デリシャスパーティ♡プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
ジェントルーの正体は、菓彩あまね生徒会長。
心を操られ、大好きなものを忘れさせられる辛さに、ゆいは思いを馳せる。
身勝手な欲望に奪い去られた心も体も、諦めずに取り戻す。
少女の決意は、希望に届くのか？
そんな感じのデパプリ第1クールクライマックス、極音速の光堕ちがキマる第12話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
大変良かったです。
”アイカツスターズ！”の佐藤監督をコンテに迎え、ちょっと変則的な話運び、陰影と艶を濃い目にノセた大人びた作画が、普段とは違った味わいを醸し出す。
気合の入ったアクションを通じて、戦士として人間として成長した姿を書いたり、絶望を知り希望を託す”大人”としてマリちゃんが目立ったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
色んなことがあったデパプリ最初の物語をまとめるのに、相応しい満足感のエピソードでした。
拓海くん回への導入になるネタも、目ざとく蒔いてたしなぁ…。
というわけで”洗脳”という言葉を使わず、そのドス黒い絶望感をマリちゃんが解説してくれるところから、物語はスタート。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
ゆいちゃんがその状況を自分に引き寄せ、メイン顧客にも伝わるよう噛み砕いてたのが、丁寧な描写だと感じる。
オタクは『そういうモン』で流すが、幼女は洗脳概念初見だからな。
好きだったものを奪われ、書き換えられてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
窃盗集団であるブンドル団が何を盗んでいるか、その手先であるジェントルーで炙り出されていくのは、なかなか面白い運びだ。
何が大事で、何が好きか。
人間の根っこを支える価値観を、根こそぎ盗んで勝手に使う。
改めて描かれるとマジでロクでもなくて、その影響下にありつつ”好き”を守ろうとしたジェントルーちゃん、心の強い子だな…などとも感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
ここら辺の悪辣さを、サディズムむき出しのナルシストルーくんはいい感じに暴れさせくれそうで、第2クール以降の残虐ファイトにも期待が高まるが、それは先の話
ゆいは小さじいっぱいの希望を諦めず、あまねとの対話で心も体も取り戻すと決意する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
ヒーローとして”正しい”この選択を、マリちゃんが言い出さない所、個人的に興味深いなと想った。
あの人、希望は小さじいっぱいしか存在しない、思いの外暗い世界観で生き延びてきたんじゃねーかな？
心を支配されてしまう状態に詳しいのも、『大人だから』つうより『戦士だから』であって、それが不可逆だと諦めざるを得ない経験が、結構積み重なってる…のかな？
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
無論、不屈の希望を幼いゆいが背負う関係上、それを信じきれない”大人”になって、主役の心を際立たせるつう、レトリックでもあろうけど
ゆいの希望に照らされたマリちゃんが、見つけてきた小さなカード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
これが巡り巡って、あまねの心を取り戻す決定打になる所が、みんなで戦ってる感じがして良い。
弱さや成熟に揺らぐ時もありつつ、マリちゃんは共に戦う仲間で、頼れる保護者でもある。
そういう人が、決着の鍵を握るのは好きだ。
あと異様に脳に刺さる『心も体も取り戻す！』というフレーズは、デパプリがメインテーマである”食”を、物理的栄養補給を越えた社会的営為、精神的養生として考えているのと、繋がった言葉選びだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
食べるという行為は、体だけでなく心も育み、人を繋ぐ。
なら取り戻すのは操られる心だけではない
飯を食わなければ死んでいく体があればこそ、食べることは楽しく美味しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
こういう人間存在への認識があって、『心も体も取り戻す！』つう言葉が出てくんのかなー、と思った。
『もの食う人々』として人間を見つめるのは、ちょっと辺見庸的視線で個人的に好きね…。
散々悩まされたソーシャルハックを逆手に取り、ジェントルーをおびき出したプリキュア一行。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
でパプリのおバカ担当として定着しつつあったらんらんが、ここで知略挟んでくるのは大変良かった。
賢いことが偉いわけじゃないが、特定の属性に過剰に縛られてるのは、あんま好きじゃねーんだよなぁ…。
