SSSS.DYNAZENONを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
日常を守るヒーローの活動は、風邪あり恋ありバイトあり。
蓬の青春は恋の微熱にあぶられて、ゆらゆらと揺らめいていく。
スルッと転校してきた怪獣優成思想は、退屈を救うために暴れるとうそぶく。
代返可能な操縦席から、見える未来はどんな色?
そんな感じの、放課後ヒーロー活動日記第四話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
露骨に青春ラブコメ味に寄せてくるエピソードで、よもクンの甘酸っぱい恋の自覚にニヤニヤしながら見てしまった。
オクラの花言葉は『恋の病』
まぁ、そんな感じ。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第4話より引用) pic.twitter.com/Q2MwUbAU7M
今回はダイナゼノンが持つ物語構造の緩さを、強く感じるエピソードでもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
前作とはいえあんま比べるもんじゃないが、やっぱどうしても比べてしまうGRIDMANはツツジ台それ自体がアカネちゃんのための仮想世界であり、その不自然さを探っていくサスペンスが作品を貫通していた。
不穏で煮え切らない描写の裏を探り、行動の背景を想像していく謎解きの楽しさが、体温上がりきらない生っぽい学生描写と上手く噛み合って、作品のトルクを生んでいた部分はあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
力まない作風を継承しつつ、現状DYNAZENONには謎が薄い。
怪獣使いの事情とか、お姉ちゃんの死とか、暦がヒキってる背景とか、個人レベルの謎は当然あるけども、舞台全体、作品全体に貫通する強力なサスペンスはない…ように思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
その中心なき構造がこの作品の独自性でもあると思うが、やっぱり見てると、分かりやすい軸が欲しくもなる。
ここら辺は僕の固有波長と作品の相性もあって、他の方が受け取ってる共鳴を取りこぼしてるだけ、という話でもあるんだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
なんとなく『こういう話かな?』と探り感じながら、まだ『こういう話だッ!』という確信は掴めていない感じ。
その柔らかな感触が、楽しくもあるけどね。
こういう手応えってホント、作品ごとに何処が響くかわからないもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
GRIDMANに『これだッ!』て手応え掴んだの、実は仮想世界のサスペンスではないしね。
キャリバーさんと六花ちゃんの最初の触れ合い、その描き方が最初の足場だった。それは、作品の構造とはあんま関係なかったりする。
キャラ単位の描写で言えばガウマくんの書き方とかとっても”響く”し、よもクンも夢芽ちゃんも可愛くて見守りたくなる、いいキャラしてる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
それがどういう舞台に乗っかって、どういう軸で動いてるのか探ってる段階なんだろうな。
そしてその不確かは、作品をよく知っていく幸福でもある。
というわけでここからの感想も、自分なり物語とお話する通話ログみたいなもんである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
蓬は夢芽ちゃんに見とれ、放課後特訓から滑り落ちてずぶ濡れになる。
『別の誰かと話しとったぞ』とガウマくんに言われたときの、タオルの下の表情は描かれない。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第4話より引用) pic.twitter.com/jg3buVrp3p
だが、非常に複雑でキモい顔してるのはバレバレである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
誰かを試す嘘であり、行き場のない場所からのSOSでもあった誘い。
本来ならすれ違うはずの邂逅は、常識外れの怪獣使いが間に立ったことで、不思議に繋がった。
そこに流れる電流が、隠しきれない重荷となり、蓬にずっしりのしかかる。
蓬が一人舞い上がり水に落ち心配する横恋慕とは、別のリアリティとシリアスさで夢芽ちゃんは生きている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
ずっと隣の部屋に封じて触ってこなかった、姉という存在(あるいはその不在)に踏み込み、過去の縁を手繰って真実(あるいは納得)を掴み取ろうとしている。
なんとなく愛おしくて、なんとなく居心地が悪く、なんとなくバイトに励んで金を稼ぎ、なんとなく別の場所を目指す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
完全に目的が明瞭というわけでも、無目的というわけでもない蓬の煮え切らない感じは、恋路でも同じである。
これに対し、夢芽ちゃんはかなりクッキリ、自分の道を進む。
自分たちの闘いが何を生み出すかは自分の目で確認するし、お姉ちゃんがどんな人だったかは時間使って確認する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
