かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
白銀御行とッ! 藤原千花のッ!! 音楽修業第三段~~~!!!
という塩梅で、熱い思いを伝えるラップバトルが唐突に始まる三期第五話~スーパー眞妃ちゃん可愛いタイムもあるよッ!!~である。
ED含め力こぶの見える仕上がりで、大変良かった
元々藤原書記と会長が音楽を通じてビシバシやり合うエピソードは大好きだし、フェイクとリアルを扱うお話にラップ(というかヒップホップ)が食い込むテーマ性も力強く、三期第一話から続く早坂エピソード一つの到達点として、大笑いしつつ感動できる、とても良いお話だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
まず白銀くんが、早坂に『その仮面を外せ』と伝えたいからラップが上手くなりたいという、モチベの建て方が凄く良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
ファッションとしてどうの、かっこいいの悪いのではなく、赤心を届け成長を見せる最高のキャンバスとして、ラップというメディアを選ぶ所に”誠”がある。
白銀くんはかぐや様のこと第一に見てるけど、それで視界が塞がらず、色んな連中の苦しい所ちゃんと見届けて手を差し伸べるあたり、人物だなぁとつくづく思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
二期の石上くんにしても、今回の眞妃ちゃんにしても、色んな人におせっかいしてる。
優しくてタフな男よ…。
そんな彼最大の弱点である”音痴”に、幾度も向き合ってきた音楽(だけ)の天才、藤原千花。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
ここまで教えられ導かれる展開が二度続いてきたわけだが、今回はヒップホップスクールの入門生として、会長に教わる立場になった。
ここも、今までのお話を踏まえた変化で良かったです。
会長がかなりヒップホップIQ高いファンで、ラップの文化的側面をしっかり理解した上で、偏見まみれの藤原書記の性根を叩き壊し、なまじっか音楽エリートだからこそ形だけ整えちゃう部分を壊しにかかるのも、素材に敬意のある展開だった…し、ドラマにも直結する部分。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
取り繕ったものを引っ剥がして、熱いリアルをそのままぶつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
虚実混ざり合う恋愛頭脳戦、あるいは青春の面倒くささに向き合うジュブナイルにいちばん大事な所に、今回はラップという表現で踏み込んでいく話なわけで。
自分を縛る鎖をリリックとビートで壊していく展開へ、藤原書記が最初に飛び出す
白銀校長のヒップホップスクールには、そういう力強さがありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
『飾らず本音を言い合う』という、青春と恋のゴールがこういう変則お祭り回で先取りされてるの、ちょっと面白い作りで良いな…。
そういうパワーがヒップホップにあると、信じた話作りでもあるよね。
というわけで芝公園をSpin Da Disk、動き出す午後四時の港区マイクバトル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
ラップパートは映像的な遊び心、アバンギャルドな表現力が大暴れし、凄く”かぐや様のアニメ”っぽい仕上がりで良かった。
(画像は”かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-”第5話から引用) pic.twitter.com/EML5J9utom
溢れる激情が自然とフロウを掴んでしまうかぐや様の天才も面白かったし、急にQueenオマージュ混ざってくるリミックス感も良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
…急っていうか、Queenネタは結構良くやってるので、『培った文脈をここで接合して、新しい化学反応を生み出した』てのが正解か。
こういう所も、ヒップホップIP高い回
四人のスタイルがそれぞれ個性が出てて、会長は硬めの押韻に強い感情をのっけて殴りつけてくる正統派。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
藤原書記はダーティな言葉遣いで自分を開放しつつ、ちょっとルーズな感じが逆に可愛い。
かぐや様は一音節に収まりきらないワードを才能で押し込んで、過剰さで聞かせるテクニカルなスタイル。
そしてMCミユキの熱い本音を受け、眼鏡を引っ剥がされたハーサカは、むき出しのリアルを不器用に力強く綴っていく、情念系のリリシズム、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
ただYoYo言ってると思われがちなラップにも、様々な表現があり、伝えたいものがあり、個性のキャンバス、思いを引き出す触媒として、とても優れている。
そういうことが、四者四様のラップ様式を通じてしっかり描かれていたのが、とても良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
