Dr.STONE STONE WARSを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
文明の利器”ケイタイ”を作り出し、司帝国との決戦に向け意気上がる科学王国。
腹が減っては戦はできぬと、千空は夢の糧食を科学の力で作り上げる。
その裏で進行する、戦全体を覆う巨大な嘘。
地獄行きの覚悟は、無血の勝利をその手に掴むために。
という感じの帰ってきた科学少年チート無双! 少年漫画のド真ん中を駆け抜ける、ドクターストーン二期第一話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
お話としては千空ちゃんがどんだけ悪ぶった善人で、死地に赴く仲間のためにせめてあったけぇメシ作ってやりてぇ人情の持ち主かよく分かるスタートとなった。
今回のフリーズドライネタは原作にはなくて、アニメ二期が動き出すために注入されたニトロのようなもんだが…大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
科学の力で、何が出来るのか。
見た目のハッタリも効いてるし、”食”という一番身近なネタを触って実感もしやすい。周りは冬景色で寒そうだし、温かいラーメンは美味そうだ。
ここで武器じゃなくてメシ作る所がまぁ、千空だよねって感じ。あの子悪ぶってるのに、マジ良い事しかしないからな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
リリアンの歌声を用いた詭計も同じで、『俺達地獄行き確定の大嘘つきだぜッ!』と嘯きつつ、やってることは敵の士気をくじいて死人を減らすための方便である。
ド正面から倫理は語らず、ヒネた態度で善を行い続けるのが千空イズムであり、それは決戦においても変わらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
口でいうより、自分が矢面に立って実践する。一番汚い泥は、自分がかぶる。
相当献身的に生きてるのだが、あくまで自分のためとエゴを着込む少年のプライドは、二期でも元気だ。
そんな千空ちゃんを、出だしからゲンが好き過ぎてひとしきり笑う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
誇張した英雄譚は当てこすりの側面もあろうが、半分以上本心だと思うよゲンちゃん…子供を間に挟んで、二人が仲良しすぎてウケる。
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『前回のドクターストーンは!』と、一期の振り返りから始まるのは二期第一話っぽいなぁ、と思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
状況は決戦前夜、殺し合いになってもしょうがない状況だが、千空はあくまでノンビリ、日々の暮らしがよくなる工夫を怠らず、人生の楽しみを大事に過ごしている。
彼がよく口にする『合理的』という言葉から想像するような、効率最重点で人生の潤いを飛ばした生き方というのは、千空はやらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
生きることが楽しいと少しでも思えるように、科学の力を使う。それこそが人間の力であり生き方なのだと、信じながら科学チートする。
この人倫への信頼こそが、一番のチートなんじゃねぇかな、と思ったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
千空は人間が善良で、生きるに値することを疑わない。
世界がどれだけ厳しくとも、理想は必ず実現できて、人は分かりあえると信じ続けている。
凄まじい甘ちゃんなのだが、その理想を表面には出さない。
あくまでクールに、理想を現実化出来るように方策を考え、打てるだけの手を打つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
この理行一致っぷりが、彼…と、彼を主役にする物語全体を安定させる、大事な足場な気がする。
信じていることは即座に実行、考えながらとにかくクラフト。そうすることで、話も停滞しないしね。
つうわけで、全人類共通の生活基盤、メシを科学で旨くする!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
糧食の質が士気に直結するのは合理であるが、まーそれ以前に、仲間に戦場でつめてぇメシ、食わせたくなかったのよね多分…。
久々にロードマップとそれが実現する様子見ると、心躍るな
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千空は司が主張する、”暴”による身も蓋もない世界を否定するべく、戦争の軸をズラそうとしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
死を含めた身体被害で士気をくじくのではなく、味方の士気を温かいメシで上げつつ、調略で戦意を砕き、戦争自体が成立しない状況を引っ張り込もうとしている。
周囲の状況を『仕方ない、そういうもんだ』と飲み込む前に、世界自体を変える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
その手段を考え、掴み取る善良なる我欲は、戦場全体に視線が延びている。
社会インフラ、文化形態それ自体をリーダーとして変質させて、イデオロギーで勝とうとしとるのね。
発想が総力戦だ、石器時代なのに。
そう思える基盤がどこにあるかというと、やっぱり身近な人の思い出で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
