SSSS.DYNAZENONを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
『姉の死は、事故ではないかもしれない』
夢芽は疑念を抱えて、答えの出ない憂鬱に踏み込んでいく。
暦は初恋の残り火に焼かれ、蓬は視線の先に壁を感じる。
曖昧で、あやふやで、繋がってるようでバラバラな僕らは、流されるままに怪獣に殺されかけて。
そして、”彼”が来る。
そんな感じの転換点、グリッドナイト堂々登場の第6話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
…ていう話をする前に、僕はこのアニメさっぱり解ってないし、確信の欠片も掴んでいないのだ、という現状を多分言語化しておいたほうが良い。
僕は、SSSS.DYNAZENONがよく判らない。全部、これを言葉にするところからだ。
あやふやで、曖昧で、関係が進み確信が得られたかと思えば、在り来たりな人生の生煮え感に遮られて戻っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
今回は第1話に漂っていたムードに物語が帰還し、ひどく現実的な行き詰まり息詰まる感覚が画面を埋めていく。
ガウマくん主導の怪獣ごっこじゃ、到底追いつけない薄汚れた問題点。
感情を激発できるほど温度が高くなく、叫んでも喚いても爆破されるわけでもなく、ただただジクジクと出口なく追いかけてくる、厄介な問題。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
姉を知ろうと思ってももう死んでるし、現世に残されたヒントは不鮮明だし。
家と親は微妙に居心地悪いし、でも出ていくほどではないし。
他人に胸張って”大人です”なんてとても言えないし、でも泥酔できる程度には金あるし、それで特別な力の証明は盗まれちゃうし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
アームカバーの奥に隠したものを晒すでもなく、家に引きこもってる理由を語るでもなく、先輩への思いは言葉にならないまま、モヤモヤした思いだけが蓄積していくし。
戦闘シーンに漂う玩具仕掛けの底抜け感とは真逆で、しかし奇妙な噛み合わなさが共通もしている、四者四様のボンヤリした現実感覚。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
これはダイナゼノンの操縦者に選ばれた程度では突破されず、むしろあやふやな日常の方に怪獣が取り込まれ、当たり前の風景となっていった。
怪獣と戦って当然生まれるはずの犠牲者、それが生み出すシリアスな重さは画面から巧妙に切除され、四人はあまり劇的ではない温度感の問題に思い悩み続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
山奥の放課後特訓を一緒にはするけど、自分の抱えた悩みや秘密を明かすほどには仲良くなく、でも冷たく拒絶するほどでもない。
ノリと勢いでプールに一緒には行くけど、でもそのイベントが決定的に何かを変えるわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
そんなあやふやさはずっと続いてきて、ここまでの五話で確かに何かが変化したような感覚を視聴者に与えつつ、でもそれは錯覚かもしれないと、疑問にも思わされ続けてきた。
そういう遠さ、解らなさ、あやふやさこそが多分この作品の核で、ハッキリしないまま薄汚れている彼らのリアリティを積み上げていく物語は、多分この後も続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
ドカンと感情を爆発させることすら出来ない、ひどく湿気ったリアル。
それをコピーのコピーのコピーの先にあるお話に転写して、何を描くか
アンチくんが空から降ってきたヒキで、この煮えきらなさがなにか変わるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
一人子供向け特撮の温度感にいるようでいて、その実結構湿度の高い秘密を抱えていそうなガウマくんの過去を暴いて、作品世界の真ん中にあるものが鮮明になるのか。
それもまぁ、よく判らない。
正直6話も徹底してこの煮え切らない味を食わせられ続けるのは退屈…というわけでもなく、相当に好みの味付けだからここまで見続け、『わっかんねー』とボヤきつつもその奥にあるものを探り、理解ったと思い込み、描かれたものに『わっかんねー』とまた呟いてる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
そう、僕はSSSS.DYNAZENONが解らない。
そこから始め直さないと、このアニメと後半戦付き合ってらんない感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
行ったり来たり絡んだりを繰り返す、人間たちの人生模様。
決定的に日常に食い込み変質させるわけでも、日常に同化するわけでもない、靴に入り込んだ小石みたいな”怪獣”の異物感。
