スケートリーディング☆スターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
敗北から立ち上がった戌尾ノ台は、グランプリ第四戦に挑む。
立ちふさがるは王者・聖クラヴィス。
前島の想いが暴走する中、生まれる火花。
勝つために何を為すべきか、それぞれのスタイルが氷上に舞う。
はたして、勝負の行方は…!?
そんな感じの、ライバルとのバチバチ大決戦である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
先週あんだけボロクソ言っておいてなんだが、今回非常に面白かったです。
キャラクターがどんな存在なのか、チームの特色は何か、作品が主題と差し出したいものは何か。
色んな部分に納得がいく展開であり、スケートリーディングの顔もよく見えた。
惜しむらくは、こういう奥行きと横幅、鮮明さのエピソードがもっと早い段階…例えば第3話くらいに来てくれていたら、もっとこのアニメと仲良く出来たかなー、という気持ちがあるけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
でも遅くない…のかな? 前島くんがとにかく扱いの難しい主役なので、彼の書き方次第か。
お話は戌尾ノ台と聖クラヴィス、二つのチームに焦点を絞って展開していく…と見せて、ライバルたちの肖像がいいタイミングで挟み込まれ、彼らの熱意と努力、関係性とキャラクターも見えたのが良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
おそらく次回ぶつかるだろう、姫川くんと久遠寺くんに因縁が出来たのも良い。
試合上の外にカメラを広げることで、戌尾ノ台と聖クラヴィスのぶつかり合いは、モニターを通じて色んな人を動かす力に満ちていると描ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
色んな思いがぶつかり合う場所として、スケートリーディングがあるのだ、という広さを描く意味でも、今回の画角はかなり良かったと思う。
そう出来るのもまん中にきっちりピントを合わせているからで、前島くんの幼い情熱、それに触発されていくチームの形がよく見えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
ここまでなんかヌボーっと美形天才なだけだった、篠崎くんのバチバチっぷりが見えたのも良かったと思う。確実にアンスポーツマンライクだけど。
ここまでなんか物分りの良い人格者ッ面してた氷室くんが、チームの緩みを適切に正し、勝つためにライバルの鼻っ柱をへし折るダーティさも兼ね備えた”部長”だと解ったのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
ツルッと歯ざわりの良い人格者っぷりに、燃える炎でヤスリを掛けて、ザラツイた地金をみせる。
そういう一面をドラマの中で見せてくれると、やっぱりキャラのことが一段深く解った感じがして、彼らがいる作品世界のことも好きになれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
こういう彫り込みが正直、そこまで引っかからない展開ではあったのだが、今回の書き方はとても良かったと思う。
まぁ主役の方は、相変わらず最強にザラツイてんだけどな…あの立ち回りで殴らないの、マジチームメイト人格出来てると思うよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
前島くんは感情の制御ができない。
それは幼い時の挫折と侮蔑によって、時が凍りついた副産物だ。(この幼児性は、篠崎くんも同じだということが今回判るわけだが)
自分の中に湧き上がる焦りを上手く制御できず、周囲を見ないで突っ走ってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
それを全て背負えるほどの体幹もなく、周りに迷惑はかけまくる。しかし何かが変わる可能性は確かに持っていて、周囲もそれに影響されていく。
そういう物語を飲むには、身勝手を許せる可愛げが大事だと思う。
これは個人的な好みだけど、前島くんはあんま可愛く思えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
エゴ満載のクソガキが、ガキだからこそ見せる素直さとか愛嬌みたいなものが、身の丈だけは高校生になってしまったネジレに飲み込まれている感じがする。
その半端な発達が、『前島ならしょうがねぇかな』みたいな感覚を僕から遠ざける。
だから今回も、望月兄が必死こいて仕上げた衣装を着たまま、無言で練習してしまう焦りに同調は出来なかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
自分の周りに誰かがいる。だからこそ群舞が出来る。
多分スケートリーディングの”当たり前”になってる前提を、幼い前島くんは見えていない。
それでも群舞が成立するのは、周囲が前島くんを許容し歩み寄るからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
その前進は常に一方通行で、前島くんはただただ自分の道を進んでいくように見える。
周囲に気を使えるようになるのは、人格的成熟の現れであり、空気読みだしたら前島くんは前島くんじゃない、という話なのかもしれないが。
