明日ちゃんのセーラー服 第4話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
カメラを携えた景に誘われ、小路は”友情”を演じる。
誰かの真似っ子なポーズは少女の真実を写さず、思い悩んでいるうちに跳ねる泥。
透子に誘われ赴いた満月寮で、お菓子におしゃべり楽しい時間。
ホントの私はどこにいるのか！？
そんな感じのど田舎名門校女子中学生青春日記、とある一日をスケッチする第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
時系列と掲載順が重ならない原作を、後発の強みを生かして再構築し、各種エピソードを繋ぎ合わせて別の物語を発生させる。
凄く”アニメ化”らしい話が来て、大変面白かった。
話の流れ的にも尺的にも入り切らなかった縄跳びは、浅賀和行全行程担当のEDで向き合い、アニメ独自の満足がみっしり詰まったエピソードとなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
博先生が瞬間瞬間を紙に切り取ったあの話が、スーパーアニメーターの手でこう動き直すと、メディアと担い手を超えた”才”の共演を感じ、なんか嬉しい。
元々”動き”に異様なフェティッシュを詰め込んだ作品なので、そこに”動き”の芸術たるアニメ製作者達がどういうアンサーを返していくかを楽しんでる部分がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
今回はそこに物語の再構築という、アニメを構築する別の場所からガツン、いい球来た感覚があって良かった。
色んな角度で楽しませてくれる。
画角が変わったのは明日ちゃんのキャラも同じで、小路が開発してカメラへの熱が上がった谷川さんを”眼”に、傍若無人なイメージがあった兎原のホームに潜り込む形で、料理下手っぴ靴下穴開きガールな顔を、どっしり描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
兎原の言う通り、完璧じゃなく出来ないこともあると、同じ存在だと安心できる…
っていう”隙”が、また誰彼構わず引き寄せる愛の変動重力元の強さを、さらに加速させていくわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
人格質量の強さで上から押しつぶしに行っても、ドジっ子フェイスで下から攻めても、どっちでも”一本”取れる青春コンプリートファイターだからな、明日小路。
レスリングも柔術も出来るッ！
さておき、今回は瞳で始まり瞳で終わるエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
主に足先と髪へのクローズアップが暴れてきたこのアニメであるが、カメラという機械の眼が主題になる今回は、”眼”が多い。
それはカメラに捉えられる被写体の眼であり、捉える眼でもある。
（画像は”明日ちゃんのセーラー服”第4話から引用） pic.twitter.com/FAg3F0IDPR
最初に描かれたバスの中の眼が一体誰で、何を見ていたか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
それが”友情”を完成させる最後の答えとなる、爽やかな青春ミステリとしての顔もある今回。
答えは最初から決まっていて、谷川景は明日小路に常時Eyes on youである。
しょーがないね、こんなに輝く存在が隣りにいたら…。
明日ちゃんは釣った魚が富栄養でパンッパンになるほど餌をやる少女なので、前回”門”を開けた谷川さんとも、どっしり放課後を過ごす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
メガネ女に膝枕、湿り気と熱が混じり合う朗読TIMEを彩った雨は、まだグランドに残っている。
この気候的連続性が、作中流れる時間の足取りを感じさせて善い。
アニメ版の書き方には、ゆったりと人間関係が…少女たちの人格が弾け変わっていく”動き”も、一つ繋ぎのアニメーションとして連動させたい欲望を感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
昨日は今日に、今日は明日に繋がっていて、そんな時の流れでとてもゆっくり、しかし確かに人は変わっていく。
ふれあいが変えていくのだ。
『ああ、いい写真だな』と、谷川さんが切り取った各ショットを納得させる画作りも、なかなか凄いが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
明日ちゃんにグイグイ来られることで、自分の中の”楽しい”を見つけ直した学友の目覚めも、このアニメはどっしり切り取っていく。
明日小路は、一人のカメラマンを開花させたわけだ。
『それであのエロ自撮りか～～～い！』つう突っ込みもあるとは思うが、まぁしょうがねぇ谷川さんムッツリだし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
