スーパーカブを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
カブと出会って、初めての夏。
小熊はクーリエとして、忙しく働いていた。
メーターに積み上がる走行距離、通帳に乗っかる労働の対価。
エンジンオイルを取り替え、雨に打ち勝ち、ないない少女のカレンダーが確かな充実に、静かに埋まっていく。
それは、一度きりの夏。
そんな感じの新章開幕! 死ぬほど地味だが最高!! な、スーパーカブ第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
夏になっても小熊の世界には魔王も巨大ロボットも訪れず、しかし確かな変化を積み上げていく。
バイトに励み、エンジンオイルの交換に挑み、雨に振られて後に勝利する。
小さな、だからこそ確かな、高校ニ年生の変化
第3話までで礼子の特別さは描けているから、萌え萌え友情イベントで夏を埋めても良さそうなところで、小熊はストイックに孤高を守り、ちょっとずつ自分の世界を広げていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
出来なかったことが出来るようになり、知らなかったものを知っていく。
そこには、確かな手触りとプライドがある。
誰かにベッタリと張り付いて寄りかかるでなし、しかし孤独な虚無に飲まれるわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
親なし金なしの小熊が、存外図太い根性でスックと一人立ち、そこに世界が静かに隣り合ってる感覚が独特であり、また美しく面白い。
作中に一人間としてある小熊を、凄く大事に話を進めている感じがする。
小熊はお金を稼ぎ、弁当とレインウェアを描い、最初は戸惑っていた知らない高校の風景に、自分を馴染ませていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
雨に勝って『ざまーみろ』と笑い、硬いボルトを蹴っ飛ばし、思っていたより余所余所しくない世界を知り、掴み、踏み込んでいく。
そういう力強さが、小熊にある。
それは多分誰にでもあるもので、誰もが忘れてしまってもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
そういうものを思い出せるように、寡黙に雄弁に、小熊の当たり前で特別な夏休みを積み上げていく筆致が、大変良かった。
話がまとまるまでは説明抜きで描写し、最後に小熊のモノローグを入れて芯を立てる形式も良い。
というわけで、山梨北杜、夏である。沢の涼しさが伝わってくる水の作画が、初手から殴りかかってきて大変良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
小熊はカブあればこそ出来る”仕事”に、ワクワクと踏み込んでいく。しっかりと下見し、特別なお弁当を買って帰る。
(画像は"スーパーカブ"第4話より引用) pic.twitter.com/3N0NKRt3KP
タッパー飯に反射する生活の荒廃が印象的だったから、この鶏めし弁当は死ぬほど刺さる。見てて『オゴッ…』てなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
『しょせん自分はないないで、蔑ろにしてもいい存在なんだ』という意識が、餌めいた食事には反映されてたと思うのだけど、それも変わりつつある。
そんな変化をキックスタートしてくれたカブと、”仕事”に勤しむ夏。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
礼子はどこか遠くをすがめ、自由に旅立っていく。その道に小熊を誘いはしないが、『気をつけてね』の声はかける。
この距離感が独特であり、定形に頼らない手彫りの手触りがあって、大変に好きだ。
今後二人肩を並べて、行きたいと思えた何処かへ連れ立っても良いし、このままお互いを尊重した間合いで進んでいっても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
どっちに転がっていっても、二人らしい道だと思う。
しかし今回のラストで、”詰め”てく方向にジャンクションが切り替わって来てるからな…良いよ、そういうの凄く良い。
小熊は安全の観点からジャージ仕事を提案し、担任は”見えちゃう”ことを気にかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
小熊の自意識から何が死角になっているのか、小さいがよく見えるやり取りもあった。
自分が”食べる”存在である意識がないのと同じく、”見られる”存在である意識も小熊にはない。
前回礼子が牽引した”お礼”のやり方もそうだが、小熊には色々欠落したものがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
しかし作品はそれを常識や正しさの観点から責め立てるのではなく、あくまでフラットに見つめ、それが埋まったり埋まらなかったりする日々を追いかけていく。
必要以上に手を伸ばさない清潔が、ここにも息づく。
初のアルバイトに向け、小熊は気合十分。鳥めし弁当で燃料を補給し、オイルを換えて靴を買う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
チープカシオで武装し、もはやフルアーマー小熊である。ワクワク過ぎて眠れねぇ。かわいい。
バイク屋のオジジの”初回サービス”が、静かに優しくありがたい。
