ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
せつ菜復活の炎に当てられ、自分もスクールアイドルを目指すことになった愛。
しかし全てが正解な”アイドル”活動は、彼女を大いに戸惑わせる。
個性を活かしたソロ活動に舵を切った同好会も、広がる海原に不安を隠せず…。
そんな感じのスクールアイドル神話新章開幕! 一番手・宮下愛参るッ!! って感じの、虹ヶ咲第四話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
フィジカルもコミュニケーション能力も特S…なんだけど、アイドル活動はさっぱりな愛ちゃんさんを舵取り役に、『スクールアイドル』というテーマ、そこで虹ヶ咲が目指すものを掘り下げていくお話。
愛ちゃんが全身から放つ”陽”のオーラがいい方向に作用し、とても元気がいい…でもしっとりと深く考えもする、虹ヶ咲らしいエピソードに仕上がった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
動き出した同好会の様子、それぞれの不安と期待も横幅広く切り取られ、序章が終わりスタートラインに立った物語を、解像度高く描いていました。
ここまで三話、グイグイと話を引っ張り女をたらし込んできた侑ちゃんが後景に下がり、問題解決の切っ掛けをエマちゃんに譲っていたのは、四話にして定形を外すバリエーションを感じさせ、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
思えば無印もサンシャインも、一期四話はそういう話だった気もするな…。
ラブライブ決勝というゴール、九人チームによる統一性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
これまでの”ラブライブ”が共有してきたフレームを外れ、個性の集合体として部活を描く。
”三作目”としての挑戦もより鮮明になり、そのテーマ性が愛ちゃんの人格と上手く化学反応して、トキメキのある展開が上手くまとまってました。
さて、前回屋上ライブでブチ上げたせつ菜復活の炎は、二人の少女に飛び火していた…というところからスタート。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
侑も歩夢もせつ菜のライブから物語を開始させているので、あの面倒くさい女、確かにアイドルとしてのカリスマは山盛りね
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序章でも璃奈ちゃんとずっと一緒にいて、感情表現が豊かではない彼女を補佐することでニンの良さを伝えてくれていた愛ちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
今回スクールアイドルに鼓動を高めるのも、同好会の扉を叩くのも一緒で、ニコイチ感が本当に可愛い。
だからこそ、個人として道に迷い道を見つける頼もしさが映えもするな。
手を広げ、光を掴む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
”ラブライブ”の中では一つの文脈になっている仕草を愛ちゃんが行うことで、彼女もまた伝説の一員だということが判る。
同時にアバンで行われるこれは、道を見つけた後再演され、彼女が憧れを掴んだ瞬間に再帰していることを強調もする。
皆、迷いながらそれぞれの光を掴む物語。
同好会復活までの序章を一まとまりに超えて、個人エピソードの初手となる今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
愛ちゃんの人間がよく見え、その過程で”スクールアイドル”もしっかり伝わる良い仕上がりにしてくれたことが、この後に続く少女たちの物語も、鮮烈に描いてくれる信頼感を育んでくれた。
というわけで、復活なった同好会の門を叩く二人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
まーた侑ちゃんが女との間合いを”秒”で詰めて、歩夢の表情が強ばるわけよ…。
挨拶代わりのギャルピースに圧倒的なコミュニケーション能力を感じつつ、同好会の意向はバラバラだ。
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”廃校阻止”の錦の御旗があるわけでもなし、ラブライブ優勝という分かりやすい目標は前回蹴った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
非常にプレーンな形で”スクールアイドル”と向き合う虹ヶ咲は、個性の強いメンバーを抱えて集団としての軸も、競技としての答えもない。
地図のない海に漕ぎ出していく、不安と自由。
それが”三期”が踊るキャンバスなのかなー、などと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
あくまで”個”を追求し、磨き上げた結果生まれる集団としてのまとまりとかも彫り込めるので、このスタンスはやっぱ面白い。
”スクールアイドル”を考えていくと突き当たるネタだけど、今まで触ってなかった部分だしね。
やる気勢のあいりなは、全レッスンに横断参加することに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
果林パイセン、唯一の部外者としてクールに振る舞ってるけど、エマちゃんへの”熱”が隠しきれなくて最高に良い。鎖骨下のオリオンは情愛の証…はようズブズブになろうや!
