憂国のモリアーティを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
”四つの署名”事件を解決したホームズは、誘われるまま蛇の巣に赴く。
ミルヴァートンの別荘で出逢った、もう一人の凶漢。
犯罪卿、ウィリアム・モリアーティの正体を歓喜と戦慄を込めて迎い入れ、探偵は殺意を放つ。
それが全ての、終わりの始まり。
そんな感じの、”犯人は二人”異聞である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
なるほどなー、という感じの展開で、色々納得した。
物語の決着点である、ライヘンバッハの滝に二人を追い込むため、並び立てるために恐喝王が必要だったんだなぁ。
ミルヴァートンくんは壁役ご苦労。水ポチャは生存フラグだ!
まぁ再登場されても、微妙に困るけども…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
ロンドン全てを手玉に取り、政府中枢にも根を張ると豪語するなら、ウィリアムとシャーロックの個人的な関係、そこに渦巻く感情は抑えておくべきだし、破綻するのも当然のヌルい絵の描き方だったなー。
ここで超頭脳戦になっても、話停滞して困るだろうけど。
ミルヴァートンの死因は二人の関係を掘りきれなかったこと、”モリアーティ”の真意を看過できなかったこと、ホームズの人格を信じすぎたこと…沢山ある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
原典からして時に犯罪上等人間なんだが、まさか殺しも躊躇わないほどウィリアムLOVEだとは…やっぱ情報収集が甘いよ恐喝王。
本来なら”二人の犯人”はホームズとワトソンなのだが、この話ではシャーロックとウィリアムの共犯殺人という形になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
まーたシャーロックの自暴自棄に振り回されて、一緒に死んでやろうという真心を踏みつけにされたワトソン君が、怒るのも当然ではある。
この作品のホームズは粗暴なスリルジャンキーな部分が強くて、恐喝王殺しも犯罪卿と堕ちていくカタルシスに飲まれてやっちゃった、という所なんだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
後は、殺しでようやく”モリアーティ”と対等にのし上がれる喜びもあるか。
今までずっと、都合のいい道化だったもんな。
モリアーティ兄弟が館を燃やし人を殺して”兄弟”になったように、ホームズもミルヴァートンを殺しその邸宅を燃やして、犯罪卿の宿敵たる自分を証明する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
そういう風に、他人の血とろくでもない犯罪でしか縁を証明できないルールが、このピカレスクにはあるのだろう。
これで(ミルヴァートンが期待したような)”正義の味方”にはなり得なくなったホームズだが、牢獄の中からじゃ犯罪卿は静止し得ず、自分の望む決着ってのも掴めないと思うが、どうするつもりなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
宿敵と同じところまで堕ちるか、兄経由で特赦が出るか…後者かなぁ。
ゲスい恐喝王だろうが殺しは殺しなので、キッチリ詰めて欲しい気持ちはあるけど、このお話のブリテンエモ重点でかなり無法だからな…そういう話でもないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
親友であり宿敵であり、原典に約束された死神でもある。ホームズと”モリアーティ”の絡み合う感情が、何処に行き着くか。
最初から自分を終わらせてくれる存在として、名探偵を計画に組み込んだだろうウィリアム。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
彼の絶望はどす黒い瞳によく宿っていたが、ようやく犯罪機械を終えることが出来るこのタイミングで、鮮烈に切開していって欲しいところだ。
身内に始末任せないあたり、甘くて優しいよねウィリアム。
しかしミルヴァートンが、自分と同列のクズではなく、合理的責務を徹底する存在としてホームズを見てたの、何度見てもウケるな…。プロファイルシートを良く見ろ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
自分は堕落を愉しむ悪党なのに、それにて期待する存在が清廉な人格者であることに、生き死に乗せちゃう所がヌルいよね。
そこら辺、”名探偵”ではなくシャーロック個人としっかり向き合い、自分の目で確認して計画を預けたウィリアムと、大きく異る所なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
冷たい論理機械に見えて、実際触れ合って伝わる体温に判断を預ける人情主義な部分、結構あるよねウィリアム。
それが今回は、勝ち筋になったと。
あ、登場時凄い勢いで敵ゲスト定食を食わせてきたミルヴァートンの部下は、足止めの仕事も退場の仕事も見事に平面型(人格的奥行き、個別のドラマを省略して物語敵役割だけを果たす設計)を完遂してくれたので、作品が全く想定してないだろう部分で大満足でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
あんくらいのザックリ感が良い。
さておき、”二人”にワトソンではなくウィリアムを選んでしまったホームズが、今後何処に行くのか。マジで殴って解らせたほうが良いよ、ワトソンくん…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
犯罪卿最後の事件、ウィリアムの願う始末を”モリアーティ”がどう受け取るかも含めて、アニモリ終章、大変愉しみです。
しかしモリアーティの道化だったシャーロック・ホームズが、原典と同じく対等のライバルに戻るトリガーが”推理”ではなく”殺人”なの、ホームズ・パスティーシュとしていい捻りだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
ここに、なんか勝手に殺されて終わる”犯人は二人”への変奏も入ってる所が、血みどろで良い。殺戮決着の当事性!
追記 マシュマロに寄せられたご意見と、それに対するコバヤシの返答
ご感想とご意見ありがとうございます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
自分が見落としていた部分を言葉にして頂き、とてもありがたい気持ちです。
たしかにワトソンへの思いもあって、弾いたトリガーですよね。感情デカ男め…。#マシュマロを投げ合おうhttps://t.co/tXkGNUHrB1 pic.twitter.com/JMl89pxl93
天才ゆえに肥大化したエゴが、『他人の目に自分がどう写ってるか、大事にされているか』つう客観を置き去りにして、情動に身を任せた自暴自棄にツッコんでいくのは憂モリホームズの面白いところだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
止めようのない衝動を、唯一受け止めてくれる相手と対等になれる。
そして自分の犠牲で、友を幸せにできる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
その思い込みに自分も、他人の目に入ってる自分も映らない浅慮を、次回以降ワトソンくんがどうぶっ叩いて名探偵を正道に戻していくかは、個人的な注目ポイントです。
地獄に道連れなウィリアムと、あくまで人として生きて欲しいワトソン。
ホームズを間に挟んで、パスティーシュと原典の綱引きともいえる構図かなー、と思いますね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
ライヘンバッハをどう変奏して、犯罪卿事件にどう決着付けるかで、男男男の巨大感情の決着も形が変わると思いますが、モリアーティ最後の事件、そこも愉しみに見守りたいと思います。
つうかやっぱ、バリバリカットはされてるんすね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
まー14巻の原作を2クールで終わらせる枠組み自体が無茶なんだと思いますが、それでも”終わり”までやろうとする企図がどう決着するかも、アニメからのにわかは楽しみだったりします。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
原典段階で示唆されていた犯罪者としての資質が、開花するとホームズは”モリアーティ”になってしまう。
その引力をどう引きちぎり、あるいは浸して最終局面に向き合うかは、犯罪者を主役にし悪のルールで作品を書いてきた作品最後の署名として、結構大事なところかと思います。
ミルヴァートン殺しで現状、やや犯罪卿優勢な綱引きに思えますが、徹底してマトモで善良なワトソンくんが獄中の相棒にどうぶっこむかで、地獄に滑り落ちそうな物語を引き止める足場、そこに立つホームズの特異性も見えてきそうですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月14日
最終局面を前に、色々整地出来て助かりました。ありがとう。