かくしてバトルとなるわけだが、赤目のジェントルーちゃんはレシピッピがピーピー喚くのも気にせず、バキバキパワー絞り上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
『やっぱ洗脳良くねーな…』と、しみじみ思わされる良い演出だった。
ガキの悲鳴は意識を貫通して刺さるので、悲壮感が凄い。許されざるよ…。
マリちゃんも関心の才能を見せるプリキュア達だが、スパイシーがヤムヤムを姫抱っこして軽やかに翔ぶ描写、ここねちゃんがプレシャスに抱かれてた場面と上手く対照させてて、凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
抱かれ守られる存在から、抱きしめ守る存在へ。
1クール分の変化が、良く表れていたと思う。
この庇護と守護の変化は主役にも共通で、ゆいはマリちゃんに庇われたままで終わらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
対話を暴力で拒絶するジェントルーに対し、マリちゃんは体を張って子供を庇い、自身も暴力による制止を視野に入れていたと思う。
洗脳は解けないし、力付くでも止めないといけない。
そういうマリちゃんの世界観から、ズタボロになりつつゆいは踏み出していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
殴られつつも対話を続け、まだあまねの中に”好き”が残っていること、自分の歩み寄りがそれを蘇らせる希望を、捨てぬまま戦う。
この真っ直ぐなヒロイズムは、優れた倫理的視力に支えられている。
心を操られることが、どれだけ辛いか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
”好き”を取り戻すためには、何をしたら良いか。
話を牽引する主人公として、健やかに育まれた和実ゆい一個人として、彼女は誰よりも先に断絶の先に想像をめぐらし、絶望から希望を見出して見せる。
他人の立場に身を置き、一緒にご飯を食べようとする。
気付き、気遣えるケア能力の高さをこそ、このお話は主人公の資質として選んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
優しいからこそ強い存在として、作品の真ん中に立つ少女を描くのは、この勝負回で自作を誇らしげに伝えている感じがして、僕はとても好きである。
作品ごと、選んだテーマとヒロイズムは違えど…あるいは、違うからこそ。
”プリキュア”が多彩な幸福と正義の形を、シリーズとして豊かに内包・体現出来ているのは、やっぱ良いことだなと感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
デパプリは、何を正義と選ぶのか。
今回のゆいちゃんの奮戦、希望の描き方は、それをしっかり告げてくれる仕上がりであった。
あと愛の青と絶望の赤に塗り分けられたジェントルーの瞳から、流れる涙がとても印象的だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
今回の仕上がり”洗脳”って何か、腰を据えて考え描きぬく気合を感じるよなー…。
これが深夜アニメなら『私を殺してぇッ！』ってなってる悲愴な圧力だったが、これはプリキュア、救えるものは全て救い切る。
かくして決意の合体攻撃が唸りを上げ、心と不可分の体ごと、菓彩あまねは取り戻された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
遂に決定的瞬間を目撃した拓海くん周りが面倒くさそうだが、まー何とかなるだろうッ！
ジェントルー救出劇を通じて、想定より洒落にならない悪党だった敵の顔も、良く彫り込まれたね。
菓彩あまね個人がどんな存在か、さっぱり見えない状況での救済＆加入になりそうだが、俺のこの状況結構好きなんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
高嶺の花と遠ざけて、知ろうと知らなかった人にもそれぞれの”好き”がある。
ここねちゃんとも響く題材だが、今後否応なく、お互いを知っていくだろう。
『人と人が繋がる時”食”に何が出来るか』てのも、知らない同士であるからこそ書けるわけでね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
暗い影が払われた後見えてくる、あまね先輩の素顔がどんなモンか…第2クールも楽しみです。
まぁその前に、拓海くんのフラストレーションを爆破しねーと行けないけどなッ！
あの幼馴染、何かと目がいいゆいちゃんの現状死角に為ってるので、カメラを向けると主役の新しい顔も見えてきそうなんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月29日
微かなロマンスの気配もあるが、そこを触るか含めて次週、どうお話が転がっていくか楽しみです。
…しかし”フィナーレ”か。デザートモチーフで、面白いネーミングね。
