ストライクウィッチーズ ROAD to BERLINを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
ベルリン奪還作戦の要、キール軍港は霧に包まれていた。
無差別爆撃による制圧作戦が迫る中、サーニャは独自の作戦を立案する。
レーダー探知による、霧のネウロイ発見殲滅。
しかし作戦は、不可知の未来を知る彼女の戦友、エイラの独走で破綻する…。
そんな感じの女女のちオッパイのち女女ッ! エピソードの落差で頭痛がしてくるRtB第8話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
”六話”をエーゲルに譲った形となったエイラーニャであるが、これまでの甘酸っぱさを残しつつ、兵士としての激しさ、戦火の残り香を漂わせた、独特の味わいとなった。
電波の瞳で闇夜を見通すサーニャと、未来を見抜くエイラ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
色合いも白系統、お姫様と純情少年のカップリングはまさに王道…なんだけども、そこを”揺らす”のがRtBである。
常人とは異なる二人の視界は重ならず、霧は深くなっていく。そしてだからこそ、見えた後の景色は眩しい。
今までたおやかな部分を強調されてきたサーニャが、故国を焼かれた同志としてカールスラント勢に見せる激しさも良かったし、冬至の祭りを要にそれぞれの思いやりがすれ違い、しっかり届く展開には詩情があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
ヒンメリに思いを凝縮する展開は、異国情緒と純情が綺麗に混ざり合い、見通しが良かった
というわけで、伯林への道を着実に進んでいる501。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
戦略上の要衝となるキール軍港奪還の前に、再び巨大な壁が立ちふさがる。
エーゲルの邪魔をした前進翼ネウロイが”動”の極北とすると、今回の敵は”静”の極み。
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見通せない霧に浮かぶ、怪しい影…戦術級の欺瞞能力を持った強敵である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
白一色に黒いシルエット、モノトーンの戦場がなかなか幻想的で、二人の雰囲気にあった敵といえる。
固有魔法がそれぞれ”眼”に繋がる二人、それを覆う”霧”を相手取る構図も、ズバッとハマる。
お互い激戦をくぐり抜け、戦士としての自負もそれなり以上にある。魔女として見えている世界で救ってきた命も、一つや二つではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
そんな凛々しさを、霧を睨みつけるサーニャからは感じる…し、だからこそ頑なに思い込む展開にも、結構な納得がある。
サーニャがカールスラント勢のために気合を入れるのも、故国を奪われた立場、取り戻せぬ歯がゆさに共感すればこそである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
サーニャは儚い百合の花であると同時に、激戦をくぐり抜けた戦士、強い志を持つ奪還者でもあると、今回の話は静かに伝えてくる。そこが良い。
そんな戦士にも憩いはあり、皆は思い思いに休息を過ごしている。サトゥルヌス祭に絡めてニパの名前出てくるの、BW大好き勢としてはありがたい…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
祈りを込めて折るヒンメリは、少女たちの心を反射して清い。
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あんまギラギラしたオーナメントではなく、麦わらで素朴に、しかし幾何学的な美しさを持って編まれるヒンメリを今回のフェティッシュに選んだのは、凄くいい目だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
飾りのない清潔な美しさが、むっちゃエイラーニャっぽいよね。良いチョイス。
そんな平穏はすぐさま打ち破られ、キール軍港を覆う霧、それに伴う無差別爆撃と奪還作戦遅延が知らされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
その報せにゴリラ激怒!
でも本気出したら、サウナのレンガ壁破壊するからな…まだ抑えてる方か。
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ベルリン奪還に掛ける思い、迫る”あがり”に焦る気持ちは、ミーナも同じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
しかし彼女は隊長で、その責務を忘れかけてもっさんがトチ狂った経験は、苦く刻まれている。
兵士であり、部隊の統率者でもある。
心を持った人間であり、軍務を遂行する兵器でもある。
ジレンマに揺れる心を鋭く睨みつけつつ、二人の思いは霧に消えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
それを見落とさない女、サーニャ・V・リトヴャク。
ここで火がついたサーニャの侠気は、普段控えめな彼女が内に秘めたるものをドドンと伝えてきて、RtBっぽい見せ方だと感じた。やられてみると『ああ、なるほど』てのが多い。
見送るしかない居残り組を、寄せて集めて霧を晴らす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
地図を睨んでの戦術立案。無視界戦闘訓練を引っ張る経験値。鏃陣形の先頭を買って出る気迫。
サーニャが戦士としての顔を見せる裏で、凸凹扶桑師弟はファンサービスを担当。なんでそうなる…。
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同志に故国を取り戻させるため、引退前の花束を渡すため。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
言葉にはしないからこそ、サーニャの思い入れは瞳に宿り、作戦を主導していく。
この視線の強さにエイラがなかなか気づかない所が、この二人の面白さとも言える。”守るべきお姫様”でいて欲しい心理、少しあるよなぁ…。
というわけで、地図を塗りつぶしながら進む霧の探索本番。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
破滅の未来を幻視したエイラはあらぬ方向に銃弾を放ち、作戦は崩壊する。
ここで手早い撤退を判断できる辺、ハンブルグのバルクホルンよりリーダー適正あるよな、サーニャ…。
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サーニャが夜を見通す自分の”眼”に自信があるように、エイラも未来を見通す”眼”を信頼している。
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いつも一緒に、同じものを見ているようで、二人の視界は当然ズレている。
それは異能の眼が、沢山の生と死を見つめてきたからこそ、譲れない信念だ。戦友の死を先見しちゃうの、結構キツいよね…。
戦士としての矜持、少女を惑わす霧。思いは強く燃えればこそ、お互いを赤く焦がす。
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『そういや、階級サーニャのほうが上だったな…』などと思いつつ、親友ではなく上官として、独断専行を諌めるサーニャ。しかしその一撃は、未来を守るための…。
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サウナで1サービス入れつつ、未だすれ違いは続行。
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この段階だとエイラの未来視、サーニャを守りたい気持ちはエイラ一人のもので、”二人だから出来ること”にはなってないのよね。
なので、サーニャの瞳は見えない。作戦にも同行しない。
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これを詰めていく手助けを、サウナでの宮藤とか、ツリー下でのミーナ隊長とかが担っていくことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
一期二期、戦友としての強い絆を既に確立している501は、時に衝突はしても分厚い相互理解、信頼関係が下支えをし、あまり揺れない。
ここの安定感は、なかなかありがたいやな。
寡黙な少女が抱えた、故国への思い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
それを判ってほしかったから、言わなかった。
ミーナの言葉は迷妄の闇を払い、行くべき場所を指し示す。
為すべきことを見つけた払暁があまりの爆エモ情景で、少し笑ってしまった…。やりすぎ良しッ!
