乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
乙女ゲームの悪役に転生した少女は、破滅を回避するべく策を練る。
孤独な少女と土を弄り、コンプレックスまみれの第4王子と笑う。…策?
破天荒で率直な幼年期は、一体どんな未来に繋がるのか!?
そんな感じの、カタリナ無双はめふら第二話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
第1話で感じた主人公の率直な魅力、作品の骨の太さは相変わらずで、着実にカタリナ様を好きになれる展開がゴリゴリ押し寄せてくる。
適度にバカで、過剰に優しく、その上で謙虚(バカだから)。良い造形してるよなぁ…。
転生が幼年期から始まるのは、乙女ゲー本編たる学校に入る前のチート仕込み、転生アドを取るための準備期間かなぁ…などと思っていたが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
今回二人の少年少女の人生を正す話を見てて、それだけじゃないんだな、と感じた。
この話、理想の幼年期をチートで爆走する話でもあるのだ。
カタリナは転生者なので、人格は一応成熟している。バカだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
つまりちょっと客観的な大人びた視線で、子供なりの辛さや哀しさに寄り添える、ということだ。
まぁガキと同じ目線でギャーギャー騒ぎもするんだが、それも子供に真心を伝える大事な足場になっている。
周囲に優しくされない、辛いことばかり言われることで、人格という花はしおれて歪み、乙女ゲーに出てくる人格要介護顔面偏差値お化けが生まれることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
『なら真っ当な愛情と友情を過剰投与して、いびつな実がなる前に矯正しちまえばいいだろうがよ!』って展開を、今やっているのだろう。
んで、カタリナ様はここでチートを使わない。人生の先回りができそうなゲーム知識は、バカ五人の脳内会議でぐにゃっと歪み、あんま助けにはならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
カタリナ様は一対一、素裸の人間として子供に向き合い、自分が持っている優しさと率直さだけを差し出して、人間を変えていく。
対等に人に向き合い、優れた部分を肯定し、嘘なく喜びを共有する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
ここにチート要素はない。ただただ人間が良いだけである。それでカタリナの世界も運命も変わっていくし、ゲームの約束された結末に突き進む貴種たちも、新しい喜びや可能性に開かれていく。
良い事すると、良いことが戻ってくる。
人類が物語に期待する、最もオーソドックスで古いチートをカタリナはぶん回しているわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
このベーシックな話を古臭く感じさせないためにも、”転生”というスパイスはよく聞いている。
せっかくのチート要素を、カタリナが上手く生かせない…けど、別種のチート(人格の良さ)で運命変えちゃう所も。
同時に非常に古い少女漫画の物語類型…『庶民派乙女が、お高く止まった貴族階級に殴り込み大勝利』も駆使してて、ここも面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
飾らなさ、素直さ、堂々己を主張する勇気。
”キャンディ・キャンディ”のキャンディとか、”花より男子”の牧野つくしとかと共通する資質だ(例えが古い!)
転生してカタリナお嬢様のガワを乗っ取ってるので、あくまで『変な貴族』であるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
変則の階級逆転カタルシスも駆使しつつ、ヤダ味のない人格無双をスルッと叩き込んで、主役と作品を好きに成りつつ楽しめる。
非常に良く出来たお話だと言える。
人間が変わる話なので、人格形成真っ最中の子供から始めたほうが、カタリナの影響が広がる展開に納得も行くしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
良くも悪くも、人は人を変えていく。
行動と影響は多分、この話の真ん中にあるものなんだろうなぁ…やっぱ児童文学じゃん。(何でも自分の好みに引き寄せマン)
さてお話は、転生悪役が無垢な少女を染め上げる話から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
前回婚約者と弟の人生を(気づかず)変えてしまったカタリナだが、瞳はしおれかけの草花に夢中であり、頭上の鞘当には気づかない。
『仲良しさんね~』くらいの認識だ。
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鈍感力は、ハーレム主人公の大事な資質。今後子供の背丈が伸びて、恋愛バトルが本格化した時、カタリナ様の無垢(と、恋に決着がつかず連載継続可能な状況)を守ってくれるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
つーかこの年から独占欲バリバリ、異性愛意識しまくりで火花飛ばしてる男衆がこえーよ…。
Wハンドでパンとケーキ食いまくりの、わんぱくな生き様に惚れ惚れするが。マージで児童って、自分の好きなもの一生位に詰め込むよね…(中身は高校生です)。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
宴席から外れた美しいバラ園に、一人佇む涙の少女。
そういうところに”気づく”のも、カタリナの才能か
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やっぱキメ所ビシッとキメて、ゴージャスでファンタジックな異世界転生の醍醐味を食わせてくれる背景はとても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
『令嬢転生でハイソな社会を堪能だぜー!』ってなったら、美麗なるバラ園がキラキラ輝く様子は見たいじゃない?
