スケートリーディング☆スターズ 第5話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
グランプリに向けた合宿で、幼い人格と協調性の無さを炸裂させる前島。
リザーバーとして後塵を拝しつつ、生真面目で丁寧な演技を持つ窪田は、勝負を持ちかける。
この滑りに、何が賭かり宿るのか。
それを学ぶための、熱い真剣勝負!
そんな感じの、スケスタ第五話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
相変わらず前島くんは子供で自分勝手で、部にもチームにもリーディングにも馴染めていない。
その現状に目を開けない所が、一番問題なわけだが、凄まじく人格に優れた窪田くんの在り方を見ることで、少し前に進むお話。
ぶっちゃけ主役である前島くんの好感度より、その周囲の人々のそればっかが上がるのがなかなか困った作品だと感じているが、今回窪田くんが見せた献身、自尊、懸命は彼を好きになるのに十分以上であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
多分前島くんは最終盤まで、子供であることを止めさせてもらえない主役だとは思う。
彼があくまで身勝手に、自分のセンスと才能に乗っかって暴れることで、否定できない変化が周囲に広がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
そういう構造がある以上、彼は簡単に物分りが良くなるわけにも、他人の重荷を理解するわけにもいかない。
バカのまま突き進み、ちょっとずつバカじゃなくなるしか無いのだ。
ここでいう”バカ”とは知識の欠如ではなく、自分の周囲に何が在るのか、そこに在るものに何が宿るのかを”見る”配慮の不足である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
優しくないやつは、軒並みバカなのだ。
優しくない子供が優しくなれないまま、持ち前の才能でのし上がる話とか、僕は見たくないし、この話も多分そういう話じゃない。
このでこぼこ道はかなり好みが分かれると思うし、実際自分も4話まで判断を保留して見守り、オズオズと共に進む決断を果たしたわけだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
しかし確かに、前島くんは”見る”才能がある。
そのことを、勝負を終えてのロッカールームでのやり取りで教えてくれる回であった。智…マジ天使…。
窪田くんは前島くんが適応できない、部という場所、先輩たちが燃やす思いにしっかりシンクロした後輩だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
創部二年で全国4位を取って、なお涙を流し練習をすぐさま始めた、あまりにも熱すぎる三年生たちの思い。
それに応えようと、憧れを抱いて入った部活。
しかしレギュラーは後から出てきた前島くんにかっさらわれ、負けを認めておとなしく後ろに下がろうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
ここで『やる気ねー』しか(表向き)言わない監督が、彼を選手として扱いプライドを守ってやる。
ダメ大人に見えて、プログラムも考え重点は抑える。けっこう監督好き。
火のついたプライドが、窪田くんの練習に熱を入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
いつでも寝首をかけるギラついた感じが、部の中にあるのはとてもいいと思う。
リードがやりたい城ノ内くんが、桐山くんと望月兄にうまーく乗っけられて、下剋上を狙う位置を取ることでモチベを上げていく描写は、強豪校らしい説得力があった。
人間集団としての”部”を結構精妙に描いているのはこのアニメのいいところで、部長と副部長、本音をぶつけ合いつつ最上級生として、クソ生意気な前島くんに一歩譲り、好物のプロテインを差し出そうと努力してる桐山くんは、大変チャーミングでもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
マネージメントや分析、メンタルケアなど、滑らない場所での仕事を結構丁寧に拾っているのも、部活モノとしての描写に横幅と奥行きを与えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
優しい顔と厳しい表情をうまく使い分けて、部全体を支えてる望月兄の人間力とか、説得力があっていい。
そういう、人格的成長が色濃く見られる仲間に比べると、まー主役はヤバい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
やりたいことばっか口にするくせに、ブランクが響いて基礎力が劣ってるし、他人を大事にも出来ないしで、正直苛立つことも多い。
そんな他人を見ない彼が、競技者として持つ異能が”見る”ことなのは面白い。
ショートできない、なんかゾワゾワする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
言語化能力が鍛えられてないクソガキのワガママに、真正面から挑戦状を叩きつける窪田くん。
彼は当然勝つために勝負を挑むのだけども、間近に感じる前島くんの才能、先輩たちの気概、それに答えられない自分を知ってもいる。
前島くんの身勝手な才能に追い抜かれて、負けると知りつつ立ち向かった部分も、多々あったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
そんな窪田くんの、凡才であるがゆえの丁寧でひたむきな演技を、前島くんは見る。
見ることで学ぶ。『学べ』というヒントを出す、流石井くんの方を見る。
