GREAT PRETENDER 第17話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
過去と悪徳は猟犬のように、青年の背中をついてまわる。
捨てられ、捨てたはずの父親はクズの顔で再び現れ、エダマメは苛立ちとともに銃を握る。
極東に集う悪党どもの、騙し騙され地獄道。
魔法使いなどどこにもいない、畜生だらけの煉瓦道。
そんな感じのハードボイルド犯罪実録、グレプリ第17話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
”父殺し”の顔を強く見せてきた四章であるが、ここに来てエダマメの実父登場。しかもビックリするくらいのクズ。
まぁこのアニメなんで評価も二転三転すると思うが、真人が相変わらず可愛そうである。
場を用意し、タネを仕込む。ローランお得意の手筋を、朱雀回と竜虎帮にやり返された形で引いたけども、第四章に漂う洒落にならない感じが噛み付いてきて、なかなか面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
痛快コンゲームを楽しみつつ、心のどこかでうずいていたツッコミ。
『言うてクソ犯罪者、こんなに上手くいくはずが…』
そういうモノを拾い上げる展開になってきたが、まだまだ話数は中盤戦、こっからのドンデン、それで暴かれる詐欺師たちの矜持にも期待は強まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
なんだかんだ、夢見がちな悪党が重たい現実に直面しつつ、それを超えていく物語を見たいのだ。一番夢っぽい、エダマメくんのこと僕好きだし。
それは先の話として、今回は因縁渦を巻く負け戦である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
第一章で見せられた、エダマメの起源。いくつかの物語を経て、あの時よりもさらに刺さる感じがする。
…中国語喋れるの、お母さん由来だっていうのズルいよなぁ。しかも孔子。皮肉通り越してグロテスクだ。
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三匹の猫が肩を寄せ合い、楽しく暮らす夕暮れ。それは突然のニュースで打ち破られ、母は病床に倒れ伏す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
天使なんかになれない魔術師は、昔も今も家族を騙す。
”オズの魔法使い”を下敷きにしているとすれば、確かに詐欺師の話である。
では、勇なきライオン、知恵なきカカシ、心なきキコリは誰か?
それは状況が進み、謎と嘘がゴロゴロ転がる中で見えていくのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
つーか第一章の時点で、朱雀組の伏線は張ってたのね。この時点で関係してたんだから、オズが敵対してるようで内通してるのはある意味必然、か。
…それもまた、騙しのための煙幕か? 疑心暗鬼が楽しい。
結局、母は不在の父を信じたまま、哀れに死んだ。ミニチュア占いは慰み以上にはならず、実直な青年は何も出来なかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
そして今も、人を騙して生きている。差し出した臭いメシを、行き場もない子供たちは当然食わない。
ため息を誤魔化すように、啜る紫煙。”大人”の証
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アビーの前でも平気で喫煙するエダマメは、朱雀組の悪徳から距離をおいているようで染まってきている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
一抹の矜持を抱え、悪を以て善を為す。そんなお題目で進んできた物語は、児童売買の煤けたリアリティに侵食されて、犯罪のもう一つの顔を明確にしてきている。
そこには嘘はない。
全てがビジネスで、面白くもない労働の積み重ね。サラリーマンのようにガキを攫い、養い、売り飛ばし、開いた隙間にまたガキを詰め込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
『まぁ犯罪、そういうモンだ』と、エダマメの朱雀潜入を通じてジワジワ描くのはとても好きだ。今まで書いてきたものに、自分でカウンターを当てている。
その腐った日常性に、エダマメが侵されつつあるってのが、”タバコ”を通じて見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
このままくすぶっていくのか、はたまた痛快な嘘を取り戻せるのか。
グラグラ揺らしてくるだろうし、それに付き合って色々考えるのも、また楽しい。やっぱ自作への批評眼って大事よね。
朱雀と竜虎。同じ根っこから生まれた二大組織は、一触即発のピリピリムードだ。…玄武はどこにいるんかね?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
お互い通訳として、再開する父と子。激しく衝突する女狐と粗暴な獅子を横目に、エダマメは因縁に思い悩む。
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オズの弱々しい被害者ッ面が仮面であることは、後々判ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
彼は極東の魔術師…エダマメの”父”の一人として、残酷なレールを敷き、息子を試す。
ただ仇敵ってんなら、ぶっ殺せばそれで先に進めるが…今回見えた”裏”がまたひっくり返る可能性は高い。
もうひとりの”父”であるローランとオズがどう繋がり、どう対比されるか次第で、エダマメが投げ込まれた運命、そこで試される生き様もまた変わってくるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
身内を傷つけて顧みない…顧みてるのかも知れないけど、結果としてはお母さんは死んじゃったクズどもは、何を考えて子供に地獄を用意したか
そこに納得感ある裏切りを用意できないと、『エダマメが可哀想だった』でこの話し終わっちゃうからな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
朱雀と竜虎が演じる不仲、その裏側含め、次回以降は楽しみである。
『騙したはずが騙され』って構図なのね、今回の反撃は。…となると、もう一回ひっくり返すよな。もしかするとそれ以上。
ともあれ、クズが用意したゴミまみれの道にようやく思い至り、エダマメは気合のラリアットをキメる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
関係ねぇ、終わった話だ。
当然、終わってないからそういう事を言うのである。ローランはともかく、アビーちゃんは良い指摘したね。つーかおめえが言うな金髪クソ野郎
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憧れた父は、どんな存在だったのか。何故、母と自分を捨てたのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
自虐的に詐欺師をやってた時代も、LAで自分を見つけて抜けようとした後も、結局そこが問題になる。
クズみてぇな親父と、気づけば同じことをしている。
タバコ(後に拳銃)を手にとって、ガキをいじめている。