はめふらはそういう欲求に応えてくれる。出来たアニメだ。
カタリナはメアリの内気な自己防衛にスルスルと忍び寄り、間合いを詰めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
後半のアラン王子との関係もそうだが、心が離れている状態から、平服に着替えて膝を交える距離感までしっかり切り取られている。心理的距離を、物理的距離に転写出来てる演出。
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バラ園の白いベンチを、一足飛びに踏み越えて手を握る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
土いじりという、貴族社会あるいは冷たい実家では肯定されなかった趣味と才能を、嘘なく肯定してもらえる。
カタリナのチートは、他人の良いところを見つけ、ポジティブな評価を徹底できるところにある。
褒めて、褒めて、褒め倒す。
カタリナの肯定主義には裏がない。破滅フラグ回避に汲々としているようで、肝心なときにはチート知識が蒸発し、感情と真心の赴くままに行動する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
メアリもゲームの登場人物で、自分のフラグに関わる人間なんだけども、出会った時、人生を変えた時には全然意識してない。
その無垢が、いい結果に繋がる
『お人好しのバカが、世界をいい方向に変えていく』『世界は善意を裏切らない』というおとぎ話を、この話は再演しているのかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
イケメンが乙女を攻略する決め台詞を横取りして、カタリナはメアリの心の支えになっていく。麗しきかな、友情。
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メアリを取り囲んでいた人生の薄暗い側面は、賢い弟がしっかり教えてくれる。お前、一生姉貴のサポートし続けそうだなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
カタリナは庶民でバカなので、細かい事情とかは理解らねぇ。キースのように、舞踏会に根を張って”貴族らしく”振る舞えば、陰りの背景も事前にわかろう。
しかしそういう器用な生き方は、出来ねぇししねぇ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
綺麗なものがあったら、飛びついて褒める。孤独になく子供がいたら、側に寄って手を取る。
計算なし、打算なし。人格で真っすぐ行ってぶっ飛ばす。
そういう正攻法(過ぎて、チート物語だと多分希少種)が、素直に気持ちいい物語だ。
んで、Bパートはアラン王子攻略戦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
こっちは自分が知識チート持ちであることを思い出して、悪役令嬢っぽい顔もしつつの転生攻略…ってわけではない。
やっぱりいざとなると打算が揮発し、真心一本で動いちまう女である。
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自分が元ゲームプレイヤーであり、作中の現実に対し一段高い場所から優位に立っていることを、カタリナはよく忘れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
八歳の一少女として、新しい人生を実感持って生きていること。第二の生をないがしろにせず、一瞬一瞬本気で踏み込むことを躊躇わない。
それはあんまりに純粋無垢な生き様で、足元が危なっかしい歩みだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
時折思い出すチート知識は、その純朴が”破滅フラグ”にならない補助具…くらいの位置づけなのかも知れない。
ゲームの中の話なのに、ゲーム的に攻略しない。
転生モノだけど、スキルとかパラメーターとか、メタ用語出ないわけよ。
期待されてる”悪役令嬢”のフレームに、収まりきらない無邪気なエネルギー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
攻略するべき”敵”の過去に、素直に感動し涙してしまうバカさ。
そういうものが、やっぱこの話を駆動させ面白くしている気がする。フツーの部分が、フツーに強いんだよね…。そら面白い。
婚約者をメロメロに落とされ、怒り心頭のアラン王子。カタリナとの距離は、メアリとの初対面と同じように境界線が引かれ、少し遠い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
しかしその間合いは空気読まない挑戦状でぶっ壊されて、あっという間に詰まっていく。
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つーかこっちの想定よりメアリがカタリナにズブのズブズブなわけだが! ありがたい限りだが!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
花とキラキラ背負ってハート眼だからねぇ…攻略対象乗っ取り、ある意味サブキャラによるサブキャラNTRですわ。
意識しない所でゲームの脚本書き換えちゃうところは、転生チートっぽいとも言える。
野猿の率直さで少年の闘争心を煽り、対等な友人として楽しい時間を過ごす。性別も恋も未だ実感がない、幼い時間の輝き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
アラン王子とキャッキャしてると、二人が”九歳”って感じしていい。
婚約者と弟、既に黒い部分あるからなぁ…なんだその監視はッ!!
