Dr.STONE STONE WARS 第8話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
遂に始まった、科学王国 VS 司帝国の決戦。
20秒の紀州に全てを賭け、奇跡の洞窟を占拠せんと死力を尽くす仲間たち。
誰も殺さず、誰も殺されない。
そんな理想が叶うと思われたその時、圧倒的な力が舞い降りる。
運命の天秤は、どちらへと傾くのか。
そんな感じの一大決戦開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
非殺の縛りに人数の不利。
それを跳ね除けて勝ちを掴むべく、秘密兵器も多数投入される攻防戦だった。
上手く行ったかと思えば新たな危機が訪れ、闘いの天秤は二転三転する。少年漫画の王道を真っ直ぐ突き進む、王道展開が心地よい。
…の、だが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
20秒はアニメにするとやっぱ嘘だわ!!
これはメディアの違いだと思う。
コマに圧縮された時間を、巧みなコマ割りで繋ぎ合せ、読者に作中時間の進行を委ねる主観のメディア…漫画と、どうやってもある程度客観で時間が流れてしまうアニメでは、間尺の使い方が違う。
色々喋るし手数も使うしで、いかにフィクションの嘘でクッションかけるにしても、やっぱ”20秒”ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
そこは表現として飲み込むとして、展開自体は一進一退、ピンチとチャンスが交互にやってくる The 少年漫画最終決戦である。
ビックリドッキリアイテムが、たくさん出るのが良い。
懐かしき戦略拠点…奇跡の洞窟を、誰が抑えるか。この決戦の行方はそこにかかっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
千空はよくお涙頂戴の感慨を揶揄するけども、言葉通りクールに何も感じないわけではなく、つうか大きく動いてる心で行動を歪めない、ってだけだと思う。
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なにしろ情が判る男なので、自分が今ここに戻ってきてる意味とかに感じ入るものは多数あろうが、それに溺れてる暇がないと判断もできる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
結果、自分を感動から遠ざけるようにクールに、目の前の闘いに全力を傾けている。
相手が文明人だからこそ、刺さる偽物の爆発。
千空は戦場の心理効果をよく解っていて、そこに無勢の勝機を見出しているわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
パッと見アドバンテージにしか見えないし、当人たちも『しょせん原始人』と侮る足場にしている現代知識を、敵の急所に変えようとしている。
火薬が怖いのは、その威力を知っていればこそだ。
恐怖が兵士の足をすくませ、牙を奪う。だからこそ一発きりの大爆発はよく効く。砕くのは肉体ではなく、相手の士気だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
現代人故の幻影を活かして有利を作るのは、偽リリアナによる調略作戦も同じ。勝ちに繋がる手筋は、徹底的に全部打つ。
戦況はスチームゴリラ号の巨体が活き、いい具合に手早く進行していく。戦車は塹壕を踏み潰すもんだからな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
これはクロムが自力脱獄しないと、救出作戦で使い潰されたリソースなで、石器時代の科学少年の勇気は、土壇場で大きな仕事をしたことになる
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恵まれた身体を持ちつつ、絶対に他人を傷つけられない大樹もカーボン製の盾を持って大活躍。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
一度は千空の生命を奪おうとしたマグマも、音響兵器の持ち手として殺さない戦いに身を投じる。
斥候になりうる南を内通者たちで抑え込んで、情報優位も握り込む。勝ったなガハハ!!
今回投入される新兵器は軒並み非殺傷兵器であり、本来殺す技術しか発展しないはずの戦場において、『殺さない』というニーズを叶えるべく生まれた科学の産物である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
強いものが殺し、弱いものが従う。
そういう血生臭いルールも、科学はひっくり返せる…のだろうか?
