GREAT PRETENDERを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
コンフィデンスマン達が狙いを定めたのは、シンガポールの悪徳王子。
作られたヒーローと筋書きありの真剣勝負に、色仕掛けと話題性で切り込むダーティー・ビジネス。
その要に据えられたアビーは、悪夢に酔いつつ、己を殺すように飛んでいた…。
そんな感じの、第二章本格開始なグレプリである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
第2エピソードの主役になりそうなアビーの過去と現在をコスりつつ、ターゲットであるクソ王子兄弟を切り取る。
ハメ手満載、全編が詐欺師一味の実力紹介めいてた第一章とは、少し味の違うスタートとなった。
こういう見せ方も、なかなか面白い。
マトモになりたいエダマメの夢を燃料に、詐欺師一行がたどり着いたのはシンガポール。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
極彩色のリゾートで、アビーは薄暗い記憶に苛まれ、死人のような顔色で目覚める。
真剣勝負に颯爽と躍り出た、期待の新星。輝ける夢を踊る、現代のシンデレラ。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/HCgCGd6yKp
そういう外見とは真逆に、エアレースは八百長が横行し、アビーは詐欺師として嘘を着込んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
悪党騙して、金を巻き上げて、嘘を積み重ねて…それでなんになる?
アビーを取り巻く異様な暗さと重さは、詐欺師稼業につきまとう競争に、冷水をぶっかけるようだ。
今回アビーの過去は断片化されつつ、幾度も顔を出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
パーツを繋ぎ合わせてみると、バレリーナとして期待される幸福な幼年期が、軍用機の爆撃で砕け散って、少年兵として殺し殺され…みたいな経歴だろうか?
第一章でチラ見せされてた、メダルも再びクローズアップされていく。
エダマメが正義と善への信仰、家族への憧れを捨てきれなかったように、アビーも蓮っ葉な態度に”何か”を隠している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
偽物のエアレースは、否応なくそんな拒食を剥いで、彼女の過去とトラウマを暴き立てるようだ。
空爆で全てを壊されたなら、エアレーサーは相性最悪の芝居ではあるよな…。
そんなビジネスパートナーの傷を知ってか、知らずか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
ティエリーは調子よくターゲットを的にかけ、エダマメにアプローチする。タピオカ差し出す手付きが異常にネットリしてて、オジサン特有の執着を感じるよう…。
今回狙うのは、作られたヒーローと汚い金。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/W48WXWzry2
『詐欺師がお前の天性だ』と、自分の傘に入り自分のドリンクを飲むように仕向けるティエリーに、エダマメは同化しない。雨にぬれても傘には入らず、差し出すタピオカも食わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
しかし隣にはいて…あるいは、そこに引き込む詐欺師の引力に飲み込まれて、離れられない。
エダマメは果たして、他人を喰うことでしか生きられない(ローランと同質の)ロクデナシなのか、”マトモ”な生き方に戻れる普通人なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
詐欺仕事が転がる中で、そんな生き方の天秤も揺れている。これはエピソードを通じ、あるいはまたいで描かれる、作品全体のデカいテーマなのだと思う。
ヒールの叛逆を許さず、地べたに引きずり落とす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
悪徳プロモーターな兄貴の所業は、エダマメに執着するローランとどこか、通じるものもある。
主役たちが騙す側と、主役はどこが違うのか。悪徳に魂を汚しきらない一線は、どう引かれるのか。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/qVBf3MkBvV
そこを書く話でもあんのかなー、と思ったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
ぶっ倒すべき悪党の、許せない悪行を聞いたエダマメは、『毒を食らわば皿まで!』とばかりに、差し出されたタピオカを飲む。
それは詐欺師になる生業を諦めて飲み込み、犯罪に加担するのとは、少し違う決意なのだろう。
エダマメはもう、悪党しか食べれない。これから騙す相手がどんだけ酷い外道か知らないと、詐欺の片棒をかつげない体なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
悪を貫くことで、善を為す。
今の自分にそういう生き様しかないのなら、毒入りタピオカでもあえて飲む。そんな滑稽で必死な決意が、少し見える。
アビーの記憶は惑乱し、詐欺の要はフラフラである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
そういう人間的な弱さを気にかけるのはエダマメだけで、プロフェッショナルな連中はサラリと受け流す。
この甘っちょろい視力の良さ、無視できなさが、エダマメの強さでもあろう。善人なのだ。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/leEOAC9Efr
色と金にギラつく夜景に、シンシアが仕掛ける。出来レースにアキ果てた世論を演出するための煙幕は、エダマメが手作業で作る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
しかし、アビーは狙い通りには踊らない。褐色の魚のように、ドンファンの掌から滑り、プロの仕事とは少し、違う表情を見せる。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/RYr8rUx0Os