『それを描いて、このアニメ何がしたいんだ?』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
6話まで見ても、僕には分からない。
これは僕の適性と能力の不足もあるのだろうけど、分からないよう作品が作られてて、分からないことになにか大事なものを載せて進んでいるからだとも、勝手ながら思っている。
思えば前作だって、仮想と現実、裕太とアカネを分割する”・”が消えたのは最終回であり、僕らが1クール追いかけてきた裕太が”響裕太”ですらない彼の影だったと判るのも、そこら辺だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
元々曖昧で、あやふやで、総体が見えるのに時間を使うシリーズなのだ…ろう。
ただし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
仮想と現実、嘘っぱちの死にそれでも宿ってしまう生の実感を、アカネちゃんの/アカネちゃんと世界を巡るサスペンスで的確に構造化出来た前作に比べて、今作は物語とキャラが入るフレームが弱く感じる。
これは以前にも言ったことだ。あやふやさが収まる箱が、どこにあるのか分かりにくい。
行き場のない青春の情動、世界を包む不穏さ、『こうではないか?』という疑問を喚起する謎の提示。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
作品が問いかけてくるモノとそれを受け取る側の呼応は、ツツジ台の舞台設定、アカネちゃんのヤバく魅力的な人格、それに呼応する怪獣という存在の必然性に絡み合い、上手く機能していた。
翻って、何度も言ってる通り僕は現状、SSSS.DYNAZENONとの対話が上手く行っていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
作品が何を言いたいのか、言ってくれているかを上手く受信できていない。
これが僕の側の問題なのか、作品側の問題なのか、別の場所に問題があるのか。
未だ見てる途中の僕には、正直判別がつかない。
『作家がヘボだからよく解らねぇんだ』なのか、『俺がバカだからさっぱり伝わらねぇんだ』なのか、『まだまだ途中だから見えなくて当然だ』なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
それは分からないし、分かったフリもしないほうが良いのだろう。
ここまで書いてきたものも、これから書くものも。
軒並み、よく判らない作品をそれでもなんとか判ろうとする、多分あんま良い視聴者じゃない存在ののたくり記録なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
それはそれで、個人的には意義も意味もあるものだと思う。どこに落ち着くのか、自分のことながら興味もある。
それが、貴方にも何らか、楽しいものになってくれれば幸いだ。
だがまぁ、分かってないのだからあんま他人の目を気にしすぎず、形を整え続けず、『わかんねぇや』ってことを隠さず素直に書いたほうが、嘘がなくて良いのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
そこに思い至るまで、晒すまで半分かかってしまった。ええかっこしいにも程があるが、遅すぎるってわけでもないだろう…多分。
というわけで、演出のトーンは第1話に逆行して折返しの第6話は進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
死んだ姉を知ろうとする夢芽ちゃんの旅は、勝手についてきた同行者にジロジロ見られながら、思いの淵に沈んでいく。
”非常口”はリアルに薄汚れて、イヤってほど生臭い。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第6話より引用) pic.twitter.com/2k7pmFqC3f
姉はいじめを苦にして自殺したのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
夢芽ちゃんは直接死人に確かめるわけには行かないし、過去をほじくり返すほどに、触れ合ってこなかった事実が自分を突き刺す。
怪獣が暴れようと、世界を救うヒーローになろうと、当たり前に取り返せないもの。
それを視る夢芽ちゃんは、闇の中に暗い。
光の側に立つ蓬が別に、特権的に正しさを理解し体現する(それこそ裕太…の形をしていたスーパーエージェントのように)わけではなく、彼も大人でも子供でもない半端な立ち位置のまま、煮え切らない日常を半笑いを貼り付けて歩く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
”非常口”は、二人には無い。
ライナスの毛布のように、弄ぶ絡み合うアンク。解けることのない、亡霊との縁であり、積み重なった謎でもあるもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
それを諦めてしまえば、出口を探しつつ見つけられない夢芽ちゃんの視線は、落ち着きどころを見つけられるのか。
全ては、あやふやなままだ。
一方怪獣使いたちは、ひどく割り切った態度で”死”を語る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