天性の才は”見る”という、世界と自分の認識を…大人であることを要求するのに、前島くんは一人では何も見ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
ただただ『篠崎に勝ちたい』と口にするだけで、リーディングという競技の特性、自分が身を置いてる集団に渦巻く思いを、知ったことかと蹴っ飛ばしてしまう。
ならばその資質を誰かが導いてやるべきで、ぶっちゃけ前島くん以外の全員が、そういう仕事をやってあげている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
そのかけがえの無さに、前島くんはショートプラグラム決戦の中でちょっと気づく。
『学べ』と指示してもらうことで、ようやく他人を尊重することを学ぶ。
そういうサジェスチョンを出せる程度には、流石井くんも他人を見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
それが兄に復讐するためのクールな利用なのか、他人が滑りにかけるものを解ってやっているのか。
怜悧な偽悪の奥に何が在るかは、まだちょっと見えないところである。アイツの冷静っ面、はよう引っ剥がしたいな…。
”なんか”でしかなかったショートプログラムへの不適正を、前島くんは窪田くんをコピーし、オリジナルを上回る創造性を足すことで克服していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
そうさせてくれた窪田くんが、何を込めて滑っていたかもしっかり聞いて、世界で一番重たいポカリスエットをちゃんと受け取る。
その証として、”なんか”反発してた桐山先輩にも頭を下げて、友達感覚で付き合っていた過去からちょっと進んで、”部”に相応しい距離感と呼び名で己を改めて行く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
こういう変化がちゃんと書けているのは、やっぱ良いな、と思う。長い目で見守ってると、しっかりリターンが在るアニメ…だと思う。
今回のショートプログラム決戦も、スケートリーディングの描写というよりは、”ソロ×2”のぶつかり合いだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
”フィギュア”スケートを上からの視点でトレースして、ジャンプよりもの軌跡の美しさで魅せる方針は、結構面白くて好きだ。
元々は跳ぶ競技ではなく形を”描く”競技だったしねぇ…。
”見る”ことが強さの前島くんを主役に据えたのは、その資質を人格の成熟と合わせて発揮できるドラマのエンジンを期待してだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
同時に、隣に滑る仲間を”見て”、ソロよりももっと高く飛べるリーディングの面白さ、ミックスアップの意外性を取り込みたいのかな、と思ったりする。
ここまででも、第3話でのトリプル・リードで全員が普段より高く飛べていたり、第4話で久遠寺くんに”滑らされる”不快感を描いたり、集団のハーモニーをエピソードに盛り込んでは来ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
それが実際、メイン五人で滑ってどう暴れるかを、OP以外でも見たいなー、という感じはある。
次回第一戦から始まり、後半はバチバチぶつかり合いながら高め合う…味方も敵も”見る”ことで、より格好良く飛べる場面に、”絵”の説得力が乗っかってくることを期待したい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
正直、アクションの作画は演出で上手く芯を外されつつ、気持ちいいホームランがまだ出てない感じ。ズバッとゴツいの欲しいわね
そこら辺はさておき、窪田くんのセキュアな演技、競技と”部”への取り組み方を大事にした運び方は良かったし、それを”見る”ことで前島くんが少し成長する描写もいいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
最初バテバテだったロードワークに、だんだんついていけるようになってる描写とか、なかなか気が利いてた。
僕は前島くんの幼年期が、氷の天才篠崎に真正面からぶっ潰され、以来時が”凍りついてる”状況が結構嫌いじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
氷上の美術競技であるスケートと、時を凍らせた少年の取り合わせは要素が呼応してて、詩興があると思う。
そしてその氷は、出会いを通じて解けつつある。
そうして瑞々しく動き出した前島くんの心が、そうさせてくれた人々の思いが、どんな跳躍を生むのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
割とじっくり進む物語であるが、だからこその独特の手応えもまたあり、どう転がっていくか楽しみに見ている。
窪田くんが今回見せた真心を、前島くんは忘れずレギュラーをやってほしい。
マジであのロッカールームで手渡したものは綺麗で重くて、高校一年生が自分の至らなさを噛み締めつつ、それでも潤いを”託す”と差し出したものの意味を、大事にして欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
感じ入るものがあったから、”なんか”を越えて己を改めようとしたのだから、前島くんもガキのまんまではないのだ。
そんな一歩一歩を重ねつつ、事態はグランプリシリーズへと進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
紅白戦に合宿、チームがチームであるための素材は整えれていると思うが、まぁ前島くんまだまだクソガキだからな…波乱は在るだろう。
『それこそがドラマだ』と感じられるよう、物語と描写を編んでいって欲しい。次回も楽しみ。