ウマ娘 プリティーダービー Season2を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
夕陽と共に思い知らされた現実は、刃となって帝王の心を折る。
もう、走れない。
ターフを去るテイオーをあるものは受け入れ、あるものはすがる。
諦めない痛み、諦める悲しみが錯綜するステージに、今奇跡の逃亡者が思いを馳せる!
そんな感じの今日も号泣、人生全ての泣き笑いが乱舞するウマ娘、二期第10話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
いやー…泣いたな! アンタもそうだろうッ!
三度目の挫折がどれだけテイオーの心を砕いたか、前回どっしりと叩きつけて、その痛みと苦味をさらに乗せる。
自分にすがる子供を泣かせ、その手を振り払う姿は哀しい。
しかしそうして跳ね除けたモノこそが、新たな魔法となってテイオーの瞳を開かせ、不死鳥三度の飛翔を決意させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
前回使い古しの魔法が効かないことを描いていたことが、ここでターボとキタちゃんが最後の魔法になる説得力、力強いドラマのうねりを生み出しており、『マジウメェな二期…』って感じ。
ずーっと天性のアイドルホースとして、色んな人に笑顔で応え、勝利で報いる姿を書いてきただけに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
”らしくない”今回のテイオーは痛ましいが、それだけ傷が深く、自分を失ってしまっていることもよく伝わる。
そんな彼女をどう受け止めるかで、周囲の人々のキャラクターも色濃く描かれた。
物分りのいい大人の納得、ロジカルな不屈でここまで再起してきた分、そういうモノを蹴っ飛ばす身勝手な憧れ、エゴイスティックな希望をここで出してくるのも、見事な話運びと感心する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
史実を踏まえると3回サゲ展開をやる必要があるわけだが、よくここまで色分けし、強い感動で立ち上がらせた。
ターボ力走のオールカマーの使い方といい、”ウマ”のリアルと”娘”のフィクションを見事に融合させ、凄まじいパワーを生み出す手腕が冴え渡る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
このエンジンが第1話からフルスロットルで回り続けて、ダレないのは本当に凄い。毎回最終回…にならず、勢い生かして次回に続けるからな…。
というわけで、夢の地図を降ろし、脱退届に視線を送るテイオーから今回はスタートである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
あまりに悲しい出だしであるが、あの美しく切ない夕日の涙を描かれてしまうと、この心理には納得がいく。
止めないで欲しい、でも…。
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テイオー個人に近い人、遠いところから見守る人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
様々な距離感を切り取り、アイドルホースに立体感を出していく描画は今回も健在である。
キタちゃんの純粋な思い、メディアに溢れる過去形の言葉、あくまでノンキにテイオーを待つ仲間たち。
スペちゃん、今回ヒロイン力高かったなぁ…。
ライスの物語で判るように、ターフの外側にある声なき声がどれだけウマ娘を走らせ、傷つけるかを濃く描いている二期。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
良いこと言っているようで、結末を決めつけているネット記事の残酷さを一瞬抜くのが、非常にこのアニメらしいな、と思う。
そういう声もあって、テイオーは走れて…いた。
しかしその日々は終わる。終わらせると、静かに決意している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
差し出された脱退届を知らずに、挑戦状を受け取ってもらえる資格を大逃げ勝利で掴んだと、ターボは微笑む。
ここで会長がターボを見て、その思いを知っている演出が良い。
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しかしテイオーの視界に青き逃亡者は入らず、暗いトンネルの向こうにある輝きよりも、更に遠い場所に置かれてしまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
ここまでテイオーとターボのやり取り(もっと言えばスピカとカノープス)には、ギャグテイストで保護されつつも、『一流は二流を視界に入れない』という残酷さが滲んでいた。
あくまで対等に走れる、自分に憧れを見せてくれる会長やマックこそが、競技者としてのテイオーの視界に入っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
勝たないものは、勝者に認識すらされない。そういう残酷さもまた、ウマ娘達の走りの土台にある。
だから、テイオーの態度は冷たいとは思わない。普通のことだ。
しかし第2話、自分が走らないレースに込められた思いを受け取って立ち上がったように、見落としているものにこそ真実を射抜く力がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
もう走らない会長が瞳を向けて、今走りを止めるテイオーが見えていないものこそが、アイドルホースを立ち上がらせる最後の魔法になる。
もう、走らなくていい。もう、走れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
楽しいはずのオフは”恋はダービー”の陽気な曲調に反して、明るいからこそ濃い影を滲ませる。
走る存在としての自分以外、トウカイテイオーは知らない。
苦悩も涙も、喜びも栄光も。
