ヒーラー・ガールを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
突然の破門宣告は、一ヶ月の研修を意味する師匠のお茶目。
玲美ちゃんが号泣断髪キメる裏で、かなは一人米国の大地へと降り立つ。
修業の日々はまだ続くけど、巣立ちの気配が少女たちの横顔を変えていく。
ヒーラーだから出来ることを掴み取って、まだまだ、楽しい日々は続く
そんな感じの、ヒラガ堂々の最終回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
大変良かった。
贅肉を大胆に切り飛ばすシャープな構成は最終回でも健在で、一ヶ月の研修でゆりかごを離れ自力で立つ姿を描くことで、烏丸治療院を離れた後の未来を予感させつつ、それでも戻るべき場所の暖かさに今は包まれる。
過去と現在と未来の間で、生き生きと震えている少女たちの姿を活写し続けた作品らしい、ぬくもりのある最終回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
旅立った後この子達はこうなる! と、最終回らしい未来を描きつつも、未だ優しさに包まれて育ち続けてる現状も大事にしてくれて、めっちゃいいバランスだった。
というわけで一ヶ月の研修、ザックザックと進んでいくわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
前回までは視聴者の中に作った『この子はこういうキャラ』つうイメージの裏側を、愛着ある表側を裏切らず奥行きを拡げていった話運びが、今回は基本軸に戻った感じがあった。
活動的なかな、どっしり構える響、弱いツンデレ玲美ちゃん。
『やっぱこのトライアングルがバランス良くて、見てて安心するんだよな…』と、最後の最後で再確認させてくれるような展開で、ありがたみが強かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
滅茶苦茶ヘンテコなアニメが始まって、三ヶ月見続けるのに心の置き場をどうするか。
悩んでた時、真っ先に『ここに足置きな!』と言ってくれた要素
それはやっぱり、凸凹三人娘の人格と関係性、お互いの個性の噛み合い方だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
とにかく玲美ちゃんが今回弱くて、メチャクチャ可愛かった。
明らか強まりツンデレな外装してるくせに、めっちゃ感受性高くて優しい子だから、他人のためによく泣くんだよな~…そこが好き。
かなは異国でもドンドン前に出る強さをブン回してたし、響ちゃんはおっとりしてるようですぐさま翔ぶ思い切りの良さを見せるし、俺たちが見てきて、俺たちが最後に見たいヒーラーガールズが、凄く良いタイミングで見れたのありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
こういうキャラ把握が三ヶ月の物語を通じて育つのは、やっぱ凄い
同時にこの”いつも通り”は、その裏側に描くキャラクター何を抱え、どんな事に苦しんでるかを丁寧に掘り下げてくれた、ここまでの物語あってこそで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
架空の世界に実在する人格の、表に見えるものとその裏にあるもの。
これが相補い人間が成り立っていることを、過ぎゆく時間と沢山のエピソードで編む。
それに成功したからこそ、今回ちょっと大人びた三人を見るのが嬉しくて、少し寂しいん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
あえて師匠を遠ざけ、いつも一緒だった三人をバラバラにすることで、やがて来る巣立ちの先を、自然と想像させる。
服装も髪型も表情も、今回意識して大人っぽいのは、そういう狙いがあると思う。
同時にまだまだ修行中でもあって、一ヶ月の研修が終わった後、三人は彼女たちのホームへとしっかり戻ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
まだ離れられないのだと、追いかけて捕まえて確認し、抱き合って涙を流す中で確認する。
意味深なメッセージに心揺らされ、思わず海をわたるほどの、思いの強さ。
それを重くなりすぎない筆致で、最後に刻んでくれるのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
やっぱねー…三人がお互いを大好きで、このかけがえない青春修行時代を一緒に走っていく眩さ、爽やかさが、作品の背骨として太かったよ。
でも緊密な関係性が、狭く閉じはしない。
むしろ支え合うからこそ、高く広く飛べる。
帰りの飛行機での緊急治療行為含めて、『ヒーラーだから出来ること』を最後に語って終わるのも、大変良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
音声治療という行為が確かにそこに在る、我々の現実に似てるけど違う異界。
そこでヒーリングはどんな形で行政に、医療現場に組み込まれて、役立っているのか。
豊かな創造力と描画力で、”もし”を形にしていくSF的強さが、ふわふわ少女青春絵巻をしっかり、地面に繋ぎ止めていたと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
『あ、文句言いに来たのかな…』と思わされたお医者さんおじさんが、『エンジン音ノイズになるし、ビジネスクラスでやろうぜ!』言い出した時の『あー!』感とかね。
『機材・設備を使えない緊急時こそ、音声医療の本領発揮』つうのは、かなの過去でも描かれてたポイントなんだけども、今回それを回収して終わるのも凄く気持ちよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
救われた側が憧れを追いかけて、過去の自分を追い越して救う側、憧られる側になる…つう、行きて帰りし構造としても綺麗。
ここを太く描くために、山火事現場での三人娘の奮戦をザックリカットしてスペースを作るのとか、滅茶苦茶このアニメらしい展開だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
なんつーかな…エピソードで活きる描写と、時間使う割に刺さんない部分の見切りが、凄く思い切り良くて的確なんよね。
そのメリハリが、テンポ作ってもいたし。
あとC級のカンバン掴んだからこそ、自分の意志で治療を決断できて、より大きな責任と義務を果たし、苦しんでる患者(≒過去の自分)を自力で救えると描いてたのも、『ヒーラーと社会』を結構大事にして、行政制度の階段を一歩ずつ上がってく様子を切り取ってきた作品に相応しい、良い達成感だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
ずーっと完璧な存在として描かれてきた(そうあれるように、自分を飾ってきた)師匠が、三人娘の人生背負う重責を漏らしてたり、ヒーラーに道を定めたあの時の歓喜を暴かれてたり、”人間”になってたのも、僕の好きな書き方。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
やっぱ完璧さで作品を牽引する立場の人、重荷を下ろして終わって欲しいのね
疲れた体を椅子に預ける当たり前の人間が、それでも志ある若人を育て上げるべく、緩みのない理想を演じ続けていたと解ると、より師匠への感謝と尊敬も深まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
こういうキャラの仮面”人間”の顔見せてくれてありがとうな…つう感覚は、ここまで色んな人に感じる作品だったから、師匠にも向いてよかった
まぁそういう”人間”烏丸理彩を至近距離で受け止める、対等なパートナーの椅子が笙子さんに専有されている事実も、ガッチリ書かれたがね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
ホント”寝相”への言及に衝撃を受け、玲美ちゃんが純愛捧げるほどに哀しみ深まるここの奥行きは、作品に豊かな色を加え大変に良かった。
少し大人びた表情で、自分の意志と責任で仕事を果たし、命を救う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
12話の物語は少女たちをそういう場所に度出せたが、三人の修行時代はまだまだ終わらない。
感慨と謝意を込めて、故郷に戻って歌う歌が、雪のクリスマスに優しく響く。KURAUリスペクト…ッ!
