大事。
さて、死亡フラグを立てつつ五航戦が殿を務める中、エンプラさんは相変わらず大暴走。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
不安定な世界から見える星空に、エンプラさんが浸ってるってことは、そこが”根源”なのな。なかなかコズミックホラーだな
© Manjuu Co.,Ltd., Yongshi Co.,Ltd.& Yostar, Inc./アニメ「アズールレーン」製作委員会 pic.twitter.com/At29ERShSk
圧倒されつつ、瑞鶴意地の一矢がエンプラさんの視界を引きちぎり、現世に引き戻す端緒になっていたのは、とても良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
我々がどこから来たのか。それはとても大事で、現を抜かしてもおかしくない難問だ。
しかし今、目の前で姉の命を背負い、宿敵に牙を突き立てる熱量は嘘じゃない。
闘争心。克己心。譲れない意地と妄念を抱いて、人として戦い続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
運命に選ばれた荒鷲には追いつけなくても、今ここにいる自分を必死に射掛けた瑞鶴の一撃は、壮大な世界観を描くエピソードだからこそ、よく刺さる。
負けて負けて、それでも諦めない。泥臭い系主人公担当だよなぁ瑞鶴くん。好きだな
瑞鶴が開いた瞳を、己の意志で闘争を決断した綾波が切り裂いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
金色の瞳のエンプラさんは、艦船少女一人ひとりの意志と意地…人間である拠り所を超越した、銀色の神だ。
そんなものに、私達の戦いを決定されたくないという意志が、巨剣を振り抜かせる。
それは犠牲を伴う戦いで、エンプラさんは自分が引き起こした惨劇を前に、意志を取り戻し呆然と立ち尽くす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
答えを見つけているのは、いつでも幼な子達。その背中を迷わず押すのは、揺るがぬ信念。
© Manjuu Co.,Ltd., Yongshi Co.,Ltd.& Yostar, Inc./アニメ「アズールレーン」製作委員会 pic.twitter.com/kjWthewLGX
自分が否定しようとした超越の裂け目に飲み込まれんとする綾波を、陣営を越えて追うラフィーとジャベリン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
ベルさんの人間力、震えてなお人道に立とうとする決意が、少女たちの決断を支える。
エンプラさんが揺れる分、ベルさんが気合で話を安定させていて、役割分担が凄い。
ここで綾波ちゃんが裂け目に飲まれていたら、エンプラさんは再起不能だったと思う。マジ戦いたくないのに、使命だ任務だと言い聞かせて兵隊やっとる人だからな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
ベルさんの後押しは、子どもたちの夢を貫かせただけでなく、想い人の魂も守った。
情けは人の為ならず。あのオッパイ、マジ人道の具現。
氷塊舞い散る逆向きの蒼穹に、恐れず飛び込んでいく。手を伸ばし、生きて帰る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
子どもたちの勇気と奇跡は、兵器の責務に突き動かされる大人たちに、何を刻んだのか。マージで一枚絵としての”圧”がスゲェ。
© Manjuu Co.,Ltd., Yongshi Co.,Ltd.& Yostar, Inc./アニメ「アズールレーン」製作委員会 pic.twitter.com/xYwoPLC6m1
というわけで、艦船少女の根源を掘りつつ、その先にある可能性を描く氷海の決戦でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
セイレーンとだけ戦っていればいい、シンプルな世界。それは幼年期にも似た、敵と味方、人間と怪物しかいない世界だ。
しかし時代は進み、今人は人と戦っている。誰かを守るために、誰かを排除する。
愛こそが戦争機械のダイナモであることを、このアニメはずっと描いている。”敵”にも当たり前の生活があり、愛する人がいて、それが憎悪と執着を生む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
そうして駆動するジャガーノートに、人類は抗うすべなしう。セイレーン達はそう囁いて、船を戦場へといざなっている。
しかし人の形と心を手に入れてしまった艦船少女達は、争わない道を選べる可能性を、その手に武器ではなくもう一つの手のひらを重ねる道を、探し求めてもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
そこに勇気を込めて踏み込んだのが、今回の子供組だったのだろう。因縁の鎖に囚われた大人チームが、手出しできないのは印象的。
そこに”言葉”という支援砲撃を唯一なし得たのが、悩み考えることを捨てないまま、揺るがぬ信念で戦いに身を置くベルってのは、非常に良い配役だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
理想を踏みにじる現実を前に『だって、しょうがないじゃない…』とは言わない。ベルファストは、非常にいい意味で子供っぽい部分がある。
そんな諦めの悪さが、人間としての意地が、艦船少女の宿命を打ち破り、未来を貫くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
ここら辺、瑞鶴意地の一矢で巧く描いたなーと思う。
『こっちを向け…私はここにいるぞ!』と放った鏑矢は、根源に接続したエンプラさんを撃ち抜かない。しかし、そこに開いた穴がなければ、暴走は止まらなかった
永遠の戦いが用意された理由。世界の大きな謎にアクセスする仕事をエンプラさんに任せつつ、年少組が圧倒的な”正解”を掴んだり、夢を諦めない大人がその背中を押したり、一瞬一瞬を泥まみれで生きる瑞鶴の意地を描いたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
どういう役割をキャラが背負っているのか、鮮明になるエピソードでした。
これが明瞭だと、群像劇はグンッと面白くなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
巧いのは単機能で終わらせず、エンプラさんの人間味だとか、綾波の戦士としての責任感だとか、振られた仕事からすると『らしくない』領域を、大事に描写してる所。
こういう陰影があると、キャラと物語にぐっと奥行きが出て、非常に楽しい。
ただ怪物を殺せばよかった神代の物語は、遥か過去に過ぎ去った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
人と人が、お互いの瞳を睨みつけながら争う、人代の戦争。その装置として駆動する、止まることのない運命にしかし、否を突きつける。
機械として作られ、人として生きる。艦船少女の矛盾に、問いと答えを投げる回でもあったな。
『なんで戦争続けなあかんねん!』という子供チームの(が代表し、人間たる艦船少女全員が抱く)疑問に答えるためには、戦争の道具として作られた艦船少女の謎に迫る必要がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
それはセイレーンとの対峙を意味し、『戦争とは』『人間とは』というデカい問いかけに、作品なりの答えを出す必要がある
局地戦を処理しているようで、作品全体を支える背骨、クライマックスの見取り図を鮮明に描くようなお話でした。とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月28日
大暴走したエンプラさんが凹みそうだが、そこに漬け込むチャンスだベルッ!! あと囚われの姫ムーブな赤城さん、どうなるかね。来週も楽しみだ。