ウマ娘 プリティーダービー Season2を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
ライバルたちの気概、新世代の台頭。
宝塚記念に向け、ウマ娘達の魂は燃えていた。
トウカイテイオーもメジロマックイーンとの対決に向け、闘志を研ぎ澄ます。
しかし、運命は彼女に微笑まない。
未来に進む時計の針は、はたして止まってしまうのか！？
そんな感じの鬼下げ回、『製作者はそんなにトウカイテイオーが憎いんですかッ！？』なエピソードである。だって史実が…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
しばらくライスにカメラが行っていたが、やハリこのお話の主役はトウカイテイオー、才気奮発天真爛漫のアイドルホースである。
レースに向け心弾ませ、笑顔で爽やかに走る。
その姿は健気な輝きに満ち、思わず応援してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
だからこそ、残酷な運命は胸に突き刺さる。魅せ方をイヤってほど解ってやがるぜ…。
当時のファンの気持ちを追体験しつつ、三度訪れた長いトンネルを果たして、テイオーは抜けられるか。
年表を知っていても引き込まれる、過酷なドラマの熱量が凄い
そこはやっぱり”擬人化”ゆえの強さで、人の形と言葉、表情で辛さ悔しさを滲ませる描き方が巧いのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
馬は人ではなく、彼らがどんな思いで走っているかを聞くことは出来ない。感じることは出来ても、それは人間様の勝手な思い込みかもしれない。
しかし、ウマ娘は喋るし涙も流す。馬も泣くけど…
動物を、競技の歴史を擬人化しドラマ化することで見えやすくなるもの、届きやすくなるものが何かをしっかり把握し、敬意を持ってブン回す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
ライバル関係、強い思い、交錯する明暗。
”ウマ娘”だからこそ、より強い色合いで描けるものを大事に話を作ることが、この作品の力強さを生んでいる。
思わずそこにドラマを見てしまうけども、しかし筋立てとは関係なく転がっていく競技と命。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
それを『人に寄せる』ことの危うさを極力遠ざけ、面白さを最大限引き出している作劇が、強く滲むエピソードとなった。
真ん中に戻ってくると、テイオーの主役力、アイドル力がよく判る。ホンマ健気でええ子や…
物語は青信号から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
自動車すら追い抜けるほどの力強い走り。トウカイテイオー、復活の宝塚記念に向けて気合十分！
ゴルシリーダーの就任、ライスとの朝食トークと、お話は明るく楽しいトーンで進んでいく。
それが…罠ッ！
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/AyZrBjwIkq
作品全体の調整を見事にコントロールしているのも、このアニメの強みであるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
色んなウマ娘が楽しく可愛い姿をたくさん見せてくれるAパートの”明”自体が、テイオー骨折から陰りまくる”暗”との対比となり、ショックをデカくしていく。
『俺たちが見たいウマ娘』を、あえて見せた上で砕く。
僕はウマ娘のコメディパート、日常交流パートが好きなので、一生朗らかに仲良く過ごしてて欲しいが、人生はそうも行かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
薄暗い影は迫ってきて、祝福の名を持つ少女を曇らせたり、夢を追うテイオーの足を噛み砕いたりする。
運命…許せねぇよッ！
だからこそ、勝利と栄光が輝く、とは言わない。
一切の曇り無く勝ち続けられるのなら、大いに意味があろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
しかし人生は否も応もなく苦しいもので、様々に人間を試す。
心をへし折り、涙を絞る苦難の形は人それぞれ、ウマそれぞれだが、必ずつきまとう。
そんな必然に、どう向き合いどう走るのか。
そこに、二期はドラマを見出している…気がする。
山ありまくり谷ありまくりのトウカイテイオーを主役に据えるに当たって、勝つこと以上に負けること、走ること以上に走らないことを掘り下げなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
人生の様々な明暗、主役以外のドラマを横幅広く奥行き深く掘り下げる筆は、多分彼女に合わせた筆致なのだと思う。
新世代たる”BNW”も台頭してきて、宝塚記念に向けて各ウマ娘は心を燃やす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
ウィニングチケットの力走に、テイオーとタンホイザが対照的な表情をしているのが面白い。
強いライバルが頭角を現した時に、どう受け取るかの違い…というか
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ここで拳を握る闘志、力戦を願う爽やかさが描かれればこそ、それが砕かれる無惨も強調される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
たくさんの傷を追ってなお、テイオーは強敵と競い合い、走り抜くことを願っている。
その曇りない意思を、しかし運命は汲んでくれない。望みがそのまま叶うことは、あまりない。
待ち受ける運命を知らぬまま、テイオーは憧れの人に思いを告げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
へにょりと曲がった耳が、強気の奥のやましさを上手く表現して可愛い。
夕日も映えて大変良いシーンなのだが、会長の脚力を受けたスワンボート速すぎで笑ってしまった
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アイドルホースを信じ支える人は、スピカのチームメイト、競い合うライバル、熱心なファン、そして会長と様々にいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
いろんな立場と距離感で夢を預ける人を描けばこそ、主役が愛されるべき存在だと際立っても来る。
どれだけ思われているかも伝わる。
マックともまた違う特別さで、会長にだけ見せる甘えと尊敬が詰まったスワンボートは、とても綺麗な景色だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
こういうものを山程見せつけた上で、鮮烈にへし折る。
巧いが、だからこそ憎らしい。だって史実が…。（万能の合言葉）
実際、現実は残酷過ぎるスクリプト書いてると思う。規制するべき。
いつまで経っても名前を覚えないながら、テイオーはG1未勝利馬の生意気な挑戦も、しっかり受け取る。ターボは可愛いなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