(画像は"スーパーカブ"第4話より引用) pic.twitter.com/3vHDtpprH4
『思っていたより早く来た』という言葉は、一万円でバイクを買っていった少女を憶えていなければ、想っていなければ出てこない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
その程度には、ないない少女は世界に食い込み、気にかけられている。
こういうやり取りを通じて、小熊は孤独の中作り上げなければならなかった世界像を変えていく。
その切っ掛けはカブとの出会いであるが、それを維持補修し変化を連ねているのは、結構タフでパンクな小熊の人格であると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
彼女は諦めたないない顔の奥で”何か”が起きるのを待っていたし、それを掴み取って丁寧に保守点検している。変わりだした人生にガソリンを注ぎ、オイルを継ぎ足している。
『一昔前なら、カブの代わりにギターを握ってバンドを組んでたのかなぁ…』とか、ふと思ったりする作品である。抑圧と変化の話、パンクスの話だよねコレ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
しかし小熊が出会ったのは、世界最優の”人民の脚”である。ピック握る変わるに、タタターっと世界に漕ぎ出していく。
白紙のカレンダーに刻まれた、たった一つの赤丸。小さくて、当たり前で、弾むように特別。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
スーパーむかわとコメリ。昨日の景色を超えて、進んだ先にあるのは知らない学校。
物珍しさに視線が泳ぎ、見知らぬ体操服に思わず沈む。
(画像は"スーパーカブ"第4話より引用) pic.twitter.com/232Zz25qAB
甲府の学校に入ってからの細やかな芝居、そこに宿った語られぬ芳醇な情感は、このアニメの真骨頂と言える表現力だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
小熊の視線は新しい場所にワクワクと泳ぎ、しかし見知らぬ人を前に簡単に萎縮する。
なにか新しいものを求めつつ、それにひどく怯える少女の肖像が、セリフ抜きで活写されていく。
職員室のドアを叩く前の、緊張と深呼吸。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
夏休みの学校を満たす、様々な音と光。
見慣れぬが故の好奇と、心地いい居心地の悪さ。
言われてたのに間違える、慣れない仕事に歪む口。
小熊のバイト初日を切り取るカメラは、分解能が非常に高い。
(画像は"スーパーカブ"第4話より引用) pic.twitter.com/psmchqdWSw
少女の緊張と喜びに満ちたその場の空気を、粒子一つ一つ切り取ってくるような細やかで、しかし構えすぎない画角のとり方。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
それが、小熊が何を感じ何を考えているのか、言葉にせずに解らせてくる。
それは作品が押し付けるのではなく、差し出し受け取る側に染み入っていく描き方だ。
これを実現するためには凄く微細な表現と、余計なものを加えず必要なものだけを配置する設計が必要になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
凄く手間と才能が注ぎ込まれているわけだが、カメラはあくまで水平に、高校二年生初めてのアルバイトを力みなく切り取っていく。
この構えのなさ…を構える凄さが、やはり特別であろう。
小熊があんま可愛くない(最高に可愛い)、記号的ではない表情を良くするのが、僕は大変好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
そこに至るまでの生活がみっしりと詰まっているので、そういう顔をする理由もドスンと腑に落ちる。
『僕らも、そういう顔をするな』と思わされる。
それは作品を、自然と手繰り寄せる作りだからだ。
ダイレクトな説明も、内面を語るモノローグもなく、静かに流れていく描画には、それを読み解くヒントがみっしりと詰まっていて、感受性の網によく引っかかるよう、しっかり仕上げられている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
それを自分の手で掴み取って、表現を読む。小熊の人生が面白いから、自然読みたくなる。
そういうお話を作る…作れているんだという確信あればこそ、そういう表現になっているとも思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
ただただバイトをしカブ(と小熊自身)の面倒を見る、この地味な夏休みがあまりに面白いのは、そういう”手繰り寄せる面白さ”に満ちているからだろう。
緊張の初仕事を終え、労働の対価を茶封筒に受け取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
自分が何かできる、カブがそれを助けてくれるという実感が手のひらに満ちて、思わず相棒を撫でる。
その喜びと信頼感。言葉よりも雄弁な、掌のメッセージが豊かだ。
(画像は"スーパーカブ"第4話より引用) pic.twitter.com/4yhNpM8sR8
小熊の夏は順調に転がっていって、日々は喜ばしく繰り返していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