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自分が自分である実感は、ターフの外側にはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
そこに否応なく追い出される苦しさが、彼女の笑顔を引っ剥がし、耳を垂れさせる。
誰も見ていないのに、明るく楽しく笑顔でいようと、テイオー”らしさ”を必死で維持しているのが、なんとも辛い。哭けないことは、哭くよりも哀しいのだ。
そんな笑顔の仮面も、夕焼けにひびが入る瞬間がやってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
自分の背中を追う小さなウマ娘が、差し出した真心をテイオーは、冷たく突き返してしまう。
『ちげーだろ! それはチゲーだろテイオー!』と、モニタの前で吠えちゃった…。
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キタちゃんは会長に憧れた過去の自分、鏡写しの初期衝動であることが後に明示されるけども、ここでお守りを突き返してしまったテイオーはつまり、過去の自分…そこから繋がっていく現在と未来の自分を見落としてしまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
そうして出した結論が正しいはずはなく、しかし未だ気付けない。
その薄暗い道は長く続き、テイオーはターボの挑戦状に答えを返せない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
涙混じりの苦い酒を、オハナさんの人情と共に飲み干し、トレーナーは最後のケジメを提案する。
それが、今の俺に差し出せる精一杯だ、と。
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あくまでトレーナーと自分を戒め、テイオーの思いに付き従ってきた彼の姿は、過去にも描かれてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
それはあくまで彼自身のエゴではなく、ウマ娘の思いを引き受ける形で燃焼する。
テイオー自身が決めた道なら、それを最高に走らせる。そんな”大人”の決断が、果たして正解なのか。
今回のエピソードは大人と子供のグラデーションが随所にあって、涙をこらえる他のメンツと、感情ダダ漏れで泣きじゃくるスペちゃん(後輩可愛い)も、その一つである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
ぶっちゃけ二期は妖怪大食ウマ娘でしかなかったが、今回凄く存在感あったな…自分の気持ちを、素直に出しててからかな?
対してゴルシはスピカ最古参として、普段のおちゃらけを一切表に出さず、シリアスであり続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
こういうゴルシは二期、結構色んな所で顔を出していて、彼女のファンとしてはありがたい。
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『もう一つの顔』はマックも同じで、テイオーの前では必死に立ててる耳が、会長の前ではへにょりと曲がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
あなたに誇れる自分として、ずっと走り続ける。
そう心に決めたマックは、あくまでゴールを見据え、その走りでライバルに報いようとする。
そのブレなさは本当に偉い…が、マックもウマ娘。
テイオーの現状が、過酷な運命が辛くないわけがないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
そういう弱さを会長に見せてくれると、張り詰めすぎてパッキリ行きそうな危うさが上手く逃げてくれて、こっちとしては安心もする。
マックの気高さと人間味のバランスは、本当に良いなぁ、と思う。主役が追いたくなる星が、よく描けている。
ターボにとってのテイオーも、燦然と輝く遠くの星で、たった一人それを追いかけて走ってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
そんな彼女が、もう走れないという。諦めると告げる。
残酷であるが、アイドルホースを演じきれないほどにテイオーは追い込まれている。
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キタちゃんに続いてターボも泣かす、テイオーの残虐超人っぷりに父ちゃん涙が出てくるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
ターボの幼く一方的な想いが、テイオーの笑顔の仮面を引っ剥がし、本音を吐き出させたとも取れるシーンである。
無敵だと信じていた憧れが壊れ、泣きじゃくりつつターボは諦めない。
己の走りを以て、不屈の存在を証明する。テイオーの気持ちを変えさせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
そんな大それた野心を、カノープスの仲間たちも共に背負う。周囲のリアクションで、オールカマーが困難な戦いだとしっかり見せてるのが良い。
…『こういう帽子をかぶります』って何、トレーナーさん。不穏なんだけど。
運命の瞬間に向け、積み重なる準備。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
この段階では、イクノと競り合ってるターボを書く所、スゲー上手いなと思う。ここからあの結末まで、ターボの魂は燃焼しきったのだ。
ライブに向けて汗を流し、テイオーの瞳からも濁りが消えていく
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久々に立て看板じゃないヒシアマ姉さんみれてホッコリしてたら、その前を覆面ジャージの不審者軍団が通過してって、やっぱウマ娘ハンパねーな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