悪気はなくて、悪いのは頭だけ。
チームメイトの言葉が、しみじみ刺さる。なんでキン肉バスター？
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三冠の夢破れた時に塗りつぶした夢の地図を、墨痕新たに書き記す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
過去を克服し、新たな夢に向かって何度でも突き進む決意。
勝てる…。
そういう期待感を力強く呼び覚ます、良い演出である。ホントAパートの『イケるッ！』感はスゲーよな。
それが…罠ッ！
かくして、運命の瞬間が訪れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
未来への期待を込めて止められていたストップウオッチが、時を刻まなくなる瞬間。
トウカイテイオー、三度目の骨折。
ここから一気に、物語は暗転していくことになる。勘弁してくれー！！
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何しろ三度目の骨折であり、この闇を超えていくにはこれまで以上の力がいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
それを確認するように、ここまでのエピソードで使った奇跡をリサイクルして、役に立たない描写が山と積まれる。
ファンの声援も、ライバルの激励も
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テイオーを蘇らせる決定打にはならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
しかしそれがあればこそ、奇跡は起こる…かもしれない。
あくまで健気に前向きな彼女が、ずっと隠している震え。
病床で見上げた夕日が照らす表情がどんなものなのか、知ることは出来ない。
あくまで、みんなが求め自分がなりたいトウカイテイオーを。
必死に演じ続ける健気さには、道化の無様はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
復活を心から信じるターボの”頭の悪さ”が、ネイチャだけでなく僕たちにとっても救いである。ターボは可愛いなぁ…。
何かと屈折してるネイチャが、ターボのイノセンスに光見出してる描写は良かった。カノープスもキテる…。
後ろを振り向かず、何処までも描ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
マックらしい歩みをモニター越し遠くに見ながら、テイオーもあくまで”トウカイテイオーらしく”振る舞う。
過去形で語るテレビを、悪意なきファンを、憎むことはしない。出来ない。
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夕景に照らされながら心の奥に溜まっていく、諦めと苦しみ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
それを表に出さないのが彼女の強さだが、同時にその健気が哀しい。
栄光のただ中にいる偶像が、背中に宿る人生の陰り。
二期はそういうモノを、強く掘り下げていく。アイドルアニメでもあるなコレ…。
テイオーは強く自分を保ちつつ、同時に社会や他人が自分をどう見るか、何に期待しているかをしっかり感じ取ってもいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
エゴ剥き出しの走りをしない…出来ない感受性が、”終わった”ムードを醸し出す世間の風を、敏感に受け止めてもしまう。
ライスの栄光なき勝利もそうだが、二期は"世間"を描くねぇ…
笑顔の仮面の奥に貯まる不安は、悪夢となって現れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
追っても追っても追いつけず、もう走れない自分を、足につけたギプスが思い知らせてくる。
トレーナーの心配りも、仲間の激励も、内心に秘めた重荷を壊してはくれない。
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このあたりから、故障直後はピンと張ってた耳が人前でも垂れるようになってきて、心理的ダメージをよく見せてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
かつては心を満たしてくれた特製ドリンクも、テイオーの耳を立たせるには至らない。
リーダーたすきも、魔法をかけてはくれない。
使い古しの魔法では、奇跡は起こらないのだ。
それを決定的に示すのが、夕日で見送るライバルの背中である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
かつてはストップウォッチで測られる側だった自分が、ライバルの力走をただ見守るだけ。
その輝きが、憧れが、今はあまりに遠くて眩しい。
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第2話で印象的だった『ボクならここで…』というイマジネーションの魔法も、残酷にテイオーを置き去りにしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
思いを寄せれば寄せるほど、この足では走れない事実を、置き去りにされている現状を思い知らされるだけ。
闘志も笑顔も、胸に空いた穴から逃げていってしまう。
その弱さに、マックが寄り添うことはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
そういう生き方をしなかったからこそ、彼女は数多の勝利を重ねても来たのだ。
だから、テイオーも強敵（とも）との距離を残酷とは思わないだろう。
ただ涙が出るほどに、綺麗で寂しい。
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泣かない少女が流す涙は、刃よりも鋭く心を抉る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
泣くな、トウカイテイオー。
そんな思いすらも、彼女を切り裂く重荷になってしまうほどの、辛く苦しい現状を描いて、お話は次回に続く。
"三度目"をここまで活かしてサゲてくるの、ホント凄いと思うよ。許せねぇよ…運命ッ！
二度の挫折から彼女を立ち上がらせてきた魔法が、軒並み役立たずだと描かれたわけだが、さてこのどん底子から這い上がる奇跡に、この作品は何を選ぶのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
非常に丁寧に、テイオーが"いい子"であること、だからこそへし折れた心を描いた今回。
大変キツかったです。明暗の使い分け巧すぎる…。
競技者の前線に立ってる証たる"ストップウオッチ"を、三度目の骨折で止まってしまうテイオーの時計と重ねるサブタイトル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
果たして、この涙を超える魔法は何処にあるのか。
こちらの想像を超えるドラマが待っているのは、間違いないでしょう。
次回も楽しみですね。それでも泣くな、テイオー…
