体操ザムライを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
休息の日々に己を鑑み、天草コーチとの関係を修復した城太郎。
そんな彼に突き刺さる、若獅子の鋭い視線。
俊英・南野鉄男が叩きつけた挑戦状を、古錆びた侍は受け止める。
運命の決戦は一ヶ月半後…はたして、城太郎は輝きを取り戻すのか!?
そんな感じの、ついに”体操”が本格的に始動を始める第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
天草コーチとの二人三脚、積み重なる汗と鋭い演技の描写、挑戦者の鋭い眼差し。
競技が持っている真剣さを、体操野郎の決闘に重ねて見せてくるエピソードとなった。やっぱスポーツの話なので、具体的な競技描写は嬉しい限り。
ここまでは心意気と関係性メインで、”体操”というテーマの独自性、空気感というのはあまり表に出てこなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
鉄男の挑戦を受けトレーニングを再開する中で、そういうモノが前に出てくるのはやはり良い。
決着の付け方も、勝者・敗者両方の格を落とさず、周りの真心を際立たせるものだった。
ここで生まれた因縁や、鍛錬の日々で描かれたものをどう深めていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
そういう先の話も気になるし、勝負自体、練習自体も面白く見応えがあった。
やっぱ”体操”周辺の描写が3Dモデルを活かして鋭いの、作品の土台をしっかり支えているな。非常にいい感じ。
というわけで、挑戦状を叩きつけた前回のヒキを受けて、決闘への道のりが整っていく序盤。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
週刊誌のネタに”2002”を感じつつ、レオと天草さんに流される形で、城太郎は決戦の舞台に上がることになる。
鉄男の鋭い視線も、受け止めてんだか受け流してんだか…。
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城太郎は一本気に見えてどっか抜けているというか、事態の決定的な所を取り逃すヌボっとしたキャラクターであると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
体操バカ過ぎて自分の状態も判っていなかったり、引退撤回が呼び覚ます波紋を想像しきれなかったり。
無神経…ってわけじゃないんだが、どうにも怜悧とはいえない生煮え感がある。
それがガツガツしない余裕ともなって、彼の魅力でもあるのだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
どうも鉄男が視線に秘めてる鋭く強いものを、正面から受けきれていない感じが今回は強く匂う。
体操、あるいは家族のコアは逃してないんだけど、その周辺を掴みそこねるというか…なかなか複雑な鈍さ描写だ。
同時に核は掴んでいるので、心は強く身体も整っている。コーチが決めた決戦に向けて、努力をうとんだりはしない。伊達や酔狂で、メダルは取れないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
ここら辺、ゼロから描写していくノーマルなスポ根とはやっぱ筆致が違っていて、なかなか面白い。
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シネフィルらしく”ランボー・怒りの脱出”をパロったケーキで、玲ちゃんとレオがお祝いする中、城太郎のリスタートが始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
食卓の情景でもって、城太郎が頑張れる足場を見せてくれるのはやっぱり良い。
飯を通じてニンを見せる演出は、いつでも大好きだ。分かりやすいし。
前回関係を修復した天草さんの出番が今回多く、一生賢雄さんの声を浴びれて悦楽至極であるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
具体的なトレーニング描写をモンタージュで積んで、筋肉の説得力を作品に焼きつけていく特訓シーンはやっぱり好きだ。まーたスタローンパロディやってる…。
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一流アスリートのメニューに付いていけるレオの資質とか、”アスリートの娘”としての文をわきまえたまま父に甘える玲ちゃんとか、見どころが多い修練であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
特訓が始まる前に漬け込みどころを印象づけておいて、それを上回ってくる鉄男の才覚と努力が際立つ描写の組み方は、非常にナイスでしたね。
45日で城太郎はアスリートの体を取り戻して鉄男に並ぼうとするんだけど、鉄男だって体操界のトップを競う男、黙って時間を使うわけがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
漬け込みたかった欠点を封じ、自分画諦めた技を使いこなす。そういうシリアスな熱量をライバルがもっていると、ちゃんと書く。そのことで、競技の”格”を上げる
楽しい日常コメディを軽妙に転がしつつ、スポーツ・フィクションが乗っかる土台をガッチリ固めてくれたのは、作品の信頼度を上げる良い話運びだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
城太郎たちも頑張ったけど、鉄男も怠けなかった。
負けたけど、先がある。
そういう豊かな結末は、途中をちゃんと描けばこそ映えるわけだ。
そんな風景の一つに、雑音の只中で凛と歩く少女の横顔がある。ホンマ、玲ちゃんにヒドいことは止めてください…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
これを城太郎ではなくレオが見てる、ってのが、一つのキモなんだろうな。娘のために決意した引退撤回が、娘を厳しい場所に置いてることに、父は気づけない
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そういう粗忽さが城太郎のキャラクター性であり、もしかしたら改善点なのかもしれない。どう使ってくるかなぁ、この描写…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
人情派ギャルのあゆちゃんが、レオの相談とどうか見合うかも楽しみである。タッキーとの掛け合いも可愛いし、サブキャラに魅力強いのは良いことだ。
玲ちゃんは”アスリートの娘”である意味を幼い身空でしっかり理解していて、ストイックにその枠から出ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
雑音を跳ね除け真っ直ぐ歩くのはその現れだと思うけど、その勇ましさがどうにも哀しい。
城太郎は自分画巻いた種が何を引き起こすのか、ちゃんと見る必要があるんだろうなぁ…。
それは先の話として、今は目の前の決闘である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
コーチに預けた未来を引き寄せるべく、必死に鍛錬を重ねる城太郎。そこに錯綜する感情の火花が、なかなかに熱い。
ボーッとした男だが”体操”に向き合う時は、夕日に映える鋭さを取り戻しもする。