第一章では途中参戦、かつ素性を隠したジョーカー扱いだったので、シンシアがどんな詐欺師かを見せてくれるのは助かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
欲をくすぐり、身を乗り出したところをスカして落とす。嘘と情欲、”女”の武器を最大限ブン回す、ハニーワーカー型の詐欺師、というわけだ。
対してアビーは裸になっても色香が薄く、ぶっきらぼうな態度がビジネスをせき止めたりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
セックスよりもバイオレンス。くすぶる過去の傷を拳に乗せて暴れるほうが、”女”の武器より性に合っている。
女性コンビの仕事ぶりは、そんなアビーのキャラクターを強調もしてくれる。
一方男と男も妙に湿度の高い視線を交錯させ、シンガポールの夜はふける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
『キミは、農民になんてなれないよ』
ローランのその言葉は願望であり、呪いであり、プロポーズでもある気がする。マージでこの男、エダマメ好きすぎなんだよなぁ…。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/N4xR7eZg7w
ローランがエダマメをここまで見込み、求める心境が暴かれるには、彼の過去と内面が語られるエピソードを待たないといけないと思うけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
今回章の主役として、過去とキャラクターを彫り込まれるのはアビーである。
話の中軸に立つことで、プロの仮面に隠した人間味を、顕にする特権が与えられるのだ
悪党食いの悪党として、強さを気取ってみても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
アビーは父母の顔も、思い出のメダルも、握った銃の重たさも忘れることは出来ない。
それを忘れるべく…”死ぬ”ために、詐欺師やっているのかもしれないが。ここらへんの詳細は、来週以降のお楽しみだなぁ…。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/Y63lvxloqz
そんなアビーが、吐き気をこらえつつ空を舞う中。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
偽物のシンデレラに魔法をかける、色気ムンムンのフェアリー・ゴッドマザーは、堕落した王子に”ババァ”呼ばわりされていた。
カッサーノといい、悪党の性認識が最悪なアニメだな…悪党だから良いけど。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/BCtbqrpZt4
自分の望んだ勝敗を、汚い金と陰謀で実現する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
その口が『真剣勝負の戦場』とは笑わせるもんだが、ただの色仕掛けで転ぶ阿呆じゃあ、確かに騙し甲斐はない。
シンシアの得意技が封じられた状況で、ローランが二の手に何を仕込んでいるか。
裏口を封じられ、アビーが玄関をどうこじ開けるか。
そこら辺が楽しみにもなる、敵役最悪のご挨拶であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
兄貴の陰湿さに比べると、弟は良くも悪くも裏がない感じで、ちょっと味わいが違うよね…いい意味でバカっぽい。
ぶっ壊されたヒールと合わせて、今後どうキャラを転がしていくのかも楽しみ。サラザールおじの使い方が良かったんで、期待しちゃう
ブック破りの真剣勝負、気が抜けない土壇場でアビーは記憶に苛まれ、吐き気によろめく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
そういう弱さに大声張り上げるのは、やっぱりエダマメの仕事である。皆冷てーよな! …と思うのは、素人の甘さか。一匹狼の集団だもんな。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/Giwn3s6kHE
とはいえ、人間的な弱さを超えて覚悟を決めてくれなきゃ、運命共同体は一緒に沈むだけである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
プロとして仕事を果たし切るためにも、アビーが抱えた弱さには興味と理解を示さなければいけない。
そういうプロとアマチュアの断絶に橋かけるのが、お人好しすぎる詐欺師、主人公エダマメの仕事…かな?
思いがけないシンデレラストーリーを、抜け目なく台本に組み込んで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
権力指向で性差別主義な王子様は、ニッコリと”ババア”に微笑みかける。
つ、面の皮が超合金で出来てんのかコイツ…。そらシンシアも苦笑いだわな。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/kT5WdzGIyx
そういう相手をハメるビジネスは、花形たるレーサー役がフラッフラで、どうにも危なっかしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
ローランが口にした『死ぬために、悪を為す』という言葉の真意は、一体どこにあるのか。
アビーを苦しめる空の悪夢は、いかな焦土から立ち上るのか。
そこら辺を引っ張りつつ、シンガポールの物語は加速を続ける…という感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
エアレースの疾走感と裏腹な、主催者側の陰湿さ、アビーのよろめき。これが独特のテンポを生んでいて、なかなか面白いです。
アビーがフラフラでも、詐欺自体は先に転がってる噛み合わなさも、生っぽくていい感じ。
過去に苦しめられても、死地を求めても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月25日
喰うか喰われるかのビジネスは転がり、止まることも降りることも出来ない。
エダマメのLA逡巡とはまた違う、アビー主役の物語。
さて、次回はどんな人生絵巻が見れるのか、楽しみですね。