夏の日差しにスクスクと育っていくゴーヤは、単調な繰り返しに見えるバイト生活が、小熊にどれだけの実りをもたらしているかをよく見せてくれる。
美しい夕焼けも、小熊の心を反射しているのだろう。
しかし小熊は緊張をとききらず、先生の進めたお茶は(まだ、ここでは)飲まない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
それがジワジワと変化し、孤独に距離を取っていた世界にちょっと体重を預ける描写は、ここからまた繋がっていく。
そんな穏やかな連続性が、一話の中に確かな起伏を作っている。”雰囲気系”ではないよなぁ、このアニメ…
二回目のオイル交換では、画面は作業のより細かく実際的な部分を切り取っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
それは小熊が、オジジの作業を自分がいつかやるものと引き寄せて見ているからだ。
大事で大好きなカブだからこそ、自分の手でケアしたい。そういう思いがあるからだ。
(画像は"スーパーカブ"第4話より引用) pic.twitter.com/tyHvEze1Me
エンジンオイルの汚れを見るだけで『丁寧に乗りすぎている…』と見抜く、オジジの達人っぷりがマジで面白すぎるが。判るもんなんですか、歴戦のカブ戦士の皆さんッ!?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
小熊はこの言葉を切っ掛けに、カブとの付き合い方をまた変えていくんだと思う。そういう転換点を、地道に面白く積み上げていく造り
雨に振られたヘニャヘニャ顔を抱え、たどり着いた職員室。そこはバイトの日々が積み重なって、最初とは少し違う匂いがもうしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
腰を下ろし、向き合って、差し出されたタオルとお茶を受け取る。誰かの当たり前の優しさを、優しさに感じ取り、引き受けていく行為。
それが小熊にとって当たり前ではないことは、ここまで丁寧に描かれてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
世界は自分に興味がないかあ、自分も世界に…世界の一部である自分に興味を持たない。
白紙の諦観で塗りつぶすことで、望んでも手に入らない虚しさから自分を守る。
そういう防衛術が、ないない少女にはあった。
しかしそれは、見ていていかさま寂しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
もっと美味いもん喰って、もっと色んな人と話して、ないないなんかじゃない自分と世界に出逢って欲しい。
見始めた頃から心の何処かでそう思っていたことを、お茶をすする小熊を見ながら思い知らされた。ありがとう、文学部の先生…。
この作品の人情は特に構えることもなくフツーにそこにあって、小熊もそれを受け取る時に大仰には構えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
しかしだからこそ、確かにそこにある実感がよく伝わる。じんわりとそれに温められた小熊が、自分と世界を変えていく手触りにも納得できる。
その語り口が、やはり良い。
小熊は雨上がりの夕焼けを駆け抜けて、雨に打ち勝つ装甲を悩みながらも掴み取って、小さな敗北を取り戻していく。カブ戦士小熊に、二度の敗北は無いッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
そうして『ざまーみろ』と、誰に言うでもなく呟く。あんま可愛くなくて、最高に可愛い。
(画像は"スーパーカブ"第4話より引用) pic.twitter.com/56weUkaXdO
労働し、金を稼ぎ、欲しい物を買う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
ひどくエゴイスティックなサイクルと描かれがちなものが、ここでは自分と世界のコントロール権限を奪還する手応えと共に描かれていく。
5980円のレインウェアを買うこと、着込むことは、雨に負けない自分を世界に問うことなのだ。
その『ざまーみろ』は多分、諦め負け続けてきた過去の小熊に、少し投げかけられてもいるのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
なにもない虚無に身を投げるしか、生き延びるすべを持たなかったかつての私に、雨に勝ち世界に勝ち自分に勝った未来の私が、エールのように送る『ざまーみろ』は、夕景によく響く。
かくして夏の終りに、小熊はエンジンオイルを交換する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
硬く絞められたボルトの感触に汗を流し、思い切り蹴っ飛ばしてこじ開ける。
それは、小熊自身が自転車のペダルを見て、気付いた解決法だ。二つ結び可愛いねぇ…。
(画像は"スーパーカブ"第4話より引用) pic.twitter.com/gvxkwFuJan
油に汚れた手は、世間的にはあまり褒められるものではないのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
しかしそこには、自分で確かに為し遂げたという達成感がある。
カブのメンテを通じて、何かをやり遂げられる自分を鏡に映し、確認する喜びがある。
だから、宇宙で一番強くてきれいな手である。