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寝言はさておき、ここで身体性能も教える技量も高い愛ちゃんの資質が見えたのは、なかなか上手い描写だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
部活動の助っ人を掛け持ちする彼女は、アスリートとしての素地は十分に仕上がっている。
競うこと、鍛えること、教えることへの適性が高く、協調性も意欲もある。優秀な人材だ。
ルールとゴールが定まっているチームスポーツなら、彼女は常時”正解”を掴める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
しかしこれから踏み込むアイドル活動は、全てが正解で…つまり正解がない。
自分が何をしたいのか、何をしたら自分らしいのかを、自分で決定する身体表現なのだ。
そこは、愛ちゃん未踏の領域である。
『自分の大好きを、みんなに受け取ってもらう』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
沢山ある正解の一つが、璃奈ちゃんは苦手である。そこをフォローする”速度”が、また愛ちゃんのスペックの高さを証明してくる。
璃奈ちゃん回来た時、メインの課題になりそうだなぁ…
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感情表現が素直で的確な愛ちゃんに対し、璃奈ちゃんは表情筋が硬すぎて、なかなか思いを受け取ってもらえない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
しかし仮面の奥には熱い炎が燃えていて、だから同好会の扉を叩いた。
分かりにくい部分を愛ちゃんに翻訳はしてもらっても、熱意自体は璃奈ちゃん自身のものだ。
でも外部から見てると、それはなかなか伝わりにくい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
愛ちゃんが方向性に悩む(それに則った後の問題は、ハイスペックで解決できる)のに対し、璃奈ちゃんは抱え込んだ苦手と向き合うのが物語の軸になりそうな感じ。
仲良し二人組みだからこそ、そういう対比を配置しておくのは上手いなー、と思う。
あと仮面を外したせつ菜があまりにも早口のオタク過ぎて、思わず笑ってしまった。ホントに”大好き”の加減が効かねぇ女だな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
その熱量が外に漏れ出して、色んな人を動かすカリスマにもなるのだから、個性は長所と短所が背中合わせで生まれてくるもんだと、つくづく思うよ。
コッペパン代わりの漬物を食べて、みんなで部活後のドリンクも飲んで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
一見まとまりと融和のある光景だけども、全部一緒というわけでもない。
かすみが漬物の匂いに顔を歪める描写があるの、”個”が混ざり合わない虹ヶ咲の味だったな
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まーた表情に出にくい璃奈ちゃんのフォローを音速でやってて、「ほんま愛ちゃんええ子なんやな…』ってのが良く判るけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
バラバラだからこその輝きを掴むべく、ソロでやっていく。不安混じりの決断は、このフォローを璃奈ちゃんから遠ざけることにもなろう。
メインじゃない璃奈ちゃんに自分の興味を寄せ過ぎな感じもあるけど、物語のメインを適切に取り回しつつ、横幅広い描写で今後の伏線も取り扱う巧さは、このアニメの特徴だとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
こうやって細やかにキャラとドラマの予兆が積み重なることで、メイン来た時にドーン! ってわけよ。
だんだん情景が重さを帯び、エモの色彩が青い空を染めてきましたけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
愛ちゃんは、道なきアイドル活動に迷い始める。自己表現に、分かりやすい点はつかないのだ。
答案一つで文武両道のスペックを見せるの、うまい演出だなぁ…
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LINEの登録名があんだけ嫌がってる”かすかす”な所とか、細かいクスグリも交えつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
愛ちゃんは慣れ親しんだ地元を駆け抜け、迷いの答えを探す。
一時間も早く付いてしまったのは、落ち着かない心の現れだろうか?
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ここまでビックサイト学園とその周辺の、アーバンでスタイリッシュな風景がメインだったので、下町風情の匂う地元感を愛ちゃんが走り抜けていく描写には、新鮮で懐かしい味わいがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
”ラブライブ”はローカルな味わいを青春群像に混ぜ込んで見せてくれるのが、魅力の一つであるけども。
そういう落ち着いた土の匂いを、ハイスペックで活発な愛ちゃん回で見せることで、彼女の意外な…しかし描かれてみればしっくり来る一面が強調され、とても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
”漬物屋”という家業も、派手目なパッと見の印象を気持ちよく裏切りしっくりハマる、上手い設定だと思う。ベタなダジャレ好きもいい感じ。
ここで聞き役になるエマちゃんが、マジ人間太くて良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
馴染みのないジャンル、定まらない目標、楽しいけど少し壁のある同好会。
ハイスペックで押しきれない愛ちゃんの迷いを、どっしり受け止め手を差し伸べる。
私たちもみんな、同じ壁の前で立ちすくんでいる。
でも、そこがスタートライン。だから、一緒に進もう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
