SPY×FAMILYを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
東西平和の掛かったナカヨシ作戦を、体重の乗った右で殴り飛ばしたアーニャ。
”ちち”の期待に応えんとダミアンに近づこうとするものの、なかなか上手くいかない。
果たして仲直り大作戦は、ターゲットの心に届くのか。
エスパー少女…学校怖いけど、勉強含めて頑張ります!
そんな感じのドタバタ学園ラブコメディ、”お父さんは心配症でスパイ”の第7話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
アーニャの学園生活を追いつつ、スパイやるには感情と人情溢れすぎてるロイド父さんのドタバタとか、嘘で固めた他人との暮らしが段々”家族”になっていく様子とか、ゲラゲラ楽しくてホッコリ染みるエピソードである。
やっぱアーニャ軸だと背景世界のキナ臭さが巧く飛んで、小さな手足で学園生活頑張る健気さとか、ピンク色の初恋の甘酸っぱさとか、ベッキーちゃんとの関係構築とかが、しっかりした手触りで良さが伝わってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
爆炎と大立ち回りに満ちた<梟>、血みどろの”いばら姫”とは隔絶された、平和な別天地…
と思いがちだけど、アーニャを取り巻くどこにでもある平和は、ロイドさんとは直結だよなぁ、と感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
アーニャとダミアン様の成長ifが、離れ小島のような俺のTLにもよく流れてきて、今回視聴者に生み出した衝撃(ときめき)の強さがよく伝わるけども。
権威主義政治が横行し、階級格差もあって国内治安がよろしくなく、誘拐犯からテロリスト、タカ派政治家の陰謀まで山盛りな世界情勢を思うと、二人の背丈が平和に伸びて、ラブでコメっておとなになってく未来は、視聴者が考えてるより脆い夢だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
ロイドさんはそれを骨身にしみて知ってて、だから足掻く
冷酷非情を己に任じつつ、仮面の奥で熱い血が滾ってるロイドさんが、ずっと求め守りたかったもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
子供の笑顔と家族のぬくもりは今、アーニャの未来に凝集してて、その思い入れが任務の領分を越えた過剰な力こぶとなり、爽やかな笑いと静かなホッコリを連れても来る。
時に気負いすぎて衝突もしつつ、ロイドさんがアーニャに手渡している真心は、名と家族を奪われた少年がかつて求め、戦乱に酔って微塵に砕かれた夢だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
そして一見平和なこの時代でも、自分を壊した暗雲は消えてない。
消すために、<梟>は”ちち”やっている。
こういうクレバーな目的との合致だけではなく、凄くエモーショナルな承継で、ロイドさんとアーニャが繋がってる所が、僕は好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
失ってしまったもの、壊れやすいもの。
その価値を知っているからこそ、娘には綺麗な夢を手渡したい。
そんな真心は、スパイの責務に押し潰され、当人にも見えにくい。
ちちははに見守られ、アーニャが存分におバカ可愛い子どもでいられることは、そう在れなかったロイドさんの、一種の復讐戦なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
そう考えると、微笑ましい暴走パパさんの戯けた仕草に、微かな苦味と強い愛しさが染み出してくる…気がする。
まぁこれは、原作で超最近補足された部分だけども。
そんな読者のメランコリーは横に置いて、今回はアーニャの学園奮戦記がメインである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
よし…今日もアーニャが可愛いッ!(宇宙の真理を、わざわざデカい声で確認マン)
色んなところに気の行き届いた作品だが、アーニャの多彩な可愛さは絶対崩さん気合宿るな…
(画像は”SPY×FAMILY”第7話から引用) pic.twitter.com/pz2n8r70wA
『これも任務達成のため…嘘っぱちで偽物の娘の為なんかじゃないんだからねッ!』と、過剰なリキミで暴れるロイド・ダディも、また可愛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
はは直伝の右ストレートはアーニャの評判も粉砕しており、教室は薄暗い思考雑音に満ちて影が濃い。
が、ベッキーと触れ合う中で眩しく輝き出す。
アーニャがテレパスで鋭敏に感じ取り、重大任務に支障も来す恐怖の影と、それを打ち払うものを巧くライティングで示していて、好きな演出である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