だとしたら、せっかく良い先輩たちに囲まれている環境から何かを学び、自分を変えていけるチャンスから前島くんは、遠ざけられていることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
物語の檻は前島くんを特別な主役として庇護するが、それが彼を普遍的な成長、そこから生まれる共感と感動から隔離してもいるように、僕には思える。
前島くん個人の振る舞いというよりも、その特別性の檻がやっぱり、自分の中で引っかかているのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
彼が狭い視野でガンガン進む内に、ちょっと何かを学び”部”という社会の一員としてどう振る舞うべきか、あり方を変える描写はある。
だが、継続的な変化にならない。学びが蒸発してるように見える
流石井くんが『勝とうとしてやってる』努力を”部”に翻訳し、型にはめないミックスアップな魅力をフリー演技に導入していくことで、周囲は前島くんを真ん中に据える意味、それで未踏領域まで上昇できる可能性を掴んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
それは確かに、前島くんが”子供”でなければ出来ない変化だろう。
だが”子供”であることは物分りの良い”大人”であることの対立項ではないし、むしろより良く幼児性を発揮し共鳴させていくためには、それが生み出す強さと危うさを自分で理解し、制御することが必要にも思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
身勝手に自分らしくあることは、どこかで他人を思いやることと繋がってしまうのではないか
そういう昇華への道を、(少なくとも今の)前島くんは視界にすら入れていないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
子供の視界はそういうもんではあるが、それにしたって変化の兆しがない。
このまま子供な彼を周囲が受け入れ、甘やかし続けたまま、彼らは勝ってしまうのだろうか?
やっぱ、そういう部分が気にはかかる。
同時に監督の本腰入れた指導も助けとなり、実力をつけた戌尾ノ台はニ位の演技に手応えを感じ、王者に食らいついていく未来を見据えてもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
そこにたどり着くためには、前島くんを真ん中に据えた身勝手で自由な演技が必要だという、実感もある。それは明るい材料だ。
主役がチームの、競技のまん中に座る理由を確認する回ともなったが、僕としてはそれがとても恵まれた特別な場所で、ふんぞり返って何かを踏みつけにしている事実を、前島くんに一回認識して欲しいのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
そういう優しさを知っても、溌剌とした可能性、ガムシャラな勝利への意思は…
前島くんの”良さ”として作中で描かれているものが、消えるわけではないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
むしろそれを知り、敬意を持って振る舞うことで、それはより効率的に演技を、チームを、もう幼児ではない前島くんが身を置く社会を変化させていく触媒だと思う。
そして、そこにたどり着くことが人格の完成でもない。
『見つけた優しさをどう使い、どう間違えるか』という物語が、僕は子供が大人に変化していく物語…大人になれたと思った人間が人生という、長い問題集にはあって然るべきだと思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
前島くんは、そういう難問を解く机にすら座らせてもらえていない。逃げているし、遠ざけられてもいる。
※訂正
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
×人生という、長い問題集には
○人生という、長い問題集に向き合う物語には
自分の前に優しさの難問があるのだ、と認識して勝って終わるのか。はたまたそれにすら気づかないまま、彼をダイナモに戌尾ノ台は勝ってしまうのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
主人公が幼いことではなく、幼さの書き方、扱い方に僕は多分、釈然としない者を感じているのだろう。
流石井くんの誘導で、戌尾ノ台は前島くんのエゴに食らいつき、自分たちを引っ張り上げる演技へとかじを切っていく。ノセられていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
そういう風に他人の心を、形の上だけでも慮るようになったのは先週、監督と触れ合ったことで生まれた変化だと思う。
急に優等生にはなれない。癖が強い才能を、はじき出すのではなく真ん中に据えて頂点を目指す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
そういうものがこの作品のロジックであり、天才は変化しないからこそ強く、そこを社会とすり合わせるのが誘導役の仕事、という話ではあるか。
ここら辺の構造は、篠崎くんと倉吉くんも同じ。
前島くんは流石井くんは他者として認識できていて、ある程度以上の信頼と歩み寄りを見せてもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
それがメチャクチャ譲りまくり、持ち上げまくってる”部”の先輩たちにも及ぶと良いなー、と思うのだが、運命に選ばれた二人の特別な絆を強調したいなら、簡単には解けない結びつき…なのかな?