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見えていないもの、出来ないことが沢山あればこそ、城太郎は色んな人の力を借り、前に進もうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
その姿勢に嘘がないから、周囲の人も支えになろうとする。演技が人を震わせ、心に何かを刻みもする。
そういう相互作用が乗っかる舞台として”体操”があると、美しい夕日の中見せる場面が熱い。
やっぱ一回足を止め自分を見つめ直した結果、強く信頼で結ばれた天草さんとの関係描写が、凄く良いんだよな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
『バカチン!』と叱りつつ、亀に格好をつけるべく”体操(こうら)”を用意してやりたくなる、城太郎の可愛げ。
ピークを過ぎてなお挑む再帰を、自分自身の闘いとも受け止めている天草の熱量
そういうモノが渾然となって、夕日の鉄棒を前に震える体操選手、見守るコーチの残影が、妙に美しく映える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
決着後の身の処し方もそうだけど、城太郎に足りない部分を天草さんが何度も補ってる姿、それが犠牲ではなく献身である様子が、ぐっと胸に迫るね。
年長者のあるべき姿だ…。
というわけで、迎えた決戦。朝焼けの街は、なんとも美しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
城太郎が差し出した手を跳ね除ける鉄男の硬さは、この闘いに賭ける想いの強さゆえ。このボーイ、相当城太郎のコト好きだな、多分…。
対する城太郎は身内を引き連れ、真剣なれどちょっとゆるい。この温度差ね。
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体操の描写はタッキーが驚き役としていい仕事をして、迫力も精密さも期待以上だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
素早く組み替えられる握り手、悪夢を振り払って掴む未来。躍動する筋肉と、リズミカルに軋む器具。
”体操”が競技として持っている美点を、上手くすくい上げた描写になっていたと思う。
ここまで城太郎が悩まされた故障や失敗のイメージ、ボンヤリした未来像などは、この試技で綺麗に払拭される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
エピソードが突破するべき問題点には、しっかり答えを出した演技だ。
道に迷い、真摯に努力し、互いに支え合った。
その結果としての、美しい飛躍。
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それがレオを震わせ、玲ちゃんの緊張を溶かす。レオはサムライの演技に惚れた過去があって、ここにいるんだろうなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
あえて明るく戯けて、父のプレッシャーを軽減してくれてた玲ちゃんも、やっぱり怖かったのだと判るこの表情は、凄く良い。
どんどん好きになっちゃって困りますよ…困んないけど。
しかしこの”正解”は、競技のてっぺんでしのぎを削るには足りない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
宇宙が常に膨張するように、人は努力を当然重ねる。ライバルが足を止めて怠けてくれるのは、都合のいい物語の中だけだ。
鉄男は開発者が組み込めなかった”アラガキ”を、完璧に仕上げてくる。
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それはやっぱり、体操ザムライを敬すればこそ失態を認められない、強い感情の現れな気がする。城太郎の復帰の意思以上に、鉄男はこの決闘に入れ込んでた感じすんだよなー…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
でも城太郎はそういう、張り詰めた意識をちゃんと見れない。遊びで持ち出したわけじゃない勝敗に、土足で踏み込んでしまう。
ここで負けがもたらすものではなく、『まだまだ俺も行ける!』と自分を見る所が、”荒垣城太郎”なのだろう。そら、差し出した手も跳ね除けられるわ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
一人では何も出来ないと思い知り、周りに判断を預ける。
ここまでで辿り着いた結論が持つヤバさが、鉄男を鏡に表に出てくる感じがある。
そこから更に成長するためにも、亀から甲羅を奪っちゃいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
レオが、天草さんが下げた頭は安くないが、その重さを城太郎、イマイチ理解しきれてない感じあるなぁ…。
でも去りゆく鉄男に『次は大会で会おう!』と言えてしまう爽やかさは、やっぱ憎めない。
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城太郎に足りない”大人”を補う天草さんの頭は、当然重いとして。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
コミックリリーフ担当だったレオが真摯にこすりつけた頭は、想定してたよりも僕に深く刺さった。
やっぱ道化野郎がギラリと、己の中の真摯さをむき出しにしてくる瞬間が好きだ。
憧れを追う瞳の、濁りのない輝きがよく作画されていた。
鉄男もまた、そういうモノを無下にする青年ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
決戦に向け、自分を鍛え上げるストイックさ。体操に…もしかしたら城太郎に向ける強い感情。
再会した時、彼がどんな物を見せてくれるのか。城太郎は彼に何を差し出せるのか。
面白い因縁が生まれる、朝焼けの決闘だった。
鉄男が滲ませた重さを、まだ引き受けきれない未熟な城太郎。レオと天草さんが頭を下げて、真摯さのバランスを取って次に繋げる形…かな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
見えてきた朝日に、迫る謎のエージェントたち。さー、次はレオ主役の話っぽいよ!!
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という所で、次回に続く…である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
決闘にむけて奮起する城太郎を追う中で、天草さんとの信頼、周囲の支えを深く彫り込む。
鉄男のアスリートとしての真摯さ、思いの強さを焼き付けつつ、敗北だけでは終わらなかった闘いの先に因縁を繋ぐ。
”体操”の手触りも鮮明になり、とても良いエピソードでした。
城太郎に足りない部分も多々見える回で、今後それを補うのか、強みに変えていくのか…再戦への期待と合わせて、”次”が楽しみになるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月25日
そして次回は、色々引っ掻き回してくれたレオに踏み込む話。
青い目の青年は、なぜニンジャを志したか?
楽しいものが見れそうで、次回も楽しみです