輪郭の薄い儚い印象に比べ、かなり芯が強い。周りがどう思おうとも、グイグイ前に進む独自性がある。
ここら辺、実は蓬よりガウマくんに近いのかな、と思ったりするけど。
恋の微熱は蓬の(そして他の人の)日常がのらくらと転がる中で進行し、教室には褐色の”敵”が滑り込んでくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
暦のキモい人妻恋慕とか、あからさまに空気違いすぎる鳴衣ちゃんとの距離感とか、当たり前の日常には、結構色んな事が起きる。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第4話より引用) pic.twitter.com/gGp0ZG2mPW
夢芽ちゃんが通常背負ってる屈折が、鳴衣ちゃんの前では一切剥がれすぎていて、あまりの荷物のなさに『この子、夢芽ちゃんのイマジナリーフレンドじゃないよね…?』つう印象を、一瞬抱く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
唯一の幼馴染、これくらい無防備で幼気でもおかしくはないんだが…ちょい勘ぐっちゃうね。
肩の力を抜いて描写されていく日常には、しかし確かに特別な異物が幾つか混ざり合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
夢芽ちゃんはダイナウイングを日常の足として使いこなし、シズムくんはスルッと交換留学生としてその後ろの席を占める。
それを見つめる蓬の視線は、ヒーローというより恋する少年そのものだ。
放課後特訓ではタオルで隠していた口元は、具体的な闖入者を得て顕にされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
その衝撃は、倒すべき”敵”が急に自分のテリトリーに踏み込んできた慮外だけでなく、好きな子に別の男がひっついてきた危機感にも由来するのだろう。
日常を超えた特別と、在り来たりな青春の同居。
それがこの作品の味なのかな、と思わされる展開だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
蓬と夢芽の距離はなんとも甘酸っぱくぎこちなく、階段に座り込む少女になかなか踏み込めない。
しかし、共通の”敵”が登場して二人は同じフレームに収まる。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第4話より引用) pic.twitter.com/jYIY1rGDz0
シズムくんが語る怪獣の由来は、謎めいていて確たるものがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
怪獣たちは、当たり前の日々の裏にある抑圧と退屈を、跳ね飛ばすように登場するようだ。
怪獣優成思想は、そんなフィクショナルな非日常を日常化するべく、怪獣を支配し暴れさせるのだろうか。
核心は、まだ見えない。
”敵”との対話も声量低く、いつものトーンで転がっていくのが面白いけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
シズムくんは日常の風景に転校生としてスルリと溶け合い、ガウマくんは呼び込みアーマーを着込んだ不審者として馴染まない対比がそこにはある。
ガウマくんは”味方”のはずなのに、シズムくんより学校との距離が遠い異物よね…。
でも、巨大ロボットで殴り込んだりはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
ダイナウイングでの登校風景は見咎められず、夢芽ちゃんは掴み取った非日常を、日々の当たり前の上手く溶かしている。
この張り詰めた感じのない、日常と非日常の同居が劇的に崩れていく場面が、いつか来るのだろうか?
日常を壊す”敵”はファミレスで茶碗蒸しを食い、河原に刻まれた足跡に溜まった水は、のどかに巨大メカを反射する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
仮想ではありえない緩やかなペーソスが、非日常に侵食された日常/非日常を吸収する日常に宿っている。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第4話より引用) pic.twitter.com/YXM9y18Pkm
駐車場で勝手に暴れてる怪獣がなんか可愛くて、『優成思想が毎回巨大化させて暴れさせてるの、あんま良くねぇな…』って感じにもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
インスタンス・ドミネーションで方向づけされて、日常の破壊者にならない”隣人としての怪獣”を、一回見てみたい気持ちある。
対話可能な怪獣/非日常って側面は、前作ではアンチくんやアノシラスちゃん(そして最後に顕になるが裕太≒グリッドマン)として前作に埋め込まれてた部分で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
異質なはずなんだけど橋がかかってて、時に闘い時にメシ食わせて接触点を探っていく運びが、僕はとても好きだった。
スルッと隣に滑り込んでくる怪獣優成思想と、今後蓬達がどういう対話していくのも楽しみだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
現状、日常ぶっ壊し装置として便利に使われてる”怪獣”が、この作品の中でどんな存在か、知りたい気持ちがだんだん強くなってくる。
…そこは味方サイドの怪獣、ダイナゼノンとやる形かな?