ここで百夜との日々を挿入してくるのは、原作者完全監修のアニオリだからこその強みだなー、と思う。
オヤジ…俺の作った宇宙食ラーメンは、石器時代でもウメェよ。
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そういう感慨を自分の外側には持ち出さず、あくまで胸の中でクールに味わうところも、まぁ千空の”味”である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
強がりを支えに誇り高く立つ優しい王様を、周りの連中はよく判ってる。
隠しても滲む人情味があればこそ、周りも付いてくるんだろうね…徳治主義的側面が強いんだな、科学王国。
平和な王国に潤いをもたらすのは、時を超え蘇った歌姫の声。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
それを戦略兵器に変えようとする、悪魔の知恵が静かに唸る。
言わなくともわかる、知性派同士の心のふれあい。ホンマ君等仲良しやな…。
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相手が復活者だからこそ刺さる、新たな希望の幻。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
ゲンはプロパガンダで以って、敵国の信頼インフラを破壊しようと企んでいる。
それは千空の目的にとって、都合も効率もいい。嘘一個で血が贖えるなら、いくらでも泥はかぶる。
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と、ここで知恵者二人を孤独にしないのがクロムの侠気である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
年齢性別能力に関わらず、あらゆる人が社会に参画できるのが科学王国であるのなら、その行く末を決める策略もまた、現代人だけには背負わせられない。
みんな一緒に、楽しく嘘つきになろう。
クロムは石器時代の科学使いとして、師匠千空に追いつけ追い越せ、ガムシャラに進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
その歩みがテクノロジーだけではなく、生きて責任を引き受ける覚悟にまで追いついてきた感じが、この嘘つき同盟には滲む。良いシーンだ…。
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クロムは守られるばかりの影に最初いて、過去から蘇った超人達が身を置く光…逃げ場のない場所へと踏み込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
尊敬しているからこそ、同じ場所に立ちたい。立たなければいけない。
そういう覚悟を、視線と力強く突き出した腕で示していく。
己を悪魔に落とすのは、誰の血も大地に流さないため。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
時を超えた男たちの絆が、拳に宿り結びつく。
ここの表情は原作のBoichi味、爽やかさにかすかな色気が交じる色合いを上手くアニメにしてて、非常に良かった。皆いい顔や…。
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確かな決意を胸に秘め、遂に始まる、誰も殺さない戦争。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
速度と情報を武器に、人間のまま獣のルールに勝つ。圧倒的な暴力を、知力と絆で跳ね返す。
その前哨戦は、己を見張る眼を欺くところから。VSほむら戦の狼煙が、爆鳴気で力強く上がる。
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まさにSTONE WARS開戦! というところで、次回に続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
過去のまとめ、クラフトの楽しさに頭脳戦の面白さと、作品の良さをギュッと濃縮して視聴者に届けた上で、一気にアクションが動くところまで筋書きを進める。
二期開始を告げるに相応しい、良い第一話でした。
こっから話は戦いにもつれ込んでいくわけですが、なんのために千空達が戦うかっつたら、そら”人間”でい続けるためで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
それは温かいメシを食い、誰かのためにデカい嘘を背負い、思い出を胸に絆を杖に立ち続ける存在なわけです。
宇宙食と地獄行きの嘘を一話にまとめた今回は、そこ上手く見せた。
シニカルな現実主義者を装いつつ、溢れんばかりの情が総身に満ちてる千空のキャラと、そんな千空がだーい好きな仲間を見せることで、『このアニメ、どういう話だったっけ?』つうのを、根っこから思い出せる仕上がりでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
適度に挟まれた明るい笑いも、懐かしくて良かった。そうそうこういう感じ。
暴力のぶつかりあいに見える戦争も、その実理念と信念に支えられた精神戦。比べ合うのは、社会と心の強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月15日
千空が信じる人としての正しさは、振り絞った知恵は、司がぶん回す暴力にどれだけ通用するのか。
今後展開するSTONE WARSは、そういう部分を掘り下げもするでしょう。次回も楽しみ。