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こんぐらい強くやるべきことを見定めた強さを見せるから、サーニャ自慢のレーダーを無効化してくるヒンメリネウロイの巨大さ、追い詰められたヤバさもよく判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
ここでサーニャの代名詞であり、ここまで使ってきた”夜”を少し外して、”霧”にしたのは巧いモチーフ選択だなぁ、と思ったり。
情景としても、霧に浮かび上がる黒い影の不気味さ、巨大な圧迫感が凄くいい感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
やっぱRtB、少女戦士が思いを賭けるダイオラマとして、凄い良い”絵”切り取ってくれるよね。
個人的には脂っこい肌色シーンより、そっちがサービスだったりする。いや、コッテリも好きだけどね…。
自分が見ている世界への過信、奪還者としての過剰な思い入れ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
それが呼び込んだ赤い死を、跳ね除ける純情の盾。
ヒーロー参上…惚れたろッ?
あんだけ短慮な未熟を見せた上で、このど真ん中の青春突破。エイラだけに許される主人公力である。
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『二人の邪魔しちゃ悪いから…』くらいの空気で、舞台袖に引っ込む扶桑組と子機。相変わらず、空気の読める人類の仇敵だ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
自分が見ている緑の世界を、二人の未来に変えるために。
エイラは己の命を、サーニャのフリーガーハマーにと預ける。
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決意の一撃が強敵を砕き、晴れる霧、差し込む光。Happy End…である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
クリスマスツリーの払暁といい、燃え上がる情感を照れず、大仕掛けな光と一緒に見せる演出はかなり好き。
なんで”霧”の話だったのか、ストンと腑に落ちる見せ方になっていると思う。
サーニャが寡黙に、奪還者としての魂を示したのに対し、エイラは途中まで、イマイチ戦士としての強さを見せられなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
自分の命をビーコンに変え、サーニャの技量と愛を導く咆哮あってこそ、二人の視界は釣り合いを取り戻す。
少女としての甘さを大事にしつつ、戦士達の滾りを書いたのが良い。
かくしてキールの霧は晴れ、人類は無傷で要衝を抑える。マジ戦略級の大活躍で、四人は勲章貰っていいと思うよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
魔女たちにとっても大事な、冬至の祭り。そこに最高のプレゼントを差し出して、二人もニッコリ笑顔である。
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今回の主役はエイラーニャなんだけど、三期最大のシャフトであるベルリン奪還に向け、部隊レベルでも戦略レベルでもしっかり見取り図作っているのも、なかなか良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
アントウェルペンからキール、ベルリンに続く兵站の流れを書いて、少女たちだけの戦場にならないよう、注意深く運んでる感じ。
同時に人類存亡を背負うエースは、ただただ可憐な少女でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
お互いの思いを寄せたヒンメリが、美しく寄り添う緑の樹。すれ違いつつも掴み取った、最高のプレゼントに”ダイヤのエース”も大喜びである。
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この満面笑顔、『サーニャが大好きだッ!』という気持ちを一切隠す気のない無防備なLOVEが、やっぱエイラの良いところだな…という気持ちを確認して、キール奪還作戦を成功に導いた、二人の魔女の物語は終了である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
眼、霧、愛…エイラーニャの要素を、的確に再配置したエピソードとなりました。
ただ『いつものエイラーニャ』をトレースするだけでなく、故国を奪われたサーニャの胸に燃える炎、戦士としての矜持と頑なさを、しっかり彫り込んでもくれました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
RtBは自分たちが生み出した良さの再発見と、有るんだけど語られてない良さの提示が、凄くバランス良いよね。
良く出来た”三期”よ…。
エイラの可愛い純情、溢れるヒロイズムと素直な愛もチャーミングに描かれ、大変良かったと思います。霧のネウロイさんは、大変いい仕事をしました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日
これでベルリンへの血路も開かれ、物語も後半戦。
どんな物語が展開するか、非常に楽しみです。