やっぱガウマくんは思春期のキューピットとしての側面があって、夢芽ちゃんは彼の言葉に後押しされて、蓬のお見舞いに足を運ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
一手一手、不器用に力を込めながら思いを探る蓬の微熱が、いかさまジュブナイル味で大変美味しい。
出会った時は、雨に濡れても風邪をひかなかった蓬が、今罹患している病
非日常には蓬より早く順応し、色々前のめりな夢芽ちゃんが、恋には一歩遅れてる立場なのが、また面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
蓬が一歩先に踏み込んだ微熱領域に、夢芽ちゃんも飛び込んでいく…恋が感染するのが今回のオチである。
オクラの花言葉は”恋の病”。まぁ、そんな感じ。
病身の蓬に成り代わり、やる気満々でダイナソルジャーに乗り込むちせ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
しかしぶっつけ本番の代打は上手く行かず、暦がかなり必死な顔でカバーに入る。ヒーヒー逃げ惑ってるときの、女の子モーションするダイナソルジャーが可愛い。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第4話より引用) pic.twitter.com/xJxByzmPI2
そんなピンチに蓬がアクセスする手段は、やはり夢芽ちゃんの操縦する特別な機体…巨大化したオモチャである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
ダイナウイングに煽られる蓬が、あまりにも”君を退屈から救いに来た”構図すぎて、軽くビビった。
シズムくんが問いかける、日常の中の抑圧。不鮮明な戦う理由。
それを突破していく特別な積極性は、やっぱ夢芽ちゃんから吹き付けてんのかな、という感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
重すぎる過去も、明るすぎる現在も持たない当たり前の少年が、出会った恋と冒険。
アンク越しに透ける死の重さと、特別な闘争への誘い。
蓬くん、立ち位置としては”ヒロイン”なんだな…。
ゲッフンゲッフン塩梅の悪い、どうにもしまらないバトルを突破して、今日もダイナゼノンは勝利する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
『調子こいてマジサーセンした!』とちせが頭下げる隣で、ガウマくんは結構尻軽なダイナゼノンに返らぬ問いを投げかける。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第4話より引用) pic.twitter.com/Sys2VA317P
今回シズムくんが幾度も、『キミたちが闘う理由』を問うているのは面白い示唆だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
別に誰でも乗れるし、巻き込まれただけで選ばれたわけでもない。
しかし確かに、戦わなければ壊れるものも、戦って一緒にいることで掴めるものもある。
そんな実感を、蓬くんはポイッと口に放り込み、噛みしめる。
それがどんな味なのかは、今後夢芽ちゃんが失われた姉を探し求める旅に同行する中で、より鮮明になっていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
ダイナゼノンで闘う非日常と、ありふれた喪失を追いかける日常。
その両輪で、蓬くんの青春は駆動していく。
牽引役は両方夢芽ちゃんで、パイプ役は両方ガウマくんなのね。
蓬くんは教室に夢芽ちゃんの姿を探し求め、すっかり馴染んだ”敵”だけがそこにいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
彼が振り回された熱は夢芽ちゃんにうつったが、果たして二人の甘酸っぱい距離感は今後どうなっていくのか。
…夢芽ちゃん、古代海洋生物好きなの? 僕はピカイアが好きッ!
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第4話より引用) pic.twitter.com/fHFcnfp2eL
という感じの、微熱ふらふら青春よろめき日記でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
正直非常に緩いエピソードなんだが、この境界線の曖昧さ、日常と非日常の力まない混ざり合い方が、この作品の特色なのかな、という印象もある。
蓬くんの恋路と合わせて、今後を楽しく見守りたい。
あと想定してたより遥かに強く、GRIDMANと比べる自分を再発見もした。俺、あの話相当好きだったんだな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
『続編だろうとシーズン2だろうと、繋がりはあれど作品は個別の顔と尊厳を持つ』と思っとるので、あんま比較はしたくないけど。
しかし心の底から染み出してくるなら、それ全部否定するのも嘘だ
製作者サイドが意識して、共有したり対比してる部分も、確かにあると思うしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月24日
そこら辺の距離感含め、この作品独自の向き合い方を探り掴みながら、楽しめたら良いな。
そんな思いを、新たにするエピソードとなりました。
このダルくも魅力的な日々が、何処に転がっていくか。次回も楽しみ。