呪術廻戦を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
少年院を飲み込んだ、特級の呪い。
これに対抗すべく送り込まれた呪術高専の三人は、冷たい現実に直面する。
”正しい死”を選ぶことすら許されない実力の差、己の弱さ、迫る恐怖。
地獄めいた極限状況で、悠仁は”宿儺”に己を捧げることを選び取る。その決断が招くものとは…。
そんな感じの、メイン揃ってソッコー死にそう大ピンチ! ”生き死に”の話をナメてんじゃねぇぞ…な、呪術廻戦第四話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
序盤の窮地にしては助かる目が全く見えない生々しさで、改めてこのお話の泥っぽさ、退かなさを思い知らされた。
イケイケオーラ出してた三人組が、崩れる速度の早いこと…。
そんな風に主役を弄んだ特級の呪いを、余裕綽々で食いつぶす両面宿儺の驚異。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
虎杖くんが飲み込んだ怪物が、こちらの想定を超えて悪夢めいていたことを思い知らされ、背筋の伸びる思いだった。
逆に涼しい顔でアイツ制圧した、五条先生の怪物っぷりが身に染みるな…なんなんだあの人。
あの時はなんとか上手く乗り切れた、生きるか死ぬか…死ぬにしても”どう死ぬか”の細い線を、今度は子供たちだけで突破しなければいけないハードな状況。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
頭で固めただけの決意が、指と腕をもぎ取る痛みと恐怖で試される実戦。
生々しく痛ましく、だからこそ輝く”生”を、少年たちがどう進むのか。
なかなか油断のならん展開で、ビクビクしつつも楽しく見ております。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
マージで俺の虎杖が血みどろになるたび、心が痛んでしょうがねぇ。だがじいちゃんの”呪い”を背負って、こっち側に飛び込むことを選んだのも虎杖くんだからなぁ…。
それを間近で見て、苛烈な決断をするしかない伏黒くんも辛いな…。
というわけで、子供らの生き様を試す獄舎には、禍々しい雰囲気が満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
日常を突然侵食し、切り離す呪いの発露。非日常と社会の接点が見えて、刑務所封鎖のシーケンスはなかなか見ごたえがあった。
うーむ、現代伝奇の最新鋭だなぁ…美味しい!
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戦術レベルの暴力を持ち込まないと、対応できない特級の呪い。それに対処可能なヒーローはおらず、それでも無視はできないので半人前が3人、救助に駆り出される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
選びうる選択肢は逃走のみ。触れば確実に殺される強敵の意味を、虎杖くんは未だ知らない。
しかし、子を求め泣く母の思いは判る。
伊地知さんが母の慟哭を背中に隠したのは、より身近な生徒たちの心が乱されぬよう、少しでも生存の確率を上げるよう、彼なりの気遣いなのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
呪いが傷つける人が見えてしまう、虎杖くんの視力。
それは非常に大事で価値のあるものだが、優しさを背負って生き延びれるほど、呪いの現場は甘くない
伊地知さんも伏黒くんも野薔薇も、そういう厳しさを身をもって知っていて、でも優しさを諦めきれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
呪いと向き合えば、藁のように人は死ぬ。
そういうリアリズムを踏まえた上で、人間が人間として生き、死ねる状況を掴みたいと願い…人間の身故に叶えきれない。
そんな先達が思い知っていることを、獄舎に飛び込むことで虎杖くんは、これ以上ないほど思い知らされる。何しろ手首はぶっ飛び、指は先っぽから紅葉おろしだもんな…超痛そう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
この段階では甘っちょろい綺麗事に過ぎないものを、自分の身を削ってなお、吠えることが出来るか。
あるいは甘っちょろい綺麗事を、現実に変える力を掴めるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
そういう事を試す、呪術高専一年最初の…そしてもしかしたら最後の事件である。
先週のヒキで『死亡一名』言われとるからな…まさか開幕主役(っぽいの)死亡とはならんだろうが、なってもおかしくないシビアさがあるからなぁ、この話。
影と光のあわいで固めた決意は、呪いで歪んだ空間に、簡単に飲み込まれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