パッションを全面に押し出し、ソロプレーの集合体としてチームワークを形にした戌尾ノ台。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
その凄みを認めつつ、基礎力の高さと大胆な発想、篠崎くんのエゴを受け入れつつ崩壊させない基礎力で聖クラヴィスが勝つ流れは、なかなか良かった。スケート作画のハッタリも効いてたと思う。
時に相手を侮りつつ、勝負の瞬間には謙虚にライバルを認め、それを上回るために策を講じる強かさが見えたのも、強さの表現として良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
後出しで振り付け食ってくるのは、挑戦的とかそういうレベル越えてる感じもするが、どーなんだろうか。リーディングこええな…。
とまれ、協調と情熱の相反と融和が、作品の核にあることは今回で決定的になったとは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
前々から描いていた部分ではあるのだが、情熱担当の前島くんがどんだけリーディングを譲れないのか、イマイチ伝わってこない書き方だったので、ここまで確信が持てなかった。
しかし聖クラヴィスとの対決、そこでかなり多めに流れたモノローグを通じて、選手たちがリーディングに何を思うかがダイレクトに見えてきて、それが作品全体の輪郭を顕にもしてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
この形式は熱量もあり分かりやすいので、バンバンやってほしい。
篠崎くんの特大のエゴを、上手く翻訳し活用できている聖クラヴィスは、多分『完成した戌尾ノ台』なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
そういう体制を上手く作れていない(だからこそ、作るドラマに挑める)チームは、現状見えているものを更に超える必要があると、僕は思う。
そういう追加の一発を、上手くエピソードに仕上げて語ることができれば、未来に待つだろう戌尾ノ台の勝利、物語の完結にも、強く納得がいくと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
自分たちに良く似て、しかし更に上を行くライバルの影を追うだけでは、勝つ説得力は生まれない。
だからこの”ニ位”の先にあるエピソードが、とても大事かな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
ラストに描写された、負けてるのに勝ってる不思議な感覚はなかなか良かった。
しかし競技は残酷に結果を求め、負けは負である。それは、四位で泣いた部長達が一番良く知っているだろう。
ならば今回見つけたものを、ライバルの後追いではないオリジナリティで、より高く飛ばせるしか無い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
その鍵は、前島くんの視野が広がり、相当に甘やかされている自分、甘やかしてくれている周囲の優しさに気づくことにあるんじゃないかと、僕は思う。
もしくは、思いたい。
ここら辺は好みの話でもあって、今の前島くんの書き方がOKな人は、今僕が感じているザラツイた感じはさっぱりなんだろうなー、と思ったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
こういう個人的な肌感覚に、どう妥当性を持たせてウェブに放流するかは、毎回結構悩むところでもあるが。
前島くんを包んでいる(ように見える)特別性の檻を、作品がどう扱うつもりなのか正直さっぱり分からんけども、次回は姫川くんと久遠寺くんの直接対決となる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
寡黙な熱血漢と、妙に気が使えるエゴイスト。
彼らのキャラも、今回結構掘り込まれ因縁も出来た。どう活かすか、次回も楽しみ。