明暗で情感を表現する手法は、舞台がフォージャー家に移るBパートでも元気で、証明を用いた情感主義が元気なエピソードといえる。
ベッキーは孤立しがちなアーニャ唯一の天使であり、同時に仲直りを塞ぐ壁でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
心を探られていると思いもしないで、任務のため娘のため必死に駆けずり回る”ちち”と共犯で、仲直り作戦はどう彼女をどけるか、どう謝るか、スラップスティックに転がっていく。
凄腕スパイである<黄昏>が、庇護対象であり任務の道具である娘に心を読まれ、極秘ミッションがダダ漏れ…って構図自体が、結構面白いのだと教えてくれる回でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
嘘が真に、弱さが強さに繋がる逆転が色んなところにある作品だが、ここでも面白い逆さまが輝いている。
”ちち”の過剰な謝罪推しと、ベッキー隔離大作戦が功を奏し、掴んだ一世一代のチャンス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
アーニャの涙は下まつ毛マジで長い少年の心を運命的に鷲掴みするが、それは誠意の素直な表明とも、大人びて利己的な演技でもない。
(画像は”SPY×FAMILY”第7話から引用) pic.twitter.com/xlOxn4GXHq
アーニャがなんで泣いたかというと、異様な言語センスでフルボッコにしてくる取り巻きの心を読み、フラフラに傷ついたからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
それでも涙ながらに謝ったのは、ダミアン個人への感情というより、大事な”ちち”のミッションを果たしたい家族愛が、(現状)主だと思う。
自己防衛のために張り巡らせている棘が分厚いのもあって、ダミアンを襲った桃色嵐ほどには、アーニャの心には風が吹いていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
この一方通行LOVEが、また見てる側のときめきを強め、『やっぱフォージャーの女達、タフで図太いな…そこが好き』って気持ちにもなる。
ダミアン主観で描かれる『この謝罪を食らうより早く、アーニャが緑のうるうるお目々をした超絶美少女に見えていた』という衝撃真実に、キモい笑みが更に深くなりつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
”拳”から始まる最悪のロマンスは、沢山の嘘を孕みつつ加速していく。
(画像は”SPY×FAMILY”第7話から引用) pic.twitter.com/z7O4oDFUsJ
OTL… ってなってるロイドさんが思うほどに”ナカヨシ作戦”は失敗してない所とか、湧き上がるLOVEから全力逃走キメるダミアン様とか、微笑ましいズレが随所にあるのが、また面白い展開である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
自分に嘘をついたり、真実を見落としたり。
背負ったものの重さに似合わぬ、小市民的な過ちだらけの日常。
それは馬鹿馬鹿しくて可笑しくて、成り行きを見守りたくなる愛しさに満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
『まーしょうがないよダミアン君…アーニャちゃん可愛いからなッ!』と、バンバン背中叩かざるをえない説得力で、勝負どころに投げ込んだ最高作画が、そういうモンを巧く裏打ちする。
あと地味にこの段階で、とりまきが家関係の打算とかダミアン様からの圧力とかではなく、スゲー普通に心酔して”マブ”やってんだと、読心能力でサラッと開示されてるの、好きなんよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
ベッキーの根性悪な部分とか、キャラの地金をショートカットして見せれるテレパス、物語推進装置として有能。
打算であったり立場であったり、何もかも見た目通りに小綺麗にはいかない生活。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
しかし世の中得てして”そんなもん”であり、ウソの裏にホントを隠したり、高鳴る気持ちに蓋をしたり…ままならない中皆、日常を走っている。
この捻れた人間味が、スパイと嘘つき家族の物語に、心地よい温かみを添えていく
というわけでBパートは、アーニャと勉強のハンディキャップマッチを名伯楽”ちち”はどう戦うかッ! …というお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
分数を人体破壊ベースで考えるヨルさん、やっぱり人間サイズの猛獣だよなぁ…メッチャ壊れとると思うが、諸兄のご意見は如何か?