学年トップの優等生が、明日小路にだけはグツグツ煮詰まった欲望のマグマを顕に、カメラの冷たい切っ先で触れてくる倒錯…常時カメラマン・谷川景が写ると、相当ビリビリ来るな。
つーか千嵐先輩が音速登場カマして、『は？ そんな”明日ちゃん”聞いた”トキ”ねーんだが？？』って顔になった。ありがたい…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
時系列を再構築すると、確かにもう”接触”は始まっておるからな。
つえーヴィジュアル持ちは早めに使う。正しい
（画像は”明日ちゃんのセーラー服”第4話から引用） pic.twitter.com/lkHp5FHuYA
千嵐先輩も機械の眼で、明日小路から溢れるバイタリティを切り取りたい系女子であり、谷川さんとは確かな共鳴がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
観察し表現するものにとって、明日ちゃんはけして目をそらせない魅力的な題材だ。
色んなものが彼女に引き寄せられ、誠実にその思いに応えるど田舎少女に夢中になっていく。
明日ちゃんは他人の好意を濫用したりはせず、お家で育まれたように自分の全力を返す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
ノーブレーキで突っ走り、手を引いて一緒に青春大爆走する。
田舎の分校で一人賢く遊んでいた少女は、それだけでもうワクワクなのだ。
そんな友情への容赦ない熱量が、クラスメイトの脳も焼いていく。
明日ちゃんが惹かれる幹ちゃんの作画も、一切容赦なく”超絶アイドル”に仕上げて、可愛さの説得力あるのスゲーな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
斉藤朱夏のお歌も、もう三曲目だしな…EDも二曲目だし、楽曲強いアニメだよなー。
でもダンスシーンはあくまで青春の1ページ、強くても主役にはしない、と。
とにかく人数多いクラスメートをダダダーっと部活と一緒に紹介しつつ、明日ちゃん達は満月寮へ…兎原透子の”家”へと進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
やっぱ美術と撮影最高に良くて、陽の高い午後と紫色の夕景、あぜ道の2つの顔が大変良く映える。
（画像は”明日ちゃんのセーラー服”第4話から引用） pic.twitter.com/JQRLtGe3Tn
世界が緑から紫に移り変わるまでの時間、明日ちゃんはお母さんの作ってくれた大事なセーラー服を洗濯機に預け、初めて友達の家に足を運ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
満月寮の美術もバリバリで、『ち、地上にこんな”楽園（パラディソ）”あるわけねーだろ！』と言いたくなる、よく仕上がった木造建築である。
まぁ”ある”し、作って動かしているわけですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
明日ちゃんを取り巻く世界がどれだけ美しく、めっちゃキラキラな青春物語を許容できる強さに溢れているか。
常時作品に説得力が乗るよう、メチャクチャ力んだ品質でぶん回し続けるに、本当に凄いなと思う。一切気が抜けない勝負を選んだな…。
兎原はセーラー服の野獣とはまた別の意味で異物で、木造校舎の落ち着いた雰囲気からは浮いてるというか、フツーで俗っぽい匂いが最初は漂っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
しかし今回明日ちゃんに親切に、彼女に出来ないお菓子作りをやってのけることで、グンと作品に馴染む。
彼女も色々張り詰めた結果として、グイグイ来て江利花ちゃんを警戒させる、無礼ガールの顔になってたわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
明日ちゃんが色んな女をたぶらかし学校に馴染んできたように、兎原も寮生活に慣れ、自分の出し方、居場所の作り方を見つけつつある。
彼女が家業のお菓子作りを、新しい環境で戦うための武器として選んでるところが、とても好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
明日ちゃんとは別の形で…そしてその根っこは全く同じ強さで、兎原は離れた両親と、自分を育んだ過去と確かに繋がり、そこから得たものを新たな場所で活かしていく。
お菓子は明日ちゃんだけに振る舞われるわけではなく、寮生全員の糧となり、喜びとなっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
とっつきにくい連中も、それぞれの場所で兎原印のクッキーを貪り、青春を生き延びていく。
第2話でも”匂って”たが、苗代の対瞳ちゃんシフトが”強い”！
（画像は”明日ちゃんのセーラー服”第4話から引用） pic.twitter.com/yWgCJ2cJjX