あと会長の熱い想いと努力を間近に受け止め、ヒップホップに魅入られた藤原書紀が、ハーサカのナメて冷たい態度にキレ気味なの、思いが届いていい表現だった。
『フツーにメールでやれよ…』と作中で突っ込まれる、ラップというチョイス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
しかしそれでしか伝わらず、暴けず、叫べない思いが確かにあるからこそ、会長はラップを選んだのだし、実際それは早坂の分厚い仮面を引っ剥がし、かぐや様への想いも形にする。
白銀くんは四宮家の事情を深くは知らないわけで、カラオケ屋でチラッと見せた仮面のひび割れを、ただ見過ごせなかっただけなんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
しかしそこからリリックを届け、早坂が主に…大事な友だちに抱く思いを表に出させ、新たな結びつきを夕日に繋ぎ得た。
それは白銀御幸の人格だし、ラップの力だ。
ラップやヒップホップが向けられている色んな偏見や思い込みを(主に畜生藤原に背負わせて)拾い上げつつ、『実はそうじゃないんだ。こういう力があるんだ』と、笑いを交えつつ見ている側にちゃんと届ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月6日
コメディながら…あるいはだからこそ、題材に選んだものへのスジを通して書き切る。
EDにあっこゴリラ&PARKGOLFという、本職中の本職をしっかり起用し、笑えるけど泥臭く熱い部分だけでなく、スタイリッシュでかっこいい要素もしっかり描く所含め、凄く良いヒップホップ・エピソードだと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月7日
泥まみれのリアルを、リリックに乗せて叫べ。
色んな嘘に雁字搦めになりつつ、熱い誠を秘めてる青年たちが、誰かを思い己を伝える表現として、ラップを選ぶ意味。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月7日
”かぐや様”だからこそのヒップホップの使い方、活かし方だったなー、と思います。
この笑いと感動、おフザケと本気の同居が、この作品の強みだなーと再確認。
そして残った尺は、勝手に生徒会室乗り込んで勝手に死んでる眞妃ちゃんのツンデレ劇場。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月7日
とにかく表情もツインテールもよく動き、『かわいいなぁ~~~~!!』って気持ちでいっぱいになれるエピソードで、最高に良かったです。
こんな子でも願いは届かない…恋は非情で残酷ね。
眞妃ちゃんが思いの捨てどころとして、白銀くんと石上くんを結構大事にすがってるのも、二人が満更でもなく恋バナ聞いてお茶でもてなしてるのも、見ててめちゃくちゃホッコリする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月7日
これは『いつもの生徒会』の外側にいればこその、気楽で風通しの良い繋がりかなー、って感じね。
今回垂れ流した複雑な感情は、柏木さん達には直接言えない、他人だからこそ受け止めてもらえる荷物なわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月7日
そんな気持ちを自分に引き寄せ、NTR妄想に身悶えしたりする中で、白銀くん達も心を整理したり、ストレスを解消したりしてる。
結構お互い様な良い風が、この三人には吹いている。
通じぬ思いの濃厚さを真ん中に据えつつ、そこから外れた関係の良さとか強さも、こういう形で描くのは、話が生徒会とで閉じて腐敗しない意味でも大事かな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月7日
恋、友情、お互い様の愚痴タレ仲間。
いろんな関係があっていいし、それは相互に結びついてもいるのだ。
今後も眞妃ちゃんは生徒会室でお茶飲んでって欲しいし、ボーイズはニタニタ文句たれつつ満更でもなく、彼女とのいい関係を保って欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月7日
あとかぐや様がその様子を外で見ながら、ヤキモキ身悶えもして欲しい。
そう思えるエピソードでした。
”男友達”で、ラップ回ともしっかり繋がってるのもグッド。
早坂が抱えてた感情をかぐや様に伝えれたことで、二人の絆はより強く鍛えられてくだろうし、そのキッカケを白銀くんが手渡したことで、早坂との関係も深くなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月7日
勢い重視のネタ回に見えて、実はかなりディープに良い方向に、人間関係が動いた回ともなりました。
この力強い動きをどう活かし、今後どんな物語が展開していくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月7日
人数多い群像劇の強みが、色んな繋がりと面白さを育みながら加速してて、大変に面白いです。
色んなモノが楽しく、力強く描ける作品は豊かだなぁと思いつつ、次回も楽しみですね。