この超絶トンチキでマジ泣けるんだから、ドラマの背筋力が尋常じゃねぇよな…。
なんだその目出し帽…ザ・デストロイヤーか。
微笑みで送り出す、最後のステージ。(スペだけは膝から崩れ落ち、初手から号泣)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
踏み出す瞬間の強い光が、ここで長い道が終わることを上手く示唆している。
テイオーを応援し、待ち構える多くの人々。その視線が、今は重い。
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自分に向かない祝福の矢が、ライスをどれだけ傷つけたか描いた後で、アイドルホースを待ち受ける人々の輝く瞳を写すのは、残酷で誠実だな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
そういう無形のうねりが、競争に熱を与える。祝福に成るか呪いになるかは、誰にも決められない。
あるいは祝福こそが、呪いなのかもしれない。
それでも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
視線を落とし言いよどむテイオーの心に身勝手に踏み込み、涙ながらに思いを差し出してくる真っ直ぐな瞳が、全てを変える決定機。
思い出す。
自分が”そこ”にいたことを。もう、自分が”そこ”にはいないことを。
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憧れを追って力強く走ったからこそ、追われる自分になった。声援を受け止め、笑顔を生み出すアイドルホースに…”トウカイテイオー”になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
トレーナーも大人びたもの解りを投げ捨て、一ウマ娘オタクにねじり鉢巻、エゴと知りつつ声援を投げつける。
そして最後のひと押しと、覆面犯罪者集団の助けを借りて届く、ターボの挑戦状。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
負けないということ、諦めないということが何なのか、鼻水まみれで教えてやる。
勝者としての凄みを積んだライスの使い方が、最高に巧い。
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ターボが送るテイオーへのエールは、カノープスの仲間たちがターボを思っていなければ、届かないものだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
皆、誰かが誰かを思う。それが時に切ない刃となったとしても、やはりそこにこそ、人が立ち上がり走れる力がある。
それを、テイオーは見落としていた。視界に入れなかった。
でも、今まさにテイオーは見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
ただただ勝利を信じてひた走る存在が、どれだけ無様で美しいか。
幼く差し出された憧れが、勝手なはずの思いが、どれだけ自分の心に炎を灯すか。
号泣ダダ崩れのスペ、こらえた涙を遂にこぼすウォダス
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真っ直ぐな瞳で、友の帰還を待つゴルシ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
そして、ただただ走り続けるマック。
スピカそれぞれの想いが強く炸裂し、チームの絆と個性が良く見えるシーンで、大変良かった。
強敵(とも)の静かなる信頼、オタクの号泣、覆面の不審者。
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様々な思いを受け取って、テイオーは涙の再出発を決意する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
絵だけ切り取るとマジでギャグなんだが、カノープスが画面に映っても泣ける…というか映ればこそ泣けてしまうのが、ほんと強いアニメだな、と思う。
色んな人が、テイオーを応援している。愛している。
その事を、涙とともに思い出す。
キタちゃんの叫びで発火した炎が、トレーナー、ファン、スピカの仲間、そしてターボとリレーされ、エモーショナル大爆発を起こす見事なクライマックスであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
前回あまりに重たく、あまりに細やかに挫折を描いたからどう弾き飛ばすか見えない部分もあったが…見事な了解です。
地の滲むような夕日の中跳ね除けてしまったものを、もう一度抱きしめて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
たくさんの涙と笑顔、歓声に送られてトウカイテイオーは旅立つ。
それは最後の晴れ舞台ではなく、次なる疾走の序章。
闘争の残酷が、否応なく待つ未来への船出
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それでも走れるのだと、テイオーもファンも俺たちも確信する、良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
テイオーがファンに涙を見せたの、多分ここが初めてなんじゃないかな…アイドルとしての分厚い仮面、自分を律する大人らしさを、ここでテイオーは壊した。
そこから再生するのは、たぶん今までより速い不死鳥。
炸裂するエモシオンを背中に受けて、物語はさらなる加速を遂げます。まーだ最終回まで数話あんのか…スゲーなオイ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
身勝手で純粋な、子供じみた思い。
それを最後の魔法に、アイドルホースは起伏の多いドラマを駆け抜けていく。次回も楽しみです。