そう穏やかに教えてくれる”先輩”は、何よりも『愛ちゃんがいてくれてよかった』と、言葉と態度で伝えてくれる。
まだメイン回は来ないが、この段階でエマ・ヴェルデ、”強い”な…
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朗らかに力強く『好きだ!』と、想いを輝かせること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
それが知らぬ間に、ちゃんと誰かに届いていたこと。
それは愛ちゃんだけが可能な、とても大事な”アイドル”の正解なのだと、エマちゃんは言葉にして伝える。
その事が愛ちゃんの迷いを払い、太陽を掴み直す力に変わっていく。
今まで侑ちゃんがやっていた『ファンを鏡にして、アイドルが自分を掴む』という立ち回りを、自身アイドルでもあるエマちゃんがやった、とも言えるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
牽引力のある主役に甘えすぎず、その役割を個性の強いキャラクターにしっかり分散して見せ場を作るのは、とても良いバランス感覚だと思う。
『大好きを伝える』という”正解”は、ここまで四話、ずっと描かれてる話の軸だしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
何もかもが正解で、だからこそ答えがない。
多様化した”アイドル”の難しさを支える、一本の柱としてこれをおっ立てるのは、妥当だし熱量もある。
”個”を重視するにしても、同好会という箱がある以上まとまり大事だし
”大好き”という根っこは同じで、しかしその表れはそれぞれに違う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
愛ちゃんは自分の得意なスポーツと噛み合わせて、誰かを応援する輝きに”アイドル”の答えを見出した。
は~ん、チアイメージの衣装とステージ、最高に可愛い~。
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急にぶっ放したステージングがちびっこに届いて、思わず真似してる描写が凄く好きなんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
アイドルとしての道を見つけた愛ちゃんが、誰かを動かすパワーを既に持っていることを、ちゃんと描写している。
毎回夢の舞台が終わった後に、等身大汗まみれの”現実”を切り取るのも好き。
イマージュの濃い舞台は、現実にセットが組まれ衣装が用意されているわけじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
みんな夢に出会ったばかりの少女として、練習着で踊り、生身で汗をかいている。
でもそれは、輝く夢に必ず繋がっている、尊い姿。
そこから全てが始まり、そこに全てが集約するのだ。
そういう生身の存在感にちゃんと着地させてステージングが終わるの、夢のような浮遊感と地に足がついた安定感の同居で、凄く良いと思うのですよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
憧れだけで武装した等身大の高校生を書くことで、”スクール”の部分をしっかり見せれる、つうのもあるか。いい意味でハンディな質感に収めてる。
かくして夢の入り口を定めた少女の初ステージを、仲間が見守る。『バラバラだけど、仲間だよ』感があって、この遠巻きの視線はすごく好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
ガンガン褒めてモチベを上げ、ダジャレにウケてくれる侑ちゃん、相変わらず全方位に稼ぐな…
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そこに『”昔っから”笑いのレベルが赤ちゃんだから』と、強めにDisりつつ”歴史”ぶっ刺して上取ってくる歩夢の防衛行動が、死ぬほど面白いけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
そんな微笑ましい一幕を横に、エマちゃんはガラス越しの太陽を不安げに見上げる。
あ、あんなに頼もしくありがたい相談役だったのに…。
と、気になるヒキで次回に続く、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
エピソード主役の悩みを引き受け、答えを助けるエマちゃんの”強さ”を描いたあとで、彼女が迷う主役回をすぐに持ってくる運びは、平等でいいな、と思います。
誰もが青春に、アイドルに悩む、ただの少女。
無敵の天使なんて、どこにもいない。
そういう”弱さ”引っくるめでキャラを肯定していく話運びがあればこそ、スクールアイドルの輝きも瑞々しく描けるわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
…そういう視線で見ると、無敵の強キャラとして同好会の外に漂う果林先輩を、どう崩してくるかは楽しみなんだよな。クールキャラがホットになっちまう瞬間が、三度の飯より好き。
愛ちゃんの強いところ、弱いところがしっかり書かれた、とても良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
パット見の印象通りのハイスペックな軽妙さと、その裏にある思弁性。
的確に書かれたギャプが魅力を引き立て、漬物とダジャレ、最高のチアフル・ステージで完全KO。
見事な運びでした…好きになっちまったな。
何も知らない彼女を主役に据えて、”スクールアイドル”の掘り下げ、”個”の集団である虹ヶ咲の個性にも、上手く切り込めたと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
ここがしっかり描けていると、どういう話なのか見てて迷わずすむからね。
”第四話”でやるのに最適なエピソードだったと思います。マジ構成上手いな…。
弱さに震え、強さに輝く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
少女たちの青春が踊るステージは、まだまだ続く。
そんなわけで次回はエマちゃん!
今回”先輩”に助けられ道を教えられた愛ちゃん、クール顔に強めの感情滲ませてる果林パイセンあたりが、ガラス越しの悩みを引き受けてくれたら面白そう。
他キャラでも当然OKだけどね!