乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
サマーシーズン到来ッ!
畑仕事に木登りヘビ投げ、悪役令嬢は今日も元気に夏休みを満喫。
周囲の男や女がヤキモキする中、無自覚に愛を振りまき愛される。そんな彼女の周辺で、渦を巻く透明な嵐。
はたして破滅は近いのかッ!
そんな感じの、カタリナ様のなつやすみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
完全に脳内小二なカタリナ様が、どんだけ色恋に疎く、毎日を最高にエンジョイしているかよく判るエピソードであった。
前回マリア一本に絞った分、横幅広く現状をスケッチした感じ。こういうのも良いねッ!
冒頭お出しされるポンチ絵が、カタリナの内面を見事に活写していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
みんなで仲良く楽しく、笑顔で過ごしていたい。特別な誰かと、特別な関係を結ぶとかは考えない。
立派に育った身体と徳目、反比例する知能と精神年齢が、色鉛筆でバッチリ映し出されている
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そんなカタリナが色んな人に影響を与え、世の中善くしていくのが、このおとぎ話の骨格である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
庭師のおじさんもメイド長も、頑是なく真っ直ぐな少女に触れ合うことで頑なさを捨て、心の扉を開けていく。
普段はガミガミなママンも、そこはちゃんと認めている。
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こういう”周辺”の描写があると、グーッと主役にクローズアップする場面にも陰影が付いて、面白く見れるもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
今回はそういう場面を継ぎ接ぎして、間接的にカタリナの存在感を浮き上がらせる話だとも言える。
良くも悪くも、みんな幼少期にカタリナと出会って、変わったのだ。
では”今”出会っている会長は、どんな影響を受け、どんな物語を紡ぐのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
他の連中が一足早い攻略を受けて変わった中、出会えなかった彼は『乙女ゲー』というフレームに取り残されたまま、何を抱え込んでいるのか。
そういう問いかけへ、静かに導線を引く回でもある。アイツ絶対面倒くさい…。
他の連中が体も心も育って、色恋のこととか愛する人の独占とか恋敵への牽制とか、色々考えるようになっても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
カタリナ様は永遠に無邪気で、土いじりや散歩に夢中である。この成熟度のズレが、ロマンティックなコメディを生み出す源泉となる。
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顔のない悪夢に苛まれていた自分の手を、優しく握ってくれた人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
『もうキースは一生、婚約者もいる姉に心を縛り付けられる運命なのだなぁ…』と、嘆息しつつ納得するしかない描写である。
無自覚だろうと、誰かを救済する行為は重たいなぁ…文字通り人生変えちゃうからな…。
ここで『俺を救った責任を取れよ!』と言い出さないところがキースの良さであり、言い出せないところがキースの弱さでもあろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
いやまぁ、他人にそういう対応されるの、人格ベビちゃんなカタリナ様だと、怖くて泣いちゃいそうだけど。
年齢チート、ほんと役に立たねぇな…。
そんな無防備な姉をジオルドの魔の手から守るべく、キースは孤軍奮闘、姉ちゃんは『みんな仲良しね!』と平和に納得である。報われね-…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
ジオルド様はこの脳内小二女児に、ハードコアなイン・アウトを迫りたいのか…まぁそっちが普通、なのか?
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周囲全員を巻き込んだ恋の冷戦は、男女の垣根を超えて火花を散らす。こういう思惑が重なった結果、成熟を促す嵐から守られ、純粋ぱーぷー娘のまま育った、とも言えるか…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
メアリが想定を超えた腹黒で、期待に答える見事な立ち回りだった。こういうの待ってた!