(画像は”SPY×FAMILY”第7話から引用) pic.twitter.com/wVUAd9Cdp9
ただでさえ名門校のカリキュラムは難しいのに、アーニャちゃん生存のために年齢偽ってるからな…そら『勉強いや~!』にもなる。かわいそう可愛いねぇ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
任務の要が私室に逃亡し、画面も全体的に暗くなっていくが、ここで他人からのアドバイスが画面に光を戻していく。
まぁこの一見ほほえましい姉妹の光景が、どんだけの歪みとカルマ、血しぶきと犠牲の上に成り立ってるかも、次回やるけどな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
ロイドさんの捻れ方って『善人が間諜やってる』つうプラス方向だけど、ヨルさんのは『獣がカワイコぶってる』という、サイコスリラー方面なのが面白いよね(個人の感想)
しかし弟と二人、暖かく生き延びてきた経験は嘘ではないので、そこから生まれた光もまた、この嘘の家族をしっかり照らしてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
欺瞞と殺戮の上に成り立った、キレイでどこにもである”家族の思い出”が、あれだけ善良で完璧なロイドさんからは出てこねーワケよ…。
アーニャと”ちち”の頑張りエピソードであるが、あくまで他人の域からはみ出さないヨルさんの節度を、一歩踏み込んで嘘っぱち家族が本物にまた近づいていく話としても、とても良い仕上がりである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
欠けた存在同士が、偽りでしか無い”普通”を持ち寄って、なんとか当たり前を演じていく、社会的リハビリ
そういう見方もできる作品だよなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
”いばら姫”の血腥い真実をロイドさんは知らんわけだが、ヨルさん自身、自分が”普通”とは程遠い血みどろの殺戮者であり、その罪と業に気づかないまま”普通”やれてしまってる所が、一番壊れてると気づいていない。
それでも当たり前の幸福をかつて弟と、今偽物の娘と夫と一緒に掴みたい気持ちがあって、獣は人の皮をかぶっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
それは歪だけど切なく尊い願いで、<梟>という大嘘に巻き込まれることで、ヨルさんは求めていたものを手に入れ、あるいはロイドさんに差し出してる印象を受けるのだ。
この魂のギブ&テイクがお互い様で平等なのが、嘘で固めた家族を暖かく見守れる、大事なポイントかなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
スパイと獣とエスパー。
間違いと嘘だらけの家族だけど、助け合い補い合う気持ちと、それを求め満たされる心の欠落には、偽りがない。
それは人それぞれの形で、皆が持っている重荷だ。
アーニャを守るブランケットと同じ色の、<黄昏>の紫に、真の家族を思いつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
街の陽は傾き、新たな火種が静かに燃える。
オッス、おいらユーリ・ブライア! 仕事はモロに秘密警察だ!
ヤバ姉に負けないヤバ弟が顔を出し、さて次回どうなる…で、今回は幕。
(画像は”SPY×FAMILY”第7話から引用) pic.twitter.com/iSGSKRAl9u
ロイドさんの愛と郷愁が美しく滲む夕景で、しっとり終わらせて良さそうな所で、圧迫感のある人工的画面づくりで弟顔見世させてヒキつくるの、好きな運びである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
フォージャー家に灯った温もりとは、ちと違うヤバさを抱えているのだと、ユーリを包む色彩は教える。
さて、次回どうなるか…。
という感じの、アーニャと家族の人間一年生奮戦記でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
ダミアン様とのラブコメ要素を、強力極まるイグニッションでスタートさせて、また魅力的な話の軸が増えたのが、つくづく巧くて強いなーと思います。
多彩なジャンルを横断し、魅力的なキャラで贅沢に描く。
その軽やかなステップが僕は凄く好きで、毎回感心する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月22日
ここに各種ヤバ要素を大量に抱えた義弟が混ざって、また新たな面白さが顔をのぞかせるって寸法よッ!
ここまで驚異的打率でオモシレー話積んできたので、どういう球来ても期待大なの、マジ強いと思う。
次回も楽しみですね!