重い空気に麻酔をかけるようなコミカルな演出が、逆にヤバさを強調してビリビリくるな…。
現実を知らない呪術素人が差し出す、甘っちょろい希望。
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それを噛みしめる伏黒くんの表情が、この先待ち受ける試練を思うと、なんとも切ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
俺ねー、伏黒くんは相当虎杖くんのこと好きだと思うのね。つうか、人間全部が好きなんだと思う。善良なのね、魂の根っこが。
(作品と出会って四話でアノ子のこと全部理解ってるマン爆誕)
でも呪いと対峙するってことは、人間の薄暗い部分と向き合い、人間止めてる苛烈な決断を、常時続けることでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
その矛盾に摩耗しきって優しさを捨てたら、誰かを護るべく呪いと戦う理由も消えてしまう。そういう倫理闘争においても、呪術師は非常に厳しい立場なのだ。
だからこそ、伏黒くんはクールな表情で表面を覆って、自分の優しさが外に出ないよう律している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
経験者として、それを出せるほど自分が強くないことを、思い知ってるのだと思う。
そして知らないからこそ理想を口に出し、体現もする虎杖くんが、どこか眩しいのだと思う。
そんな親友だからこそ、死を前にした現実を突きつけ、決断の重さを問いもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
呪いを解くことが、新たな不幸を生むとしても、お前は全てを救うのか。
正しくない死を否定し、正しい生を呪いから取り戻すべく、闘い続けられるのか。
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伏黒くんが掴んだ襟首は、自分が踏み込みたいと願いつつ許されない理想から親友を引っ張り上げる手がかり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
虎杖くんが掴み返した襟元は、呪いの渦の中で自分のため体を張った親友が、現実主義の奥に隠しているモノを掴む。
正反対のようでお互い求めるものが同じだから、視線に悲愴を宿し触れ合う。
ここは二人の青臭い想いがミッシリと満ちて、とても良いシーン…なんだけども、真剣10代呪い場はこういうジュブナイルを、なかなか許してくれんからね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
虎杖くんが”岡崎正”の名前と顔を、自分の手で確かめる描写が、なかなか切実で痛かった。
彼は顔のないモブとして、犠牲者を見たくないんだな…。
獄舎の外で泣く母のある人が、咎なき子供の命を奪った。人間の生き死には、呪いが顕現しようとしなかろうと、解決不能な矛盾に満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
それと向き合う時間を作るための少年院であり、”岡崎正”の生が続くのであれば、答えのない問題になんらか、光明は見えたかも知れない。
しかし呪いは”岡崎正”の両手両足を玩具のようにもぎ取り、尊厳なき死でその物語を強制終了させた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
ならばせめて、その終わりだけでも”正しく”終わらせたい。
虎杖くんの願いは、あまりにも気高く尊い。そういうモノを持っていては、生き延びれない場所にいるのに。
”岡崎正”を巡る衝突は、特級の呪いを惨殺した後、宿儺=悠仁をどう遇するか、伏黒くんにも突きつけられることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
もう終わったことと諦めて、親友の骸を地獄に置き去りに出来るのか。
それでも縁のかけらを掴んで帰りたいと願うなら、伏黒くんはやはり胸の奥、虎杖くんと同じものを抱えている。
尊厳か、生存か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
答えのない問いは不意の襲撃で打ち破られ、答えは出ない。この問答は宿儺と伏黒くんが対峙する時、また再開するんだろう。辛いなぁ、伏黒くん…。
つーか超絶大ピンチに陥るまで、あまりにマッハでオジサンビックリだよ。
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”特級”の圧力に押されて動けない伏黒くんと、魂を奮い立たせ刃を震える虎杖くん。五条先生が言っていた”イカれ方”の違いが、対応スピードの差異として良く見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
…んだけど、抜いた所で実力差がありすぎ、手首は容赦なくぶっ飛ぶ。野薔薇もキモい仮面に取り囲まれて大ピンチだし、どーなんの!