物語のグランドフィナーレを、ソーニャちゃんと師匠を交えた歌唱でゆったり終わるのも、この作品らしさが元気で良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
やっぱ歌の強さが作品の背骨であったので、コーラスグループの本道を歩ききって幕引きとするのは、滅茶苦茶気持ちがいい。
改めて、マジで歌うめーな…。
というわけで、ヒーラー・ガール終わりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
大変良かったです。
声優ユニットのPRアニメという、かなり瘴気漂う座組にぶっこまれた、良くないオーラ全開のファンタジックなヴィジュアル。
ぶっちゃけ、滅茶苦茶警戒度上げて第一話に挑んだわけですが…蓋を開けるととても良かった!
深夜の女の子いっぱいアニメのフレームはしっかり維持しつつ、そこに詰め込まれる物語と手触りが大変独特で、オリジナルな活力と魅力がミチミチ溢れていました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
”ヒーラー”が確かにそこに在る世界を、クソリアリズムで叩いて潰さないよう前向きに考えた上で、キャラクターとドラマのために活かす努力
医療従事者として、学生として、多感な少女として、色んな顔と気持ちを持ってるキャラクターが、ドタバタ賑やかで楽しい日々を走り抜けていく中、多彩な顔を見せてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
それらが触れ合い、あるいはよろめいて受け止めてもらえる関係性が、眩く輝く。
人数が多い利点を、最大限活かす作りでした。
ホント女の子達が可愛くて、でもそれは記号を貼っつけた”死んだ可愛さ”ではなくて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
いい塩梅の生っぽさが宿るダイアログの魅力、日常で起こるちょっとした事件へのリアクション、あるいは豊かに描かれる表情の多彩さ。
物語の中だからこそ、アニメだからこその魅力をドンドン積み上げて好きになる。
色んな領域にビュンビュン飛んでいく、バラエティ豊かな話運びと合わせて、飽きさせず楽しませてくれました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
”癒やし”っていう、今やバズワード通り越して半分呪いになってるテーマを扱う難しさを見る前は案じてたけど、そこに縛られず豊かで活きた話に仕上げたの、偉かったなー…。
”癒される””ヒーリング”って、ストレス過多な社会の中で一大産業になってしまった背景もあって、滅茶苦茶イメージが硬直してる言葉だと感じてるんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
そういう腐ったパブリックイメージを睨みつけつつ、固定された概念に囚われず、自由に元気に話しを動かした。
自分たちだけが紡げる物語、生み出せるキャラクターとドラマ、描ける表情と世界にこだわって挑み、それを形にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
僕はアニメを見る時、それを成し遂げて欲しいなと思いながら見ているし、やり遂げてくれてとても嬉しいです。
快作であり、怪作でもありました。フツーじゃねぇ!(褒め言葉)
全体的にゼロ年代深夜アニメの”匂い”があって、オッサンとしては懐かしくも心地よかったのは、好きになる大きな理由でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
でも作画クオリティ、話の運び、作中のリアリティと倫理観など、令和スタンダードに合致するようしっかりブラッシュアップしたから、”今”食えるんだろうな…。
一番好きなキャラは…選べねーなみんな好きだなマジ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
最終話で『五城玲美、やっぱおもしれー女過ぎる…』と思い出させてくれて玲美ちゃん…って言いたいけど、”翔ぶ”ことを最速で選ぶ響ちゃんの靭やかさもいいしなー…。
みんな生き生きとチャーミングで、好きになれて良かったです。
ヘンテコで、独特で、面白いアニメを見れて、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
随所にこだわりが見える割に、それが作品の足を縛らずむしろ自由にしているのは、入江監督の闊達自在…なのかな、やっぱ。
凄く大層なことを、肩の力を抜いてやって見せてるところが、見ていて気持ちよかったです。
こんだけいいアニメに後押しされて、ブッチギリの歌の巧さを見せられちゃうと、声優ユニット”ヒーラーガールズ”の今後も、応援したくなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
そういう心境に視聴者を実際導いてて、RPアニメとして大成功なんじゃねーかな、とかも思った。
こんだけヘンなアニメでそこ達成しちゃうの、ホント凄いよね。
ヒーラーのいる世界を舞台にしたSFとして、笑顔と陰りが入り交じる青春群像劇として、それでも明るく楽しい”癒やし”の物語として。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月25日
大変面白かったです。
お疲れ様でした、ありがとう!