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誰もが望む特等席を豪運で引き当て、女特権を最大限活用して一緒に着替えるべき水に落ちる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
チーム腹黒でも図抜けた行動力と計算高さで、『ずっと綺麗なカタリナ様』を維持しているメアリだけども、チーム純朴の誰かに横からサラッと掻っ攫われそうでもある。
時分が身体的に成熟してる事実を、カタリナは全然意識していない。性と恋と愛の対象として、特別に選ばれる存在だと思えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
恋はゲーム画面の向こうにあって、女友達と楽しい会話のネタにするもの。
そういう転生前の認識から、なかなか動けない感じでもある。
兄妹だったり、婚約者がいたり、同姓だったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
カタリナを特別に選び取るための障害に、大人になりかけの子どもたちは当然気づいている。自分の気持ちにも。
でもそれを押し通せば、今の関係は壊れる。幼いままのカタリナは傷つく。
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自分の魂を救ってくれた人を、守りたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
牽制の火花を散らす連中も、その思いを隠す者たちも、みなそこは共通している。
ある種戦友めいた共感が、ライバルたちを繋ぎお互いの顔をちゃんと見る間柄を生んでる描写も、この夏休み多くて良かった。
ニコルが穏やかな表情の奥で、相当デカい感情を育ててる感じも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
自分とカタリナの立場をしっかり弁え、それでも恋を諦めない芯の強さ。妹も自分も救ってくれた人への、麗しい慕情。
自分的には、ジオルド様にあるギトツキが少なくて、ニコルは応援しやすい。
だってカタリナ様どう考えても小二女児でさー…如何に身体が育ってても、男女の関係にひっぱりこむのはなんかこー…かわいそうじゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
獣欲を抱えつつも、可憐な花を手折るところまでいかないところが、ジオルド様最後のジェントルだとは思う。
あるいは、成熟を見守る焦りもまた甘美、ということか。
イケメンにドギマギはするんだけども、それを自分中心で考えられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
華やかなパーティーで渦を巻く牽制と嫉心にも、カタリナ様はなかなか気づけない。
なまじっかゲーム知識がある分、”カタリナ”が全方位攻略対象になってると思えない感じか。
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モブが抱え込む暗いオーラ、爽やかな会長に漂う破滅の気配。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
明るく楽しい夏休みに伸びる一筋の影は、学園にカメラが戻ったあと、どんな物語を連れてくるか。
なかなか気になる舞踏回だった。
つーかメアリがこええよ…ジオルド様より、我慢できなくなるの早そう。
そしてダークホース、前髪パッツンのソフィアが持ち込んできた、まさかの前世幼名馴染み特権ッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
俺のダメ絶対音感は『お、水瀬いのり』とあっちゃんの声を判別したので、まぁ間違いないと思う。ちまちま前世の記憶ネタ振ってるしね…。
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”カタリナ”と”わたし”が乖離しつつ重なっているのに対し、あっちゃんとソフィアは相互に干渉がない、無自覚な転生なのかなー、って感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
”わたし”は凄くいい子なので、前世で取り残されたあっちゃんは凄く悲しかったと思う。
儚く散った友情、今生では貫くことが出来るのか。
こっちも楽しみだ。
かくして夏は、秘めたる嵐を顕にしないまま、いつもどおりに終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
完全に小学生なカタリナ様も学園に帰り、色んなドラマに出会うだろう。
ハンパに攻略したゲームの世界で、未だ知らない色んなフラグ、色んなイベント。
それはもう他人事ではない、私だけの人生だ。
夏を満喫するカタリナ様を見てると、そ人生という物語との距離が近くて良いなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
一瞬一瞬を三昧に、必死に走り抜け、真摯に向き合う。
それで人生変えられて、カタリナ様が大好きになっちゃった連中はヤキモキもするが、でも出会わないより確実に、良い物語が生まれているだろう。
幼く純朴であるがゆえの突破力と、火花散らす恋の嵐に気づかない鈍感、渦巻く悪意を見落とす危うさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月10日
そういう伏線もスケッチされ、さて再びの学園編がどう回っていくか。カタリナ様の真白き操を、紳士淑女協定は守れるのか。
後半戦の見取り図を、丁寧に整える回でした。来週も楽しみ。