千空としてはこの開戦、結構次善の策であり、可能ならば武力衝突ではなく文化的勝利、イデオロギー優越で終わらせたかったんだろうな、という感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
彼の中で人間は、武器を握って殺すより知恵を絞って幸せになる存在であり、自分の影響が及ぶ場所は軒並み、そういう楽土にしてきた。
だが司のカリスマは荒野のルールで帝国を固めていて、武器でこじ開けないと哲学が入っていかない状態。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
衝突は不可避としても、どうにか出血少なく終わらせたい。
そのためにケータイで情報優位を作り、殺さない技術を積み上げてきた。
それが報われる瞬間が、遂に来る。
奇襲で音響兵器の通常仕様ができなくなっても、知恵と勇気でなんとか間に合わせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
無血制圧完了、戦術目標確保。
始まりの場所に戻ってきて、それでおしまい…とは、当然いかない。
想定を超える速さで帰還した司と氷月が、第二ラウンドを告げる
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千空が頼りにしていた速度、情報優位が、ケイタイの発見とともに相手に渡った形だが、そうさせたのが陽の墓参りというのが、なんとも皮肉である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
司個人は情に溢れ、身内大事な人間である。生きるべきと死ぬべきに、冷徹な壁を設定しているだけで。
だから、墓にも詣でる。
人情という千空の強みが、司にも残っていたからこそケイタイの存在はバレ、奇襲の優位は一気に崩れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
抵抗するには大きすぎる武力を前に、手持ちの魔法は使ってしまった。
アリシアの幻影も、ネタがバレてかき消されてしまう。
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ならば武器を捨て、自分ひとり死んで終わらせるのか。たった一人向き合ったあの時と、同じ結末にたどり着くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
大樹が熱く吠える”NO”に、司も静かに同調する。
俺たちの武器は、科学じゃない。目の前の道具だけが、人間の証明じゃない。
石神村で築き上げた友情。
可能性を信じる、不屈の意志。
そんな甘っちょろい綺麗事の実現装置として、千空の科学チートは常にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
何かを作り、生活を豊かにしたり武装を固めたりする裏には、常に『人間はもっと自由に、もっと幸せになるべきだ』という信念があった。
それは老若男女関係なく、時代も飛び越えて人間に共有される価値だ。
これを常に仲間に…ときには敵対したものにも示してきたからこそ、絶望的な状況でも仲間はついてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
欲しいのは科学がもたらす物理的な優越ではなく、千空が汗水たらして形にしてきた理想なのだ。
それは司が憎む、科学の悪しき側面を排除した理想でもある。
そして司の生き方は、千空が掴み取った連帯を跳ね除けてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
自分の思想を集団に伝播させ、夢を見せ、生き方を変えさせる。
そういう事を成し遂げるのに、人類最強の孤独な強さはあまり役に立たない。
王としての在り方が、何処かで通じつつも正反対な二人。
千空は敵に背中を向け、起死回生の奇策を現場で練り上げるために必死に走る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
役割分担、適材適所。そして大概想定通りにはいかないから、諦めない心とアドリブが大事。
今までクラフトで描いてきたルールが、戦争も支配する。
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武器ではなくピペットを咥え、このストーンワールドを律するモノを決める闘いに挑む千空。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
用意してきた秘密道具はもう空だが、そこからでも知恵と勇気で希望を捻り出せることは、ここまで沢山やってきた。
結局、モノを作ることで困難を突破していく。それは、最終決戦でも変わらない。
そして千空が掴み取るのは状況を打破しうる物質だけでなく、それが可能にするより善き観念、暴力に屈しない証明でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
人はどういう存在で、どう生きるべきか。
司の暴力的ペシミズム、孤独な社会を千空は、どうあっても認めるわけにはいかないのだ。
この決戦は、そういう対決でもある。
闘争の天秤が『大ピンチ』に傾いて引いたが、科学少年の心はけして折れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
微かな勝機を信じ、目の前にある可能性をかき集め、不可能を可能にする。
今までも様々な窮地を超えてきた千空の”科学”は、最も非人間的な空間…”戦場”をも超えていくのか。
次回が楽しみですね。