今までのギャグテイストと真逆でありながら、『まぁ、そうだよな…』というヤな納得もある、身も蓋もない解決提案。
そら遊びじゃねぇんだから、殺しも視野に入ってるよな。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第6話より引用) pic.twitter.com/KYwWQX5TQP
そんなむき出しのリアリズムから距離を取って、視線を外してガラスの向こうを見てるシズムくんが殺しに反対するのは、クラスメイトとしての情なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
他のあらゆることと同じように、それはあやふやに明瞭な答えなく、うっそりと内面に沈んでいく。
思えば怪獣が何処から何のために来るかも、怪獣優成思想が何したいかも、夢芽ちゃんがオトコノコ引っ掛けては嘘ついてたのも、暦がヒキってる理由も、ガウマさんの過去も、何もかも明瞭にはなってない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
第1話で蒔かれた謎のタネは、完全に無視されるでもなく曖昧な輪郭を描画されつつ、核心が逃げる。
逃げ水を追いかけるような行ったり来たりを、無様に必死に繰り返す作中の人生模様。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
これと視聴者をシンクロさせる仕掛けなのか、語り口がもったいぶったものなのか、スパッとした快楽を与えないボンヤリした語り口なのか。
やっぱり、僕は判別しきれない。解らない。
暦の初恋もまた、そもそも再燃すらしていなかった事実を突きつけられつつ、グダグダと転がってしまらない結末を迎える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
ハート型にくっついていた傘の柄が、2つに別れる失恋の暗喩。それは別に、結婚指輪だの約束だの、確かなもので結びついてたわけじゃない
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第6話より引用) pic.twitter.com/ovnu9Sg07k
逃げ出して、くすぶって、勝手に期待して。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
暦の外の世界は彼が静止しているモラトリアムを置き去りにして、勝手に先に進んでいった。
愛すればこその倦怠に一瞬フラついたりはするけど、でも”この人”と選んだ存在に体重を預け、一緒に人生を進んでいく当たり前。
そのリアリティが、引きこもりをアルコール混じりに殴り倒し、暦は自分と世界に悪酔いしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
そこに、未成年のちせは入れない。
無駄に年だけ食って、酒飲める年にはなっても、憂さの捨てどころとして割り切って使えない最悪の呑助が、身を置くアジール。
そこに逃げ込んだ先輩に、触る権利がない
その代わりハイレグのヤバ女が”青信号”を灯し、バルでの生っぽい飲酒の果てに空っぽな自分たちを共鳴したりして、恋破れて恋が始まる…のか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
そもそも始まってすらいなかった、気持ち悪ーい暦の焼けぼっくいは、意外な方向に転がりだした。
まーさか、こっちに進んでいくとはな…。
成熟した身体を晒してんのに、流されるまま白紙のまま。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
ムジナは暦と似た部分があって、だからこそ敵対関係なんだか恋の予感なんだか判然としない関係が、ごろりと転がるのだと思うけど。
ただまぁ、今回ムジナが見つけた充実って”殺し”なんだよな…クソヒキニートとは合わねぇだろ、ソレ。
なにか見つけたかと思えば、凄くぼんやりと自動的に動く場所に引きずられて、また音が遠くなっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
稲本さんの旦那も、蓬のお母さんも、他人の名前をよく憶えないのが、ボヤーッと生きてる感じ満載で生っぽくイヤだな…。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第6話より引用) pic.twitter.com/0tT3zSPy0s
閉ざされた部屋の中で先輩を待ちぼうけするちせも、姉の記憶をたどる夢芽ちゃんも、ブツブツと携帯電話をいじって、でも誰とも繋がっていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
繋がろうとする意志が、むしろ”非常口”を遠ざけて、出口のないモヤモヤに青年たちを取り込んでいる感じもある。
諦められれば、それはそれで楽なのに。
Webストレージに保存された姉の”遺言”が、イジメともイジリとも付かない絶妙なヤダっぷりで、見ていて大変疲弊した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