ワイワイガヤガヤ、賑やかで楽しい時間を過ごし、完璧ガールの靴下の穴も笑いながら見つめて、魔法の時間が過ぎていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
そこにこそ、谷川さんが探し、明日ちゃんが迷ってた”らしさ”がある。
何も構えず、ただただ心から湧き上がるものに素直に駆け抜ける。
そんな主人公の輝きは、そのまま作品の強さである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
連動する数多の動きの中、最も強い流線として作品を貫通し、たくさんの存在に結びつき、導いていく。
そんな毎日を快く観察するお話としての”明日ちゃんのセーラー服”が、谷川さんのカメラでクッキリしていくエピソードだ。
帰り道、カメラの中に掴まえた答えを見つめながら、谷川さんは話を降り出しに戻す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
答えは最初から既に見つかっていて、でも名前を与えられなかった。
必死に探して、たくさん笑って、掴まえ直したものが、一つの小冊子にまとまる。
（画像は”明日ちゃんのセーラー服”第4話から引用） pic.twitter.com/NoWE9ptHTb
明日ちゃんに開花させられた谷川さんのクリエイティビティが、確かな形を掴まえて話が終わるのが、一話完結の気持ちよさを加速もさせている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
今回は明日ちゃんが受け身に回るお話なので、彼女に影響されて自分の青春を見つけていく子達の顔…そうさせる主人公の強さが、より際立った感じもある。
被写体としても触媒としても、明日ちゃんは優秀で異様なんだよな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
あの子が歩いて喋ってるだけで、色んな子がグングン巻き込まれて、気づいていなかった自分を見つけ直せるわけよ。
そういう青春台風の中心核として、パワーと可愛げのある主人公なワケ。”無敵”よ。
そして明日ちゃん自身が、一人ぼっちの小学校でずっと待ち望んでいた友情に触れ、どんどん輝きを増していくお話でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
特別な明日ちゃんを変えていける友達だって、もう特別な存在なのだ。
そんな相互作用が、あまりにも美しく設計された聖域で、力強く踊る。
みっちりとした回転運動に、心地よい酩酊を感じて見終わるのは、なんとも幸福である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
”自然”なるものに任していたら、こんなにキレイな世界と物語は立ち上がってこない。
歪な機械の眼、そこに宿る欲望こそが、”自然”よりも強烈な時間を切り取り、届けてくるのだと、教える回でもあったかな。
やっぱくっそ美しい自然に満ち溢れればこそ、凄まじく人工的で力んだ視線がそれを選び取り、繋ぎ合わせて作品を構築させている”傾斜”みたいなものを、強く感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
そんな意念はやはりグロテスクであるけども、否定し得ぬほどに美麗な歪さあろう。I love baroque。
カメラはシャッターを切らなければ絵が生まれない機械なわけで、『見たい、掴まえたい』って欲望こそが、明日ちゃんって被写体を”絵”にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
最高の瞬間を座って待つのではなく、前のめりに干渉してでもそれを生み出そうしたくなる熱が、谷川さんを通じて焼き付くエピソードでした。凄く良かった。
青春物語の四話目と考えても、野生児パワーで物語を牽引してきた主役が学園に馴染み、弱さを見せそれを学友に助けてもらいながら進む所を見せる、良い配球でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
彼女たちの放課後を一つ繋ぎにスケッチして、視聴者を蝋梅学園に擬似同居させたのも、話に親しんできたタイミングにガッチリ噛み合う。
『フェティシズム的にも構成的にもクセの強い原作を噛み砕き、”アニメ”にしてくぞ！』つう野心も、ガッと押し寄せたしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
強い原作に押されるばかりではない、独自のパンチをガンガン打ち込んでいく気持ちの強さが、今後の物語を輝かせていくでしょう。
次回も楽しみです。
しかしワンピ着た明日ちゃんの”別格”感、それに気圧されつつも惹かれる兎原の凡人マインドを、説得力込めて絵にしてんのはつえーわな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月4日
キメ所にクオリティ更にぶっこんで、点取れるところでフィーバー狙いに行く姿勢、やっぱ好きですわ。
地味な話なんだが、演出の構成自体にケレンとメリハリがある。
