Dr.STONE STONE WARSを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
独力脱獄を果たしたクロムを迎い入れ、科学王国は決戦に向けて準備をすすめる。
内奥の要、リリアンを演じるゲンの喉を聞き分ける耳の持ち主、右京。
切れ者が持ち出した交換条件、千空が杠に託した極秘ミッション。
果たして交渉の行方は…ッ!?
そんな感じの決戦前夜、ずーっと引っ張ってきた右京ちゃんの内面が判る回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
というわけで、超がつくほどの善人でしたー!(原則既読だから知ってた)
アニメで一話ずつ見ると、『敵か味方か謎の切れ者!』みたいな描かれたかしてるの、マジ面白かったな…。
千空の人命尊重路線は何の武力も生み出さないように見えて、人の心のいちばん大事なもの…右京言うところの『人としての最後の砦』に強く訴えかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
文明が崩壊し、力がむき出しに暴れまわる世界だからこそ、人の証を大事にしたい。
そんな思いがニッキーに届き、今回右京にも届いた。
全人類を救済し、文明社会を復興させる。科学が持つ善き側面を、もう一度世界に満たす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
千空がデカい夢しか見ない大馬鹿野郎だからこそ、右京も司の暴力主義を離れ、不殺の理想に身を投じる覚悟が固まった。
志が通じ合う場面は、やっぱり見ていて心が動く。
同時に『そうなれば戦争状態が決着するのか』を視聴者に提示する話数でもあり、短期決戦による洞窟無血制圧というミッションが示された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
ケータイを通じた諜報戦、心理戦。クロムの脱獄に見る情報優位と心理攻撃の重要性。
ここまで描いてきたものが、20秒に凝集する短期決戦と言える。
右京の出した交換条件は、千空(を主役とするこの作品)が大事にしてきた人道主義を、最後まで貫く覚悟にも繋がってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
色んな意味で、決戦前の状況を整え加速を付ける回だったと思う。
殺さない、殺せない科学者が主役やる意味を、やっぱ大事にしてる作品だと思う。
武力の比べ合いでは圧倒的に分が悪い科学王国は、リリアンの亡霊を用いた内応戦略で司帝国の切り崩しを図っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
存在しない米軍による、司絶対優位の状況の切り崩し。思想的地盤が緩い敵に、プロパガンダはよく効く。
©米スタジオ・Boichi/集英社・Dr.STONE製作委員会 pic.twitter.com/pqq4L3nQvy
大嘘でガンガン寝返らせている状況に、杠が常時青ざめてるのが面白い。大樹はバカだし説明も拒んだんで、状況理解してねーのよな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
しかし地獄行き確定の嘘に縋った人たちが、求めたものを千空は裏切らないとは思う。
抑圧からの開放、暴力による統治の否定。
そういう、現代人には当たり前になってる形而上学的インフラを復活させるのも、千空の願いだからね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
『なぜ豊かになるのか』という疑問を持たず、ただ技術ツリーを伸ばすだけの科学文化を拒否してるって意味じゃ、実は司と千空は通じる部分はあるのよね…実現手段が違いすぎるけど。
”音”を内応戦略の要にしてしまっている以上、熟練のソナーマンに嘘は通じない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
こちらのプロパガンダを壊す真実を、なぜ右京は聴衆から遠ざけたのか。口先のせめぎ合いには負けても、ゲンの頭脳はまだ冴えている。
右京は、何を望むのか。
©米スタジオ・Boichi/集英社・Dr.STONE製作委員会 pic.twitter.com/Ohmyx6GjO6
右京の特別性の耳が気づいた、杠の嘘。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
石の破片を密かに集め、暴力に砕かれた人命を繋ごうとする努力。
それに魅入られた右京が、夕焼けのオレンジが真っ暗になるまでずっと見てるのが、好きな演出である。杠の地道過ぎる努力の重さも、よく伝わる。
本当は、命を砕く暴力を認めたくなど無かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
強制される生き方を跳ね除けて、その輝きを守りたかった。