それで死ぬかもしれないし、笑うかもしれない、凄く微妙な…携帯電話越しに幾年も時間を明けて見ても、絶対に真実になどたどり着けない曖昧さの塊として、よく出来た表現だった。
そこに死に至る悪意があったのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
優しい表情でヒントを手渡してくれた人の笑顔が、姉を殺す凶器だったのか。
夢芽ちゃんがかなりの決意を込めて探ってきた旅路が、反転して憂鬱を呼び込む。
自分が見つけたと思ったものは、ただの偽りでしかなかったかもしれない。解ったと、思い込んでいただけかも
『それに思い悩むのも青春だ!』と、外野から気楽に声かけたところで、夢芽ちゃんのため息が軽くなるわけがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
そこに凄まじく硬い”死”と後悔の手触りがあればこそ、彼女は歩き直そうと決意し、巻き込まれた怪獣事件、その被害も自分の目で確かめた。
それは、けして嘘でも無為でもない…はずだ。
だが姉の”遺言”は、そういう手触りに答えのない謎を新たに投げかけ、価値観を反転させていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
非常口など何処にもないと、物言わぬ映像がニヒルな閉塞で世界を満たしていく。
このなんとも言えない、ずっしりとした重さは大変良かった。だから最悪なんだが。
自分は憂鬱のどん底にいるのに、なんか知らねぇけど勝手に過去に踏み込んできた同級生はノンキに、女の子とキャッキャしてる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
そら『キミを退屈から救いに来た』構図にもなるわなぁ! って感じではある。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第6話より引用) pic.twitter.com/e4bMGxrUW1
つーか、この自作の引用もどんな意図を込めてやってるのか、鮮烈な絵が描けないのが今の僕…とDYNAZENONではある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
””それっぽさ”に満ち溢れた、空疎なコピーのコピーのコピー…であることを、見事に肯定し語りきった物語の、正統続編でありコピーになりかねないもの。
魂の奥まで染め上げたオタク文法と文脈依拠、意味深に見えて空疎な引用のゲームの一環として、前作の象徴と言える鮮烈な構図を覆い焼きしてるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
今後その意味が、この作品独自の風を伴って立ち上がってくる表現なのか。
やっぱね、今の僕にはよく解かんねぇ。そう言うのが、第6話段階では誠実だろ
日常を守るものと、壊すもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
それぞれの手に握られた玩具は、世界を守り、壊しうる確かな力になる。
そこには一人ひとりが普通に生きていて、クラスメートとしてぼんやりと、しかし確かな実感を伴って隣り合っている。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第6話より引用) pic.twitter.com/hdKRwNehvA
その感覚を、誰もが持て余している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
交渉の材料にする、破壊の兵器に使う。
仲間の言葉に流されそうになった時、シズムくんはムジナに『どうしたいの?』と問いかける。
暦を人生のどん詰まりにまで押し流したのと同じ、導きのない白紙を、ムジナは探る。
それは多分、シズム君自身にも、あらゆる子供たちにも伸びる視線なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
何も解ってねぇのに勝手に隣に立って、人生のナイーブ極まる部分に踏み込んでる自覚すら無い蓬に、夢芽ちゃんが向ける視線も。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第6話より引用) pic.twitter.com/8NRpj6hSkB
戦う力を奪い合う…そのためには殺し殺されるリアリティから、一歩高い場所に立つシズムくんも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
かつての稲本さんを追いかけるように、ガラスをぶち破って”力”を取り戻し、なんかラブコメっぽいことをムジナとちせの間で行ったり来たりさせる暦も。
皆むっつりと黙り込み、己の思いを言葉にし他人に預ける事も出来ないまま、フラフラと曖昧に揺れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
ハタから見てりゃ相当にヤバい破壊が起きてて、『無くしました』じゃガチですまねぇロボ紛失に、暦はウジウジと煮え切らない。