つーか先週譲渡されたばかりの屠坐魔が、マッハでへし折れるスピードにちょっと笑っちゃった。もうちょい主役の愛用品補正があるもんかと…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
あんだけ可愛がられてた白ワンコを壁に埋め込む容赦の無さといい、まぁそういう物語的容赦を期待できる作品ではないと、腹は決まった感じだ。
圧倒的な強敵を前に、虎杖くんは敵の性向を冷静に分析し、少ない手札で仲間を生き残らせる道をなんとか探る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
この鋭い思考能力も、彼生来の”イカレ加減”なんだと思うけども…自分の生死が計算の最後になるところ含めて。
そんな決死を、呪いはとにかく嘲笑う。
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嘲笑はこの作品のトレードマークかなと、四話まで見て感じるところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
呪いは人が必死に生きる様子を、尊いと定めたものをあざ笑い、価値を転倒させる。
圧倒的な暴力を振り回して、正しさを愚弄し強さを罵る。強者が押し付ける暴力が、人間社会を支える虚飾を剥ぎ取っていく。
その最たるものを、主役が自分の体内に入れ、切り札として使わざるを得ない所に、なかなか面白い転倒があるのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
『呪いは呪いでしか倒せない』という基本ルール含めて、正しいとされるものの脆さ、無力さを嘲笑う現実の薄暗さを、話の主柱にしっかり練り込んで作られている印象だ。
呪いが正しさを嘲笑い、諦観を押し付けるニヒリズムが”正しくない”からこそ、主人公は命をかけてそれに抗う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
しかしその強烈さは、呪いが怪物の形にならないまま闊歩する僕らの世界でも、否応なく思い知らされる一つの真実だ。
たとえ歪んでいようと、邪悪だろうと、真実は強い。
だから呪いは簡単に虎杖くんの指をすり潰すし、子供たちは逃げるので精一杯だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
真実…の一面を、容赦しながら描く緩さはこのお話には、あまりない。
でも、それだけが世界の全てではないと信じているからこそ、この話は『呪いに抗うもの』の話なのだろう。
否応なく迫る強力な呪いから、伏黒くんは逃げ、仲間を救う。”拳”の作る影で色々召喚できる伏黒くんの呪術、応用範囲広そうねぇ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
そんな仲間の奮戦を遠吠えと聞きながら、虎杖くんは血の涙を流し、死の恐怖と向き合う。
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痛みが真に迫って伝わる”逃げない”暴力表現が、虎杖くんを試すものを生々しく教える中で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
学長に問いただされた借り物の理想が、彼の背骨を支える。
痛みも、恐怖も、憎悪も呪いに変えて、拳を奮って抗う。
膝をつかずに牙を剥けるのは、彼が”イカれ”ているからか。
頭の中でこねくり回していた決意を、あまりにもハードコアに試す苛烈な闘争。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
悲愴でヒロイックな決断に虎杖くんがたどり着くと判っていても、血と一緒に漂う人間味があんまり悲しくて、結構見てらんなかった。
でも、鈍いと戦うということは、こういうことだ。
イタいしキツいし逃げ出したい。
でもヒーローは逃げない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
腕をもがれてなお拳を作り、溢れ出る呪いを力に変えて、嘲笑に叩きつける。
獄舎に踏み込む前に付きまとっていたキレイな飾りを剥がしても、虎杖くんの地金はあまりに英雄的で、だから辛かった。
可能なら逃げて欲しいが、それは彼の魂と呪いが許さない。
なら頑張れと応援するしかねーな! って思ってたら、逆転の切り札は最悪の呪いでしかなく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
宿儺に転じた悠仁は、あれだけ苦戦した特級の呪いを玩弄し、ちぎれ飛んだ腕を再生していく。
虎杖くんが宿したものは、それだけの力と危険性を持っているのだ。
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”岡崎正”の両手足をもぎ玩弄した呪いが、同じ殺され方で壁に埋め込まれているところには、『人を呪わば穴二つ』なルールを強く感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
窮地を脱するために飲み込んだ毒は、虎杖くんの命より大事なものを嘲笑い、踏みにじるのだろう。
そういうイヤーな予感が、最悪の笑顔で上手く作画されていた。
『ママー! 諏訪部声がまた心象風景を暴力に変換してるー!!』って感じで、宿儺のバトルスタイルはマジカッコイイ…んだが、素直に歓声上げてる場合じゃないよなぁ、コレ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
最悪の呪いを食い散らかす、最凶の悪夢。
それが親友の形を取っていること。
自分の祈りが、その命を繋いだこと。
獄舎の外で待つ伏黒くんの肩にのしかかるものは、既に重たい。事の経緯によっては、それ以上に重たい宿命を背負うことにもなるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
肉体的にも精神的にも、子供たち…つうか人間に厳しいお話である。正統派少年漫画だぜ…。
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誰かを思い身を削って戦う少年少女に、ハラハラしつつエールを送る側としては、その祈りが報われることを願ってやまないけども。まー油断はできねぇな、全く…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
妥協なく人の業と情を問う話なのだと、シビアなバトルが教えてくれる回でした。
『仲間揃ったしいけそう!』と思った、次の話でコレ。
緩急で殴りつける手腕が巧すぎてフラフラするけども、描かれているものに負けぬよう、腰を落として作品と向き合いたい気持ちです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
伏黒くんも虎杖くんも、何も出来ないままリタイアした野薔薇も、みんな凄く厳しく試されてて、なかなか見てられない。
…のだが、指の隙間から思わず見ちまうぜ。
何しろ面白いからなッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月24日
いや本当に、ダークでシビアな話に慄きつつ惹きつけられる”凄み”、ビリビリ加速しております。
未だ序章で、この速さと強さ。
闇の真奥に向けて突き進む物語は、一体どんな試練と光明を用意しているのか。
次回も楽しみですね…はー、辛い。みんな幸せになって…。