小熊のスーパーカブが特別なのは、そういう手を自分が持っていると触れ合う中で小熊に教えるからだし、それは小熊自身の野心と優しさがカブに照り返して、生まれる光なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
そこにはモノを超え、モノだからこそ生まれる特別な関係がしっかり宿ってる。物神主義としてのフェティシズムだ。
みっしりと埋まった、ないない少女の夏休みカレンダー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
はたから見れば小さな仕事、つまらない日常の繰り返し。
だがそこから受け取ったものが確かに胸を温めるから、小熊はしっかり礼を言って、通帳に溜まった己の努力に微笑む。
(画像は"スーパーカブ"第4話より引用) pic.twitter.com/Q9QMHq3wYI
たっぷりと無言の表現を豊かに埋めて、視聴者に『こういう話だった』という実感を掴み取らせた後で、夏の終わりを進んでいく小熊と一緒に豊かなモノローグで”答え合わせ”をする構成が、とても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
たっぷりと摘み取った表現の花が、最後に一つにまとまってくれるようなありがたさがある。
小熊が語ることは視聴者にももう解っていて、でも言葉にしてくれることで、凄く安心する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
それが自分の思い込みではなく、確かに小熊が感じていたこと、作品が描きたかったものだと判る感覚が、豊かなお話を収めるべきところにスポッと、落ち着かせてくれる。
非常にいい気持ちで見終わる。
そして、物語は続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
次は小熊が知らなかった、礼子の夏。
”衣”においてレインウェアに、”食”において鳥めし弁当に広がりを見せたように、”住”においてはすげーリッチな礼子ハウスに踏み込むことで、充実と変化を見せていく感じだ。
衣食住の手触りが、変化の道標になってるアニメが好き。
小熊もそうだけど、礼子も結構謎の多い子で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
その過去も背景も分からないまま、ないない少女とグイグイ女はカブを仲立ちに出会い、友達になった。
とても緊密で、でももたれかからない独特の距離が、何処から生まれてくるのか。
(画像は"スーパーカブ"第4話より引用) pic.twitter.com/49Sva7w4Ac
それが少し見える、夏の思い出語りになりそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
小熊の夏が小さく、当たり前で、余りに豊かだったから、礼子が立ち向かった近くて遠い場所がどんな景色だったかも、無茶苦茶楽しみになる。
スパッと切り落とすことで、逆に豊かに繋げていく手腕が、よく生きた話運びだと思います。
カブと一緒に動き出した小熊の足取りは、夏になっても小さく確か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
それを見守れる喜びと面白さが、新章になっても元気なエピソードでした。やっぱつえーわこのアニメ…。
次回語られる礼子の”夏”は、どんな色合いで弾むのか。大変楽しみです。
追記 安易に”癒やしの物語”とかいいたくもなるが、”癒やし”って言葉は余りに安楽に使われた結果ボロカスの傷まみれになってしまっているので、すげー使い所が難しいな……。
スーパーカブ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
礼子が学校でのバイトを『それってクーリエじゃん』と言うやり取りが好きで。
その一言で、ありふれたツマンナイ仕事がなんか特別なものになって、それを為し遂げていく小熊も自分のことを誇らしく思える手助けになってると思うのね。
礼子はめちゃくちゃ頭がよく人格も太い子だと思うんだけど、小熊がボケーッとその特別さを見落としてしまうポイントで、自分に見えてるものを手渡して、小熊の人格も太くしてく描写が多い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
”お礼”の仕方を先導しつつ、あくまで小熊にやらせたのもそう。
小熊は世間の泳ぎ方も自分を大事に、特別にするやり方も教わってねぇのでそこら辺不器用なんだが、そういう方面充実してる礼子に手渡されて、だんだんと学んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
そういう尊厳のやり取りが友達との間にあるのが、なんかスゲェ眩しいのよね…。
いやでも礼子も”充実”してんのかどうかなんて、彼女の人生覗き込まさせてもらってない自分には全然解かんねぇな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
彼女もなんか重いもんがあって、それでも前向いてカブ乗ってるのかもしれねぇわけで、次回はそこをちょっと見れる話になるかもしれねぇ。
俺はこの作品、否応なく人生を荒廃させることでしか生存できなかった少女の、生き直し物語として見てる部分があって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月28日
カブも礼子も、バイク屋のオジジも、小熊のそういう無茶苦茶ナイーブな部分にそっと手を添えてくれてて、めちゃくちゃありがたいと思う。