幼いちせに、母のように背中を支えてもらってようやく向き合う。
ヤケッパチに覚悟を決めて、かつて逃げ出した過去を再演して女に抱きついて、絵に書いたような充実だね! と微笑んで良いものか、ダメなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
それもまた、判然としない。
酒を飲める大人の特権を、子供に謝る切っ掛けにしてしまう無様な転倒。その先にしか無い、暦の人生リスタート。
それがこの廃工場から転がっていくのかも、今はさっぱり解らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
やっぱ”死”のリアリティを作品がどう扱って、初恋の甘酸っぱさとか、自己の発見と実現の手応えとか、輪郭を描かれつつツルリと逃げていくものとどう噛み合わせるのか、総体を描ききれない感じがある。
あるいはそれはお互いをカウンターウェイトとして対立的に踊っているわけではなく、ひどくあやふやな境界線の中、入り混じりつつ存在していると描くのが、この物語になるのかもしれないが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
取り敢えず暦がヌルいラブコメ時空担当するのは死ぬほどムカつくので、上手くひねって欲しいところ。
かつて全てに退屈していた少女が、世界を見下ろし憎悪していた屋上に、夢芽ちゃんも同じ構図で立ち尽くす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
孤独で、不安定で、怪獣がもたらす破壊と爽快が”非常口”になってくれそうな場所。
そこに、シズムくんは少しズレた立ち位置で寄り添う。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第6話より引用) pic.twitter.com/Elz3xqBX1V
ガラス越し、恋のライバル(と、勝手に思い込んでいるもの)を見つめる蓬にイラついてしょうがなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
オマエの初恋に湯だった視界には、そこには自分の邪魔をするラブコメイベントが見えてるのかもしれないけど、夢芽ちゃんは終始自分を取り巻く”死”の重さと闘い続けてきて。
なんとなく憂鬱で、なんとなく幸福な当たり前に首までつかった蓬に、そのリアリティを理解するのは難しいかもしれないが、それにしたって…という距離感ではある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
同時に、その熱に浮かれた視線、届ききらない無理解こそが高校一年生のリアルでもあろう、とは思う。
生きてれば必ず出会う、当たり前の憂鬱と抑圧と退屈。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
それを吹き飛ばす楽しいイベントとして、怪獣優生思想は”怪獣”を求めているのだろうか?
シズムくんは悪魔のように、夢芽ちゃんの重荷に隣り合って誘惑を果たし、しかし踏み込みきらない。怪獣を生み出させない。
彼は夢芽ちゃんを屋上から突き落とすことも、その不安定なあり方を地面につけることもなく、蓬くんが光に向かっていくのとは対照的に、暗い場所に沈んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
死ぬかもな、とこのとき思った。
死から蘇り、つまりは死を弄びながら何かを目指す少年は、死ぬことで物語を完成させる立ち位置なのか、と
その答えが出るのはもうちょい先であろうし、結局出ないかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
ボーイ・ミーツ・ガールの正道に従い、夢芽ちゃんの不安定な憂鬱に並び、青い空を持ってくるのは蓬である。
だが、それは予兆でしか無い。
彼はまだ夢芽ちゃんを覆うリアリティに、しっかり目を向けていない。
恋した少女が真実何に悩み、何処に閉じ込められているのか、見る視力がない。想像力がない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
恋をする資格がない。
なら視力を、想像力を、資格を、怪獣と戦う中で掴んでいく話になるのか。
それも解らねぇ、って話を、今回の感想ではずっとやってる。
今回の戦闘でも”死”は描かれないが、しかしその手触りはちょっと重たい。ぺしゃんこに潰れた車の奥に、死体を想像するには十分だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
まぁ死んでるし、死んでるからこそ逃げようとする…んだと思う。
でも、死体はない。その描き方が無邪気な想像力の産物なのか
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第6話より引用) pic.twitter.com/RO9ltnX94u
それとも、例えばツツジ台を覆っていた”霧”のような、特殊な世界律の結果なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