流されるまま最悪な現状を、過去と未来に向けて掘り下げていかなければ、エダマメの物語は終わらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
自分を見つけて、大人になれない。
やっぱこの話、家族に縛られ未熟に踊る青年が、厳しい試練を経て自己を実現するという、凄くビルドゥングス・ロマンな構造持ってるのな。
詐欺は痛快愉快な犯罪アトラクションでアトラクションであると同時に、エダマメが拒みつつ逃げられない業であり、”父”との繋がりでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
自分を縛るへその緒を切り離し、己の足で立つ。犯罪に背を向けるにしろ、深く踏み込むにしろ…あるいは一人前のピカロとして、自分なりの善悪渾然を誇るにしろ
親父と殴り合いの喧嘩はしなきゃいけないし、それは必ずしも暴力だけではない。まー詐欺師の話なので、騙し合いで上を行くことが必要なんだろうなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
そして、今のエダマメはそこにまで行ってない。だから、オヤジの話は聞かなきゃいけない。
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明暗が錯綜する湿った部屋で、オズは己の罪を告白する。それは我が子すら騙すための嘘…なのだが、一回ノセてから足払いをキメるのがこのアニメのスタイルだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
やっぱ、素直に乗っかりつつも裏を疑いたくなる。
この親子の相克も、朱雀をより大きくハメるための仕掛けなんじゃないか、とかね。
愉快な仲間との詐欺師度はコミカルで明るかったし、その中で果たされる自己実現には手応えがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
しかしだからといって、枝村一家の悲惨な過去が消えるわけじゃない。お母さん死んでるし。
…俺『お母さん死んでるし』って感想で何回も言ってんだけど、本当にそれが悲しいんだな…。
オズがどんな思惑、事情、後悔…あるいは正義を抱えていようが、お母さんは裏切られてなお、夫を信じて孤独に死んでしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
その重さに報いるだけの”嘘”ってのが、果たしてあるのか。それでもなお、エダマメは父を許せるのか。
そこが、今後このお話を評価する争点かなー、と思ったりもする。
クズを騙して金をかっぱぐのは笑える”良い嘘”で、子を思い善を教えてくれたお母さんが死ぬのは”悪い嘘”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
その区分も身勝手だな、と思うが、四章で描かれた児童売買の重たさ、生っぽさと枝村親子の因縁を重ねることで、やっぱ線引はあるな、という気持ちにもなる。洒落になんねぇ。
父の告解を信じ、エダマメは銃を握る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
時間がないから。それしか手段はないから。飲み込んだタバコは、人殺しの道具にまで発展してしまった。
エダマメが自分を、そこに紐ついた”悪”と”父”にしっかり向き合えないまま流された結果が、チャカで脅してガキを救うヤダ味だ
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このお話し、思いや正しさを一切置き去りに進行する犯罪のリアリズムとはやっぱり縁が遠くて、正しくない状況で行われる犯罪は、良い結果を生み出さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
人間として何らか実りのあるモンを掴んでおくことが、善い結果に繋がる。
犯罪というリアルを扱いながら、物語の動因は非常にロマンティックだ。
それがピカレスク・ロマンの面白さだと思うし、四章ではそんな夢見がちな筆致に自分から、カウンターを当ててもいるけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
救うために銃を握ってしまったエダマメは、LA以前のやけっぱちに戻ってしまっている。それじゃ、何もかもうまくは行かない。
嘘には嘘が、銃には銃が報いる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
対立していたはずの朱雀と竜虎が合同で、行く手を塞ぐどんずまり。やっぱり味のない悪党は、他人の前でタバコ吸うんだよなぁ…。
銃口とともに突きつけられたのは、裏切りと現実。
親父はクズで、俺はゴミだ。
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という所で、次回に続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
石神が『他人の獲物取っちゃダメだよ~』と言ってるあたり、ローラン一味の計画が全部バレてるというよりは、同種のクズがガキを横取りしようとした、と思われってるぽいな。
この誤解、偶然の産物か、狙って書いた絵か。
そこも、次回以降見えてくるか。
不思議の国に君臨していた魔術師オズは、その実オハマから流されてきた詐欺師。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
その名前を親父が名乗るあたり、今回強烈に突き刺してきたクズっぷりにはやっぱり裏があるとは思う。
同時に、やっぱお母さんと真人くんを思うと、生半な事情じゃぁ納得できねぇクズっぷりだとも思う。
カンサスから迷い込んだドロシーの、愉快な仲間たちは何かを求めて旅をした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
知恵、勇気、心。それはオズの詐術で急に生まれるのではなく、旅路が鍛え見つけさせたものだ。
ここまでの物語の中で、アビーやシンシアやエダマメが手にれてきたものもまた、嘘と暴力の重たさに潰され消えるのか。
はたまた痛快な大逆転の果てに、詐欺師達は『お家に帰る』のか。お母さんは、もう死んでるのに?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
何がどうなろうと、魔法がかかろうとも動かない、”死”という現実。
先に進むためには、許さなければいけない。そのためには、事実を素直に認めなければいけない。
クズの詐欺師が一番苦手なところに、作品の力点が乗っかってきたな、という感じもあるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
まずは絶体絶命のピンチ、どう転がすか。
そしてここにいない金髪クソ野郎が、どんな過去を抱え何を狙っているか。ぜってぇクソ親同志、オズと因縁あるだろ…。
いい具合に転がってきた物語、次回も楽しみです
つーか三章ラストでローランが呟いてた子が、モロに”ドロシー”だからな。あの金髪は、喪われた少女に操を立てるトトであり、魔法が使えなかったオズ…って配役か?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月11日
エダマメのクエストと同じく、ローランの掴むべき結末も過去の再演と再生、悪徳を貫く事による自己と正義の達成…なのかな?