アニメオリジナルで差し込まれた、救命活動のワンカットが、自分を”卑怯者”と蔑む右京の思いをより強く焼き付けてくる。
©米スタジオ・Boichi/集英社・Dr.STONE製作委員会 pic.twitter.com/VzjPIC650g
彼の人命尊重主義は軍人…特に”自衛隊”であることが大きく関係してるんだろうな、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
原作見た時に思ったのだが、この描写で裏打ちされた感じがあって、個人的に感慨が深かった。
生き延びる命を選ぶ傲慢を抱えて、軍に籍を置いていたわけじゃない。そういう倫理があったんだと思う。
だけどストーンワールドの現状、司が頭に座る状況は、右京にお人好しの善人として振る舞うことを許さなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
千空が頭を張る科学王国に出会って始めて、こんな世界でも右京は自分らしく生きられる可能性を、それを叶えてくれる仲間を見つけられた。
それが本当に、全てを託すに足りるものか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
慎重に見定めつつ立ち回っていたからこその、得体のしれない謎の男っぷりだったわけだ。
結構話数を引っ張った謎を、特大の人道描写でオチ付けるところは、すげーこの話らしいな、と思う。
『助けたい』という願いは、そんだけ重いのだ。
一方、敵対する司もこの土壇場で、命の重さを重視している様子を見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
嘘っぱち極まるヨウの遺品を重々しく抱きとめ、喪われた命を心に刻む。
助けるべき仲間と認めた相手には、情が篤い人ではある。
©米スタジオ・Boichi/集英社・Dr.STONE製作委員会 pic.twitter.com/c3XaJjZ36Z
その選別こそが、このストーンワールドで生きていくためには必要な現実主義…なのかもしれないが、主人公は全人類救済という、クソデカい題目のために汗水たらしてるからなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
しかも、空疎な理想主義というわけではない。
石神村の社会体制も変わったし、右京も理想の預けどころを見出した。
ピカピカ輝く果てのない夢は、シビアな現実を乗り越えていく大きな助けになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
そういう綺麗事を、クラフトのワクワク感とか、チートの爽快感とか、群像劇の盛り上がりとか、色んな面白さでしっかり伝える姿勢が、やっぱこの作品の背骨だなぁ、と思ったりする。
そういう価値観からすると、自分が見殺しにした者たちの名を忘れている氷月は非常に危うい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
そういう軋みを、視聴者に見せる回でもある。
暴と武。
同じものを見据えて帝国のトップに立ってるようでいて、司と氷月の行動理念はかなり食い違っているのだ。
それが付け所となるか、急所となるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
解らぬまま、千空は決戦の準備を着々と整えていく。
戦力は大きく不利、不殺の縛りもある。
その上で勝つために、千空は知恵を振り絞り戦略を練る。元文明人だからこそ通じる、一回こっきりのハッタリも使う。
©米スタジオ・Boichi/集英社・Dr.STONE製作委員会 pic.twitter.com/GUZG9mNnJL
相手の戦意を削ぎ、勝利条件を満たす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
暴力行為が大嫌いな千空は、戦争の要諦をよく把握している。
これも『科学的な考え方』の為せる技だろうなぁ…様々な条件を考慮した上で、最適な方法を考え実行していく。諦めず、打てる手を探して打ち込む。
その一つとして、最強の盾・大樹の存在は大きい。
しかし天運というのは人智を超えていくもので、司が喪われた命を惜しむ情を持てばこそ、墓場の携帯は暴かれてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
お互いの思惑が交錯する中、後戻りできない決戦が始まる。
血を流さないための奇襲戦は、果たして狙い通りの結末にたどり着けるのか。いよいよ、火蓋が切って落とされる。
そんな感じの、決戦直前回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月28日
ずーっと怪しかった右京ちゃんが、実は超善良な仁愛の人だと判る展開は、何億回見ても良い。
そういうアツい奴が魂を預けたくなる場所として、科学王国の値段も上がるしね。
世界が、人間がどうあるべきか。司と千空の信念がぶつかる闘い。次回も楽しみですね。