そこも、僕にはやっぱり判別しきれない。
敵さんが二人乗りの怪獣を”合体”してダイナゼノンを圧倒するのに対し、味方はなんとも煮え切らない、繋がりもしないモヤモヤに阻まれて力が出ない。
シズムくんの導きでもって、ムジナが掴んだ充実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
暦より一足先に手に入れた”やりたいこと”は、人の住んでるだろうマンションを踏み砕く殺人自己実現だ。
例え”死”をダイレクトに書かない(書けない)ルールが作品を貫通してるとしても、それは多分、肯定しちゃいけないだろう。
そうじゃなきゃ、お姉ちゃんの”死”はあんなに出口なくあやふやに、夢芽ちゃんを悩ませはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
それぞれが抱え込んだ、身勝手に孤立したモヤモヤ…シズムくんいう所の『怪獣の糧』を、颯爽登場した伝説の巨人が打ち払うのか。
いやー、久しぶりだねぇアンチくん…。
待ってましたの前作乱入を、どう受け止めて良いかもまた、よく判らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
それは『どう活かすか』と常に結びついていて、それが描かれるのは次回以降になるからだ。
そして『どう活かすか』の見取り図を、僕はDYNAZENONから上手く引き出せずにいる。
それでも、知りたいと視線は向け続ける。
そういうあやふやで無責任な隣り合い方が、結構蓬くんに似てる感じもしてて、あんま上から目線で彼の立ち回りに文句言えねぇなぁ、と思ったりもした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
これが狙ったシンクロなのか、偶然の産物なのか、過剰な読みなのか。
いい加減うんざりだろうが、ああ、僕には解らない。
というわけで、DYNAZENONわっかんねー、という回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
この回に限らず、ではあったんだが、明らかに転換点であるこのエピソードで明言しておかないと、分かったフリの鎧でプライド守ったまま自沈しそうだったので、ちょっと素直になることにした。
グッダグダとすいません、本当に。
僕は批評でも読解でも分析でもなく、感想を書き続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
そこには、作品との距離感に酩酊し、描かれているもの、描こうとしているものを上手く掴めない迷いも含む。
それが面白いと思えなくなったら、書くのも視るのもやめると、自分に決めてはいるけど。
でもそんな風に断じるほど、僕はこのアニメのことを知っていないし、このアニメも僕に全てを見せてはいないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
何しろ、6話なのだ。
そして同時にもう6話で、そんなにストイックじゃないアニメオタクとしては、なんらか手触りのある確信みたいのが、自分なりに欲しくもなる。
こうだろうな、という読みを投げかけ記述したり、こうあってほしいな、という希望を編んだり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
そうしたくなるのは、やっぱ作品が好きだからだ。琴線に触れて鳴り響く音が、作品との間にあるからだ。
だが、それが譜面を作らない。
まだ、なのか。もう、なのか。
それを断言できないからこういう感想になり、断言したくないからこういう文章になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
書き終えて己を無様だなぁと思うし、結構素直に書いたね、とも思う。
煮え切らないキャラクターに苛立つのは、多分彼らが僕の鏡に見えるからだろう。似てるからこそ、イラつくのだ。
まーマジ勝手な話で申し訳ないんですけども、『わっっっかんねぇぇ!』ってずーっと書けて、今結構スッキリしてます、正直。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
これが世間一般でのスタンダードな反応なのか、それとも僕だけが感じる目眩なのか、さっぱり解んないし、正直自分的に大事でもないんだけど。
この曖昧な解らなさを抱えたまま、今後もこのアニメを見ていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
僕が見つけた…と思えたものが、果たして作中の正解となりうるのか。
答え合わせそれ自体より、描写の結実(その失敗含め)がどうなるかが気になって、僕は次の物語を見るだろう。
そこでも多分、煮えきらなくて解らない。
それもまぁまぁ、悪くねぇかな、という気持ちになっている。あるいは、ずっとそういう気持ちで前作から見続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月10日
結局この、生暖かく曖昧で臆病な空気が、僕の肌に合うから好きなのだ。
それは判る。判っている。
その手触りを握りしめて、アンチくん乱入の続きを待つ。
次回も楽しみですね。