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カタリナが野猿なのは、”女”というフレームにも押し込められたくない読者の願望を、拾ってもいるのかな、と思う
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
オトコノコと対等に、というかそれより上に立つほどフィジカルでもメンタルでも自由に駆け回って、風通し良く生きたい。
そんな憬れがあるから、カタリナのキノヴォリは眩しく見えるか。
頑是ない交流で、素直な笑顔を見せるようになったアラン王子。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
しかし優秀極まる兄へのコンプレックスは、複雑に王弟を縛る。カタリナとは詰まった距離感が、兄とはよく開いてるのは面白い。
思わぬ楽才に瞳を輝かせ、心からの称賛を届けるカタリナ。
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その言葉を、アランは素直に受け止めきれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
それでもグイッと間合いを詰めて、隣に並んで肯定する。
土弄りに音楽、貴族社会では認められない資質かも知れない。
でも、それはとても良いものだから。私は貴方が好きだから。
証明のために、蛇を投げ込めィ!
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アランの劣等感をぶっ飛ばすために、この解決になる所がカタリナの面白さであり、このお話の独特さであろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
行動自体は『個性と美質の肯定』という、物語どころか人間が生きることの根本なんだけども、それで持ち出すのがオモチャの蛇ってのがね…チャーミングな話だよ。
ホントに悪役令嬢ニヤリ顔が長く持たない女で、信頼しかねぇ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
蛇のオモチャは王子の急所にはならず、悪巧みは見事に粉砕される。しかし劣等感を吹き飛ばしたアランの笑顔は、見事に実った。
ナスの花言葉は『つつましい幸福』である。
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未来に待ち構える破滅フラグを、オモチャの蛇でぶっ飛ばす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
浅はかなチート戦術は、既に破綻している。
だって王子も弟もアランもメアリも、みーんなカタリナにズブズブのズブで、人生もう”勝って”るからねッ!
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その事実を俯瞰するような賢しさは、カタリナにはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
おバカで素直な人格を前に押し出し、自分の破滅フラグより、目の前の誰かの手を取る。
そういう生き方が心の壁を超えて、友情とか愛情とか人生で大事なものを、気づかないうちに育んでいく。
まぁ、そういう話である。やっぱ児童文学じゃん…。
つーわけで、カタリナ様がもっと好きになる第二話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
いやー、面白かったッ!
カタリナの飾らない人格が、陰りに囚われた少年少女に手を差し伸べ、開放していく率直なカタルシス。
チート要素とコメディを良いスパイスにして、オーソドックスな物語が古臭く感じない。
所々で、ゴージャスな異世界貴族社会を堪能できるカットもあって、いやはや、非常に楽しいアニメです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月11日
今後もおバカで善良な”悪役令嬢”は、無邪気な無双を続けていくのでしょう。いい人だからね…いい人生送ってほしいよね…。
内田真礼を大原液量摂取も出来て、健康にもいいこのアニメ。次回が楽しみ